この法律は、人工知能関連技術が我が国の経済社会の発展の基盤となる技術であることに鑑み、人工知能関連技術の研究開発 及び活用の推進に関する施策について、基本理念 並びに人工知能関連技術の研究開発 及び活用の推進に関する基本的な計画の策定 その他の施策の基本となる事項を定めるとともに、人工知能戦略本部を設置することにより、科学技術・イノベーション基本法(平成七年法律第百三十号)及びデジタル社会形成基本法(令和三年法律第三十五号)その他の関係法律による施策と相まって、人工知能関連技術の研究開発 及び活用の推進に関する施策の総合的かつ計画的な推進を図り、もって国民生活の向上 及び国民経済の健全な発展に寄与することを目的とする。
人工知能関連技術の研究開発及び活用の推進に関する法律
第一章 総則
この法律において、「人工知能関連技術」とは、人工的な方法により人間の認知、推論 及び判断に係る知的な能力を代替する機能を実現するために必要な技術 並びに入力された情報を当該技術を利用して処理し、その結果を出力する機能を実現するための情報処理システムに関する技術をいう。
人工知能関連技術の研究開発 及び活用の推進は、科学技術・イノベーション基本法第三条に定める科学技術・イノベーション創出の振興に関する方針 及びデジタル社会形成基本法第二章に定める基本理念のほか、この条に定める基本理念に基づいて行うものとする。
人工知能関連技術の研究開発 及び活用は、不正な目的 又は不適切な方法で行われた場合には、犯罪への利用、個人情報の漏えい、著作権の侵害 その他の国民生活の平穏 及び国民の権利利益が害される事態を助長するおそれがあることに鑑み、その適正な実施を図るため、人工知能関連技術の研究開発 及び活用の過程の透明性の確保 その他の必要な施策が講じられなければならない。
国は、前条に定める基本理念(以下「基本理念」という。)にのっとり、人工知能関連技術の研究開発 及び活用の推進に関する施策を総合的かつ計画的に策定し、及び実施する責務を有する。
国は、行政事務の効率化 及び高度化を図るため、国の行政機関における人工知能関連技術の積極的な活用を進めるものとする。
地方公共団体は、基本理念にのっとり、人工知能関連技術の研究開発 及び活用の推進に関し、国との適切な役割分担の下、地方公共団体が実施すべき施策として、その地方公共団体の区域の特性を生かした自主的な施策を策定し、及び実施する責務を有する。
大学、科学技術・イノベーション創出の活性化に関する法律(平成二十年法律第六十三号)第二条第九項に規定する研究開発法人 その他の人工知能関連技術の研究開発を行う機関(以下「研究開発機関」という。)は、基本理念にのっとり、人工知能関連技術の研究開発 及びその成果の普及 並びに専門的かつ幅広い知識を有する人材の育成に積極的に努めるとともに、第四条の規定に基づき国が実施する施策 及び前条の規定に基づき地方公共団体が実施する施策に協力するよう努めるものとする。
国 及び地方公共団体は、人工知能関連技術の研究開発 及び活用の推進に関する施策で大学に係るものを策定し、及び実施するに当たっては、大学における研究活動の活性化を図るよう努めるとともに、研究者の自主性の尊重 その他の大学における研究の特性に配慮しなければならない。
研究開発機関は、人工知能関連技術の研究開発を効果的に進めるに当たっては、人文科学 及び自然科学に関する多様な分野の知見を総合的に活用することが必要であることに鑑み、学際的 又は総合的な研究開発に努めるものとする。
人工知能関連技術を活用した製品 又はサービスの開発 又は提供をしようとする者 その他の人工知能関連技術を事業活動において活用しようとする者(以下「活用事業者」という。)は、基本理念にのっとり、自ら積極的な人工知能関連技術の活用により事業活動の効率化 及び高度化 並びに新産業の創出に努めるとともに、第四条の規定に基づき国が実施する施策 及び第五条の規定に基づき地方公共団体が実施する施策に協力しなければならない。
国民は、基本理念にのっとり、人工知能関連技術に対する理解と関心を深めるとともに、第四条の規定に基づき国が実施する施策 及び第五条の規定に基づき地方公共団体が実施する施策に協力するよう努めるものとする。
国は、国、地方公共団体、研究開発機関 及び活用事業者が相互に連携を図りながら協力することにより人工知能関連技術の研究開発 及び活用の推進が図られることに鑑み、これらの者の間の連携の強化に必要な施策を講ずるものとする。
国は、人工知能関連技術の研究開発 及び活用の推進に関する施策を実施するため必要な法制上 又は財政上の措置 その他の措置を講ずるものとする。