人工知能関連技術の研究開発及び活用の推進に関する法律

令和七年法律第五十三号
略称 : AI法 
分類 法律
カテゴリ   産業通則
* この法令は 改定後の情報へ適用するのため、本文内容を編集中です。
最終編集日 : 2026年 09月23日 06時44分

T
  • 第一章 総則

  • 第二章 基本的施策

  • 第三章 人工知能基本計画

  • 第四章 人工知能戦略本部

第一章 総則

1項

この法律は、人工知能関連技術が我が国の経済社会の発展の基盤となる技術であることに鑑み、人工知能関連技術の研究開発 及び活用の推進に関する施策について、基本理念 並びに人工知能関連技術の研究開発 及び活用の推進に関する基本的な計画の策定 その他の施策の基本となる事項を定めるとともに、人工知能戦略本部を設置することにより、科学技術・イノベーション基本法平成七年法律第百三十号)及びデジタル社会形成基本法令和三年法律第三十五号)その他の関係法律による施策と相まって、人工知能関連技術の研究開発 及び活用の推進に関する施策の総合的かつ計画的な推進を図り、もって国民生活の向上 及び国民経済の健全な発展に寄与することを目的とする。

1項

この法律において、「人工知能関連技術」とは、人工的な方法により人間の認知、推論 及び判断に係る知的な能力を代替する機能を実現するために必要な技術 並びに入力された情報を当該技術を利用して処理し、その結果を出力する機能を実現するための情報処理システムに関する技術をいう。

1項

人工知能関連技術の研究開発 及び活用の推進は、科学技術・イノベーション基本法第三条に定める科学技術・イノベーション創出の振興に関する方針 及びデジタル社会形成基本法第二章に定める基本理念のほか、この条に定める基本理念に基づいて行うものとする。

2項
人工知能関連技術の研究開発 及び活用の推進は、人工知能関連技術が、その適正かつ効果的な活用によって行政事務 及び民間の事業活動の著しい効率化 及び高度化 並びに新産業の創出をもたらすものとして経済社会の発展の基盤となる技術であるとともに、安全保障の観点からも重要な技術であることに鑑み、我が国において人工知能関連技術の研究開発を行う能力を保持するとともに、人工知能関連技術に関する産業の国際競争力を向上させることを旨として、行うものとする。
3項
人工知能関連技術の研究開発 及び活用の推進は、人工知能関連技術の基礎研究から国民生活 及び経済活動における活用に至るまでの各段階の関係者による取組が相互に密接な関連を有することに鑑み、これらの取組を総合的かつ計画的に推進することを旨として、行うものとする。
4項

人工知能関連技術の研究開発 及び活用は、不正な目的 又は不適切な方法で行われた場合には、犯罪への利用、個人情報の漏えい、著作権の侵害 その他の国民生活の平穏 及び国民の権利利益が害される事態を助長するおそれがあることに鑑み、その適正な実施を図るため、人工知能関連技術の研究開発 及び活用の過程の透明性の確保 その他の必要な施策が講じられなければならない。

5項
人工知能関連技術の研究開発 及び活用は、我が国 及び国際社会の平和と発展に寄与するものとなるよう、国際的協調の下に推進することを旨とし、我が国が人工知能関連技術の研究開発 及び活用に関する国際協力において主導的な役割を果たすよう努めるものとする。
1項

は、前条に定める基本理念(以下「基本理念」という。)にのっとり、人工知能関連技術の研究開発 及び活用の推進に関する施策を総合的かつ計画的に策定し、及び実施する責務を有する。

2項

は、行政事務の効率化 及び高度化を図るため、国の行政機関における人工知能関連技術の積極的な活用を進めるものとする。

1項

地方公共団体は、基本理念にのっとり、人工知能関連技術の研究開発 及び活用の推進に関し、国との適切な役割分担の下、地方公共団体が実施すべき施策として、その地方公共団体の区域の特性を生かした自主的な施策を策定し、及び実施する責務を有する。

1項

大学科学技術・イノベーション創出の活性化に関する法律平成二十年法律第六十三号第二条第九項に規定する研究開発法人 その他の人工知能関連技術の研究開発を行う機関以下「研究開発機関」という。)は、基本理念にのっとり、人工知能関連技術の研究開発 及びその成果の普及 並びに専門的かつ幅広い知識を有する人材の育成に積極的に努めるとともに、第四条の規定に基づきが実施する施策 及び前条の規定に基づき地方公共団体が実施する施策に協力するよう努めるものとする。

2項

及び地方公共団体は、人工知能関連技術の研究開発 及び活用の推進に関する施策で大学に係るものを策定し、及び実施するに当たっては、大学における研究活動の活性化を図るよう努めるとともに、研究者の自主性の尊重 その他の大学における研究の特性に配慮しなければならない。

3項

研究開発機関は、人工知能関連技術の研究開発を効果的に進めるに当たっては、人文科学 及び自然科学に関する多様な分野の知見を総合的に活用することが必要であることに鑑み、学際的 又は総合的な研究開発に努めるものとする。

1項

人工知能関連技術を活用した製品 又はサービスの開発 又は提供をしようとする者 その他の人工知能関連技術を事業活動において活用しようとする者以下「活用事業者」という。)は、基本理念にのっとり、自ら積極的な人工知能関連技術の活用により事業活動の効率化 及び高度化 並びに新産業の創出に努めるとともに、第四条の規定に基づきが実施する施策 及び第五条の規定に基づき地方公共団体が実施する施策に協力しなければならない。

1項

国民は、基本理念にのっとり、人工知能関連技術に対する理解と関心を深めるとともに、第四条の規定に基づきが実施する施策 及び第五条の規定に基づき地方公共団体が実施する施策に協力するよう努めるものとする。

1項

は、国、地方公共団体研究開発機関 及び活用事業者が相互に連携を図りながら協力することにより人工知能関連技術の研究開発 及び活用の推進が図られることに鑑み、これらの者の間の連携の強化に必要な施策を講ずるものとする。

1項

は、人工知能関連技術の研究開発 及び活用の推進に関する施策を実施するため必要な法制上 又は財政上の措置 その他の措置を講ずるものとする。

第二章 基本的施策

1項

は、人工知能関連技術の基礎研究から実用化のための研究開発に至るまでの一貫した研究開発の推進研究開発機関における研究開発の成果の移転のための体制の整備、研究開発の成果に係る情報の提供 その他の施策を講ずるものとする。

1項

は、人工知能関連技術の研究開発 及び活用に当たって必要となる大規模な情報処理、情報通信、電磁的記録(電子的方式、磁気的方式 その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られる記録であって、電子計算機による情報処理の用に供されるものをいう。)の保管等に係る施設 及び設備 並びにデータセット(特定の目的をもって収集した情報の集合物をいう。)その他の知的基盤(科学技術・イノベーション創出の活性化に関する法律第二十四条の四に規定する知的基盤をいう。以下この条において同じ。)を研究開発機関 及び活用事業者が広く利用できるようにするため、これらの施設 及び設備 並びに知的基盤の整備 及び共用の促進のために必要な施策を講ずるものとする。

1項

は、人工知能関連技術の研究開発 及び活用の適正な実施を図るため、国際的な規範の趣旨に即した指針の整備 その他の必要な施策を講ずるものとする。

1項

は、地方公共団体研究開発機関 及び活用事業者と緊密な連携協力を図りながら、人工知能関連技術の基礎研究から国民生活 及び経済活動における活用に至るまでの各段階において必要となる専門的かつ幅広い知識を有する多様な分野の人材の確保、養成 及び資質の向上に必要な施策を講ずるものとする。

1項

は、国民が広く人工知能関連技術に対する理解と関心を深めるよう、人工知能関連技術に関する教育 及び学習の振興、広報活動の充実 その他の必要な施策を講ずるものとする。

1項

は、国内外の人工知能関連技術の研究開発 及び活用の動向に関する情報の収集、不正な目的 又は不適切な方法による人工知能関連技術の研究開発 又は活用に伴って国民の権利利益の侵害が生じた事案の分析 及びそれに基づく対策の検討 その他の人工知能関連技術の研究開発 及び活用の推進に資する調査 及び研究を行い、その結果に基づいて、研究開発機関活用事業者 その他の者に対する指導、助言、情報の提供 その他の必要な措置を講ずるものとする。

1項

は、人工知能関連技術の研究開発 及び活用に関する国際協力を推進するとともに、国際的な規範の策定に積極的に参画するものとする。

第三章 人工知能基本計画

1項

政府は、基本理念にのっとり、前章に定める基本的施策を踏まえ、人工知能関連技術の研究開発 及び活用の推進に関する基本的な計画(以下「人工知能基本計画」という。)を定めるものとする。

2項
人工知能基本計画は、次に掲げる事項について定めるものとする。
一 号
人工知能関連技術の研究開発 及び活用の推進に関する施策についての基本的な方針
二 号
人工知能関連技術の研究開発 及び活用の推進に関し、政府が総合的かつ計画的に講ずべき施策
三 号

前二号に掲げるもののほか、人工知能関連技術の研究開発 及び活用の推進に関する施策を政府が総合的かつ計画的に推進するために必要な事項

3項

内閣総理大臣は、人工知能戦略本部の作成した人工知能基本計画の案について閣議の決定を求めるものとする。

4項

内閣総理大臣は、前項の閣議の決定があったときは、遅滞なく、人工知能基本計画を公表するものとする。

5項

前二項の規定は、人工知能基本計画の変更について準用する。

第四章 人工知能戦略本部

1項

人工知能関連技術の研究開発 及び活用の推進に関する施策を総合的かつ計画的に推進するため、内閣に、人工知能戦略本部以下「本部」という。)を置く。

1項

本部は、次に掲げる事務をつかさどる。

一 号
人工知能基本計画の案の作成 及び実施の推進に関すること。
二 号

前号に掲げるもののほか、人工知能関連技術の研究開発 及び活用の推進に関する施策で重要なものの企画 及び立案 並びに総合調整に関すること。

1項

本部は、人工知能戦略本部長、人工知能戦略副本部長 及び人工知能戦略本部員をもって組織する。

1項

本部の長は、人工知能戦略本部長以下「本部長」という。)とし、内閣総理大臣をもって充てる。

2項

本部長は、本部の事務を総括し、所部の職員を指揮監督する。

1項

本部に、人工知能戦略副本部長次項 及び次条第二項において「副本部長」という。)を置き、内閣官房長官 及び人工知能戦略担当大臣(内閣総理大臣の命を受けて、人工知能関連技術の研究開発 及び活用の総合的かつ計画的な推進に関し内閣総理大臣を助けることをその職務とする国務大臣をいう。)をもって充てる。

2項

副本部長は、本部長の職務を助ける。

1項

本部に、人工知能戦略本部員次項において「本部員」という。)を置く。

2項

本部員は、本部長 及び副本部長以外の全ての国務大臣をもって充てる。

1項

本部は、その所掌事務を遂行するため必要があると認めるときは、関係行政機関、地方公共団体、独立行政法人(独立行政法人通則法平成十一年法律第百三号第二条第一項に規定する独立行政法人をいう。)及び地方独立行政法人(地方独立行政法人法平成十五年法律第百十八号第二条第一項に規定する地方独立行政法人をいう。)の 並びに特殊法人(法律により直接に設立された法人 又は特別の法律により特別の設立行為をもって設立された法人であって、総務省設置法平成十一年法律第九十一号第四条第一項第八号の規定の適用を受けるものをいう。)の代表者に対して、資料の提出、意見の表明、説明 その他必要な協力を求めることができる。

2項

本部は、その所掌事務を遂行するために特に必要があると認めるときは、前項規定する者以外の者に対しても、必要な協力を依頼することができる。

1項

本部に関する事務は、内閣府において処理する。

1項

本部に係る事項については、内閣法昭和二十二年法律第五号)にいう主任の大臣は、内閣総理大臣とする。

1項

この法律に定めるもののほか本部に関し必要な事項は、政令で定める。