仲裁合意は、法令に別段の定めがある場合を除き、当事者が和解をすることができる民事上の紛争(離婚 又は離縁の紛争を除く。)を対象とする場合に限り、その効力を有する。
仲裁法
第二章 仲裁合意
仲裁合意は、当事者の全部が署名した文書、当事者が交換した書簡 又は電報(ファクシミリ装置 その他の隔地者間の通信手段で文字による通信内容の記録が受信者に提供されるものを用いて送信されたものを含む。)その他の書面によってしなければならない。
仲裁合意がその内容を記録した電磁的記録(電子的方式、磁気的方式 その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られる記録であって、電子計算機による情報処理の用に供されるものをいう。第六項において同じ。)によってされたときは、その仲裁合意は、書面によってされたものとみなす。
仲裁手続において、一方の当事者が提出した主張書面に仲裁合意の内容の記載があり、これに対して他方の当事者が提出した主張書面にこれを争う旨の記載がないときは、その仲裁合意は、書面によってされたものとみなす。
仲裁合意を含む一の契約において、仲裁合意以外の契約条項が無効、取消し その他の事由により効力を有しないものとされる場合においても、仲裁合意は、当然には、その効力を妨げられない。
仲裁合意の対象となる民事上の紛争について訴えが提起されたときは、受訴裁判所は、被告の申立てにより、訴えを却下しなければならない。
ただし、次に掲げる場合は、この限りでない。
仲裁合意が無効、取消し その他の事由により効力を有しないとき。
仲裁合意に基づく仲裁手続を行うことができないとき。
当該申立てが、本案について、被告が弁論をし、又は弁論準備手続において申述をした後にされたものであるとき。
仲裁廷は、前項の訴えに係る訴訟が裁判所に係属する間においても、仲裁手続を開始し、又は続行し、かつ、仲裁判断をすることができる。
仲裁合意は、その当事者が、当該仲裁合意の対象となる民事上の紛争に関して、仲裁手続の開始前 又は進行中に、裁判所に対して保全処分の申立てをすること、及びその申立てを受けた裁判所が保全処分を命ずることを妨げない。