会社法

# 平成十七年法律第八十六号 #

第一款 通則

分類 法律
カテゴリ   民事
@ 施行日 : 令和五年六月十四日 ( 2023年 6月14日 )
@ 最終更新 : 令和五年法律第五十三号による改正
最終編集日 : 2024年 10月13日 07時55分

1項

第八百六十八条第一項の規定にかかわらず、法人が株式会社の総株主(株主総会において決議をすることができる事項の全部につき議決権を行使することができない株主を除く次項において同じ。)の議決権の過半数を有する場合には、当該法人(以下 この条において「親法人」という。)について特別清算事件、破産事件、再生事件 又は更生事件(以下この条において「特別清算事件等」という。)が係属しているときにおける当該株式会社についての特別清算開始の申立ては、親法人の特別清算事件等が係属している地方裁判所にもすることができる。

2項

前項に規定する株式会社 又は親法人 及び同項に規定する株式会社が他の株式会社の総株主の議決権の過半数を有する場合には、当該他の株式会社についての特別清算開始の申立ては、親法人の特別清算事件等が係属している地方裁判所にもすることができる。

3項

前二項の規定の適用については、第三百八条第一項の法務省令で定める株主は、その有する株式について、議決権を有するものとみなす。

4項

第八百六十八条第一項の規定にかかわらず、株式会社が最終事業年度について第四百四十四条の規定により当該株式会社 及び他の株式会社に係る連結計算書類を作成し、かつ、当該株式会社の定時株主総会においてその内容が報告された場合には、当該株式会社について特別清算事件等が係属しているときにおける当該他の株式会社についての特別清算開始の申立ては、当該株式会社の特別清算事件等が係属している地方裁判所にもすることができる。

1項

第八百六十八条第一項の規定にかかわらず、清算株式会社について特別清算開始の命令があったときは、当該清算株式会社についての第二編第九章第一節第五百八条除く)の規定による申立てに係る事件(次項において「通常清算事件」という。)は、当該清算株式会社の特別清算事件が係属する地方裁判所(以下 この節において「特別清算裁判所」という。)が管轄する。

2項

通常清算事件が係属する地方裁判所以外の地方裁判所に同一の清算株式会社について特別清算事件が係属し、かつ、特別清算開始の命令があった場合において、当該通常清算事件を処理するために相当と認めるときは、裁判所(通常清算事件を取り扱う一人の裁判官 又は裁判官の合議体をいう。)は、職権で、当該通常清算事件を特別清算裁判所に移送することができる。

1項

第二編第九章第二節第五百四十七条第三項除く)の規定による許可の申立てについては、第八百六十九条の規定は、適用しない

1項

特別清算の手続に関する決定で即時抗告をすることができるものには、理由を付さなければならない。


ただし第五百二十六条第一項同条第二項において準用する場合を含む。)及び第五百三十二条第一項第五百三十四条において準用する場合を含む。)の規定による決定については、この限りでない。

2項

特別清算の手続に関する決定については、第八百七十一条の規定は、適用しない

1項

この節の規定による裁判書の送達については、民事訴訟法第一編第五章第四節第百四条除く)の規定を準用する。

1項

特別清算の手続に関する裁判につき利害関係を有する者は、この節に特別の定めがある場合に限り、当該裁判に対し即時抗告をすることができる。

2項

前項の即時抗告は、この節に特別の定めがある場合を除き、執行停止の効力を有する。

1項

この節の規定による公告は、官報に掲載してする。

2項

前項の公告は、掲載があった日の翌日に、その効力を生ずる。

1項

利害関係人は、裁判所書記官に対し、第二編第九章第二節 若しくはこの節 又は非訟事件手続法第二編特別清算開始の命令があった場合にあっては、同章第一節 若しくは第二節 若しくは第一節同章第一節の規定による申立てに係る事件に係る部分に限る)若しくはこの節 又は非訟事件手続法第二編)の規定(これらの規定において準用するこの法律 その他の法律の規定を含む。)に基づき、裁判所に提出され、又は裁判所が作成した文書 その他の物件(以下 この条 及び次条第一項において「文書等」という。)の閲覧を\請求することができる。

2項

利害関係人は、裁判所書記官に対し、文書等の謄写、その正本、謄本 若しくは抄本の交付又は事件に関する事項の証明書の交付を請求することができる。

3項

前項の規定は、文書等のうち録音テープ 又はビデオテープ(これらに準ずる方法により一定の事項を記録した物を含む。)に関しては、適用しない


この場合において、これらの物について利害関係人の請求があるときは、裁判所書記官は、その複製を許さなければならない。

4項

前三項の規定にかかわらず次の各号に掲げる者は、当該各号に定める命令、保全処分、処分 又は裁判のいずれかがあるまでの間は、前三項の規定による請求をすることができない


ただし、当該者が特別清算開始の申立人である場合は、この限りでない。

一 号

清算株式会社以外の利害関係人

第五百十二条の規定による中止の命令、第五百四十条第二項の規定による保全処分、第五百四十一条第二項の規定による処分 又は特別清算開始の申立てについての裁判

二 号

清算株式会社

特別清算開始の申立てに関する清算株式会社を呼び出す審問の期日の指定の裁判 又は前号に定める命令、保全処分、処分 若しくは裁判

5項

非訟事件手続法第三十二条第一項から第四項までの規定は、特別清算の手続には、適用しない

1項

次に掲げる文書等について、利害関係人がその閲覧 若しくは謄写、その正本、謄本 若しくは抄本の交付 又はその複製(以下 この条において「閲覧等」という。)を行うことにより、清算株式会社の清算の遂行に著しい支障を生ずるおそれがある部分(以下 この条において「支障部分」という。)があることにつき疎明があった場合には、裁判所は、当該文書等を提出した清算株式会社 又は調査委員の申立てにより、支障部分の閲覧等の請求をすることができる者を、当該申立てをした者 及び清算株式会社に限ることができる。

一 号

第五百二十条の規定による報告又は第五百二十二条第一項に規定する調査の結果の報告に係る文書等

二 号

第五百三十五条第一項 又は第五百三十六条第一項の許可を得るために裁判所に提出された文書等

2項

前項の申立てがあったときは、その申立てについての裁判が確定するまで、利害関係人(同項の申立てをした者 及び清算株式会社を除く次項において同じ。)は、支障部分の閲覧等の請求をすることができない

3項

支障部分の閲覧等の請求をしようとする利害関係人は、特別清算裁判所に対し、第一項に規定する要件を欠くこと 又はこれを欠くに至ったことを理由として、同項の規定による決定の取消しの申立てをすることができる。

4項

第一項の申立てを却下する決定 及び前項の申立てについての裁判に対しては、即時抗告をすることができる。

5項

第一項の規定による決定を取り消す決定は、確定しなければその効力を生じない。