株式会社は、その発行する新株予約権を引き受ける者の募集をしようとするときは、その都度、募集新株予約権(当該募集に応じて当該新株予約権の引受けの申込みをした者に対して割り当てる新株予約権をいう。以下 この章において同じ。)について次に掲げる事項(以下 この節において「募集事項」という。)を定めなければならない。
会社法
第二節 新株予約権の発行
⤏ 第一款 募集事項の決定等
募集新株予約権と引換えに金銭の払込みを要しないこととする場合には、その旨
前号に規定する場合以外の場合には、募集新株予約権の払込金額(募集新株予約権一個と引換えに払い込む金銭の額をいう。以下 この章において同じ。) 又はその算定方法
募集新株予約権を割り当てる日(以下 この節において「割当日」という。)
募集新株予約権と引換えにする金銭の払込みの期日を定めるときは、その期日
募集新株予約権が新株予約権付社債に付されたものである場合には、第六百七十六条各号に掲げる事項
前号に規定する場合において、同号の新株予約権付社債に付された募集新株予約権についての第百十八条第一項、第百七十九条第二項、第七百七十七条第一項、第七百八十七条第一項 又は第八百八条第一項の規定による請求の方法につき別段の定めをするときは、その定め
募集事項の決定は、株主総会の決議によらなければならない。
次に掲げる場合には、取締役は、前項の株主総会において、第一号の条件 又は第二号の金額で募集新株予約権を引き受ける者の募集をすることを必要とする理由を説明しなければならない。
第一項第二号に規定する場合において、金銭の払込みを要しないこととすることが当該者に特に有利な条件であるとき。
第一項第三号に規定する場合において、同号の払込金額が当該者に特に有利な金額であるとき。
種類株式発行会社において、募集新株予約権の目的である株式の種類の全部 又は一部が譲渡制限株式であるときは、当該募集新株予約権に関する募集事項の決定は、当該種類の株式を目的とする募集新株予約権を引き受ける者の募集について当該種類の株式の種類株主を構成員とする種類株主総会の決議を要しない旨の定款の定めがある場合を除き、当該種類株主総会の決議がなければ、その効力を生じない。
ただし、当該種類株主総会において議決権を行使することができる種類株主が存しない場合は、この限りでない。
募集事項は、第一項の募集ごとに、均等に定めなければならない。
前条第二項 及び第四項の規定にかかわらず、株主総会においては、その決議によって、募集事項の決定を取締役(取締役会設置会社にあっては、取締役会)に委任することができる。
この場合においては、次に掲げる事項を定めなければならない。
その委任に基づいて募集事項の決定をすることができる募集新株予約権の内容 及び数の上限
前号の募集新株予約権につき金銭の払込みを要しないこととする場合には、その旨
前号に規定する場合以外の場合には、募集新株予約権の払込金額の下限
次に掲げる場合には、取締役は、前項の株主総会において、第一号の条件 又は第二号の金額で募集新株予約権を引き受ける者の募集をすることを必要とする理由を説明しなければならない。
前項第二号に規定する場合において、金銭の払込みを要しないこととすることが当該者に特に有利な条件であるとき。
前項第三号に規定する場合において、同号の払込金額の下限が当該者に特に有利な金額であるとき。
第一項の決議は、割当日が当該決議の日から一年以内の日である前条第一項の募集についてのみ その効力を有する。
種類株式発行会社において、募集新株予約権の目的である株式の種類の全部 又は一部が譲渡制限株式であるときは、当該募集新株予約権に関する募集事項の決定の委任は、前条第四項の定款の定めがある場合を除き、当該種類株主総会の決議がなければ、その効力を生じない。
ただし、当該種類株主総会において議決権を行使することができる種類株主が存しない場合は、この限りでない。
第二百三十八条第三項各号に掲げる場合を除き、公開会社における同条第二項の規定の適用については、
同項中
「株主総会」とあるのは、
「取締役会」と
する。
この場合においては、前条の規定は、適用しない。
公開会社は、前項の規定により読み替えて適用する第二百三十八条第二項の取締役会の決議によって募集事項を定めた場合には、割当日の二週間前までに、株主に対し、当該募集事項を通知しなければならない。
前項の規定による通知は、公告をもってこれに代えることができる。
第二項の規定は、株式会社が募集事項について割当日の二週間前までに金融商品取引法第四条第一項から第三項までの届出をしている場合 その他の株主の保護に欠けるおそれがないものとして法務省令で定める場合には、適用しない。
株式会社は、第二百三十八条第一項の募集において、株主に新株予約権の割当てを受ける権利を与えることができる。
この場合においては、募集事項のほか、次に掲げる事項を定めなければならない。
株主に対し、次条第二項の申込みをすることにより当該株式会社の募集新株予約権(種類株式発行会社にあっては、その目的である株式の種類が当該株主の有する種類の株式と同一の種類のもの)の割当てを受ける権利を与える旨
前号の募集新株予約権の引受けの申込みの期日
前項の場合には、同項第一号の株主(当該株式会社を除く。)は、その有する株式の数に応じて募集新株予約権の割当てを受ける権利を有する。
ただし、当該株主が割当てを受ける募集新株予約権の数に一に満たない端数があるときは、これを切り捨てるものとする。
第一項各号に掲げる事項を定める場合には、募集事項 及び同項各号に掲げる事項は、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定める方法によって定めなければならない。
当該募集事項 及び第一項各号に掲げる事項を取締役の決定によって定めることができる旨の定款の定めがある場合(株式会社が取締役会設置会社である場合を除く。)
取締役の決定
当該募集事項 及び第一項各号に掲げる事項を取締役会の決議によって定めることができる旨の定款の定めがある場合(次号に掲げる場合を除く。)
取締役会の決議
株式会社が公開会社である場合
取締役会の決議
前三号に掲げる場合以外の場合
株主総会の決議
株式会社は、第一項各号に掲げる事項を定めた場合には、同項第二号の期日の二週間前までに、同項第一号の株主(当該株式会社を除く。)に対し、次に掲げる事項を通知しなければならない。
当該株主が割当てを受ける募集新株予約権の内容 及び数
第一項第二号の期日
第二百三十八条第二項から第四項まで 及び前二条の規定は、第一項から第三項までの規定により株主に新株予約権の割当てを受ける権利を与える場合には、適用しない。
⤏ 第二款 募集新株予約権の割当て
株式会社は、第二百三十八条第一項の募集に応じて募集新株予約権の引受けの申込みをしようとする者に対し、次に掲げる事項を通知しなければならない。
新株予約権の行使に際して金銭の払込みをすべきときは、払込みの取扱いの場所
前三号に掲げるもののほか、法務省令で定める事項
第二百三十八条第一項の募集に応じて募集新株予約権の引受けの申込みをする者は、次に掲げる事項を記載した書面を株式会社に交付しなければならない。
申込みをする者の氏名 又は名称 及び住所
前項の申込みをする者は、同項の書面の交付に代えて、政令で定めるところにより、株式会社の承諾を得て、同項の書面に記載すべき事項を電磁的方法により提供することができる。
この場合において、当該申込みをした者は、同項の書面を交付したものとみなす。
第一項の規定は、株式会社が同項各号に掲げる事項を記載した金融商品取引法第二条第十項に規定する目論見書を第一項の申込みをしようとする者に対して交付している場合 その他募集新株予約権の引受けの申込みをしようとする者の保護に欠けるおそれがないものとして法務省令で定める場合には、適用しない。
株式会社は、第一項各号に掲げる事項について変更があったときは、直ちに、その旨 及び当該変更があった事項を第二項の申込みをした者(以下 この款において「申込者」という。)に通知しなければならない。
募集新株予約権が新株予約権付社債に付されたものである場合には、申込者(募集新株予約権のみの申込みをした者に限る。)は、その申込みに係る募集新株予約権を付した新株予約権付社債の引受けの申込みをしたものとみなす。
株式会社が申込者に対してする通知 又は催告は、第二項第一号の住所(当該申込者が別に通知 又は催告を受ける場所 又は連絡先を当該株式会社に通知した場合にあっては、その場所 又は連絡先)にあてて発すれば足りる。
前項の通知 又は催告は、その通知 又は催告が通常到達すべきであった時に、到達したものとみなす。
株式会社は、申込者の中から募集新株予約権の割当てを受ける者を定め、かつ、その者に割り当てる募集新株予約権の数を定めなければならない。
この場合において、株式会社は、当該申込者に割り当てる募集新株予約権の数を、前条第二項第二号の数よりも減少することができる。
次に掲げる場合には、前項の規定による決定は、株主総会(取締役会設置会社にあっては、取締役会)の決議によらなければならない。
ただし、定款に別段の定めがある場合は、この限りでない。
募集新株予約権の目的である株式の全部 又は一部が譲渡制限株式である場合
募集新株予約権が譲渡制限新株予約権(新株予約権であって、譲渡による当該新株予約権の取得について株式会社の承認を要する旨の定めがあるものをいう。以下 この章において同じ。)である場合
株式会社は、割当日の前日までに、申込者に対し、当該申込者に割り当てる募集新株予約権の数(当該募集新株予約権が新株予約権付社債に付されたものである場合にあっては、当該新株予約権付社債についての社債の種類 及び各社債の金額の合計額を含む。)を通知しなければならない。
第二百四十一条の規定により株主に新株予約権の割当てを受ける権利を与えた場合において、株主が同条第一項第二号の期日までに前条第二項の申込みをしないときは、当該株主は、募集新株予約権の割当てを受ける権利を失う。
前二条の規定は、募集新株予約権を引き受けようとする者がその総数の引受けを行う契約を締結する場合には、適用しない。
募集新株予約権が新株予約権付社債に付されたものである場合における前項の規定の適用については、
同項中
「の引受け」とあるのは、
「及び当該募集新株予約権を付した社債の総額の引受け」と
する。
第一項に規定する場合において、次に掲げるときは、株式会社は、株主総会(取締役会設置会社にあっては、取締役会)の決議によって、同項の契約の承認を受けなければならない。
ただし、定款に別段の定めがある場合は、この限りでない。
募集新株予約権の目的である株式の全部 又は一部が譲渡制限株式であるとき。
募集新株予約権が譲渡制限新株予約権であるとき。
公開会社は、募集新株予約権の割当てを受けた申込者 又は前条第一項の契約により募集新株予約権の総数を引き受けた者(以下 この項において「引受人」と総称する。)について、第一号に掲げる数の第二号に掲げる数に対する割合が二分の一を超える場合には、割当日の二週間前までに、株主に対し、当該引受人(以下 この項 及び第五項において「特定引受人」という。)の氏名 又は名称 及び住所、当該特定引受人についての第一号に掲げる数 その他の法務省令で定める事項を通知しなければならない。
ただし、当該特定引受人が当該公開会社の親会社等である場合 又は第二百四十一条の規定により株主に新株予約権の割当てを受ける権利を与えた場合は、この限りでない。
当該引受人(その子会社等を含む。)がその引き受けた募集新株予約権に係る交付株式の株主となった場合に有することとなる最も多い議決権の数
前号に規定する場合における最も多い総株主の議決権の数
前項第一号に規定する「交付株式」とは、募集新株予約権の目的である株式、募集新株予約権の内容として第二百三十六条第一項第七号ニに掲げる事項についての定めがある場合における同号ニの株式 その他募集新株予約権の新株予約権者が交付を受ける株式として法務省令で定める株式をいう。
第一項の規定による通知は、公告をもってこれに代えることができる。
第一項の規定にかかわらず、株式会社が同項の事項について割当日の二週間前までに金融商品取引法 第四条第一項から第三項までの届出をしている場合その他の株主の保護に欠けるおそれがないものとして法務省令で定める場合には、第一項の規定による通知は、することを要しない。
総株主(この項の株主総会において議決権を行使することができない株主を除く。)の議決権の十分の一(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の議決権を有する株主が第一項の規定による通知 又は第三項の公告の日(前項の場合にあっては、法務省令で定める日)から二週間以内に特定引受人(その子会社等を含む。以下 この項において同じ。)による募集新株予約権の引受けに反対する旨を公開会社に対し通知したときは、当該公開会社は、割当日の前日までに、株主総会の決議によって、当該特定引受人に対する募集新株予約権の割当て又は当該特定引受人との間の前条第一項の契約の承認を受けなければならない。
ただし、当該公開会社の財産の状況が著しく悪化している場合において、当該公開会社の事業の継続のため緊急の必要があるときは、この限りでない。
第三百九条第一項の規定にかかわらず、前項の株主総会の決議は、議決権を行使することができる株主の議決権の過半数(三分の一以上の割合を定款で定めた場合にあっては、その割合以上)を有する株主が出席し、出席した当該株主の議決権の過半数(これを上回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合以上)をもって行わなければならない。
次の各号に掲げる者は、割当日に、当該各号に定める募集新株予約権の新株予約権者となる。
申込者
株式会社の割り当てた募集新株予約権
第二百四十四条第一項の契約により募集新株予約権の総数を引き受けた者
その者が引き受けた募集新株予約権
募集新株予約権が新株予約権付社債に付されたものである場合には、前項の規定により募集新株予約権の新株予約権者となる者は、当該募集新株予約権を付した新株予約権付社債についての社債の社債権者となる。
⤏ 第三款 募集新株予約権に係る払込み
第二百三十八条第一項第三号に規定する場合には、新株予約権者は、募集新株予約権についての第二百三十六条第一項第四号の期間の初日の前日(第二百三十八条第一項第五号に規定する場合にあっては、同号の期日。第三項において「払込期日」という。)までに、株式会社が定めた銀行等の払込みの取扱いの場所において、それぞれの募集新株予約権の払込金額の全額を払い込まなければならない。
前項の規定にかかわらず、新株予約権者は、株式会社の承諾を得て、同項の規定による払込みに代えて、払込金額に相当する金銭以外の財産を給付し、又は当該株式会社に対する債権をもって相殺することができる。
第二百三十八条第一項第三号に規定する場合には、新株予約権者は、募集新株予約権についての払込期日までに、それぞれの募集新株予約権の払込金額の全額の払込み(当該払込みに代えてする金銭以外の財産の給付 又は当該株式会社に対する債権をもってする相殺を含む。)をしないときは、当該募集新株予約権を行使することができない。
⤏ 第四款 募集新株予約権の発行をやめることの請求
次に掲げる場合において、株主が不利益を受けるおそれがあるときは、株主は、株式会社に対し、第二百三十八条第一項の募集に係る新株予約権の発行をやめることを請求することができる。
当該新株予約権の発行が法令 又は定款に違反する場合
当該新株予約権の発行が著しく不公正な方法により行われる場合
⤏ 第五款 雑則
第六百七十六条から第六百八十条までの規定は、新株予約権付社債についての社債を引き受ける者の募集については、適用しない。