株式交付親会社は、株式交付計画備置開始日から株式交付がその効力を生ずる日(以下 この節において「効力発生日」という。)後六箇月を経過する日までの間、株式交付計画の内容 その他法務省令で定める事項を記載し、又は記録した書面 又は電磁的記録をその本店に備え置かなければならない。
会社法
第四節 株式交付の手続
前項に規定する「株式交付計画備置開始日」とは、次に掲げる日のいずれか早い日をいう。
株式交付計画について株主総会(種類株主総会を含む。)の決議によってその承認を受けなければならないときは、当該株主総会の日の二週間前の日(第三百十九条第一項の場合にあっては、同項の提案があった日)
第八百十六条の六第三項の規定による通知の日又は同条第四項の公告の日のいずれか早い日
第八百十六条の八の規定による手続をしなければならないときは、同条第二項の規定による公告の日 又は同項の規定による催告の日のいずれか早い日
株式交付親会社の株主(株式交付に際して株式交付子会社の株式 及び新株予約権等の譲渡人に対して交付する金銭等(株式交付親会社の株式を除く。)が株式交付親会社の株式に準ずるものとして法務省令で定めるもののみである場合以外の場合にあっては、株主 及び債権者)は、株式交付親会社に対して、その営業時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。
ただし、第二号 又は第四号に掲げる請求をするには、当該株式交付親会社の定めた費用を支払わなければならない。
第一項の書面の閲覧の請求
第一項の書面の謄本 又は抄本の交付の請求
第一項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧の請求
第一項の電磁的記録に記録された事項を電磁的方法であって株式交付親会社の定めたものにより提供することの請求又はその事項を記載した書面の交付の請求
株式交付親会社は、効力発生日の前日までに、株主総会の決議によって、株式交付計画の承認を受けなければならない。
株式交付親会社が株式交付子会社の株式 及び新株予約権等の譲渡人に対して交付する金銭等(株式交付親会社の株式等を除く。)の帳簿価額が株式交付親会社が譲り受ける株式交付子会社の株式及び新株予約権等の額として法務省令で定める額を超える場合には、取締役は、前項の株主総会において、その旨を説明しなければならない。
株式交付親会社が種類株式発行会社である場合において、次の各号に掲げるときは、株式交付は、当該各号に定める種類の株式(譲渡制限株式であって、第百九十九条第四項の定款の定めがないものに限る。)の種類株主を構成員とする種類株主総会(当該種類株主に係る株式の種類が二以上ある場合にあっては、当該二以上の株式の種類別に区分された種類株主を構成員とする各種類株主総会)の決議がなければ、その効力を生じない。
ただし、当該種類株主総会において議決権を行使することができる株主が存しない場合は、この限りでない。
株式交付子会社の株式の譲渡人に対して交付する金銭等が株式交付親会社の株式であるとき
第七百七十四条の三第一項第三号の種類の株式
株式交付子会社の新株予約権等の譲渡人に対して交付する金銭等が株式交付親会社の株式であるとき
第七百七十四条の三第一項第八号イの種類の株式
前条第一項 及び第二項の規定は、第一号に掲げる額の第二号に掲げる額に対する割合が五分の一(これを下回る割合を株式交付親会社の定款で定めた場合にあっては、その割合)を超えない場合には、適用しない。
ただし、同項に規定する場合 又は株式交付親会社が公開会社でない場合は、この限りでない。
株式交付子会社の株式及び新株予約権等の譲渡人に対して交付する株式交付親会社の株式の数に一株当たり純資産額を乗じて得た額
株式交付子会社の株式 及び新株予約権等の譲渡人に対して交付する株式交付親会社の社債、新株予約権 又は新株予約権付社債の帳簿価額の合計額
株式交付子会社の株式 及び新株予約権等の譲渡人に対して交付する株式交付親会社の株式等以外の財産の帳簿価額の合計額
株式交付親会社の純資産額として法務省令で定める方法により算定される額
前項本文に規定する場合において、法務省令で定める数の株式(前条第一項の株主総会において議決権を行使することができるものに限る。)を有する株主が第八百十六条の六第三項の規定による通知 又は同条第四項の公告の日から二週間以内に株式交付に反対する旨を株式交付親会社に対し通知したときは、当該株式交付親会社は、効力発生日の前日までに、株主総会の決議によって、株式交付計画の承認を受けなければならない。
株式交付が法令 又は定款に違反する場合において、株式交付親会社の株主が不利益を受けるおそれがあるときは、株式交付親会社の株主は、株式交付親会社に対し、株式交付をやめることを請求することができる。
ただし、前条第一項本文に規定する場合(同項ただし書 又は同条第二項に規定する場合を除く。)は、この限りでない。
株式交付をする場合には、反対株主は、株式交付親会社に対し、自己の有する株式を公正な価格で買い取ることを請求することができる。
ただし、第八百十六条の四第一項本文に規定する場合(同項ただし書 又は同条第二項に規定する場合を除く。)は、この限りでない。
前項に規定する「反対株主」とは、次の各号に掲げる場合における当該各号に定める株主をいう。
株式交付をするために株主総会(種類株主総会を含む。)の決議を要する場合
次に掲げる株主
当該株主総会に先立って当該株式交付に反対する旨を当該株式交付親会社に対し通知し、かつ、当該株主総会において当該株式交付に反対した株主(当該株主総会において議決権を行使することができるものに限る。)
当該株主総会において議決権を行使することができない株主
前号に掲げる場合以外の場合
全ての株主
株式交付親会社は、効力発生日の二十日前までに、その株主に対し、株式交付をする旨 並びに株式交付子会社の商号 及び住所を通知しなければならない。
次に掲げる場合には、前項の規定による通知は、公告をもってこれに代えることができる。
株式交付親会社が公開会社である場合
株式交付親会社が第八百十六条の三第一項の株主総会の決議によって株式交付計画の承認を受けた場合
第一項の規定による請求(以下 この節において「株式買取請求」という。)は、効力発生日の二十日前の日から 効力発生日の前日までの間に、その株式買取請求に係る株式の数(種類株式発行会社にあっては、株式の種類 及び種類ごとの数)を明らかにしてしなければならない。
株券が発行されている株式について株式買取請求をしようとするときは、当該株式の株主は、株式交付親会社に対し、当該株式に係る株券を提出しなければならない。
ただし、当該株券について第二百二十三条の規定による請求をした者については、この限りでない。
株式買取請求をした株主は、株式交付親会社の承諾を得た場合に限り、その株式買取請求を撤回することができる。
株式交付を中止したときは、株式買取請求は、その効力を失う。
第百三十三条の規定は、株式買取請求に係る株式については、適用しない。
株式買取請求があった場合において、株式の価格の決定について、株主と株式交付親会社との間に協議が調ったときは、株式交付親会社は、効力発生日から六十日以内にその支払をしなければならない。
株式の価格の決定について、効力発生日から三十日以内に協議が調わないときは、株主 又は株式交付親会社は、その期間の満了の日後三十日以内に、裁判所に対し、価格の決定の申立てをすることができる。
前条第七項の規定にかかわらず、前項に規定する場合において、効力発生日から六十日以内に同項の申立てがないときは、その期間の満了後は、株主は、いつでも、株式買取請求を撤回することができる。
株式交付親会社は、裁判所の決定した価格に対する第一項の期間の満了の日後の法定利率による利息をも支払わなければならない。
株式交付親会社は、株式の価格の決定があるまでは、株主に対し、当該株式交付親会社が公正な価格と認める額を支払うことができる。
株式買取請求に係る株式の買取りは、効力発生日に、その効力を生ずる。
株券発行会社は、株券が発行されている株式について株式買取請求があったときは、株券と引換えに、その株式買取請求に係る株式の代金を支払わなければならない。
株式交付に際して株式交付子会社の株式 及び新株予約権等の譲渡人に対して交付する金銭等(株式交付親会社の株式を除く。)が株式交付親会社の株式に準ずるものとして法務省令で定めるもののみである場合以外の場合には、株式交付親会社の債権者は、株式交付親会社に対し、株式交付について異議を述べることができる。
前項の規定により株式交付親会社の債権者が異議を述べることができる場合には、株式交付親会社は、次に掲げる事項を官報に公告し、かつ、知れている債権者には、各別にこれを催告しなければならない。
ただし、第四号の期間は、一箇月を下ることができない。
株式交付親会社及び株式交付子会社の計算書類に関する事項として法務省令で定めるもの
債権者が一定の期間内に異議を述べることができる旨
前項の規定にかかわらず、株式交付親会社が同項の規定による公告を、官報のほか、第九百三十九条第一項の規定による定款の定めに従い、同項第二号 又は第三号に掲げる公告方法によりするときは、前項の規定による各別の催告は、することを要しない。
債権者が第二項第四号の期間内に異議を述べなかったときは、当該債権者は、当該株式交付について承認をしたものとみなす。
債権者が第二項第四号の期間内に異議を述べたときは、株式交付親会社は、当該債権者に対し、弁済し、若しくは相当の担保を提供し、又は当該債権者に弁済を受けさせることを目的として信託会社等に相当の財産を信託しなければならない。
ただし、当該株式交付をしても当該債権者を害するおそれがないときは、この限りでない。
株式交付親会社は、効力発生日を変更することができる。
前項の規定による変更後の効力発生日は、株式交付計画において定めた当初の効力発生日から三箇月以内の日でなければならない。
第一項の場合には、株式交付親会社は、変更前の効力発生日(変更後の効力発生日が変更前の効力発生日前の日である場合にあっては、当該変更後の効力発生日)の前日までに、変更後の効力発生日を公告しなければならない。
第一項の規定により効力発生日を変更したときは、変更後の効力発生日を効力発生日とみなして、この節(第二項を除く。) 及び前章(第七百七十四条の三第一項第十一号を除く。)の規定を適用する。
株式交付親会社は、第一項の規定による効力発生日の変更をする場合には、当該変更と同時に第七百七十四条の三第一項第十号の期日を変更することができる。
第三項 及び第四項の規定は、前項の規定による第七百七十四条の三第一項第十号の期日の変更について準用する。
この場合において、
第四項中
「この節(第二項を除く。)及び前章(第七百七十四条の三第一項第十一号を除く。)」とあるのは、
「第七百七十四条の四、第七百七十四条の十 及び前項」と
読み替えるものとする。
株式交付親会社は、効力発生日後遅滞なく、株式交付に際して株式交付親会社が譲り受けた株式交付子会社の株式の数その他の株式交付に関する事項として法務省令で定める事項を記載し、又は記録した書面 又は電磁的記録を作成しなければならない。
株式交付親会社は、効力発生日から六箇月間、前項の書面 又は電磁的記録をその本店に備え置かなければならない。
株式交付親会社の株主(株式交付に際して株式交付子会社の株式 及び新株予約権等の譲渡人に対して交付する金銭等(株式交付親会社の株式を除く。)が株式交付親会社の株式に準ずるものとして法務省令で定めるもののみである場合以外の場合にあっては、株主 及び債権者)は、株式交付親会社に対して、その営業時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。
ただし、第二号 又は第四号に掲げる請求をするには、当該株式交付親会社の定めた費用を支払わなければならない。
前項の書面の閲覧の請求
前項の書面の謄本 又は抄本の交付の請求
前項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧の請求
前項の電磁的記録に記録された事項を電磁的方法であって株式交付親会社の定めたものにより提供することの請求又はその事項を記載した書面の交付の請求