都道府県は、次条第三項に規定する医療費支給認定(以下この条において「医療費支給認定」という。)に係る小児慢性特定疾病児童 又は医療費支給認定を受けた成年患者(以下この条において「医療費支給認定患者」という。)が、次条第六項に規定する医療費支給認定の有効期間内において、指定小児慢性特定疾病医療機関(同条第五項の規定により定められたものに限る。)から当該医療費支給認定に係る小児慢性特定疾病医療支援(以下「指定小児慢性特定疾病医療支援」という。)を受けたときは、厚生労働省令で定めるところにより、当該小児慢性特定疾病児童等に係る同条第七項に規定する医療費支給認定保護者(次項において「医療費支給認定保護者」という。)又は当該医療費支給認定患者に対し、当該指定小児慢性特定疾病医療支援に要した費用について、小児慢性特定疾病医療費を支給する。
児童福祉法
第一目 小児慢性特定疾病医療費の支給
小児慢性特定疾病医療費の額は、一月につき、次に掲げる額の合算額とする。
同一の月に受けた指定小児慢性特定疾病医療支援(食事療養(健康保険法(大正十一年法律第七十号)第六十三条第二項第一号に規定する食事療養をいう。次号、第二十一条の五の二十九第二項 及び第二十四条の二十第二項において同じ。)を除く。)につき健康保険の療養に要する費用の額の算定方法の例により算定した額から、当該医療費支給認定保護者 又は当該医療費支給認定患者の家計の負担能力、当該医療費支給認定に係る小児慢性特定疾病児童等の治療の状況 又は身体の状態、当該医療費支給認定保護者 又は当該医療費支給認定患者と同一の世帯に属する他の医療費支給認定に係る小児慢性特定疾病児童等 及び難病の患者に対する医療等に関する法律(平成二十六年法律第五十号)第七条第一項に規定する支給認定を受けた指定難病(同法第五条第一項に規定する指定難病をいう。)の患者の数 その他の事情をしん酌して政令で定める額(当該政令で定める額が当該算定した額の百分の二十に相当する額を超えるときは、当該相当する額)を控除して得た額
当該指定小児慢性特定疾病医療支援(食事療養に限る。)につき健康保険の療養に要する費用の額の算定方法の例により算定した額から、健康保険法第八十五条第二項に規定する食事療養標準負担額、医療費支給認定保護者 又は医療費支給認定患者の所得の状況 その他の事情を勘案して厚生労働大臣が定める額を控除した額
前項に規定する療養に要する費用の額の算定方法の例によることができないとき、及びこれによることを適当としないときの小児慢性特定疾病医療支援に要する費用の額の算定方法は、厚生労働大臣の定めるところによる。
小児慢性特定疾病児童の保護者 又は成年患者は、前条第一項の規定により小児慢性特定疾病医療費の支給を受けようとするときは、都道府県知事の定める医師(以下「指定医」という。)の診断書(小児慢性特定疾病児童等が小児慢性特定疾病にかかつており、かつ、当該小児慢性特定疾病の状態が第六条の二第三項に規定する厚生労働大臣が定める程度であることを証する書面として厚生労働省令で定めるものをいう。)を添えて、都道府県に申請しなければならない。
指定医の指定の手続 その他指定医に関し必要な事項は、厚生労働省令で定める。
都道府県は、第一項の申請に係る小児慢性特定疾病児童等が小児慢性特定疾病にかかつており、かつ、当該小児慢性特定疾病の状態が第六条の二第三項に規定する厚生労働大臣が定める程度であると認められる場合には、小児慢性特定疾病医療費を支給する旨の認定(以下「医療費支給認定」という。)を行うものとする。
都道府県は、第一項の申請があつた場合において、医療費支給認定をしないこととするとき(申請の形式上の要件に適合しない場合として厚生労働省令で定める場合を除く。)は、あらかじめ、次条第一項に規定する小児慢性特定疾病審査会に当該申請に係る小児慢性特定疾病児童の保護者 又は成年患者について医療費支給認定をしないことに関し審査を求めなければならない。
都道府県は、医療費支給認定をしたときは、厚生労働省令で定めるところにより、指定小児慢性特定疾病医療機関の中から、当該医療費支給認定に係る小児慢性特定疾病児童等が小児慢性特定疾病医療支援を受けるものを定めるものとする。
医療費支給認定は、厚生労働省令で定める期間(次項 及び第十九条の六第一項第二号において「医療費支給認定の有効期間」という。)内に限り、その効力を有する。
都道府県は、医療費支給認定をしたときは、当該医療費支給認定を受けた小児慢性特定疾病児童の保護者(以下「医療費支給認定保護者」という。)又は当該医療費支給認定を受けた成年患者(以下「医療費支給認定患者」という。)に対し、厚生労働省令で定めるところにより、医療費支給認定の有効期間を記載した医療受給者証(以下「医療受給者証」という。)を交付しなければならない。
医療費支給認定は、指定医が当該医療費支給認定に係る小児慢性特定疾病児童等の小児慢性特定疾病の状態が第六条の二第三項に規定する厚生労働大臣が定める程度であると診断した日、又は当該医療費支給認定の申請のあつた日から当該申請に通常要する期間を勘案して政令で定める一定の期間前の日のいずれか遅い日に遡つてその効力を生ずる。
指定小児慢性特定疾病医療支援を受けようとする医療費支給認定保護者 又は医療費支給認定患者は、厚生労働省令で定めるところにより、第五項の規定により定められた指定小児慢性特定疾病医療機関に医療受給者証を提示して指定小児慢性特定疾病医療支援を受けるものとする。
ただし、緊急の場合 その他やむを得ない事由のある場合については、医療受給者証を提示することを要しない。
医療費支給認定に係る小児慢性特定疾病児童等が第五項の規定により定められた指定小児慢性特定疾病医療機関から指定小児慢性特定疾病医療支援を受けたとき(当該小児慢性特定疾病児童に係る医療費支給認定保護者 又は当該医療費支給認定患者が当該指定小児慢性特定疾病医療機関に医療受給者証を提示したときに限る。)は、都道府県は、当該医療費支給認定保護者 又は当該医療費支給認定患者が当該指定小児慢性特定疾病医療機関に支払うべき当該指定小児慢性特定疾病医療支援に要した費用について、小児慢性特定疾病医療費として当該医療費支給認定保護者 又は当該医療費支給認定患者に支給すべき額の限度において、当該医療費支給認定保護者 又は当該医療費支給認定患者に代わり、当該指定小児慢性特定疾病医療機関に支払うことができる。
前項の規定による支払があつたときは、当該医療費支給認定保護者 又は当該医療費支給認定患者に対し、小児慢性特定疾病医療費の支給があつたものとみなす。
前条第四項の規定による審査を行わせるため、都道府県に、小児慢性特定疾病審査会を置く。
小児慢性特定疾病審査会の委員は、小児慢性特定疾病に関し知見を有する医師 その他の関係者のうちから、都道府県知事が任命する。
委員の任期は、二年とする。
この法律に定めるもののほか、小児慢性特定疾病審査会に必要な事項は、厚生労働省令で定める。
医療費支給認定保護者 又は医療費支給認定患者は、現に受けている医療費支給認定に係る第十九条の三第五項の規定により定められた指定小児慢性特定疾病医療機関 その他の厚生労働省令で定める事項を変更する必要があるときは、都道府県に対し、当該医療費支給認定の変更の申請をすることができる。
都道府県は、前項の申請 又は職権により、医療費支給認定保護者 又は医療費支給認定患者に対し、必要があると認めるときは、厚生労働省令で定めるところにより、医療費支給認定の変更の認定を行うことができる。
都道府県は、前項の医療費支給認定の変更の認定を行う場合において、必要があると認めるときは、当該医療費支給認定保護者 又は当該医療費支給認定患者に対し、医療受給者証の提出を求めることができる。
この場合において、都道府県は、当該医療受給者証に当該変更の認定に係る事項を記載し、これを返還するものとする。
医療費支給認定を行つた都道府県は、次に掲げる場合には、当該医療費支給認定を取り消すことができる。
医療費支給認定に係る小児慢性特定疾病児童等が、その疾病の状態、治療の状況等からみて指定小児慢性特定疾病医療支援を受ける必要がなくなつたと認めるとき。
医療費支給認定保護者 又は医療費支給認定患者が、医療費支給認定の有効期間内に、当該都道府県以外の都道府県の区域内に居住地を有するに至つたと認めるとき。
前項の規定により医療費支給認定の取消しを行つた都道府県は、厚生労働省令で定めるところにより、当該取消しに係る医療費支給認定保護者 又は医療費支給認定患者に対し、医療受給者証の返還を求めるものとする。
小児慢性特定疾病医療費の支給は、当該小児慢性特定疾病の状態につき、健康保険法の規定による家族療養費 その他の法令に基づく給付であつて政令で定めるもののうち小児慢性特定疾病医療費の支給に相当するものを受けることができるときは政令で定める限度において、当該政令で定める給付以外の給付であつて国 又は地方公共団体の負担において小児慢性特定疾病医療費の支給に相当するものが行われたときはその限度において、行わない。
この目に定めるもののほか、小児慢性特定疾病医療費の支給に関し必要な事項は、厚生労働省令で定める。