労働者災害補償保険法
附 則
# 第五十五条
# 第五十七条
この法律施行前に発生した事故に対する保険給付 及び この法律施行前の期間に属する保険料に関しては、なお旧法による。
この法律施行前の旧法の罰則を適用すべきであつた者についての処罰については、なお旧法による。
この法律施行の際、労働者災害扶助責任保険につき現に政府と保険契約を締結してゐる者が既に払込んだ この法律施行後の期間に属する保険料は、この保険の保険料に、これを充当することができる。
前三項に定めるものの外、旧法廃止の際必要な事項は、命令で、これを定める。
# 第五十八条
政府は、当分の間、障害補償年金を受ける権利を有する者が死亡した場合において、その者に支給された当該障害補償年金の額(当該障害補償年金のうち当該死亡した日の属する年度(当該死亡した日の属する月が四月から七月までの月に該当する場合にあつては、その前年度。以下 この項において同じ。)の七月以前の分として支給された障害補償年金にあつては、厚生労働省令で定めるところにより第十六条の六第二項の規定の例により算定して得た額)及び当該障害補償年金に係る障害補償年金前払一時金の額(当該障害補償年金前払一時金を支給すべき事由が当該死亡した日の属する年度の七月以前に生じたものである場合にあつては、厚生労働省令で定めるところにより同項の規定による遺族補償年金の額の算定の方法に準じ算定して得た額)の合計額が次の表の上欄に掲げる当該障害補償年金に係る障害等級に応じ、それぞれ同表の下欄に掲げる額(当該死亡した日が算定事由発生日の属する年度の翌々年度の八月一日以後の日である場合にあつては、厚生労働省令で定めるところにより第八条の四において準用する第八条の三第一項の規定の例により算定して得た額を同表の給付基礎日額とした場合に得られる額)に満たないときは、その者の遺族に対し、その請求に基づき、保険給付として、その差額に相当する額の障害補償年金差額一時金を支給する。
障害等級 | 額 |
第一級 | 給付基礎日額の一、三四〇日分 |
第二級 | 給付基礎日額の一、一九〇日分 |
第三級 | 給付基礎日額の一、〇五〇日分 |
第四級 | 給付基礎日額の九二〇日分 |
第五級 | 給付基礎日額の七九〇日分 |
第六級 | 給付基礎日額の六七〇日分 |
第七級 | 給付基礎日額の五六〇日分 |
障害補償年金差額一時金を受けることができる遺族は、次の各号に掲げる者とする。
この場合において、障害補償年金差額一時金を受けるべき遺族の順位は、次の各号の順序により、当該各号に掲げる者のうちにあつては、それぞれ、当該各号に掲げる順序による。
労働者の死亡の当時 その者と生計を同じくしていた配偶者、子、父母、孫、祖父母 及び兄弟姉妹
前号に該当しない配偶者、子、父母、孫、祖父母 及び兄弟姉妹
障害補償年金差額一時金の支給を受ける権利は、これを行使することができる時から五年を経過したときは、時効によつて消滅する。
第十六条の三第二項 並びに第十六条の九第一項 及び第二項の規定は、障害補償年金差額一時金について準用する。
この場合において、
第十六条の三第二項中
「前項」とあるのは
「第五十八条第一項」と、
「別表第一」とあるのは
「同項」と
読み替えるものとする。
# 第五十九条
障害補償年金前払一時金の額は、前条第一項の表の上欄に掲げる当該障害補償年金に係る障害等級に応じ、それぞれ同表の下欄に掲げる額(算定事由発生日の属する年度の翌々年度の八月以後に前項の請求があつた場合にあつては、当該障害補償年金前払一時金を障害補償一時金とみなして第八条の四の規定を適用したときに得られる給付基礎日額を同表の給付基礎日額とした場合に得られる額)を限度として厚生労働省令で定める額とする。
障害補償年金前払一時金の支給を受ける権利は、これを行使することができる時から二年を経過したときは、時効によつて消滅する。
障害補償年金前払一時金は、障害補償年金とみなして、徴収法第十二条第三項 及び第二十条第一項の規定を適用する。
障害補償年金前払一時金の支給を受けた者に支給されるべき障害補償年金の支給が第三項の規定により停止されている間は、当該障害補償年金については、国民年金法第三十六条の二第二項 及び国民年金法等の一部を改正する法律(昭和六十年法律第三十四号。以下 この項 及び次条第七項において「昭和六十年法律第三十四号」という。)附則第三十二条第十一項の規定によりなお その効力を有するものとされた昭和六十年法律第三十四号第一条の規定による改正前の国民年金法(以下 この項 及び次条第七項において「旧国民年金法」という。)第六十五条第二項(昭和六十年法律第三十四号附則第二十八条第十項においてその例による場合 及び昭和六十年法律第三十四号附則第三十二条第十一項の規定によりなお その効力を有するものとされた旧国民年金法第七十九条の二第五項において準用する場合を含む。次条第七項において同じ。)、児童扶養手当法(昭和三十六年法律第二百三十八号)第十三条の二第二項第一号ただし書 並びに特別児童扶養手当等の支給に関する法律(昭和三十九年法律第百三十四号)第三条第三項第二号ただし書 及び第十七条第一号ただし書の規定は、適用しない。
# 第六十条
政府は、当分の間、労働者が業務上の事由により死亡した場合における当該死亡に関しては、遺族補償年金を受ける権利を有する遺族に対し、その請求に基づき、保険給付として、遺族補償年金前払一時金を支給する。
遺族補償年金前払一時金の額は、給付基礎日額(算定事由発生日の属する年度の翌々年度の八月以後に前項の請求があつた場合にあつては、当該遺族補償年金前払一時金を遺族補償一時金とみなして第八条の四の規定を適用したときに得られる給付基礎日額に相当する額)の千日分に相当する額を限度として厚生労働省令で定める額とする。
遺族補償年金前払一時金が支給された場合における第十六条の六の規定の適用については、
同条第一項第二号中 「遺族補償年金の額」とあるのは、「遺族補償年金の額 及び遺族補償年金前払一時金の額(当該遺族補償年金前払一時金を支給すべき事由が当該権利が消滅した日の属する年度(当該権利が消滅した日の属する月が四月から七月までの月に該当する場合にあつては、その前年度)の七月以前に生じたものである場合にあつては、厚生労働省令で定めるところにより次項の規定による遺族補償年金の額の算定の方法に準じ算定して得た額)」と
する。
遺族補償年金前払一時金の支給を受ける権利は、これを行使することができる時から二年を経過したときは、時効によつて消滅する。
遺族補償年金前払一時金は、遺族補償年金とみなして、徴収法第十二条第三項 及び第二十条第一項の規定を適用する。
遺族補償年金前払一時金の支給を受けた者に支給されるべき遺族補償年金の支給が第三項の規定により停止されている間は、当該遺族補償年金については、国民年金法第三十六条の二第二項 及び昭和六十年法律第三十四号附則第三十二条第十一項の規定によりなお その効力を有するものとされた旧国民年金法第六十五条第二項 並びに児童扶養手当法第十三条の二第一項第一号ただし書 及び第二項第一号ただし書の規定は、適用しない。
# 第六十条の二
政府は、当分の間、複数事業労働者障害年金を受ける権利を有する者が死亡した場合において、その者に支給された当該複数事業労働者障害年金の額(当該複数事業労働者障害年金のうち当該死亡した日の属する年度(当該死亡した日の属する月が四月から七月までの月に該当する場合にあつては、その前年度。以下 この項において同じ。)の七月以前の分として支給された複数事業労働者障害年金にあつては、厚生労働省令で定めるところにより第十六条の六第二項の規定の例により算定して得た額)及び当該複数事業労働者障害年金に係る複数事業労働者障害年金前払一時金の額(当該複数事業労働者障害年金前払一時金を支給すべき事由が当該死亡した日の属する年度の七月以前に生じたものである場合にあつては、厚生労働省令で定めるところにより同項の規定による遺族補償年金の額の算定の方法に準じ算定して得た額)の合計額が第五十八条第一項の表の上欄に掲げる当該複数事業労働者障害年金に係る障害等級に応じ、それぞれ同表の下欄に掲げる額(当該死亡した日が算定事由発生日の属する年度の翌々年度の八月一日以後の日である場合にあつては、厚生労働省令で定めるところにより第八条の四において準用する第八条の三第一項の規定の例により算定して得た額を同表の給付基礎日額とした場合に得られる額)に満たないときは、その者の遺族に対し、その請求に基づき、保険給付として、その差額に相当する額の複数事業労働者障害年金差額一時金を支給する。
第十六条の三第二項、第十六条の九第一項 及び第二項 並びに第五十八条第二項 及び第三項の規定は、複数事業労働者障害年金差額一時金について準用する。
この場合において、
第十六条の三第二項中
「前項」とあるのは
「第六十条の二第一項」と、
「別表第一」とあるのは
「同項」と
読み替えるものとする。
# 第六十条の三
政府は、当分の間、複数事業労働者がその従事する二以上の事業の業務を要因として負傷し、又は疾病にかかり、治つたとき身体に障害が存する場合における当該障害に関しては、複数事業労働者障害年金を受ける権利を有する者に対し、その請求に基づき、保険給付として、複数事業労働者障害年金前払一時金を支給する。
第五十九条第三項、第四項 及び第六項の規定は、複数事業労働者障害年金前払一時金について準用する。
この場合において、
同条第三項 及び第六項中
「障害補償年金」とあるのは、
「複数事業労働者障害年金」と
読み替えるものとする。
# 第六十条の四
複数事業労働者遺族年金前払一時金が支給された場合における第二十条の六第三項の規定により読み替えられた第十六条の六の規定の適用については、
同条第一項第二号中 「複数事業労働者遺族年金の額」とあるのは、「複数事業労働者遺族年金の額 及び複数事業労働者遺族年金前払一時金の額(当該複数事業労働者遺族年金前払一時金を支給すべき事由が当該権利が消滅した日の属する年度(当該権利が消滅した日の属する月が四月から七月までの月に該当する場合にあつては、その前年度)の七月以前に生じたものである場合にあつては、厚生労働省令で定めるところにより次項の規定による複数事業労働者遺族年金の額の算定の方法に準じ算定して得た額)」と
する。
第六十条第三項、第五項 及び第七項の規定は、複数事業労働者遺族年金前払一時金について準用する。
この場合において、
同条第三項中
「遺族補償年金は」とあるのは
「複数事業労働者遺族年金は」と、
同条第七項中
「遺族補償年金の」とあるのは
「複数事業労働者遺族年金の」と、
「当該遺族補償年金」とあるのは
「当該複数事業労働者遺族年金」と
読み替えるものとする。
# 第六十一条
政府は、当分の間、障害年金を受ける権利を有する者が死亡した場合において、その者に支給された当該障害年金の額(当該障害年金のうち当該死亡した日の属する年度(当該死亡した日の属する月が四月から七月までの月に該当する場合にあつては、その前年度。以下 この項において同じ。)の七月以前の分として支給された障害年金にあつては、厚生労働省令で定めるところにより第十六条の六第二項の規定の例により算定して得た額)及び当該障害年金に係る障害年金前払一時金の額(当該障害年金前払一時金を支給すべき事由が当該死亡した日の属する年度の七月以前に生じたものである場合にあつては、厚生労働省令で定めるところにより同項の規定による遺族補償年金の額の算定の方法に準じ算定して得た額)の合計額が第五十八条第一項の表の上欄に掲げる当該障害年金に係る障害等級に応じ、それぞれ同表の下欄に掲げる額(当該死亡した日が算定事由発生日の属する年度の翌々年度の八月一日以後の日である場合にあつては、厚生労働省令で定めるところにより第八条の四において準用する第八条の三第一項の規定の例により算定して得た額を同表の給付基礎日額とした場合に得られる額)に満たないときは、その者の遺族に対し、その請求に基づき、保険給付として、その差額に相当する額の障害年金差額一時金を支給する。
障害年金差額一時金は、遺族給付とみなして、第十条の規定を適用する。
第十六条の三第二項、第十六条の九第一項 及び第二項 並びに第五十八条第二項 及び第三項の規定は、障害年金差額一時金について準用する。
この場合において、
第十六条の三第二項中
「前項」とあるのは
「第六十一条第一項」と、
「別表第一」とあるのは
「同項」と
読み替えるものとする。
# 第六十二条
第五十九条第三項、第四項 及び第六項の規定は、障害年金前払一時金について準用する。
この場合において、
同条第三項 及び第六項中
「障害補償年金」とあるのは、
「障害年金」と
読み替えるものとする。
# 第六十三条
第六十条第三項から第五項まで及び第七項の規定は、遺族年金前払一時金について準用する。
この場合において、
同条第三項中
「遺族補償年金は」とあるのは
「遺族年金は」と、
同条第四項中
「第十六条の六」とあるのは
「第二十二条の四第三項の規定により読み替えられた第十六条の六」と、
「遺族補償年金の額」とあるのは
「遺族年金の額」と、
同条第七項中
「遺族補償年金の」とあるのは
「遺族年金の」と、
「当該遺族補償年金」とあるのは
「当該遺族年金」と
読み替えるものとする。
# 第六十四条
労働者 又は その遺族が障害補償年金 若しくは遺族補償年金、複数事業労働者障害年金 若しくは複数事業労働者遺族年金 又は障害年金 若しくは遺族年金(以下この条において「年金給付」という。)を受けるべき場合(当該年金給付を受ける権利を有することとなつた時に、当該年金給付に係る障害補償年金前払一時金 若しくは遺族補償年金前払一時金、複数事業労働者障害年金前払一時金 若しくは複数事業労働者遺族年金前払一時金 又は障害年金前払一時金 若しくは遺族年金前払一時金(以下この条において「前払一時金給付」という。)を請求することができる場合に限る。)であつて、同一の事由について、当該労働者を使用している事業主 又は使用していた事業主から 民法 その他の 法律による損害賠償(以下単に「損害賠償」といい、当該年金給付によつて填補される損害を填補する部分に限る。)を受けることができるときは、当該損害賠償については、当分の間、次に定めるところによるものとする。
事業主は、当該労働者 又はその遺族の年金給付を受ける権利が消滅するまでの間、その損害の発生時から当該年金給付に係る前払一時金給付を受けるべき時までのその損害の発生時における法定利率により計算される額を合算した場合における当該合算した額が当該前払一時金給付の最高限度額に相当する額となるべき額(次号の規定により損害賠償の責めを免れたときは、その免れた額を控除した額)の限度で、その損害賠償の履行をしないことができる。
前号の規定により損害賠償の履行が猶予されている場合において、年金給付 又は前払一時金給付の支給が行われたときは、事業主は、その損害の発生時から当該支給が行われた時までのその損害の発生時における法定利率により計算される額を合算した場合における当該合算した額が当該年金給付 又は前払一時金給付の額となるべき額の限度で、その損害賠償の責めを免れる。
労働者 又は その遺族が、当該労働者を使用している事業主 又は使用していた事業主から 損害賠償を受けることができる場合であつて、保険給付を受けるべきときに、同一の事由について、損害賠償(当該保険給付によつて填補される損害を填補する部分に限る。)を受けたときは、政府は、労働政策審議会の議を経て厚生労働大臣が定める基準により、その価額の限度で、保険給付をしないことができる。
ただし、前項に規定する年金給付を受けるべき場合において、次に掲げる保険給付については、この限りでない。
年金給付(労働者 又はその遺族に対して、各月に支給されるべき額の合計額が厚生労働省令で定める算定方法に従い当該年金給付に係る前払一時金給付の最高限度額(当該前払一時金給付の支給を受けたことがある者にあつては、当該支給を受けた額を控除した額とする。)に相当する額に達するまでの間についての年金給付に限る。)
障害補償年金差額一時金 及び第十六条の六第一項第二号の場合に支給される遺族補償一時金、複数事業労働者障害年金差額一時金 及び第二十条の六第三項において読み替えて準用する第十六条の六第一項第二号の場合に支給される複数事業労働者遺族一時金 並びに障害年金差額一時金 及び第二十二条の四第三項において読み替えて準用する第十六条の六第一項第二号の場合に支給される遺族一時金