国際刑事裁判所に対する協力等に関する法律

# 平成十九年法律第三十七号 #
略称 : 国際刑事裁判所協力法  ICC協力法 

第一章 総則

分類 法律
カテゴリ   外事
@ 施行日 : 令和四年六月十七日 ( 2022年 6月17日 )
@ 最終更新 : 令和四年法律第六十八号による改正
最終編集日 : 2023年 02月06日 17時29分


1項

この法律は、国際刑事裁判所に関するローマ規程(以下「規程」という。)が定める集団殺害犯罪 その他の国際社会全体の関心事である最も重大な犯罪について、国際刑事裁判所の捜査、裁判 及び刑の執行等についての必要な協力に関する手続を定めるとともに、国際刑事裁判所の運営を害する行為についての罰則を定めること等により、規程の的確な実施を確保することを目的とする。

1項

この法律において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。

一 号

国際刑事裁判所

規程第一条に規定する国際刑事裁判所をいう。

二 号

管轄刑事事件

規程第五条1 及び第七十条1の規定により国際刑事裁判所が管轄権を有する犯罪について国際刑事裁判所がその管轄権を行使する事件をいう。

三 号

重大犯罪

規程第五条1の規定により国際刑事裁判所が管轄権を有する国際社会全体の関心事である最も重大な犯罪として規程に定める犯罪をいう。

四 号

証拠の提供

規程第九十三条1の規定による国際刑事裁判所の請求により、国際刑事裁判所の捜査 又は裁判に係る手続(以下「国際刑事裁判所の手続」という。)に必要な証拠を国際刑事裁判所に提供することをいう。

五 号

裁判上の証拠調べ

規程第九十三条1の規定による国際刑事裁判所の請求により、規程第三十九条2に規定する上訴裁判部 又は第一審裁判部が行う証拠調べについての援助として日本国の裁判所が行う証拠調べをいう。

六 号

書類の送達

規程第九十三条1の規定による国際刑事裁判所の請求により、規程第三十九条2に規定する上訴裁判部、第一審裁判部 又は予審裁判部が行う書類の送達についての援助として日本国の裁判所が行う書類の送達をいう。

七 号

受刑者証人等移送

規程第九十三条1 及び7の規定による国際刑事裁判所の請求により、証人 その他の国際刑事裁判所の手続における関係人(国際刑事裁判所の捜査 又は裁判の対象とされる者を除く)として出頭させることを可能とするため、国内受刑者(日本国において懲役刑 若しくは禁錮刑 又は国際受刑者移送法平成十四年法律第六十六号第二条第二号に定める共助刑の執行として拘禁されている者をいう。以下同じ。)を移送することをいう。

八 号

引渡犯罪人の引渡し

規程第八十九条1 又は第百十一条の規定による国際刑事裁判所の引渡しの請求により、その引渡しの対象とされた者(以下「引渡犯罪人」という。)の引渡しをすることをいう。

九 号

仮拘禁

規程第九十二条1の規定による国際刑事裁判所の仮逮捕の請求により、その仮逮捕の対象とされた者(以下「仮拘禁犯罪人」という。)を仮に拘禁することをいう。

十 号

執行協力

規程第七十五条5 若しくは第百九条1の規定により罰金刑(国際刑事裁判所が規程第七十条3 又は第七十七条2()の規定により命ずる罰金をいう。以下同じ。)、没収刑(国際刑事裁判所が規程第七十七条2()の規定により命ずる没収をいう。以下同じ。)若しくは被害回復命令(国際刑事裁判所が規程第七十五条2の規定により発する命令をいう。以下同じ。)の確定裁判の執行をすること 又は規程第七十五条4 若しくは第九十三条1の規定により没収刑 若しくは被害回復命令のための保全をすることをいう。

十一 号

協力

証拠の提供、裁判上の証拠調べ、書類の送達、受刑者証人等移送、引渡犯罪人の引渡し、仮拘禁 及び執行協力をいう。

十二 号

請求犯罪

協力(引渡犯罪人の引渡し及び仮拘禁を除く)の請求において犯されたとされている犯罪をいう。

十三 号

引渡犯罪

引渡犯罪人の引渡し又は仮拘禁に係る協力の請求において当該引渡犯罪人 又は仮拘禁犯罪人が犯したとされている犯罪をいう。