この法律において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。
国際捜査共助等に関する法律
第一章 総則
共助
外国の要請により、当該外国の刑事事件の捜査に必要な証拠の提供(受刑者証人移送を含む。)をすることをいう。
要請国
日本国に対して共助の要請をした外国をいう。
共助犯罪
要請国からの共助の要請において捜査の対象とされている犯罪をいう。
受刑者証人移送
条約により刑事手続における証人尋問に証人として出頭させることを可能とするために移送すべきものとされている場合において、刑の執行として拘禁されている者を国際的に移送することをいう。
次の各号のいずれかに該当する場合には、共助をすることはできない。
共助犯罪が政治犯罪であるとき、 又は共助の要請が政治犯罪について捜査する目的で行われたものと認められるとき。
条約に別段の定めがある場合を除き、共助犯罪に係る行為が日本国内において行われたとした場合において、その行為が日本国の法令によれば罪に当たるものでないとき。
証人尋問 又は証拠物の提供に係る要請については、条約に別段の定めがある場合を除き、その証拠が捜査に欠くことのできないものであることを明らかにした要請国の書面がないとき。
共助の要請の受理 及び要請国に対する証拠の送付は、外務大臣が行う。
ただし、条約に基づき法務大臣が共助の要請の受理を行うこととされているとき、又は緊急 その他 特別の事情がある場合において外務大臣が同意したときは、法務大臣が行うものとする。
前項ただし書の規定により法務大臣が共助の要請の受理 及び要請国に対する証拠の送付を行う場合においては、法務大臣は、外務大臣に対し、共助に関する事務の実施に関し、必要な協力を求めることができる。
外務大臣は、共助の要請を受理したときは、次の各号のいずれかに該当する場合を除き、 共助要請書 又は外務大臣の作成した共助の要請があつたことを証明する書面に関係書類を添付し、意見を付して、これを法務大臣に送付するものとする。
要請が条約に基づいて行われたものである場合において、その方式が条約に適合しないと認めるとき。
要請が条約に基づかないで行われたものである場合において、日本国が行う同種の要請に応ずる旨の要請国の保証がないとき。