国際的な子の奪取の民事上の側面に関する条約の実施に関する法律

# 平成二十五年法律第四十八号 #
略称 : ハーグ条約実施法 

第十五条 # 子の社会的背景に関する情報の条約締約国の中央当局への提供

@ 施行日 : 令和六年五月二十四日 ( 2024年 5月24日 )
@ 最終更新 : 令和六年法律第三十三号

1項

外務大臣は、日本国への子の返還に関する事件が日本国以外の条約締約国の裁判所 又はその他の審判を行う機関(以下この項 及び次項において「外国裁判所等」という。)に係属しており、当該条約締約国の中央当局から当該子の返還に係る子の日本国内における心身、養育 及び就学の状況 その他の生活 及び取り巻く環境の状況に関する情報の提供を求められた場合において、次の各号いずれにも該当するときは、当該条約締約国の中央当局に提供するために、政令で定めるところにより、国の行政機関等の長、地方公共団体の長 その他の執行機関 及び当該子に関する情報を有している者として政令で定める者に対し、その有する当該情報の提供を求めることができる。

一 号

当該中央当局が、当該外国裁判所等の依頼を受けて当該事件に関する調査を行うために外務大臣に対し当該情報の提供を求めており、かつ、当該調査以外の目的のために当該情報を利用するおそれがないと認められるとき。

二 号

当該事件に係る外国裁判所等の手続の当事者(当該子が当該手続の当事者である場合にあっては、当該子を除く)が当該情報を当該中央当局に提供することに同意しているとき。

2項

前項の場合において、同項に規定する情報の提供を求められた者は、次の各号いずれにも該当するときは、遅滞なく、当該情報を外務大臣に提供するものとする。

一 号

当該情報を前項に規定する中央当局に提供することによって同項に規定する子 及び同項に規定する事件に係る外国裁判所等の手続の当事者の権利利益を不当に侵害するおそれがないと認めるとき。

二 号

当該情報が、前項に規定する子 及び同項に規定する事件に係る外国裁判所等の手続の当事者の知り得る状態にあり、かつ、これらの者以外の特定の個人を識別することができる情報を含まないとき。

3項

外務大臣は、前項の規定により提供された情報を、第一項に規定する中央当局に対してのみ提供することができる。