国際連合平和維持活動等に対する協力に関する法律

# 平成四年法律第七十九号 #
略称 : PKO協力法  国連平和協力法  PKO法 

第六条 # 実施計画

@ 施行日 : 令和六年七月十二日 ( 2024年 7月12日 )
@ 最終更新 : 令和六年法律第二十四号

1項

内閣総理大臣は、我が国として国際平和協力業務を実施することが適当であると認める場合であって、次に掲げる同意があるとき(国際連合平和維持活動 又は国際連携平和安全活動のために実施する国際平和協力業務であって第三条第五号トに掲げるもの若しくはこれに類するものとして同号ナの政令で定めるもの又は同号ラに掲げるものを実施する場合にあっては、同条第一号イからハまで 又は第二号イからハまでに規定する同意 及び第一号 又は第二号に掲げる同意が当該活動 及び当該業務が行われる期間を通じて安定的に維持されると認められるときに限り、人道的な国際救援活動のために実施する国際平和協力業務であって同条第五号ラに掲げるものを実施する場合にあっては、同条第三号に規定する同意 及び第三号に掲げる同意が当該活動 及び当該業務が行われる期間を通じて安定的に維持され、並びに当該活動が行われる地域の属する国が紛争当事者であるときは、紛争当事者の当該活動 及び当該業務が行われることについての同意があり、かつ、その同意が当該活動 及び当該業務が行われる期間を通じて安定的に維持されると認められるときに限る)は、国際平和協力業務を実施すること 及び実施計画の案につき閣議の決定を求めなければならない。

一 号

国際連合平和維持活動のために実施する国際平和協力業務については、紛争当事者 及び当該活動が行われる地域の属する国の当該業務の実施についての同意(第三条第一号ロ又はに該当する活動にあっては、当該活動が行われる地域の属する国の当該業務の実施についての同意(同号ハに該当する活動にあっては、当該地域において当該業務の実施に支障となる明確な反対の意思を示す者がいない場合に限る

二 号

国際連携平和安全活動のために実施する国際平和協力業務については、紛争当事者 及び当該活動が行われる地域の属する国の当該業務の実施についての同意(第三条第二号ロ 又はに該当する活動にあっては、当該活動が行われる地域の属する国の当該業務の実施についての同意(同号ハに該当する活動にあっては、当該地域において当該業務の実施に支障となる明確な反対の意思を示す者がいない場合に限る

三 号

人道的な国際救援活動のために実施する国際平和協力業務については、当該活動が行われる地域の属する国の当該業務の実施についての同意

四 号

国際的な選挙監視活動のために実施する国際平和協力業務については、当該活動が行われる地域の属する国の当該業務の実施についての同意

2項

実施計画に定める事項は、次のとおりとする。

一 号

当該国際平和協力業務の実施に関する基本方針

二 号

協力隊の設置 その他 当該国際平和協力業務の実施に関する次に掲げる事項

実施すべき国際平和協力業務の種類 及び内容

派遣先国 及び国際平和協力業務を行うべき期間

協力隊の規模 及び構成 並びに装備

海上保安庁の船舶 又は航空機を用いて当該国際平和協力業務を行う場合における次に掲げる事項

(1)

海上保安庁の船舶 又は航空機を用いて行う国際平和協力業務の種類 及び内容

(2)

国際平和協力業務を行う海上保安庁の職員の規模 及び構成 並びに装備

自衛隊の部隊等(自衛隊法昭和二十九年法律第百六十五号第八条に規定する部隊等をいう。以下同じ。)が当該国際平和協力業務を行う場合における次に掲げる事項

(1)

自衛隊の部隊等が行う国際平和協力業務の種類 及び内容

(2)

国際平和協力業務を行う自衛隊の部隊等の規模 及び構成 並びに装備

第二十一条第一項の規定に基づき海上保安庁長官 又は防衛大臣に委託することができる輸送の範囲

関係行政機関の協力に関する重要事項

その他 当該国際平和協力業務の実施に関する重要事項

3項

外務大臣は、国際平和協力業務を実施することが適当であると認めるときは、内閣総理大臣に対し、第一項の閣議の決定を求めるよう要請することができる。

4項

第二項第二号に掲げる装備は、第二条第二項 及び第三条第一号から第四号までの規定の趣旨に照らし、この節の規定を実施するのに必要な範囲内で実施計画に定めるものとする。


この場合において、国際連合平和維持活動のために実施する国際平和協力業務に係る装備は、事務総長が必要と認める限度で定めるものとする。

5項

海上保安庁の船舶 又は航空機を用いて行われる国際平和協力業務は、第三条第五号リ 若しくはに掲げる業務(海上保安庁法(昭和二十三年法律第二十八号)第五条に規定する事務に係るものに限る)、同号ワからツまでに掲げる業務 又は これらの業務に類するものとして同号ナの政令で定める業務であって、同法第二十五条の趣旨に鑑み海上保安庁の船舶 又は航空機を用いて行うことが適当であると認められるもののうちから、海上保安庁の任務遂行に支障を生じない限度において、実施計画に定めるものとする。

6項

自衛隊の部隊等が行う国際平和協力業務は、第三条第五号イからトまでに掲げる業務、同号ヲからネまでに掲げる業務、これらの業務に類するものとして同号ナの政令で定める業務 又は同号ラに掲げる業務であって自衛隊の部隊等が行うことが適当であると認められるもののうちから、自衛隊の主たる任務の遂行に支障を生じない限度において、実施計画に定めるものとする。

7項

自衛隊の部隊等が行う国際連合平和維持活動 又は国際連携平和安全活動のために実施される国際平和協力業務であって第三条第五号イからトまでに掲げるもの 又はこれらの業務に類するものとして同号ナの政令で定めるものについては、内閣総理大臣は、当該国際平和協力業務に従事する自衛隊の部隊等の海外への派遣の開始前に、我が国として国際連合平和維持隊に参加し、又は他国と連携して国際連携平和安全活動を実施するに際しての基本的な五つの原則(第三条第一号 及び第二号本条第一項第三号 及び第四号除く)及び第十三項第一号から第六号まで第九号 及び第十号に係る部分に限る)、第八条第一項第六号 及び第七号第二十五条 並びに第二十六条の規定の趣旨をいう。)及びこの法律の目的に照らし、当該国際平和協力業務を実施することにつき、実施計画を添えて国会の承認を得なければならない。


ただし、国会が閉会中の場合 又は衆議院が解散されている場合には、当該国際平和協力業務に従事する自衛隊の部隊等の海外への派遣の開始後最初に召集される国会において、遅滞なく、その承認を求めなければならない。

8項

前項本文の規定により内閣総理大臣から国会の承認を求められた場合には、先議の議院にあっては内閣総理大臣が国会の承認を求めた後国会の休会中の期間を除いて七日以内に、後議の議院にあっては先議の議院から議案の送付があった後国会の休会中の期間を除いて七日以内に、それぞれ議決するよう努めなければならない。

9項

政府は、第七項ただし書の場合において不承認の議決があったときは、遅滞なく、同項の国際平和協力業務を終了させなければならない。

10項

第七項の国際平和協力業務については、同項の規定による国会の承認を得た日から二年を経過する日を超えて引き続きこれを行おうとするときは、内閣総理大臣は、当該日の三十日前の日から当該日までの間に、当該国際平和協力業務を引き続き行うことにつき、実施計画を添えて国会に付議して、その承認を求めなければならない。


ただし、国会が閉会中の場合 又は衆議院が解散されている場合には、その後 最初に召集される国会においてその承認を求めなければならない。

11項

政府は、前項の場合において不承認の議決があったときは、遅滞なく、第七項の国際平和協力業務を終了させなければならない。

12項

前二項の規定は、国会の承認を得て第七項の国際平和協力業務を継続した後、更に二年を超えて当該国際平和協力業務を引き続き行おうとする場合について準用する。

13項

内閣総理大臣は、実施計画の変更(第一号から第八号までに掲げる場合に行うべき国際平和協力業務に従事する者の海外への派遣の終了 及び第九号から第十一号までに掲げる場合に行うべき当該各号に規定する業務の終了に係る変更を含む。次項において同じ。)をすることが必要であると認めるとき、又は適当であると認めるときは、実施計画の変更の案につき閣議の決定を求めなければならない。

一 号

国際連合平和維持活動(第三条第一号イに該当するものに限る)のために実施する国際平和協力業務については、同号イに規定する合意 若しくは同意 若しくは第一項第一号に掲げる同意が存在しなくなったと認められる場合 又は当該活動がいずれの紛争当事者にも偏ることなく実施されなくなったと認められる場合

二 号

国際連合平和維持活動(第三条第一号ロに該当するものに限る)のために実施する国際平和協力業務については、同号ロに規定する同意 若しくは第一項第一号に掲げる同意が存在しなくなったと認められる場合 又は紛争当事者が当該活動が行われる地域に存在すると認められる場合

三 号

国際連合平和維持活動(第三条第一号ハに該当するものに限る)のために実施する国際平和協力業務については、同号ハに規定する同意 若しくは第一項第一号に掲げる同意が存在しなくなったと認められる場合、当該活動が特定の立場に偏ることなく実施されなくなったと認められる場合 又は武力紛争の発生を防止することが困難となった場合

四 号

国際連携平和安全活動(第三条第二号イに該当するものに限る)のために実施する国際平和協力業務については、同号イに規定する合意 若しくは同意 若しくは第一項第二号に掲げる同意が存在しなくなったと認められる場合 又は当該活動がいずれの紛争当事者にも偏ることなく実施されなくなったと認められる場合

五 号

国際連携平和安全活動(第三条第二号ロに該当するものに限る)のために実施する国際平和協力業務については、同号ロに規定する同意 若しくは第一項第二号に掲げる同意が存在しなくなったと認められる場合 又は紛争当事者が当該活動が行われる地域に存在すると認められる場合

六 号

国際連携平和安全活動(第三条第二号ハに該当するものに限る)のために実施する国際平和協力業務については、同号ハに規定する同意 若しくは第一項第二号に掲げる同意が存在しなくなったと認められる場合、当該活動が特定の立場に偏ることなく実施されなくなったと認められる場合 又は武力紛争の発生を防止することが困難となった場合

七 号

人道的な国際救援活動のために実施する国際平和協力業務については、第三条第三号に規定する同意 若しくは合意 又は第一項第三号に掲げる同意が存在しなくなったと認められる場合

八 号

国際的な選挙監視活動のために実施する国際平和協力業務については、第三条第四号に規定する同意 若しくは合意 又は第一項第四号に掲げる同意が存在しなくなったと認められる場合

九 号

国際連合平和維持活動のために実施する国際平和協力業務であって第三条第五号トに掲げるもの若しくはこれに類するものとして同号ナの政令で定めるもの又は同号ラに掲げるものについては、同条第一号イに規定する合意の遵守の状況 その他の事情を勘案して、同号イからハまでに規定する同意 又は第一項第一号に掲げる同意が当該活動 及び当該業務が行われる期間を通じて安定的に維持されると認められなくなった場合

十 号

国際連携平和安全活動のために実施する国際平和協力業務であって第三条第五号トに掲げるもの若しくはこれに類するものとして同号ナの政令で定めるもの又は同号ラに掲げるものについては、同条第二号イに規定する合意の遵守の状況 その他の事情を勘案して、同号イからハまでに規定する同意 又は第一項第二号に掲げる同意が当該活動 及び当該業務が行われる期間を通じて安定的に維持されると認められなくなった場合

十一 号

人道的な国際救援活動のために実施する国際平和協力業務であって第三条第五号ラに掲げるものについては、同条第三号に規定する合意がある場合におけるその遵守の状況 その他の事情を勘案して、同号に規定する同意 若しくは第一項第三号に掲げる同意 又は当該活動が行われる地域の属する国が紛争当事者である場合における紛争当事者の当該活動 若しくは当該業務が行われることについての同意が当該活動 及び当該業務が行われる期間を通じて安定的に維持されると認められなくなった場合

14項

外務大臣は、実施計画の変更をすることが必要であると認めるとき、又は適当であると認めるときは、内閣総理大臣に対し、前項の閣議の決定を求めるよう要請することができる。