地方自治法

# 昭和二十二年法律第六十七号 #
略称 : 地自法 

第四款 自治紛争処理委員による調停、審査及び処理方策の提示の手続

分類 法律
カテゴリ   地方自治
@ 施行日 : 令和六年四月一日 ( 2024年 4月1日 )
@ 最終更新 : 令和五年法律第七十三号による改正
最終編集日 : 2024年 04月16日 12時13分

1項

普通地方公共団体相互の間 又は普通地方公共団体の機関相互の間に紛争があるときは、この法律に特別の定めがあるものを除くほか、都道府県 又は都道府県の機関が当事者となるものにあつては総務大臣、その他のものにあつては都道府県知事は、当事者の文書による申請に基づき 又は職権により、紛争の解決のため、前条第二項の規定により自治紛争処理委員を任命し、その調停に付することができる。

2項

当事者の申請に基づき開始された調停においては、当事者は、総務大臣 又は都道府県知事の同意を得て、当該申請を取り下げることができる。

3項

自治紛争処理委員は、調停案を作成して、これを当事者に示し、その受諾を勧告するとともに、理由を付してその要旨を公表することができる。

4項

自治紛争処理委員は、前項の規定により調停案を当事者に示し、その受諾を勧告したときは、直ちに調停案の写しを添えてその旨 及び調停の経過を総務大臣 又は都道府県知事に報告しなければならない。

5項

自治紛争処理委員は、調停による解決の見込みがないと認めるときは、総務大臣 又は都道府県知事の同意を得て、調停を打ち切り、事件の要点 及び調停の経過を公表することができる。

6項

自治紛争処理委員は、前項の規定により調停を打ち切つたときは、その旨を当事者に通知しなければならない。

7項

第一項の調停は、当事者のすべてから、調停案を受諾した旨を記載した文書が総務大臣 又は都道府県知事に提出されたときに成立するものとする。


この場合においては、総務大臣 又は都道府県知事は、直ちにその旨 及び調停の要旨を公表するとともに、当事者に調停が成立した旨を通知しなければならない。

8項

総務大臣 又は都道府県知事は、前項の規定により当事者から文書の提出があつたときは、その旨を自治紛争処理委員に通知するものとする。

9項

自治紛争処理委員は、第三項に規定する調停案を作成するため必要があると認めるときは、当事者 及び関係人の出頭 及び陳述を求め、又は当事者 及び関係人 並びに紛争に係る事件に関係のある者に対し、紛争の調停のため必要な記録の提出を求めることができる。

10項

第三項の規定による調停案の作成 及びその要旨の公表についての決定、第五項の規定による調停の打切りについての決定 並びに事件の要点 及び調停の経過の公表についての決定 並びに前項の規定による出頭、陳述 及び記録の提出の求めについての決定は、自治紛争処理委員の合議によるものとする。

1項

総務大臣は、市町村長 その他の市町村の執行機関が、その担任する事務に関する都道府県の関与のうち是正の要求、許可の拒否 その他の処分 その他公権力の行使に当たるもの(次に掲げるものを除く)に不服があり、文書により、自治紛争処理委員の審査に付することを求める旨の申出をしたときは、速やかに、第二百五十一条第二項の規定により自治紛争処理委員を任命し、当該申出に係る事件をその審査に付さなければならない。

一 号

第二百四十五条の八第十二項において準用する同条第二項の規定による指示

二 号

第二百四十五条の八第十二項において準用する同条第八項の規定に基づき市町村長に代わつて前号の指示に係る事項を行うこと。

2項

総務大臣は、市町村長 その他の市町村の執行機関が、その担任する事務に関する都道府県の不作為(都道府県の行政庁が、申請等が行われた場合において、相当の期間内に何らかの都道府県の関与のうち許可 その他の処分 その他公権力の行使に当たるものをすべきにかかわらず、これをしないことをいう。以下本節において同じ。)に不服があり、文書により、自治紛争処理委員の審査に付することを求める旨の申出をしたときは、速やかに、第二百五十一条第二項の規定により自治紛争処理委員を任命し、当該申出に係る事件をその審査に付さなければならない。

3項

総務大臣は、市町村長 その他の市町村の執行機関が、その担任する事務に関する当該市町村の法令に基づく協議の申出が都道府県の行政庁に対して行われた場合において、当該協議に係る当該市町村の義務を果たしたと認めるにもかかわらず当該協議が調わないことについて、文書により、自治紛争処理委員の審査に付することを求める旨の申出をしたときは、速やかに、第二百五十一条第二項の規定により自治紛争処理委員を任命し、当該申出に係る事件をその審査に付さなければならない。

4項

前三項の規定による申出においては、次に掲げる者を相手方としなければならない。

一 号

第一項の規定による申出の場合は、当該申出に係る都道府県の関与を行つた都道府県の行政庁

二 号

第二項の規定による申出の場合は、当該申出に係る都道府県の不作為に係る都道府県の行政庁

三 号

前項の規定による申出の場合は、当該申出に係る協議の相手方である都道府県の行政庁

5項

第二百五十条の十三第四項から第七項まで第二百五十条の十四第一項第二項 及び第五項 並びに第二百五十条の十五から第二百五十条の十七までの規定は、第一項の規定による申出について準用する。


この場合において、

これらの規定中
普通地方公共団体の長 その他の執行機関」とあるのは
「市町村長 その他の市町村の執行機関」と、

国の行政庁」とあるのは
「都道府県の行政庁」と、

委員会」とあるのは
「自治紛争処理委員」と、

第二百五十条の十三第四項 並びに第二百五十条の十四第一項 及び第二項
国の関与」とあるのは
「都道府県の関与」と、

第二百五十条の十七第一項
第二百五十条の十九第二項」とあるのは
第二百五十一条の三第十三項」と

読み替えるものとする。

6項

第二百五十条の十三第七項第二百五十条の十四第三項 及び第五項 並びに第二百五十条の十五から第二百五十条の十七までの規定は、第二項の規定による申出について準用する。


この場合において、

これらの規定中
普通地方公共団体の長 その他の執行機関」とあるのは
「市町村長 その他の市町村の執行機関」と、

国の行政庁」とあるのは
「都道府県の行政庁」と、

委員会」とあるのは
「自治紛争処理委員」と、

第二百五十条の十七第一項
第二百五十条の十九第二項」とあるのは
第二百五十一条の三第十三項」と

読み替えるものとする。

7項

第二百五十条の十三第七項第二百五十条の十四第四項 及び第五項 並びに第二百五十条の十五から第二百五十条の十七までの規定は、第三項の規定による申出について準用する。


この場合において、

これらの規定中
普通地方公共団体の長 その他の執行機関」とあるのは
市町村長 その他の市町村の執行機関」と、

国の行政庁」とあるのは
「都道府県の行政庁」と、

委員会」とあるのは
「自治紛争処理委員」と、

第二百五十条の十四第四項
当該協議に係る普通地方公共団体」とあるのは
「当該協議に係る市町村」と、

第二百五十条の十七第一項
第二百五十条の十九第二項」とあるのは
第二百五十一条の三第十三項」と

読み替えるものとする。

8項

自治紛争処理委員は、第五項において準用する第二百五十条の十四第一項 若しくは第二項 若しくは第六項において準用する第二百五十条の十四第三項の規定による審査の結果の通知 若しくは勧告 及び勧告の内容の通知 又は前項において準用する第二百五十条の十四第四項の規定による審査の結果の通知をしたときは、直ちにその旨 及び審査の結果 又は勧告の内容を総務大臣に報告しなければならない。

9項

第五項において準用する第二百五十条の十四第一項 若しくは第二項 又は第六項において準用する第二百五十条の十四第三項の規定による自治紛争処理委員の勧告があつたときは、当該勧告を受けた都道府県の行政庁は、当該勧告に示された期間内に、当該勧告に即して必要な措置を講ずるとともに、その旨を総務大臣に通知しなければならない。


この場合においては、総務大臣は、当該通知に係る事項を当該勧告に係る第一項 又は第二項の規定による申出をした市町村長 その他の市町村の執行機関に通知し、かつ、これを公表しなければならない。

10項

総務大臣は、前項の勧告を受けた都道府県の行政庁に対し、同項の規定により講じた措置についての説明を求めることができる。

11項

自治紛争処理委員は、第五項において準用する第二百五十条の十四第一項 若しくは第二項第六項において準用する第二百五十条の十四第三項 又は第七項において準用する第二百五十条の十四第四項の規定により審査をする場合において、相当であると認めるときは、職権により、調停案を作成して、これを第一項から第三項までの規定による申出をした市町村長 その他の市町村の執行機関 及び相手方である都道府県の行政庁に示し、その受諾を勧告するとともに、理由を付してその要旨を公表することができる。

12項

自治紛争処理委員は、前項の規定により調停案を第一項から第三項までの規定による申出をした市町村長 その他の市町村の執行機関 及び相手方である都道府県の行政庁に示し、その受諾を勧告したときは、直ちに調停案の写しを添えてその旨 及び調停の経過を総務大臣に報告しなければならない。

13項

第十一項の調停案に係る調停は、調停案を示された市町村長 その他の市町村の執行機関 及び都道府県の行政庁から、これを受諾した旨を記載した文書が総務大臣に提出されたときに成立するものとする。


この場合においては、総務大臣は、直ちにその旨 及び調停の要旨を公表するとともに、当該市町村長 その他の市町村の執行機関 及び都道府県の行政庁にその旨を通知しなければならない。

14項

総務大臣は、前項の規定により市町村長 その他の市町村の執行機関 及び都道府県の行政庁から文書の提出があつたときは、その旨を自治紛争処理委員に通知するものとする。

15項

次に掲げる事項は、自治紛争処理委員の合議によるものとする。

一 号

第五項において準用する第二百五十条の十四第一項の規定による都道府県の関与が違法 又は普通地方公共団体の自主性 及び自立性を尊重する観点から不当であるかどうかについての決定 及び同項の規定による勧告の決定

二 号

第五項において準用する第二百五十条の十四第二項の規定による都道府県の関与が違法であるかどうかについての決定 及び同項の規定による勧告の決定

三 号

第六項において準用する第二百五十条の十四第三項の規定による第二項の申出に理由があるかどうかについての決定 及び第六項において準用する第二百五十条の十四第三項の規定による勧告の決定

四 号

第七項において準用する第二百五十条の十四第四項の規定による第三項の申出に係る協議について当該協議に係る市町村がその義務を果たしているかどうかについての決定

五 号

第五項から第七項までにおいて準用する第二百五十条の十五第一項の規定による関係行政機関の参加についての決定

六 号

第五項から第七項までにおいて準用する第二百五十条の十六第一項の規定による証拠調べの実施についての決定

七 号

第十一項の規定による調停案の作成 及びその要旨の公表についての決定

1項

総務大臣 又は都道府県知事は、第二百五十二条の二第七項の規定により普通地方公共団体から自治紛争処理委員による同条第一項に規定する連携協約に係る紛争を処理するための方策(以下この条において「処理方策」という。)の提示を求める旨の申請があつたときは、第二百五十一条第二項の規定により自治紛争処理委員を任命し、処理方策を定めさせなければならない。

2項

前項の申請をした普通地方公共団体は、総務大臣 又は都道府県知事の同意を得て、当該申請を取り下げることができる。

3項

自治紛争処理委員は、処理方策を定めたときは、これを当事者である普通地方公共団体に提示するとともに、その旨 及び当該処理方策を総務大臣 又は都道府県知事に通知し、かつ、これらを公表しなければならない。

4項

自治紛争処理委員は、処理方策を定めるため必要があると認めるときは、当事者 及び関係人の出頭 及び陳述を求め、又は当事者 及び関係人 並びに紛争に係る事件に関係のある者に対し、処理方策を定めるため必要な記録の提出を求めることができる。

5項

第三項の規定による処理方策の決定 並びに前項の規定による出頭、陳述 及び記録の提出の求めについての決定は、自治紛争処理委員の合議によるものとする。

6項

第三項の規定により処理方策の提示を受けたときは、当事者である普通地方公共団体は、これを尊重して必要な措置を執るようにしなければならない。

1項

この法律に規定するもののほか、自治紛争処理委員の調停、審査 及び勧告 並びに処理方策の提示に関し必要な事項は、政令で定める。