外国等に対する我が国の民事裁判権に関する法律

# 平成二十一年法律第二十四号 #
略称 : 対外国民事裁判権法  民事裁判権法 

第九条 # 労働契約

@ 施行日 : 令和四年五月二十五日 ( 2022年 5月25日 )
@ 最終更新 : 令和四年法律第四十八号による改正

1項

外国等は、当該外国等個人との間の労働契約であって、日本国内において労務の全部 又は一部が提供され、又は提供されるべきものに関する裁判手続について、裁判権から免除されない。

2項

前項の規定は、次に掲げる場合には、適用しない

一 号

当該個人が次に掲げる者である場合

外交関係に関するウィーン条約第一条(e)に規定する外交官

領事関係に関するウィーン条約第一条1(d)に規定する領事官

国際機関に派遣されている常駐の使節団 若しくは特別使節団外交職員 又は国際会議において当該外国等(以外のものにあっては、それらが所属する国。以下 この項において同じ。)を代表するために雇用されている者

イからハまでに掲げる者のほか、外交上の免除享有する者

二 号

前号に掲げる場合のほか、当該個人が、当該外国等の安全、外交上の秘密 その他の当該外国等の重大な利益に関する事項に係る任務を遂行するために雇用されている場合

三 号

当該個人の採用 又は再雇用の契約の成否に関する訴え 又は申立て(いずれも損害の賠償を求めるものを除く)である場合

四 号

解雇 その他の労働契約の終了の効力に関する訴え 又は申立て(いずれも損害の賠償を求めるものを除く)であって、当該外国等元首政府の長 又は外務大臣によって当該訴え 又は申立てに係る裁判手続が当該外国等の安全保障上の利益を害するおそれがあるとされた場合

五 号

訴えの提起 その他の裁判手続の開始の申立てがあった時において、当該個人が当該外国等国民である場合。


ただし、当該個人日本国に通常居住するときは、この限りでない。

六 号

当該労働契約の当事者間に書面による別段の合意がある場合。


ただし労働者の保護の見地から、当該労働契約に関する訴え 又は申立てについて日本国の裁判所が管轄権を有しないとするならば、公の秩序に反することとなるときは、この限りでない。