大深度地下の公共的使用に関する特別措置法
第一章 総則
この法律において「大深度地下」とは、次の各号に掲げる深さのうちいずれか深い方以上の深さの地下をいう。
この法律において「事業者」とは、第四条各号に掲げる事業を施行する者であって大深度地下の使用を必要とする者をいう。
この法律において「事業区域」とは、大深度地下の一定の範囲における立体的な区域であって第四条各号に掲げる事業を施行する区域をいう。
この法律による特別の措置は、人口の集中度、土地利用の状況 その他の事情を勘案し、公共の利益となる事業を円滑に遂行するため、大深度地下を使用する社会的経済的必要性が存在する地域として政令で定める地域(以下「対象地域」という。)について講じられるものとする。
道路法(昭和二十七年法律第百八十号)による道路に関する事業
河川法(昭和三十九年法律第百六十七号)が適用され、若しくは準用される河川 又はこれらの河川に治水 若しくは利水の目的をもって設置する水路、貯水池 その他の施設に関する事業
国、地方公共団体 又は土地改良区(土地改良区連合を含む。)が設置する農業用道路、用水路 又は排水路に関する事業
鉄道事業法(昭和六十一年法律第九十二号)第七条第一項に規定する鉄道事業者(以下単に「鉄道事業者」という。)が一般の需要に応ずる鉄道事業の用に供する施設に関する事業
軌道法(大正十年法律第七十六号)による軌道の用に供する施設に関する事業
電気通信事業法(昭和五十九年法律第八十六号)第百二十条第一項に規定する認定電気通信事業者(以下単に「認定電気通信事業者」という。)が同項に規定する認定電気通信事業(以下単に「認定電気通信事業」という。)の用に供する施設に関する事業
電気事業法(昭和三十九年法律第百七十号)による一般送配電事業、送電事業、配電事業、特定送配電事業 又は発電事業の用に供する電気工作物に関する事業
ガス事業法(昭和二十九年法律第五十一号)によるガス工作物に関する事業
水道法(昭和三十二年法律第百七十七号)による水道事業 若しくは水道用水供給事業、工業用水道事業法(昭和三十三年法律第八十四号)による工業用水道事業 又は下水道法(昭和三十三年法律第七十九号)による公共下水道、流域下水道 若しくは都市下水路の用に供する施設に関する事業
独立行政法人水資源機構が設置する独立行政法人水資源機構法(平成十四年法律第百八十二号)による水資源開発施設 及び愛知豊川用水施設に関する事業
前各号に掲げる事業のほか、土地収用法(昭和二十六年法律第二百十九号)第三条各号に掲げるものに関する事業 又は都市計画法(昭和四十三年法律第百号)の規定により土地を使用することができる都市計画事業のうち、大深度地下を使用する必要があるものとして政令で定めるもの
前各号に掲げる事業のために欠くことができない通路、鉄道、軌道、電線路、水路 その他の施設に関する事業
大深度地下の使用に当たっては、その特性にかんがみ、安全の確保 及び環境の保全に特に配慮しなければならない。
国は、大深度地下の公共的使用に関する基本方針(以下「基本方針」という。)を定めなければならない。
前三号に掲げるもののほか、大深度地下の公共的使用に関する重要事項
国土交通大臣は、前項の規定による閣議の決定があったときは、遅滞なく、基本方針を公表しなければならない。
前二項の規定は、基本方針の変更について準用する。
公共の利益となる事業の円滑な遂行と大深度地下の適正かつ合理的な利用を図るために必要な協議を行うため、対象地域ごとに、政令で定めるところにより、国の関係行政機関 及び関係都道府県(以下この条において「国の行政機関等」という。)により、大深度地下使用協議会(以下「協議会」という。)を組織する。
前項の協議を行うための会議(第五項において「会議」という。)は、国の行政機関等の長 又はその指名する職員をもって構成する。
協議会は、特に必要があると認めるときは、前項に規定する者以外の者に対しても、必要な協力を依頼することができる。
会議において協議が調った事項については、国の行政機関等は、その協議の結果を尊重しなければならない。
前項に定めるもののほか、協議会の運営に関し必要な事項は、協議会が定める。