感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律施行規則

# 平成十年厚生省令第九十九号 #
略称 : 感染症予防法施行規則  感染症法施行規則 

第三十一条の二十七 # 一種病原体等取扱施設の基準

@ 施行日 : 令和五年五月二十六日 ( 2023年 5月26日 )
@ 最終更新 : 令和五年厚生労働省令第七十九号による改正

1項

法第五十六条の二十四の厚生労働省令で定める技術上の基準のうち、一種病原体等取扱施設に係るものは、次のとおりとする。

一 号

当該施設は、地崩れ 及び浸水のおそれの少ない場所に設けること。

二 号

当該施設が建築基準法昭和二十五年法律第二百一号)第二条第一号に規定する建築物 又は同条第四号に規定する居室である場合には、その主要構造部等(同条第五号に規定する主要構造部 並びに当該施設を区画する壁 及び柱をいう。以下同じ。)を耐火構造(同条第七号に規定する耐火構造をいう。以下同じ。)とし、又は不燃材料(同条第九号に規定する不燃材料をいう。以下同じ。)で造ること。

三 号

当該施設は、国家機関の建築物及びその附帯施設の位置、規模及び構造に関する基準(平成六年建設省告示第二千三百七十九号)に従い、又は当該基準の例により、地震に対する安全性の確保が図られていること。

四 号

当該施設には、管理区域を設定すること。

五 号

特定一種病原体等の保管庫は、実験室の内部に設け、かぎ その他の閉鎖のための設備 又は器具を設けること。

六 号

特定一種病原体等の使用をする施設の設備は、次のとおりとすること。

実験室の内部の壁、床、天井 その他病原体等によって汚染されるおそれのある部分は、耐水性 及び気密性があり、その表面は消毒 及び洗浄が容易な構造であること。

実験室に通話装置(実験室の内部と外部の間において通話することができるものとする。以下同じ。)又は警報装置を備えていること。

実験室の内部を観察することができる窓を設ける等外部から実験室の内部の状態を把握することができる措置が講じられていること。

監視カメラ その他の実験室の内部を常時監視するための装置を備えていること。

実験室の内部に、高圧蒸気滅菌装置に直結している高度安全キャビネット(防護服を着用する実験室にあっては、安全キャビネット)を備えていること。

実験室には、次に定めるところにより、専用の前室 及びシャワー室を附置すること。

(1)

通常前室を通じてのみ 実験室に出入りできる構造のものとし、かつ、当該前室の出入口が屋外に直接面していないものであること。

(2)

防護服を着用する実験室に附置するシャワー室にあっては、防護服の消毒 及び洗浄を行うための装置を備えていること。

(3)

各室の出入口にインターロックを設けること。

実験室には、次に定めるところにより、専用の給気設備、排気設備 及び排水設備を設けること。

(1)

管理区域内に、実験室に近接して設けること。

(2)

給気設備は、実験室への給気が、ヘパフィルターを通じてなされる構造であること。


防護服を着用する実験室に設ける給気設備にあっては、防護服に給気するための装置を備えていること。

(3)

排気設備は、実験室からの排気が、二以上のヘパフィルターを通じてなされる構造であること。

(4)

排気設備は、空気が実験室の出入口から実験室の内部へ流れていくものであり、かつ、実験室 及び実験室以外の施設の内部の場所に再循環されない構造であること。

(5)

排気設備は、排気口以外から気体が漏れにくいものであり、かつ、腐食しにくい材料を用いること。

(6)

排水設備は、実験室からの特定一種病原体等に汚染された排水の排出が、高圧蒸気滅菌装置 及び化学滅菌装置を通じてなされる構造であること。

(7)

給気設備、排気設備 及び排水設備の扉等外部に通ずる部分については、かぎ その他閉鎖のための設備 又は器具を設けること。

(8)

給気設備、排気設備 及び排水設備は、稼働状況の確認のための装置を備えていること。

実験室には、かぎ その他閉鎖のための設備 又は器具を設けること。

動物に対して特定一種病原体等の使用をした場合には、飼育設備は、実験室の内部に設けること。

七 号

特定一種病原体等の滅菌等設備は、実験室の内部と外部の両面に扉がある高圧蒸気滅菌装置を備えていること。

八 号

非常用予備電源設備 及び予備の排気設備を設けること。

九 号

管理区域の内部に、実験室 及び管理区域の監視をする室を、実験室に近接して設けること。

十 号

事業所の境界には、さく その他の人がみだりに立ち入らないようにするための施設を設けること。

十一 号

当該施設の出入口 及び当該出入口から実験室の出入口までの間の場所に、それぞれ施錠 その他の通行制限のための措置が講じられていること。

十二 号

当該施設は、次に定めるところにより、その機能の維持がなされること。

一年に一回以上定期的に点検し、前各号の基準に適合するように維持されるものであること。

ヘパフィルターを交換する場合には、滅菌等をしてからこれを行うこと。