所得税法

# 昭和四十年法律第三十三号 #

第百五十一条の四 # 相続により取得した有価証券等の取得費の額に変更があつた場合等の修正申告の特例

@ 施行日 : 令和四年十月一日 ( 2022年 10月1日 )
@ 最終更新 : 令和四年法律第七十一号による改正

1項

居住者が相続 又は遺贈により取得した第六十条の二第一項国外転出をする場合の譲渡所得等の特例)に規定する有価証券等の譲渡をした場合において、当該譲渡の日以後に当該相続 又は遺贈に係る被相続人の当該相続の開始の日の属する年分の所得税につき、同条第六項本文(同条第七項の規定により適用する場合を含む。次項において同じ。)若しくは第六十条の三第六項前段(贈与等により非居住者に資産が移転した場合の譲渡所得等の特例)(同条第七項の規定により適用する場合を含む。次項において同じ。)の規定の適用があつたこと 又は第百五十一条の六第一項遺産分割等があつた場合の修正申告の特例)の規定による修正申告書の提出 若しくは第百五十三条の五遺産分割等があつた場合の更正の請求の特例)の規定による更正の請求に基づく更正(当該請求に対する処分に係る不服申立て又は訴えについての決定 若しくは裁決 又は判決を含む。以下 この項次項 及び第百五十三条の四相続により取得した有価証券等の取得費の額に変更があつた場合等の更正の請求の特例)において同じ。)があつたことにより、次の各号に掲げる場合に該当し、かつ、当該居住者の当該譲渡の日の属する年分の所得税につき国税通則法第十九条第一項各号 又は第二項各号修正申告)の事由が生じた場合には、当該居住者(その相続人を含む。)は、それぞれ次の各号に定める日から四月以内に、当該譲渡の日の属する年分の所得税についての修正申告書を提出し、かつ、当該期限内に当該申告書の提出により納付すべき税額を納付しなければならない。

一 号

第六十条の二第四項ただし書の規定の適用により当該有価証券等の譲渡による事業所得の金額、譲渡所得の金額又は雑所得の金額の計算上 必要経費 又は取得費として控除すべき金額が減少した場合

当該被相続人の所得税につき第百五十一条の二第一項国外転出をした者が帰国をした場合等の修正申告の特例)の規定による修正申告書を提出した日 又は第百五十三条の二第一項国外転出をした者が帰国をした場合等の更正の請求の特例)の規定による更正の請求に基づく更正があつた日

二 号

第六十条の三第四項ただし書の規定の適用があつたこと 又は同項本文の規定が適用されないこととなつたことにより、当該有価証券等の譲渡による事業所得の金額、譲渡所得の金額 又は雑所得の金額の計算上必要経費 又は取得費として控除すべき金額が減少した場合

当該被相続人の所得税につき前条第一項 若しくは第百五十一条の六第一項の規定による修正申告書を提出した日 又は第百五十三条の三第一項非居住者である受贈者等が帰国をした場合等の更正の請求の特例)若しくは第百五十三条の五の規定による更正の請求に基づく更正があつた日

2項

居住者が相続 又は遺贈によりその契約の移転を受けた第六十条の二第二項に規定する未決済信用取引等 又は同条第三項に規定する未決済デリバティブ取引の決済をした場合において、当該決済の日以後に当該相続 又は遺贈に係る被相続人の当該相続の開始の日の属する年分の所得税につき、同条第六項本文 若しくは第六十条の三第六項前段の規定の適用があつたこと 又は第百五十一条の六第一項の規定による修正申告書の提出 若しくは第百五十三条の五の規定による更正の請求に基づく更正があつたことにより、次の各号に掲げる場合に該当し、かつ、当該居住者の当該決済の日の属する年分の所得税につき国税通則法第十九条第一項各号 又は第二項各号の事由が生じた場合には、当該居住者(その相続人を含む。)は、それぞれ次の各号に定める日から四月以内に、当該決済の日の属する年分の所得税についての修正申告書を提出し、かつ、当該期限内に当該申告書の提出により納付すべき税額を納付しなければならない。

一 号

第六十条の二第四項ただし書の規定の適用により当該未決済信用取引等又は未決済デリバティブ取引の決済による事業所得の金額 又は雑所得の金額の計算上 減算すべき利益の額に相当する金額が減少した場合

当該被相続人の所得税につき第百五十一条の二第一項の規定による修正申告書を提出した日 又は第百五十三条の二第一項の規定による更正の請求に基づく更正があつた日

二 号

第六十条の三第四項ただし書の規定の適用があつたこと 又は同項本文の規定が適用されないこととなつたことにより、当該未決済信用取引等 又は未決済デリバティブ取引の決済による事業所得の金額 又は雑所得の金額の計算上 減算すべき利益の額に相当する金額が減少した場合

当該被相続人の所得税につき前条第一項 若しくは第百五十一条の六第一項の規定による修正申告書を提出した日 又は第百五十三条の三第一項 若しくは第百五十三条の五の規定による更正の請求に基づく更正があつた日

3項

第一項各号 又は前項各号に掲げる場合に該当することとなつた場合において、 修正申告書の提出がないときは、納税地の所轄税務署長は、当該申告書に記載すべきであつた所得金額、所得税の額 その他の事項につき更正を行う。

4項

第一項 又は第二項の規定による修正申告書 及び前項の更正に対する国税通則法の規定の適用については、次に定めるところによる。

一 号

当該修正申告書で第一項 又は第二項に規定する提出期限内に提出されたものについては、国税通則法第二十条修正申告の効力)の規定を適用する場合を除き、 これを同法第十七条第二項期限内申告)に規定する期限内申告書とみなす。

二 号

当該修正申告書で第一項 又は第二項に規定する提出期限後に提出されたもの及び当該更正については、

国税通則法第二章から 第七章まで国税の納付義務の確定等)の規定中
法定申告期限」とあり、
及び「法定納期限」とあるのは
所得税法第百五十一条の四第一項 又は第二項相続により取得した有価証券等の取得費の額に変更があつた場合等の修正申告の特例)に規定する修正申告書の提出期限」と、

同法第六十一条第一項第一号延滞税の額の計算の基礎となる期間の特例)中
期限内申告書」とあるのは
所得税法第二条第一項第三十七号定義)に規定する確定申告書」と、

同条第二項
期限内申告書 又は期限後申告書」とあるのは
所得税法第百五十一条の四第一項 又は第二項相続により取得した有価証券等の取得費の額に変更があつた場合等の修正申告の特例)の規定による修正申告書」と、

同法第六十五条第一項第三項第二号 及び第四項第二号過少申告加算税)中
期限内申告書」とあるのは
所得税法第二条第一項第三十七号定義)に規定する確定申告書」と

する。

三 号

国税通則法第六十一条第一項第二号 及び第六十六条無申告加算税)の規定は、前号に規定する修正申告書 及び更正には、適用しない