都道府県知事 及び市町村長は、地域福利増進事業、収用適格事業 又は都市計画事業(以下「地域福利増進事業等」という。)の実施の準備のため当該地域福利増進事業等を実施しようとする区域内の土地の土地所有者等(土地 又は当該土地にある物件に関し所有権 その他の権利を有する者をいう。以下同じ。)を知る必要があるとき、第三十八条第一項の規定による勧告を行うため当該勧告に係る土地の土地所有者等を知る必要があるとき 又は前条第一項から第三項まで 若しくは第五項(第四項に係る部分を除く。)の規定による請求を行うため当該請求に係る土地の土地所有者等を知る必要があるときは、当該土地所有者等の探索に必要な限度で、その保有する土地所有者等関連情報(土地所有者等と思料される者に関する情報のうちその者の氏名 又は名称、住所 その他国土交通省令で定めるものをいう。以下この条において同じ。)を、その保有に当たって特定された利用の目的以外の目的のために内部で利用することができる。
所有者不明土地の利用の円滑化等に関する特別措置法
第四章 土地の所有者の効果的な探索のための特別の措置
第一節 土地所有者等関連情報の利用及び提供
都道府県知事 及び市町村長は、地域福利増進事業等を実施しようとする者からその準備のため当該地域福利増進事業等を実施しようとする区域内の土地の土地所有者等を知る必要があるとして、当該市町村長以外の市町村長から第三十八条第一項の規定による勧告を行うため当該勧告に係る土地の土地所有者等を知る必要があるとして、又は国の行政機関の長等から前条第一項から第三項まで 若しくは第五項(第四項に係る部分を除く。)の規定による請求を行うため当該請求に係る土地の土地所有者等を知る必要があるとして、土地所有者等関連情報の提供の求めがあったときは、当該土地所有者等の探索に必要な限度で、当該地域福利増進事業等を実施しようとする者、当該市町村長 又は当該国の行政機関の長等に対し、土地所有者等関連情報を提供するものとする。
前項の場合において、都道府県知事 及び市町村長は、国 及び地方公共団体以外の者に対し土地所有者等関連情報を提供しようとするときは、あらかじめ、当該土地所有者等関連情報を提供することについて本人(当該土地所有者等関連情報によって識別される特定の個人をいう。)の同意を得なければならない。
前項の同意は、その所在が判明している者に対して求めれば足りる。
国の行政機関の長等は、地域福利増進事業等の実施の準備のため当該地域福利増進事業等を実施しようとする区域内の土地の土地所有者等を知る必要があるとき、第三十八条第一項の規定による勧告を行うため当該勧告に係る土地の土地所有者等を知る必要があるとき 又は前条第一項から第三項まで 若しくは第五項(第四項に係る部分を除く。)の規定による請求を行うため当該請求に係る土地の土地所有者等を知る必要があるときは、当該土地所有者等の探索に必要な限度で、当該土地に工作物を設置している者 その他の者に対し、土地所有者等関連情報の提供を求めることができる。
第二節 特定登記未了土地の相続登記等に関する不動産登記法の特例
登記官は、起業者 その他の公共の利益となる事業を実施しようとする者からの求めに応じ、当該事業を実施しようとする区域内の土地につきその所有権の登記名義人に係る死亡の事実の有無を調査した場合において、当該土地が特定登記未了土地に該当し、かつ、当該土地につきその所有権の登記名義人の死亡後十年以上三十年以内において政令で定める期間を超えて相続登記等がされていないと認めるときは、当該土地の所有権の登記名義人となり得る者を探索した上、職権で、所有権の登記名義人の死亡後長期間にわたり相続登記等がされていない土地である旨 その他当該探索の結果を確認するために必要な事項として法務省令で定めるものをその所有権の登記に付記することができる。
登記官は、前項の規定による探索により当該土地の所有権の登記名義人となり得る者を知ったときは、その者に対し、当該土地についての相続登記等の申請を勧告することができる。
この場合において、登記官は、相当でないと認めるときを除き、相続登記等を申請するために必要な情報を併せて通知するものとする。
登記官は、前二項の規定の施行に必要な限度で、関係地方公共団体の長 その他の者に対し、第一項の土地の所有権の登記名義人に係る死亡の事実 その他当該土地の所有権の登記名義人となり得る者に関する情報の提供を求めることができる。
前三項に定めるもののほか、第一項の規定による所有権の登記にする付記についての登記簿 及び登記記録の記録方法 その他の登記の事務 並びに第二項の規定による勧告 及び通知に関し必要な事項は、法務省令で定める。