政治資金規正法

# 昭和二十三年法律第百九十四号 #
略称 : 政治資金法 

第十九条の十六 # 国会議員関係政治団体に係る少額領収書等の写しの開示

@ 施行日 : 令和四年六月十七日 ( 2022年 6月17日 )
@ 最終更新 : 令和四年法律第六十八号による改正

1項

何人も、国会議員関係政治団体について、第二十条第一項の規定により報告書の要旨が公表された日から三年間、当該報告書を受理した総務大臣 又は都道府県の選挙管理委員会に対し、当該報告書に係る支出(人件費以外の経費の支出に限る)のうち、第十二条第二項の規定により提出すべき領収書等の写しに係る支出以外の支出に係る領収書等の写し(以下 この条 及び第三十二条第一号において「少額領収書等の写し」という。)の開示を請求することができる。


ただし、国会議員関係政治団体でない間に行つた支出に係る少額領収書等の写しについては、この限りでない。

2項

前項の規定による開示の請求(以下この条において「開示請求」という。)は、当該開示請求に係る国会議員関係政治団体を特定し、少額領収書等の写しに係る支出がされた年を単位とし、かつ、第十二条第一項第二号に規定する総務省令で定める項目ごとに区分してしなければならない。

3項

開示請求は、次に掲げる事項を記載した書面(次項において「開示請求書」という。)を総務大臣 又は都道府県の選挙管理委員会に提出してしなければならない。

一 号

開示請求をする者の氏名 又は名称 及び住所 又は居所


並びに法人 その他の団体にあつては代表者の氏名

二 号

開示請求に係る国会議員関係政治団体の名称 並びに少額領収書等の写しに係る支出がされた年 及び第十二条第一項第二号に規定する総務省令で定める項目

4項

総務大臣 又は都道府県の選挙管理委員会は、開示請求書に形式上の不備があると認めるときは、開示請求をした者(以下この条において「開示請求者」という。)に対し、相当の期間を定めて、その補正を求めることができる。


この場合において、総務大臣 又は都道府県の選挙管理委員会は、開示請求者に対し、補正の参考となる情報を提供するよう努めなければならない。

5項

開示請求を受けた総務大臣 又は都道府県の選挙管理委員会は、当該開示請求が権利の濫用 又は公の秩序 若しくは善良の風俗に反すると認められる場合に該当するときを除き、当該開示請求があつた日から十日以内に、当該開示請求に係る国会議員関係政治団体の会計責任者に対し、当該開示請求に係る少額領収書等の写しの提出を命じなければならない。


ただし前項の規定により補正を求めた場合にあつては、当該補正に要した日数は、当該期間に算入しない。

6項

国会議員関係政治団体の会計責任者は、前項の規定による命令を受けたときは、当該命令があつた日から二十日以内に、総務省令で定めるところにより、当該命令に係る少額領収書等の写しを総務大臣 又は都道府県の選挙管理委員会に提出しなければならない。


ただし、当該命令に係る少額領収書等の写しに係る支出がないとき 又は当該命令に係る少額領収書等の写しと同一の少額領収書等の写しを既に提出しているときは、その旨を通知すれば足りる。

7項

第五項の規定による命令を受けた国会議員関係政治団体の会計責任者は、事務処理上の困難 その他正当な理由があるときは、総務大臣 又は都道府県の選挙管理委員会に対し、前項に規定する期間を総務省令で定める相当の期間延長するよう求めることができる。

8項

国会議員関係政治団体の会計責任者は、前項の規定により期間の延長を求めるときは、第六項に規定する期間内に、延長を求める期間、その理由 その他総務省令で定める事項を記載した書面をもつてしなければならない。

9項

総務大臣 又は都道府県の選挙管理委員会は、第七項の規定による期間の延長の求めがあつたときは、第六項に規定する期間を相当の期間延長するものとする。


この場合において、総務大臣 又は都道府県の選挙管理委員会は、開示請求者に対し、遅滞なく、延長後の期間 及び延長の理由を書面により通知しなければならない。

10項

総務大臣 又は都道府県の選挙管理委員会は、開示請求者に対し、第六項の規定により提出された少額領収書等の写し(同項ただし書に規定する同一の少額領収書等の写しが既に提出されている場合にあつては、当該少額領収書等の写し)(当該少額領収書等の写しに行政機関の保有する情報の公開に関する法律平成十一年法律第四十二号第五条に規定する不開示情報が記録されている場合にあつては、当該不開示情報が記録されている部分を除く)を開示しなければならない。

11項

総務大臣 又は都道府県の選挙管理委員会は、前項の規定により少額領収書等の写しの全部 又は一部を開示するときは、第六項の規定により当該少額領収書等の写しの提出があつた日(第五項の規定による命令に係る少額領収書等の写しの全部について、第六項ただし書に規定する同一の少額領収書等の写しが既に提出されているときは、同項ただし書の通知があつた日)から三十日以内に、その旨を決定し、開示請求者に対し、その旨 及び開示の実施に関し総務省令で定める事項を書面により通知しなければならない。

12項

総務大臣 又は都道府県の選挙管理委員会は、次の各号に掲げるときは、遅滞なく、開示請求に係る少額領収書等の写しの開示をしない旨の決定をし、開示請求者に対し、その旨を書面により通知しなければならない。

一 号

当該開示請求が第五項に規定する権利の濫用 又は公の秩序 若しくは善良の風俗に反すると認められる場合に該当するとき。

二 号

第六項ただし書の規定により、国会議員関係政治団体から第五項の規定による命令に係る少額領収書等の写しに係る支出がない旨の通知があつたとき。

13項

第十一項の規定にかかわらず、総務大臣 又は都道府県の選挙管理委員会は、事務処理上の困難 その他正当な理由があるときは、同項に規定する期間を三十日以内に限り延長することができる。


この場合において、総務大臣 又は都道府県の選挙管理委員会は、開示請求者に対し、遅滞なく、延長後の期間 及び延長の理由を書面により通知しなければならない。

14項

開示請求に係る少額領収書等の写しが著しく大量であるため、第六項の規定により少額領収書等の写しの提出があつた日から六十日以内にそのすべてについて第十一項の決定をすることにより事務の遂行に著しい支障が生ずるおそれがある場合には、前項の規定にかかわらず、総務大臣 又は都道府県の選挙管理委員会は、開示請求に係る少額領収書等の写しのうちの相当の部分につき当該期間内に当該決定をし、残りの少額領収書等の写しについては相当の期間内に当該決定をすれば足りる。


この場合において、総務大臣 又は都道府県の選挙管理委員会は、第十一項に規定する期間内に、開示請求者に対し、次に掲げる事項を書面により通知しなければならない。

一 号

本項を適用する旨 及びその理由

二 号

残りの少額領収書等の写しについて開示決定をする期限

15項

少額領収書等の写しの開示は、閲覧 又は写しの交付により行う。

16項

総務大臣 又は都道府県の選挙管理委員会は、第五項の規定による命令に違反して当該国会議員関係政治団体の会計責任者が少額領収書等の写しを提出しないときは、その旨を開示請求者に通知するとともに、その旨 並びに当該国会議員関係政治団体の名称 及び主たる事務所の所在地を、遅滞なく、インターネットの利用 その他の適切な方法により公表するものとする。

17項

総務大臣 又は都道府県の選挙管理委員会は、第六項の規定により提出された少額領収書等の写しについて、これに係る第十二条第一項の報告書を保存すべき期間保存しなければならない。

18項

第六項の規定により提出された少額領収書等の写し(その写しを含む。)については、行政機関の保有する情報の公開に関する法律 又は都道府県情報公開条例(都道府県の保有する情報の公開を請求する住民等の権利について定める当該都道府県の条例をいう。)の規定は、適用しない

19項

開示請求をする者 又は少額領収書等の写しの開示を受ける者は、それぞれ、実費の範囲内において、総務大臣に対する開示請求に係るものについては政令で定める額の開示請求に係る手数料 又は開示の実施に係る手数料を納めなければならない。

20項

前各項の規定は、国会議員関係政治団体が国会議員関係政治団体以外の政治団体となつた場合においても、第十六条第一項の規定に基づき領収書等を保存しなければならない期間、当該政治団体を国会議員関係政治団体とみなして適用する。

21項

行政事件訴訟法昭和三十七年法律第百三十九号第十二条第四項の規定により同項に規定する特定管轄裁判所に第十一項 若しくは第十二項の決定(以下この条において「開示決定等」という。)の取消しを求める訴訟 又は開示決定等 若しくは開示請求に係る不作為に係る審査請求に対する裁決の取消しを求める訴訟(次項において「少額領収書等開示訴訟」という。)が提起された場合においては、同法第十二条第五項の規定にかかわらず、他の裁判所に同一 又は同種 若しくは類似の少額領収書等の写しに係る開示決定等 又は開示決定等 若しくは開示請求に係る不作為に係る審査請求に対する裁決に係る抗告訴訟(同法第三条第一項に規定する抗告訴訟をいう。次項において同じ。)が係属しているときは、当該特定管轄裁判所は、当事者の住所 又は所在地、尋問を受けるべき証人の住所、争点 又は証拠の共通性 その他の事情を考慮して、相当と認めるときは、申立てにより 又は職権で、訴訟の全部 又は一部について、当該他の裁判所 又は同法第十二条第一項から第三項までに定める裁判所に移送することができる。

22項

前項の規定は、行政事件訴訟法第十二条第四項の規定により同項に規定する特定管轄裁判所に開示決定等 又は開示決定等 若しくは開示請求に係る不作為に係る審査請求に対する裁決に係る抗告訴訟で少額領収書等開示訴訟以外のものが提起された場合について準用する。