文化財保護法施行令

# 昭和五十年政令第二百六十七号 #

第四条 # 伝統的建造物群保存地区内における現状変更の規制の基準

@ 施行日 : 平成三十一年四月一日
@ 最終更新 : 平成三十一年政令第十八号による改正

1項

法第百四十三条第一項同条第二項において準用する場合を含む。)の政令で定める伝統的建造物群保存地区(以下「保存地区」という。)内における現状変更の規制の基準に関しては、この条の定めるところによる。

2項

保存地区内における
次に掲げる行為については、あらかじめ
市(特別区を含む。以下同じ。)町村の教育委員会(法第五十三条の八第一項に規定する特定地方公共団体(以下単に「特定地方公共団体」という。)である市町村が定めた保存地区にあつては当該市町村の長とし、その他の市町村が都市計画に定めた保存地区にあつては当該市町村の長 及び教育委員会とする。以下この条において同じ。)の
許可を受けなければならないものとする。


ただし、非常災害のために必要な応急措置として行う行為
及び通常の管理行為、軽易な行為その他の行為で条例で定めるものについては、
この限りでないものとする。

一 号

建築物 その他の工作物(以下「建築物等」という。)の

  • 新築、
  • 増築、
  • 改築、
  • 移転

又は除却

二 号

建築物等の修繕、模様替え 又は色彩の変更でその外観を変更することとなるもの

三 号

宅地の造成 その他の土地の形質の変更

四 号
木竹の伐採
五 号
土石の類の採取
六 号

前各号に掲げるもののほか、保存地区の現状を変更する行為で条例で定めるもの

3項

市町村の教育委員会は、前項の規定により許可を受けることとされている行為で次に定める基準(特定地方公共団体でない市町村の長にあつては、第八号に定める基準)に適合しないものについては、許可をしてはならないものとする。

一 号

伝統的建造物群を構成している建築物等(以下「伝統的建造物」という。)の増築 若しくは改築 又は修繕、模様替え 若しくは色彩の変更でその外観を変更することとなるものについては、それらの行為後の伝統的建造物の

  • 位置、
  • 規模、
  • 形態、
  • 意匠

又は色彩が当該伝統的建造物群の特性を維持していると 認められるものであること。

二 号

伝統的建造物の移転(同一保存地区内における当該伝統的建造物の移築を含む。以下 この号において同じ。)については、移転後の伝統的建造物の位置 及び移転後の状態が当該伝統的建造物群の特性を維持していると認められるものであること。

三 号

伝統的建造物の除却については、除却後の状態が当該伝統的建造物群の特性を維持していると認められるものであること。

四 号

伝統的建造物以外の建築物等の新築、増築 若しくは改築 又は修繕、模様替え 若しくは色彩の変更でその外観を変更することとなるものについては、それらの行為後の当該建築物等の

  • 位置、
  • 規模、
  • 形態、
  • 意匠

又は色彩が当該保存地区の歴史的風致を著しく損なうものでないこと。

五 号

前号の建築物等の移転については、移転後の当該建築物等の位置 及び移転後の状態が当該保存地区の歴史的風致を著しく損なうものでないこと。

六 号

第四号の建築物等の除却については、除却後の状態が当該保存地区の歴史的風致を著しく損なうものでないこと。

七 号

前項第三号から 第六号までの行為については、それらの行為後の地貌 その他の状態が当該保存地区の歴史的風致を著しく損なうものでないこと。

八 号

前各号に定めるほか、当該行為後の建築物等 又は土地の用途等が当該伝統的建造物群の保存 又は当該保存地区の環境の維持に著しい支障を及ぼすおそれがないものであること。

4項

第二項の規定による許可には、保存地区の保存のため必要な限度において条件を付することができるものとする。

5項

国 又は地方公共団体の機関が行う
行為については、第二項の規定による
許可を受けることを要しないものとする。


この場合において、当該国 又は地方公共団体の機関は、その行為をしようとするときは、
あらかじめ、市町村の教育委員会に
協議しなければならないものとする。

6項

次に掲げる行為 及びこれらに類する行為で
保存地区の保存に著しい支障を及ぼすおそれがないものとして
条例で定めるものについては、第二項の規定による許可を受け、
又は前項の規定による
協議をすることを要しないものとする。


この場合において、
これらの行為をしようとする者は、あらかじめ、市町村の教育委員会に
その旨を通知しなければならないものとする。

一 号

都市計画事業の施行として行う行為


国、都道府県、市町村
若しくは当該都市計画施設を管理することとなる者が
当該都市施設 若しくは市街地開発事業に関する
都市計画に適合して行う行為


国土保全施設、水資源開発施設、道路交通、船舶交通
若しくは航空機の航行の安全のため必要な施設、
気象、海象、地象、洪水等の観測
若しくは通報の用に供する施設、自然公園の保護 若しくは利用のための施設
若しくは都市公園
若しくは その施設の設置 若しくは管理に係る行為


土地改良事業 若しくは地方公共団体
若しくは農業等を営む者が組織する団体が行う農業構造、林業構造
若しくは漁業構造の改善に関する事業の施行に係る行為


重要文化財等文部科学大臣の指定に係る
文化財の保存に係る行為


又は鉱物の
掘採に係る行為当該保存地区の保存に支障があると認めて条例で定めるものを除く

二 号

道路、鉄道 若しくは軌道、 国 若しくは地方公共団体が行う通信業務、 認定電気通信事業(電気通信事業法(昭和五十九年法律第八十六号)第百二十条第一項に規定する認定電気通信事業をいう。)、 基幹放送(放送法昭和二十五年法律第百三十二号第二条第二号に規定する基幹放送をいう。)若しくは有線テレビジョン放送(有線電気通信設備を用いて行われる同条第十八号に規定するテレビジョン放送をいう。)の用に供する線路 若しくは空中線系(その支持物を含む。)、 水道 若しくは下水道 又は電気工作物 若しくはガス工作物の設置 又は管理に係る行為(自動車専用道路以外の道路、駅、操車場、車庫 及び発電の用に供する電気工作物の新設に係るものその他 当該保存地区の保存に著しい支障を及ぼすおそれがあると認めて条例で定めるものを除く