暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律

# 平成三年法律第七十七号 #
略称 : 暴対法  暴力団対策法 

第九条 # 暴力的要求行為の禁止

@ 施行日 : 令和六年四月一日 ( 2024年 4月1日 )
@ 最終更新 : 令和五年法律第七十九号による改正

1項

指定暴力団等の暴力団員(以下「指定暴力団員」という。)は、その者の所属する指定暴力団等 又は その系列上位指定暴力団等(当該指定暴力団等と上方連結(指定暴力団等が他の指定暴力団等の構成団体となり、又は指定暴力団等の代表者等が他の指定暴力団等の暴力団員となっている関係をいう。)をすることにより順次関連している各指定暴力団等をいう。以下同じ。)の威力を示して次に掲げる行為をしてはならない。

一 号

人に対し、その人に関する事実を宣伝しないこと 又は その人に関する公知でない事実を公表しないことの対償として、金品 その他の財産上の利益(以下「金品等」という。)の供与を要求すること。

二 号

人に対し、寄附金、賛助金 その他 名目のいかんを問わず、みだりに金品等の贈与を要求すること。

三 号

請負、委任 又は委託の契約に係る役務の提供の業務の発注者 又は受注者に対し、その者が拒絶しているにもかかわらず、当該業務の全部 若しくは一部の受注 又は当該業務に関連する資材 その他の物品の納入 若しくは役務の提供の受入れを要求すること

四 号

縄張(正当な権原がないにもかかわらず自己の権益の対象範囲として設定していると認められる区域をいう。以下同じ。)内で営業を営む者に対し、名目のいかんを問わず、その営業を営むことを容認する対償として金品等の供与を要求すること。

五 号

縄張内で営業を営む者に対し、その営業所における日常業務に用いる物品を購入すること、その日常業務に関し歌謡ショー その他の興行の入場券、パーティー券 その他の証券 若しくは証書を購入すること 又は その営業所における用心棒の役務(営業を営む者の営業に係る業務を円滑に行うことができるようにするため顧客、従業者 その他の関係者との紛争の解決 又は鎮圧を行う役務をいう。第三十条の六第一項第一号において同じ。)その他の日常業務に関する役務の有償の提供を受けることを要求すること。

六 号

次に掲げる債務について、債務者に対し、その履行を要求すること。

金銭を目的とする消費貸借(利息制限法昭和二十九年法律第百号第五条第一号に規定する営業的金銭消費貸借(以下 この号において 単に「営業的金銭消費貸借」という。)を除く)上の債務であって同法第一条に定める利息の制限額を超える利息(同法第三条の規定によって利息とみなされる金銭を含む。)の支払を伴い、又は その不履行による賠償額の予定が同法第四条に定める制限額を超えるもの

営業的金銭消費貸借上の債務であって利息制限法第一条 及び第五条の規定により計算した利息の制限額を超える利息(同法第三条 及び第六条の規定によって利息とみなされる金銭を含む。以下 この号において同じ。)若しくは同法第九条に定める利息の制限額を超える利息の支払を伴い、又は その不履行による賠償額の予定が同法第七条に定める制限額を超えるもの

営業的金銭消費貸借上の債務を主たる債務とする保証(業として行うものに限る)がされた場合における 保証料(利息制限法第八条第七項の規定によって保証料とみなされる金銭を含み、主たる債務者が 支払うものに限る。以下 この号において同じ。)の支払の債務であって当該保証料が同条第一項から 第四項まで 及び第六項の規定により支払を受けることができる保証料の上限額を超えるもの

七 号

人(行為者と密接な関係を有する者として国家公安委員会規則で定める者を除く)から依頼を受け、報酬を得て 又は報酬を得る約束をして、金品等を目的とする債務について、債務者に対し、粗野 若しくは乱暴な言動を交えて、又は迷惑を覚えさせるような方法で訪問し 若しくは電話をかけて、その履行を要求すること(前号に該当するものを除く)。

八 号

人に対し、債務の全部 又は一部の免除 又は履行の猶予をみだりに要求すること。

九 号

金銭貸付業務(金銭の貸付け 又は金銭の貸借の媒介(手形の割引、売渡担保 その他これらに類する方法によってする金銭の交付 又は これらの方法によってする金銭の授受の媒介を含む。以下 この号において 単に「金銭の貸付け」という。)をいう。)を営む者(以下「金銭貸付業者」という。以外の者に対してみだりに金銭の貸付けを要求し、金銭貸付業者に対してその者が拒絶しているにもかかわらず金銭の貸付けを要求し、又は金銭貸付業者に対して当該金銭貸付業者が貸付けの利率 その他の金銭の貸付けの条件として示している事項に反して著しく有利な条件による金銭の貸付けを要求すること。

十 号

金融商品取引業者(金融商品取引法(昭和二十三年法律第二十五号)第二条第九項に規定する金融商品取引業者をいう。以下 この号において同じ。)その他の金融商品取引行為(同法第三十四条に規定する金融商品取引行為をいう。以下 この号において同じ。)に係る業務を営む者に対して その者が拒絶しているにもかかわらず金融商品取引行為を行うことを要求し、又は金融商品取引業者に対して顧客が預託すべき金銭の額 その他の有価証券の信用取引(同法第百五十六条の二十四第一項に規定する信用取引をいう。以下 この号において同じ。)を行う条件として当該金融商品取引業者が示している事項に反して著しく有利な条件により有価証券の信用取引を行うことを要求すること。

十一 号

株式会社 又は当該株式会社の子会社(会社法平成十七年法律第八十六号第二条第三号の子会社をいう。)に対してみだりに当該株式会社の株式の買取り 若しくは そのあっせん(以下 この号において「買取り等」という。)を要求し、株式会社の取締役、執行役 若しくは監査役 若しくは株主(以下 この号において「取締役等」という。)に対して その者が拒絶しているにもかかわらず当該株式会社の株式の買取り等を要求し、又は株式会社の取締役等に対して買取りの価格 その他の買取り等の条件として当該取締役等が示している事項に反して著しく有利な条件による当該株式会社の株式の買取り等を要求すること。

十二 号

預金 又は貯金の受入れに係る業務を営む者に対し、その者が拒絶しているにもかかわらず、預金 又は貯金の受入れをすることを要求すること。

十三 号

正当な権原に基づいて建物 又は その敷地を居住の用 又は事業の用に供している者に対し、その意思に反して、これらの明渡しを要求すること。

十四 号

土地 又は建物(以下 この号において「土地等」という。)について、その全部 又は一部を占拠すること、当該土地等 又は その周辺に自己の氏名を表示すること その他の方法により、当該土地等の所有 又は占有に関与していることを殊更に示すこと(以下この号において「支配の誇示」という。)を行い、当該土地等の所有者に対する債権を有する者 又は当該土地等の所有権 その他当該土地等につき使用 若しくは収益をする権利 若しくは当該土地等に係る担保権を有し、若しくは これらの権利を取得しようとする者に対し、その者が拒絶しているにもかかわらず、当該土地等についての支配の誇示をやめることの対償として、明渡し料 その他これに類する名目で金品等の供与を要求すること。

十五 号

宅地建物取引業者(宅地建物取引業法昭和二十七年法律第百七十六号第二条第三号に規定する宅地建物取引業者をいう。次号において同じ。)に対し、その者が拒絶しているにもかかわらず、宅地(同条第一号に規定する宅地をいう。)若しくは建物(以下 この号 及び次号において「宅地等」という。)の売買 若しくは交換をすること又は宅地等の売買、交換 若しくは貸借の代理 若しくは媒介をすることを要求すること。

十六 号

宅地建物取引業者以外の者に対して宅地等の売買 若しくは交換をすることをみだりに要求し、又は人に対して地等の貸借をすることをみだりに要求すること。

十七 号

建設業者(建設業法(昭和二十四年法律第百号)第二条第三項に規定する建設業者をいう。)に対し、その者が拒絶しているにもかかわらず、建設工事(同条第一項に規定する建設工事をいう。)を行うことを要求すること。

十八 号

集会施設 その他不特定の者が利用する施設であって、暴力団の示威行事(暴力団が開催する行事であって、多数の暴力団員が参加することにより、当該施設の 他の利用者 又は付近の住民 その他の者に当該暴力団の威力を示すこととなるものをいう。)の用に供されるおそれが大きいものとして国家公安委員会規則で定めるものの管理者に対し、その者が拒絶しているにもかかわらず、当該施設を利用させることを要求すること。

十九 号

人(行為者と密接な関係を有する者として国家公安委員会規則で定める者を除く)から依頼を受け、報酬を得て 又は報酬を得る約束をして、交通事故 その他の事故の原因者に対し、当該事故によって生じた損害に係る示談の交渉を行い、損害賠償として金品等の供与を要求すること。

二十 号

人に対し、購入した商品、購入した有価証券に表示される権利 若しくは提供を受けた役務が契約の内容に適合しているにもかかわらず不適合があるとし、若しくは交通事故 その他の事故による損害がないにもかかわらず損害があるとして、若しくは これらの不適合 若しくは損害の程度を誇張して、損害賠償 その他これに類する名目で金品等の供与を要求し、又は勧誘を受けてした商品 若しくは有価証券に係る売買 その他の取引において、その価格 若しくは商品指数(商品先物取引法(昭和二十五年法律第二百三十九号)第二条第二項の商品指数をいう。)若しくは金融商品取引法第二条第二十五項に規定する金融指標(同項第一号に規定する金融商品の価格を除く。)の上昇 若しくは下落により損失を被ったとして、損害賠償 その他 これに類する名目で みだりに金品等の供与を要求すること。

二十一 号

行政庁に対し、自己 若しくは次に掲げる者(以下 この条において「自己の関係者」という。)がした許認可等(行政手続法平成五年法律第八十八号第二条第三号に規定する許認可等をいう。以下 この号 及び次号において同じ。)に係る申請(同条第三号に規定する申請をいう。次号において同じ。)が 法令(同条第一号に規定する法令をいう。以下 この号 及び次号において同じ。)に定められた許認可等の要件に該当しないにもかかわらず、当該許認可等をすることを要求し、又は自己 若しくは自己の関係者について 法令に定められた不利益処分(行政庁が、法令に基づき、特定の者を名宛人として、直接に、これに義務を課し、又は その権利を制限する処分をいう。以下 この号 及び次号において同じ。)の要件に該当する事由があるにもかかわらず、当該不利益処分をしないことを要求すること。

自己と生計を一にする配偶者 その他の親族(婚姻の届出をしていないが事実上婚姻関係と同様の事情にある者 及び当該事情にある者の親族を含む。

法人 その他の団体であって、自己が その役員(業務を執行する社員、取締役、執行役 又はこれらに準ずる者をいい、相談役、顧問 その他いかなる名称を有する者であるかを問わず、当該団体に対し業務を執行する社員、取締役、執行役 又はこれらに準ずる者と同等以上の支配力を有するものと認められる者を含む。第三十二条第一項第三号において同じ。)となっているもの

自己が出資、融資、取引 その他の関係を通じて その事業活動に支配的な影響力を有する者(に該当するものを除く

二十二 号

行政庁に対し、特定の者がした許認可等に係る申請が法令に定められた許認可等の要件に該当するにもかかわらず、当該許認可等をしないことを要求し、又は特定の者について法令に定められた不利益処分の要件に該当する事由がないにもかかわらず、当該不利益処分をすることを要求すること。

二十三 号

国、特殊法人等(公共工事の入札及び契約の適正化の促進に関する法律平成十二年法律第百二十七号第二条第一項に規定する特殊法人等をいう。)又は地方公共団体(以下 この条において「国等」という。)に対し、当該国等が行う売買、貸借、請負 その他の契約(以下 この条 及び第三十二条第一項において「売買等の契約」という。)に係る入札について、自己 若しくは自己の関係者が入札参加資格(入札の参加者の資格をいう。以下 この号 及び次号において同じ。)を有する者でなく、又は自己 若しくは自己の関係者が指名基準(入札参加資格を有する者のうちから入札に参加する者を指名する場合の基準をいう。同号において同じ。)に適合する者でないにもかかわらず、当該自己 又は自己の関係者を当該入札に参加させることを要求すること。

二十四 号

国等に対し、当該国等が行う売買等の契約に係る入札について、特定の者が入札参加資格を有する者(指名基準に適合しない者を除く)であり、又は特定の者が指名基準に適合する者であるにもかかわらず、当該特定の者を当該入札に参加させないことを要求すること。

二十五 号

人に対し、国等が行う売買等の契約に係る入札について、当該入札に参加しないこと 又は一定の価格 その他の条件をもって当該入札に係る申込みをすることを みだりに要求すること。

二十六 号

国等に対し、その者が拒絶しているにもかかわらず自己 若しくは自己の関係者を当該国等が行う売買等の契約の相手方とすることを要求し、又は特定の者を当該国等が行う売買等の契約の相手方としないことをみだりに要求すること(第三号第二十三号 又は第二十四号に該当するものを除く)。

二十七 号

国等に対し、当該国等が行う売買等の契約の相手方に対して 自己 又は自己の関係者から当該契約に係る役務の提供の業務の全部 若しくは一部の受注 又は当該業務に関連する資材 その他の物品の納入 若しくは役務の提供の受入れをすることを求める指導、助言 その他の行為をすることをみだりに要求すること。