対策本部長は、武力攻撃事態等において、対処措置等の的確かつ迅速な実施を図るため、対処基本方針に基づき、港湾施設の利用に関する指針(以下 この条 及び次条において「港湾施設の利用指針」という。)を定めることができる。
武力攻撃事態等における特定公共施設等の利用に関する法律
第二章 港湾施設の利用
港湾施設の利用指針は、特定の地域における港湾施設に関し、特定の者の優先的な利用を確保する必要がある対処措置等の概要 及び その期間 その他の対処措置等の的確かつ迅速な実施を図るために必要と認められる基本的な事項について定めるものとする。
対策本部長は、港湾施設の利用指針を定める場合には、関係する地方公共団体の長 その他の執行機関 及び指定公共機関の意見を聴かなければならない。
対策本部長は、港湾施設の利用指針を定めるため必要があると認めるときは、関係する地方公共団体の長 その他の執行機関 及び指定公共機関に対し、必要な情報の提供を求めることができる。
対策本部長は、港湾施設の利用指針を定めたときは、関係する指定行政機関の長、地方公共団体の長 その他の執行機関 及び指定公共機関に通知するとともに、公にすることにより国の安全が害されるおそれがある事項を除き、その内容を公示するものとする。
対策本部長は、事態の推移に応じ、適時に港湾施設の利用指針の見直しを行うものとする。
第三項から 第五項までの規定は、港湾施設の利用指針を変更し、又は廃止する場合について準用する。
対策本部長は、特定の港湾施設に関し、対処措置等の的確かつ迅速な実施を図る上で特定の者の優先的な利用を確保することが特に必要であると認めるときは、港湾施設の利用指針に基づき、当該特定の港湾施設の名称、特定の者の優先的な利用を確保する必要がある対処措置等の内容 及び その期間 その他の具体的な事項を明らかにして、当該特定の港湾施設の港湾管理者に対し、当該特定の港湾施設の全部 又は一部を特定の者に優先的に利用させるよう要請することができる。
前項の要請を受けた港湾管理者は、同項の要請に関し、対策本部長に対して意見を申し出ることができる。
港湾管理者は、前条第一項の要請に基づきその管理する特定の港湾施設を利用させる場合において、必要があると認めるときは、当該特定の港湾施設の利用に係る許可 その他の処分を変更し、又は取り消すことができる。
港湾管理者は、前項の規定により当該特定の港湾施設の利用に係る許可 その他の処分を変更し、又は取り消した場合において、現に停泊中の船舶の移動が必要であると認めるときは、当該船舶の船長 その他の当該船舶の運航に責任を有する者(次条第四項において「当該船舶の船長等」という。)に対し、当該船舶の移動を命ずることができる。
内閣総理大臣は、特定の港湾施設について第七条第一項の要請に基づく 所要の利用が確保されない場合において、国民の生命、身体 若しくは財産の保護 又は武力攻撃の排除を図るため特に必要があると認めるときは、対策本部長の求めに応じ、当該特定の港湾施設の港湾管理者に対し、当該所要の利用を確保すべきことを指示することができる。
前条の規定は、港湾管理者が前項の指示に従いその管理する特定の港湾施設を利用させる場合について準用する。
内閣総理大臣は、第一項の指示を行っても なお所要の利用が確保されないとき、又は国民の生命、身体 若しくは財産の保護 若しくは武力攻撃の排除を図るため特に必要があると認める場合であって事態に照らし緊急を要すると認めるときは、対策本部長の求めに応じ、当該港湾管理者に通知した上で、 国土交通大臣を指揮し、当該特定の港湾施設の利用に係る許可 その他の処分 又は許可その他の処分の変更 若しくは取消しを行わせることができる。
内閣総理大臣は、前項の規定により当該特定の港湾施設の利用に係る許可 その他の処分 又は許可 その他の処分の変更 若しくは取消しを行わせた場合において、現に停泊中の船舶の移動が必要であると認めるときは、国土交通大臣を指揮し、当該船舶の船長等に対し、当該船舶の移動を命じさせることができる。