政府は、緊急対処事態(武力攻撃の手段に準ずる手段を用いて多数の人を殺傷する行為が発生した事態 又は当該行為が発生する明白な危険が切迫していると認められるに至った事態(後日対処基本方針において武力攻撃事態であることの認定が行われることとなる事態を含む。)で、国家として緊急に対処することが必要なものをいう。以下同じ。)に至ったときは、緊急対処事態に関する対処方針(以下「緊急対処事態対処方針」という。)を定めるものとする。
武力攻撃事態等及び存立危機事態における我が国の平和と独立並びに国及び国民の安全の確保に関する法律
第二十二条 # 緊急対処事態対処方針
緊急対処事態対処方針に定める事項は、次のとおりとする。
緊急対処事態であることの認定 及び当該認定の前提となった事実
当該緊急対処事態への対処に関する全般的な方針
前項第三号の緊急対処措置とは、緊急対処事態対処方針が定められてから廃止されるまでの間に、指定行政機関、地方公共団体 又は指定公共機関が法律の規定に基づいて実施する次に掲げる措置をいう。
緊急対処事態を終結させるためにその推移に応じて実施する緊急対処事態における攻撃の予防、鎮圧 その他の措置
緊急対処事態における攻撃から国民の生命、身体 及び財産を保護するため、又は緊急対処事態における攻撃が国民生活 及び国民経済に影響を及ぼす場合において当該影響が最小となるようにするために緊急対処事態の推移に応じて実施する警報の発令、避難の指示、被災者の救助、施設 及び設備の応急の復旧 その他の措置
内閣総理大臣は、緊急対処事態対処方針の案を作成し、閣議の決定を求めなければならない。
内閣総理大臣は、前項の閣議の決定があったときは、当該決定があった日から二十日以内に国会に付議して、緊急対処事態対処方針につき、国会の承認を求めなければならない。
ただし、国会が閉会中の場合 又は衆議院が解散されている場合には、その後 最初に召集される国会において、速やかに、その承認を求めなければならない。
内閣総理大臣は、第四項の閣議の決定があったときは、直ちに、緊急対処事態対処方針を公示してその周知を図らなければならない。
内閣総理大臣は、第五項の規定に基づく緊急対処事態対処方針の承認があったときは、直ちに、その旨を公示しなければならない。
第五項の規定に基づく緊急対処事態対処方針の承認の求めに対し、不承認の議決があったときは、当該議決に係る緊急対処措置は、速やかに、終了されなければならない。
内閣総理大臣は、緊急対処措置を実施するに当たり、緊急対処事態対処方針に基づいて、内閣を代表して行政各部を指揮監督する。
第四項から第八項までの規定は、緊急対処事態対処方針の変更について準用する。
ただし、緊急対処措置を構成する措置の終了を内容とする変更については、第五項、第七項 及び第八項の規定は、この限りでない。
内閣総理大臣は、緊急対処措置を実施する必要がなくなったと認めるとき 又は国会が緊急対処措置を終了すべきことを議決したときは、緊急対処事態対処方針の廃止につき、閣議の決定を求めなければならない。
内閣総理大臣は、前項の閣議の決定があったときは、速やかに、緊急対処事態対処方針が廃止された旨 及び緊急対処事態対処方針に定める緊急対処措置の結果を国会に報告するとともに、これを公示しなければならない。