消費者契約法

# 平成十二年法律第六十一号 #

第十三条 # 適格消費者団体の認定

@ 施行日 : 令和六年四月一日 ( 2024年 4月1日 )
@ 最終更新 : 令和五年法律第六十三号による改正

1項

差止請求関係業務(不特定かつ多数の消費者の利益のために差止請求権を行使する業務 並びに当該業務の遂行に必要な消費者の被害に関する収集 及び提供 並びに消費者の被害の防止 及び救済に資する差止請求権の行使の結果に関する情報の提供に係る業務をいう。以下同じ。)を行おうとする者は、内閣総理大臣の認定を受けなければならない。

2項

前項の認定を受けようとする者は、内閣総理大臣に認定の申請をしなければならない。

3項

内閣総理大臣は、前項の申請をした者が次に掲げる要件の全てに適合しているときに限り、第一項の認定をすることができる。

一 号

特定非営利活動促進法平成十年法律第七号第二条第二項に規定する特定非営利活動法人 又は一般社団法人 若しくは一般財団法人であること。

二 号

消費生活に関する情報の収集 及び提供 並びに消費者の被害の防止 及び救済のための活動 その他の不特定かつ多数の消費者の利益の擁護を図るための活動を行うことを主たる目的とし、現にその活動を相当期間にわたり継続して適正に行っていると認められること。

三 号

差止請求関係業務の実施に係る組織、差止請求関係業務の実施の方法、差止請求関係業務に関して知り得た情報の管理 及び秘密の保持の方法 その他の差止請求関係業務を適正に遂行するための体制 及び業務規程が適切に整備されていること。

四 号

その理事に関し、次に掲げる要件に適合するものであること。

差止請求関係業務の執行を決定する機関として理事をもって構成する理事会が置かれており、かつ、定款で定めるその決定の方法が次に掲げる要件に適合していると認められること。

(1)

当該理事会の決議が理事の過半数 又はこれを上回る割合以上の多数決により行われるものとされていること。

(2)

第四十一条第一項の規定による差止請求、差止請求に係る訴えの提起 その他の差止請求関係業務の執行に係る重要な事項の決定が理事 その他の者に委任されていないこと。

理事の構成が次の(1)又は(2)いずれかに該当するものでないこと。


この場合において、第二号に掲げる要件に適合する者は、次の(1)又は(2)に規定する事業者に該当しないものとみなす。

(1)

理事の数のうちに占める特定の事業者(当該事業者との間に発行済株式の総数の二分の一以上の株式の数を保有する関係 その他の内閣府令で定める特別の関係のある者を含む。)の関係者(当該事業者 及びその役員 又は職員である者 その他の内閣府令で定める者をいう。(2)において同じ。)の数の割合が三分の一を超えていること。

(2)

理事の数のうちに占める同一の業種(内閣府令で定める事業の区分をいう。)に属する事業を行う事業者の関係者の数の割合が二分の一を超えていること。

五 号

差止請求の要否 及びその内容についての検討を行う部門において次の 及びに掲げる者(以下「専門委員」と総称する。)が共にその専門的な知識経験に基づいて必要な助言を行い 又は意見を述べる体制が整備されていること その他差止請求関係業務を遂行するための人的体制に照らして、差止請求関係業務を適正に遂行することができる専門的な知識経験を有すると認められること。

消費生活に関する消費者と事業者との間に生じた苦情に係る相談(第四十条第一項において「消費生活相談」という。)その他の消費生活に関する事項について専門的な知識経験を有する者として内閣府令で定める条件に適合する者

弁護士、司法書士 その他の法律に関する専門的な知識経験を有する者として内閣府令で定める条件に適合する者

六 号

差止請求関係業務を適正に遂行するに足りる経理的基礎を有すること。

七 号

差止請求関係業務以外の業務を行う場合には、その業務を行うことによって差止請求関係業務の適正な遂行に支障を及ぼすおそれがないこと。

4項

前項第三号の業務規程には、差止請求関係業務の実施の方法、差止請求関係業務に関して知り得た情報の管理 及び秘密の保持の方法 その他の内閣府令で定める事項が定められていなければならない。


この場合において、業務規程に定める差止請求関係業務の実施の方法には、同項第五号の検討を行う部門における専門委員からの助言 又は意見の聴取に関する措置 及び役員、職員 又は専門委員が差止請求に係る相手方と特別の利害関係を有する場合の措置 その他業務の公正な実施の確保に関する措置が含まれていなければならない。

5項

次の各号いずれかに該当する者は、第一項の認定を受けることができない

一 号

この法律、消費者の財産的被害等の集団的な回復のための民事の裁判手続の特例に関する法律平成二十五年法律第九十六号。以下「消費者裁判手続特例法」という。)その他消費者の利益の擁護に関する法律で政令で定めるもの若しくはこれらの法律に基づく命令の規定 又はこれらの規定に基づく処分に違反して罰金の刑に処せられ、その刑の執行を終わり、又はその刑の執行を受けることがなくなった日から三年を経過しない法人

二 号

第三十四条第一項各号 若しくは消費者裁判手続特例法第九十二条第二項各号に掲げる事由により第一項の認定を取り消され、又は第三十四条第三項の規定により同条第一項第四号に掲げる事由があった旨の認定がされ、その取消し 又は認定の日から三年を経過しない法人

三 号

暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律平成三年法律第七十七号第二条第六号に規定する暴力団員(以下この号において「暴力団員」という。)又は同号に規定する暴力団員でなくなった日から五年を経過しない者(次号 及び第六号ハにおいて「暴力団員等」という。)がその事業活動を支配する法人

四 号

暴力団員等をその業務に従事させ、又はその業務の補助者として使用するおそれのある法人

五 号

政治団体(政治資金規正法昭和二十三年法律第百九十四号第三条第一項に規定する政治団体をいう。

六 号

役員のうちに次のイからハまでいずれかに該当する者のある法人

禁錮以上の刑に処せられ、又はこの法律、消費者裁判手続特例法 その他消費者の利益の擁護に関する法律で政令で定めるもの若しくはこれらの法律に基づく命令の規定 若しくはこれらの規定に基づく処分に違反して罰金の刑に処せられ、その刑の執行を終わり、又はその刑の執行を受けることがなくなった日から三年を経過しない者

適格消費者団体が第三十四条第一項各号 若しくは消費者裁判手続特例法第九十二条第二項各号に掲げる事由により第一項の認定を取り消され、又は第三十四条第三項の規定により同条第一項第四号に掲げる事由があった旨の認定がされた場合において、その取消し 又は認定の日前六月以内に当該適格消費者団体の役員であった者でその取消し 又は認定の日から三年を経過しないもの

暴力団員等