消費者契約法

# 平成十二年法律第六十一号 #

第一款 適格消費者団体の認定等

分類 法律
カテゴリ   商業
@ 施行日 : 令和六年四月一日 ( 2024年 4月1日 )
@ 最終更新 : 令和五年法律第六十三号による改正
最終編集日 : 2024年 05月12日 11時17分

1項

差止請求関係業務(不特定かつ多数の消費者の利益のために差止請求権を行使する業務 並びに当該業務の遂行に必要な消費者の被害に関する収集 及び提供 並びに消費者の被害の防止 及び救済に資する差止請求権の行使の結果に関する情報の提供に係る業務をいう。以下同じ。)を行おうとする者は、内閣総理大臣の認定を受けなければならない。

2項

前項の認定を受けようとする者は、内閣総理大臣に認定の申請をしなければならない。

3項

内閣総理大臣は、前項の申請をした者が次に掲げる要件の全てに適合しているときに限り、第一項の認定をすることができる。

一 号

特定非営利活動促進法平成十年法律第七号第二条第二項に規定する特定非営利活動法人 又は一般社団法人 若しくは一般財団法人であること。

二 号

消費生活に関する情報の収集 及び提供 並びに消費者の被害の防止 及び救済のための活動 その他の不特定かつ多数の消費者の利益の擁護を図るための活動を行うことを主たる目的とし、現にその活動を相当期間にわたり継続して適正に行っていると認められること。

三 号

差止請求関係業務の実施に係る組織、差止請求関係業務の実施の方法、差止請求関係業務に関して知り得た情報の管理 及び秘密の保持の方法 その他の差止請求関係業務を適正に遂行するための体制 及び業務規程が適切に整備されていること。

四 号

その理事に関し、次に掲げる要件に適合するものであること。

差止請求関係業務の執行を決定する機関として理事をもって構成する理事会が置かれており、かつ、定款で定めるその決定の方法が次に掲げる要件に適合していると認められること。

(1)

当該理事会の決議が理事の過半数 又はこれを上回る割合以上の多数決により行われるものとされていること。

(2)

第四十一条第一項の規定による差止請求、差止請求に係る訴えの提起 その他の差止請求関係業務の執行に係る重要な事項の決定が理事 その他の者に委任されていないこと。

理事の構成が次の(1)又は(2)いずれかに該当するものでないこと。


この場合において、第二号に掲げる要件に適合する者は、次の(1)又は(2)に規定する事業者に該当しないものとみなす。

(1)

理事の数のうちに占める特定の事業者(当該事業者との間に発行済株式の総数の二分の一以上の株式の数を保有する関係 その他の内閣府令で定める特別の関係のある者を含む。)の関係者(当該事業者 及びその役員 又は職員である者 その他の内閣府令で定める者をいう。(2)において同じ。)の数の割合が三分の一を超えていること。

(2)

理事の数のうちに占める同一の業種(内閣府令で定める事業の区分をいう。)に属する事業を行う事業者の関係者の数の割合が二分の一を超えていること。

五 号

差止請求の要否 及びその内容についての検討を行う部門において次の 及びに掲げる者(以下「専門委員」と総称する。)が共にその専門的な知識経験に基づいて必要な助言を行い 又は意見を述べる体制が整備されていること その他差止請求関係業務を遂行するための人的体制に照らして、差止請求関係業務を適正に遂行することができる専門的な知識経験を有すると認められること。

消費生活に関する消費者と事業者との間に生じた苦情に係る相談(第四十条第一項において「消費生活相談」という。)その他の消費生活に関する事項について専門的な知識経験を有する者として内閣府令で定める条件に適合する者

弁護士、司法書士 その他の法律に関する専門的な知識経験を有する者として内閣府令で定める条件に適合する者

六 号

差止請求関係業務を適正に遂行するに足りる経理的基礎を有すること。

七 号

差止請求関係業務以外の業務を行う場合には、その業務を行うことによって差止請求関係業務の適正な遂行に支障を及ぼすおそれがないこと。

4項

前項第三号の業務規程には、差止請求関係業務の実施の方法、差止請求関係業務に関して知り得た情報の管理 及び秘密の保持の方法 その他の内閣府令で定める事項が定められていなければならない。


この場合において、業務規程に定める差止請求関係業務の実施の方法には、同項第五号の検討を行う部門における専門委員からの助言 又は意見の聴取に関する措置 及び役員、職員 又は専門委員が差止請求に係る相手方と特別の利害関係を有する場合の措置 その他業務の公正な実施の確保に関する措置が含まれていなければならない。

5項

次の各号いずれかに該当する者は、第一項の認定を受けることができない

一 号

この法律、消費者の財産的被害等の集団的な回復のための民事の裁判手続の特例に関する法律平成二十五年法律第九十六号。以下「消費者裁判手続特例法」という。)その他消費者の利益の擁護に関する法律で政令で定めるもの若しくはこれらの法律に基づく命令の規定 又はこれらの規定に基づく処分に違反して罰金の刑に処せられ、その刑の執行を終わり、又はその刑の執行を受けることがなくなった日から三年を経過しない法人

二 号

第三十四条第一項各号 若しくは消費者裁判手続特例法第九十二条第二項各号に掲げる事由により第一項の認定を取り消され、又は第三十四条第三項の規定により同条第一項第四号に掲げる事由があった旨の認定がされ、その取消し 又は認定の日から三年を経過しない法人

三 号

暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律平成三年法律第七十七号第二条第六号に規定する暴力団員(以下この号において「暴力団員」という。)又は同号に規定する暴力団員でなくなった日から五年を経過しない者(次号 及び第六号ハにおいて「暴力団員等」という。)がその事業活動を支配する法人

四 号

暴力団員等をその業務に従事させ、又はその業務の補助者として使用するおそれのある法人

五 号

政治団体(政治資金規正法昭和二十三年法律第百九十四号第三条第一項に規定する政治団体をいう。

六 号

役員のうちに次のイからハまでいずれかに該当する者のある法人

禁錮以上の刑に処せられ、又はこの法律、消費者裁判手続特例法 その他消費者の利益の擁護に関する法律で政令で定めるもの若しくはこれらの法律に基づく命令の規定 若しくはこれらの規定に基づく処分に違反して罰金の刑に処せられ、その刑の執行を終わり、又はその刑の執行を受けることがなくなった日から三年を経過しない者

適格消費者団体が第三十四条第一項各号 若しくは消費者裁判手続特例法第九十二条第二項各号に掲げる事由により第一項の認定を取り消され、又は第三十四条第三項の規定により同条第一項第四号に掲げる事由があった旨の認定がされた場合において、その取消し 又は認定の日前六月以内に当該適格消費者団体の役員であった者でその取消し 又は認定の日から三年を経過しないもの

暴力団員等
1項

前条第二項の申請は、次に掲げる事項を記載した申請書を内閣総理大臣に提出してしなければならない。

一 号

名称 及び住所 並びに代表者の氏名

二 号

差止請求関係業務を行おうとする事務所の所在地

三 号

前二号に掲げるもののほか、内閣府令で定める事項

2項

前項の申請書には、次に掲げる書類を添付しなければならない。

一 号
定款
二 号

不特定かつ多数の消費者の利益の擁護を図るための活動を相当期間にわたり継続して適正に行っていることを証する書類

三 号

差止請求関係業務に関する業務計画書

四 号

差止請求関係業務を適正に遂行するための体制が整備されていることを証する書類

五 号
業務規程
六 号

役員、職員 及び専門委員に関する次に掲げる書類

氏名、役職 及び職業を記載した書類

住所、略歴 その他内閣府令で定める事項を記載した書類

七 号

前条第三項第一号の法人の社員について、その数 及び個人 又は法人 その他の団体の別(社員が法人 その他の団体である場合にあっては、その構成員の数を含む。)を記載した書類

八 号

最近の事業年度における財産目録、貸借対照表 又は次の 若しくはに掲げる法人の区分に応じ、当該 若しくはに定める書類(第三十一条第一項において「財産目録等」という。)その他の経理的基礎を有することを証する書類

特定非営利活動促進法第二条第二項に規定する特定非営利活動法人

同法第二十七条第三号に規定する活動計算書

一般社団法人又は一般財団法人

一般社団法人及び一般財団法人に関する法律平成十八年法律第四十八号第百二十三条第二項同法第百九十九条において準用する場合を含む。)に規定する損益計算書(公益社団法人及び公益財団法人の認定等に関する法律平成十八年法律第四十九号第五条に規定する公益認定を受けている場合にあっては、内閣府令で定める書類

九 号

前条第五項各号いずれにも該当しないことを誓約する書面

十 号

差止請求関係業務以外の業務を行う場合には、その業務の種類 及び概要を記載した書類

十一 号

その他内閣府令で定める書類

1項

内閣総理大臣は、前条の規定による認定の申請があった場合には、遅滞なく、内閣府令で定めるところにより、その旨 並びに同条第一項第一号 及び第二号に掲げる事項を公告するとともに、同条第二項各号第六号ロ第九号 及び第十一号除く)に掲げる書類を、公告の日から二週間、公衆の縦覧に供しなければならない。

2項

内閣総理大臣は、第十三条第一項の認定をしようとするときは、同条第三項第二号に規定する事由の有無について、経済産業大臣の意見を聴くものとする。

3項

内閣総理大臣は、前条の規定による認定の申請をした者について第十三条第五項第三号第四号 又は第六号ハに該当する疑いがあると認めるときは、警察庁長官の意見を聴くものとする。

1項

内閣総理大臣は、第十三条第一項の認定をしたときは、内閣府令で定めるところにより、当該適格消費者団体の名称 及び住所、差止請求関係業務を行う事務所の所在地 並びに当該認定をした日を公示するとともに、当該適格消費者団体に対し、その旨を書面により通知するものとする。

2項

適格消費者団体は、内閣府令で定めるところにより、適格消費者団体である旨について、差止請求関係業務を行う事務所において見やすいように掲示するとともに、電気通信回線に接続して行う自動公衆送信(公衆によって直接受信されることを目的として公衆からの求めに応じ自動的に送信を行うことをいい、放送 又は有線放送に該当するものを除く)により公衆の閲覧に供しなければならない。

3項

適格消費者団体でない者は、その名称中に適格消費者団体であると誤認されるおそれのある文字を用い、又はその業務に関し、適格消費者団体であると誤認されるおそれのある表示をしてはならない

1項

第十三条第一項の認定の有効期間は、当該認定の日から起算して六年とする。

2項

前項の有効期間の満了後 引き続き差止請求関係業務を行おうとする適格消費者団体は、その有効期間の更新を受けなければならない。

3項

前項の有効期間の更新を受けようとする適格消費者団体は、第一項の有効期間の満了の日の九十日前から六十日前までの間(以下この項において「更新申請期間」という。)に、内閣総理大臣に有効期間の更新の申請をしなければならない。


ただし、災害 その他やむを得ない事由により更新申請期間にその申請をすることができないときは、この限りでない。

4項

前項の申請があった場合において、第一項の有効期間の満了の日までにその申請に対する処分がされないときは、従前の認定は、同項の有効期間の満了後も その処分がされるまでの間は、なお効力を有する。

5項

前項の場合において、第二項の有効期間の更新がされたときは、その認定の有効期間は、従前の認定の有効期間の満了の日の翌日から起算するものとする。

6項

第十三条第一項 及び第五項第二号除く)、第十四条第十五条 及び前条第一項の規定は、第二項の有効期間の更新について準用する。


ただし第十四条第二項各号に掲げる書類については、既に内閣総理大臣に提出されている当該書類の内容に変更がないときは、その添付を省略することができる。

1項

適格消費者団体は、第十四条第一項各号に掲げる事項 又は同条第二項各号第二号 及び第十一号除く)に掲げる書類に記載した事項に変更があったときは、遅滞なく、内閣府令で定めるところにより、その旨を内閣総理大臣に届け出なければならない。


ただし、その変更が内閣府令で定める軽微なものであるときは、この限りでない。

1項

適格消費者団体である法人が他の適格消費者団体である法人と合併をしたときは、合併後存続する法人 又は合併により設立された法人は、合併により消滅した法人のこの法律の規定による適格消費者団体としての地位を承継する。

2項

前項の規定により合併により消滅した法人のこの法律の規定による適格消費者団体としての地位を承継した法人は、遅滞なく、その旨を内閣総理大臣に届け出なければならない。

3項

適格消費者団体である法人が適格消費者団体でない法人と合併(適格消費者団体である法人が存続するものを除く。以下この条 及び第二十二条第二号において同じ。)をした場合には、合併後存続する法人 又は合併により設立された法人は、その合併について内閣総理大臣の認可がされたときに限り、合併により消滅した法人のこの法律の規定による適格消費者団体としての地位を承継する。

4項

前項の認可を受けようとする適格消費者団体である法人 及び適格消費者団体でない法人は、共同して、その合併がその効力を生ずる日の九十日前から六十日前までの間(以下この項において「認可申請期間」という。)に、内閣総理大臣に認可の申請をしなければならない。


ただし、災害 その他やむを得ない事由により認可申請期間にその申請をすることができないときは、この限りでない。

5項

前項の申請があった場合において、その合併がその効力を生ずる日までにその申請に対する処分がされないときは、合併後存続する法人 又は合併により設立された法人は、その処分がされるまでの間は、合併により消滅した法人のこの法律の規定による適格消費者団体としての地位を承継しているものとみなす。

6項

第十三条第一項除く)、第十四条第十五条 及び第十六条第一項の規定は、第三項の認可について準用する。

7項

適格消費者団体である法人は、適格消費者団体でない法人と合併をする場合において、第四項の申請をしないときは、その合併がその効力を生ずる日までに、その旨を内閣総理大臣に届け出なければならない。

8項

内閣総理大臣は、第二項 又は前項の規定による届出があったときは、内閣府令で定めるところにより、その旨を公示するものとする。

1項

適格消費者団体である法人が他の適格消費者団体である法人に対し差止請求関係業務に係る事業の全部の譲渡をしたときは、その譲渡を受けた法人は、その譲渡をした法人のこの法律の規定による適格消費者団体としての地位を承継する。

2項

前項の規定によりその譲渡をした法人のこの法律の規定による適格消費者団体としての地位を承継した法人は、遅滞なく、その旨を内閣総理大臣に届け出なければならない。

3項

適格消費者団体である法人が適格消費者団体でない法人に対し差止請求関係業務に係る事業の全部の譲渡をした場合には、その譲渡を受けた法人は、その譲渡について内閣総理大臣の認可がされたときに限り、その譲渡をした法人のこの法律の規定による適格消費者団体としての地位を承継する。

4項

前項の認可を受けようとする適格消費者団体である法人 及び適格消費者団体でない法人は、共同して、その譲渡の日の九十日前から六十日前までの間(以下この項において「認可申請期間」という。)に、内閣総理大臣に認可の申請をしなければならない。


ただし、災害 その他やむを得ない事由により認可申請期間にその申請をすることができないときは、この限りでない。

5項

前項の申請があった場合において、その譲渡の日までにその申請に対する処分がされないときは、その譲渡を受けた法人は、その処分がされるまでの間は、その譲渡をした法人のこの法律の規定による適格消費者団体としての地位を承継しているものとみなす。

6項

第十三条第一項除く)、第十四条第十五条 及び第十六条第一項の規定は、第三項の認可について準用する。

7項

適格消費者団体である法人は、適格消費者団体でない法人に対し差止請求関係業務に係る事業の全部の譲渡をする場合において、第四項の申請をしないときは、その譲渡の日までに、その旨を内閣総理大臣に届け出なければならない。

8項

内閣総理大臣は、第二項 又は前項の規定による届出があったときは、内閣府令で定めるところにより、その旨を公示するものとする。

1項

適格消費者団体が次の各号に掲げる場合のいずれかに該当することとなったときは、当該各号に定める者は、遅滞なく、その旨を内閣総理大臣に届け出なければならない。

一 号

破産手続開始の決定により解散した場合

破産管財人

二 号

合併 及び破産手続開始の決定以外の理由により解散した場合

清算人

三 号

差止請求関係業務を廃止した場合

法人の代表者

2項

内閣総理大臣は、前項の規定による届出があったときは、内閣府令で定めるところにより、その旨を公示するものとする。

1項

適格消費者団体について、次のいずれかに掲げる事由が生じたときは、第十三条第一項の認定は、その効力を失う。

一 号

第十三条第一項の認定の有効期間が経過したとき(第十七条第四項に規定する場合にあっては、更新拒否処分がされたとき)。

二 号

適格消費者団体である法人が適格消費者団体でない法人と合併をした場合において、その合併が第十九条第三項の認可を経ずにその効力を生じたとき(同条第五項に規定する場合にあっては、その合併の不認可処分がされたとき)。

三 号

適格消費者団体である法人が適格消費者団体でない法人に対し差止請求関係業務に係る事業の全部の譲渡をした場合において、その譲渡が第二十条第三項の認可を経ずにされたとき(同条第五項に規定する場合にあっては、その譲渡の不認可処分がされたとき)。

四 号

適格消費者団体が前条第一項各号に掲げる場合のいずれかに該当することとなったとき。