漁業法

# 昭和二十四年法律第二百六十七号 #

第百七十七条 # 損失の補償

@ 施行日 : 令和六年七月十六日 ( 2024年 7月16日 )
@ 最終更新 : 令和六年法律第六十六号による改正

1項

国は、次の各号に掲げる場合には、それぞれ当該各号に規定する処分 又は行為によつて生じた損失をそれぞれ当該各号に定める者に補償しなければならない。

一 号

農林水産大臣が第五十五条第一項の規定により第三十六条第一項の許可 又は第三十八条の起業の認可を変更し、取り消し、又はその効力の停止を命じた場合

これらの処分を受けた者

二 号

広域漁業調整委員会 又は水産政策審議会が第百五十七条第二項の規定によりその委員 又は委員会 若しくは審議会の事務に従事する者をして他人の土地に立ち入つて、測量し、検査し、又は測量 若しくは検査の障害になる物を移転し、若しくは除去させた場合

当該土地の所有者 又は占有者

三 号

農林水産大臣が前条第二項の規定により当該職員をして他人の土地に立ち入つて、測量し、検査し、又は測量 若しくは検査の障害になる物を移転し、若しくは除去させた場合

当該土地の所有者 又は占有者

2項

前項の規定により補償すべき損失は、同項各号に規定する処分 又は行為によつて通常生ずべき損失とする。

3項

第一項の規定により補償すべき金額は、農林水産大臣が決定する。


この場合において、農林水産大臣は、同項第二号に規定する行為に係る補償にあつては、当該行為をさせた広域漁業調整委員会 又は水産政策審議会の意見を聴かなければならない。

4項

前項の金額に不服がある者は、その決定の通知を受けた日から六月以内に、訴えをもつてその増額を請求することができる。

5項

前項の訴えにおいては、国を被告とする。

6項

第一項第一号に規定する処分によつて利益を受ける者があるときは、国は、その者に対し、同項の規定により補償すべき金額の全部 又は一部を負担させることができる。

7項

前項の場合には、第三項前段、第四項 及び第五項の規定を準用する。


この場合において、

第四項
増額」とあるのは、
「減額」と

読み替えるものとする。

8項

第六項の規定により負担させる金額は、国税滞納処分の例によつて徴収することができる。


ただし、先取特権の順位は、国税 及び地方税に次ぐものとする。

9項

農林水産大臣は、第六項の規定による処分をしようとするときは、行政手続法第十三条第一項の規定による意見陳述のための手続の区分にかかわらず、聴聞を行わなければならない。

10項

第六項の規定による処分に係る聴聞の期日における審理は、公開により行わなければならない。

11項

第一項第二号 又は第三号の土地について先取特権 又は抵当権があるときは、国は、当該先取特権 又は抵当権を有する者から供託をしなくてもよい旨の申出がある場合を除き、その補償金を供託しなければならない。

12項

前項の先取特権 又は抵当権を有する者は、同項の規定により供託した補償金に対してその権利を行うことができる。

13項

都道府県は、次の各号に掲げる場合には、それぞれ当該各号に規定する処分 又は行為によつて生じた損失をそれぞれ当該各号に定める者に補償しなければならない。

一 号

都道府県知事が第八十八条第四項同条第五項において準用する場合を含む。)において準用する第九十三条第一項の規定により第八十八条第一項同条第五項において準用する場合を含む。)の許可を変更し、取り消し、又はその効力の停止を命じた場合

これらの処分を受けた者

二 号

都道府県知事が第九十三条第一項の規定により漁業権を変更し、取り消し、又はその行使の停止を命じた場合

これらの処分を受けた者

三 号

海区漁業調整委員会 若しくは連合海区漁業調整委員会 又は内水面漁場管理委員会が第百五十七条第二項第百七十三条において準用する場合を含む。)の規定によりその委員 又は委員会の事務に従事する者をして他人の土地に立ち入つて、測量し、検査し、又は測量 若しくは検査の障害になる物を移転し、若しくは除去させた場合 当該土地の所有者 又は占有者

四 号

都道府県知事が前条第二項の規定により当該職員をして他人の土地に立ち入つて、測量し、検査し、又は測量 若しくは検査の障害になる物を移転し、若しくは除去させた場合

当該土地の所有者 又は占有者

14項

第二項から第八項まで第十一項 及び第十二項の規定は、前項の規定により都道府県が損失を補償しなければならない場合について準用する。


この場合において、

第二項
前項」とあり、
及び第三項
第一項」とあるのは
第十三項」と、

同項
農林水産大臣」とあるのは
「都道府県知事」と、

同項第二号」とあるのは
同項第一号 及び第二号に規定する処分に係る補償にあつては海区漁業調整委員会の意見を、同項第三号」と、

広域漁業調整委員会 又は水産政策審議会の意見を」とあるのは
「海区漁業調整委員会 若しくは連合海区漁業調整委員会 又は内水面漁場管理委員会の意見を、それぞれ」と、

第五項
」とあるのは
「都道府県」と、

第六項
第一項第一号」とあるのは
第十三項第一号 又は第二号」と、

」とあるのは
「都道府県」と、

第七項
第五項」とあるのは
第五項 並びに第八十九条第三項から第七項まで」と、

第八項
国税滞納処分」とあるのは
「地方税の滞納処分」と、

第十一項
第一項第二号 又は第三号」とあるのは
第十三項第二号の漁業権(第九十三条第一項の規定により取り消されたものに限る。)又は第十三項第三号 若しくは第四号」と、

」とあるのは
「都道府県」と、

同項 及び第十二項
有する者」とあるのは
「有する者(漁業権にあつては、登録先取特権者等に限る)」と

読み替えるものとするほか、必要な技術的読替えは、政令で定める。