相続税法

# 昭和二十五年法律第七十三号 #

第二節 相続若しくは遺贈又は贈与により取得したものとみなす場合

分類 法律
カテゴリ   国税
@ 施行日 : 令和六年三月一日 ( 2024年 3月1日 )
@ 最終更新 : 令和四年法律第四号による改正
最終編集日 : 2024年 03月15日 13時28分


1項

次の各号いずれかに該当する場合においては、当該各号に掲げる者が、当該各号に掲げる財産を相続 又は遺贈により取得したものとみなす。


この場合において、その者が相続人(相続を放棄した者 及び相続権を失つた者を含まない。第十五条第十六条第十九条の二第一項第十九条の三第一項第十九条の四第一項 及び第六十三条の場合 並びに「第十五条第二項に規定する相続人の数」という場合を除き、以下同じ。)であるときは当該財産を相続により取得したものとみなし、その者が相続人以外の者であるときは当該財産を遺贈により取得したものとみなす。

一 号

被相続人の死亡により相続人 その他の者が生命保険契約(保険業法(平成七年法律第百五号)第二条第三項(定義)に規定する生命保険会社と締結した保険契約(これに類する共済に係る契約を含む。以下同じ。)その他の政令で定める契約をいう。以下同じ。)の保険金(共済金を含む。以下同じ。)又は損害保険契約(同条第四項に規定する損害保険会社と締結した保険契約 その他の政令で定める契約をいう。以下同じ。)の保険金(偶然な事故に基因する死亡に伴い支払われるものに限る)を取得した場合においては、当該保険金受取人(共済金受取人を含む。以下同じ。)について、当該保険金(次号に掲げる給与 及び第五号 又は第六号に掲げる権利に該当するものを除く)のうち被相続人が負担した保険料(共済掛金を含む。以下同じ。)の金額の当該契約に係る保険料で被相続人の死亡の時までに払い込まれたものの全額に対する割合に相当する部分

二 号

被相続人の死亡により相続人 その他の者が当該被相続人に支給されるべきであつた退職手当金、功労金 その他これらに準ずる給与(政令で定める給付を含む。)で被相続人の死亡後三年以内に支給が確定したものの支給を受けた場合においては、当該給与の支給を受けた者について、当該給与

三 号

相続開始の時において、まだ保険事故(共済事故を含む。以下同じ。)が発生していない生命保険契約(一定期間内に保険事故が発生しなかつた場合において返還金 その他これに準ずるものの支払がない生命保険契約を除く)で被相続人が保険料の全部 又は一部を負担し、かつ、被相続人以外の者が当該生命保険契約の契約者であるものがある場合においては、当該生命保険契約の契約者について、当該契約に関する権利のうち被相続人が負担した保険料の金額の当該契約に係る保険料で当該相続開始の時までに払い込まれたものの全額に対する割合に相当する部分

四 号

相続開始の時において、まだ定期金給付事由が発生していない定期金給付契約(生命保険契約を除く)で被相続人が掛金 又は保険料の全部 又は一部を負担し、かつ、被相続人以外の者が当該定期金給付契約の契約者であるものがある場合においては、当該定期金給付契約の契約者について、当該契約に関する権利のうち被相続人が負担した掛金 又は保険料の金額の当該契約に係る掛金 又は保険料で当該相続開始の時までに払い込まれたものの全額に対する割合に相当する部分

五 号

定期金給付契約で定期金受取人に対し その生存中 又は一定期間にわたり定期金を給付し、かつ、その者が死亡したときはその死亡後遺族 その他の者に対して定期金 又は一時金を給付するものに基づいて定期金受取人たる被相続人の死亡後相続人 その他の者が定期金受取人 又は一時金受取人となつた場合においては、当該定期金受取人 又は一時金受取人となつた者について、当該定期金給付契約に関する権利のうち被相続人が負担した掛金 又は保険料の金額の当該契約に係る掛金 又は保険料で当該相続開始の時までに払い込まれたものの全額に対する割合に相当する部分

六 号

被相続人の死亡により相続人 その他の者が定期金(これに係る一時金を含む。)に関する権利で契約に基づくもの以外のもの(恩給法大正十二年法律第四十八号)の規定による扶助料に関する権利を除く)を取得した場合においては、当該定期金に関する権利を取得した者について、当該定期金に関する権利(第二号に掲げる給与に該当するものを除く

2項

前項第一号 又は第三号から第五号までの規定の適用については、被相続人の被相続人が負担した保険料 又は掛金は、被相続人が負担した保険料 又は掛金とみなす。


ただし同項第三号 又は第四号の規定により当該各号に掲げる者が当該被相続人の被相続人から当該各号に掲げる財産を相続 又は遺贈により取得したものとみなされた場合においては、当該被相続人の被相続人が負担した保険料 又は掛金については、この限りでない。

3項

第一項第三号 又は第四号の規定の適用については、被相続人の遺言により払い込まれた保険料 又は掛金は、被相続人が負担した保険料 又は掛金とみなす。

1項

民法第九百五十八条の二第一項特別縁故者に対する相続財産の分与)の規定により同項に規定する相続財産の全部 又は一部を与えられた場合においては、その与えられた者が、その与えられた時における当該財産の時価(当該財産の評価について第三章に特別の定めがある場合には、その規定により評価した価額)に相当する金額を当該財産に係る被相続人から遺贈により取得したものとみなす。

2項

特別寄与者が支払を受けるべき特別寄与料の額が確定した場合においては、当該特別寄与者が、当該特別寄与料の額に相当する金額を当該特別寄与者による特別の寄与を受けた被相続人から遺贈により取得したものとみなす。

1項

生命保険契約の保険事故(傷害、疾病 その他これらに類する保険事故で死亡を伴わないものを除く)又は損害保険契約の保険事故(偶然な事故に基因する保険事故で死亡を伴うものに限る)が発生した場合において、これらの契約に係る保険料の全部 又は一部が保険金受取人以外の者によつて負担されたものであるときは、これらの保険事故が発生した時において、保険金受取人が、その取得した保険金(当該損害保険契約の保険金については、政令で定めるものに限る)のうち当該保険金受取人以外の者が負担した保険料の金額のこれらの契約に係る保険料でこれらの保険事故が発生した時までに払い込まれたものの全額に対する割合に相当する部分を当該保険料を負担した者から贈与により取得したものとみなす。

2項

前項の規定は、生命保険契約 又は損害保険契約(傷害を保険事故とする損害保険契約で政令で定めるものに限る)について返還金 その他これに準ずるものの取得があつた場合について準用する。

3項

前二項の規定の適用については、第一項前項において準用する場合を含む。)に規定する保険料を負担した者の被相続人が負担した保険料は、その者が負担した保険料とみなす。


ただし第三条第一項第三号の規定により前二項に規定する保険金受取人 又は返還金 その他これに準ずるものの取得者が当該被相続人から同号に掲げる財産を相続 又は遺贈により取得したものとみなされた場合においては、当該被相続人が負担した保険料については、この限りでない。

4項

第一項の規定は、第三条第一項第一号 又は第二号の規定により第一項に規定する保険金受取人が同条第一項第一号に掲げる保険金 又は同項第二号に掲げる給与を相続 又は遺贈により取得したものとみなされる場合においては、当該保険金 又は給与に相当する部分については、適用しない

1項

定期金給付契約(生命保険契約を除く次項において同じ。)の定期金給付事由が発生した場合において、当該契約に係る掛金 又は保険料の全部 又は一部が定期金受取人以外の者によつて負担されたものであるときは、当該定期金給付事由が発生した時において、定期金受取人が、その取得した定期金給付契約に関する権利のうち当該定期金受取人以外の者が負担した掛金 又は保険料の金額の当該契約に係る掛金 又は保険料で当該定期金給付事由が発生した時までに払い込まれたものの全額に対する割合に相当する部分を当該掛金 又は保険料を負担した者から贈与により取得したものとみなす。

2項

前項の規定は、定期金給付契約について返還金 その他これに準ずるものの取得があつた場合について準用する。

3項

第三条第一項第五号の規定に該当する場合において、同号に規定する定期金給付契約に係る掛金 又は保険料の全部 又は一部が同号に規定する定期金受取人 又は一時金受取人 及び被相続人以外の第三者によつて負担されたものであるときは、相続の開始があつた時において、当該定期金受取人 又は一時金受取人が、その取得した定期金給付契約に関する権利のうち当該第三者が負担した掛金 又は保険料の金額の当該契約に係る掛金 又は保険料で当該相続開始の時までに払い込まれたものの全額に対する割合に相当する部分を当該第三者から贈与により取得したものとみなす。

4項

前三項の規定の適用については、第一項第二項において準用する場合を含む。)又は前項に規定する掛金 又は保険料を負担した者の被相続人が負担した掛金 又は保険料は、その者が負担した掛金 又は保険料とみなす。


ただし第三条第一項第四号の規定により前三項に規定する定期金受取人 若しくは一時金受取人 又は返還金 その他これに準ずるものの取得者が当該被相続人から同号に掲げる財産を相続 又は遺贈により取得したものとみなされた場合においては、当該被相続人が負担した掛金 又は保険料については、この限りでない。

1項

著しく低い価額の対価で財産の譲渡を受けた場合においては、当該財産の譲渡があつた時において、当該財産の譲渡を受けた者が、当該対価と当該譲渡があつた時における当該財産の時価(当該財産の評価について第三章に特別の定めがある場合には、その規定により評価した価額)との差額に相当する金額を当該財産を譲渡した者から贈与(当該財産の譲渡が遺言によりなされた場合には、遺贈)により取得したものとみなす。


ただし、当該財産の譲渡が、その譲渡を受ける者が資力を喪失して債務を弁済することが困難である場合において、その者の扶養義務者から当該債務の弁済に充てるためになされたものであるときは、その贈与 又は遺贈により取得したものとみなされた金額のうちその債務を弁済することが困難である部分の金額については、この限りでない。

1項

対価を支払わないで、又は著しく低い価額の対価で債務の免除、引受け 又は第三者のためにする債務の弁済による利益を受けた場合においては、当該債務の免除、引受け 又は弁済があつた時において、当該債務の免除、引受け 又は弁済による利益を受けた者が、当該債務の免除、引受け 又は弁済に係る債務の金額に相当する金額(対価の支払があつた場合には、その価額を控除した金額)を当該債務の免除、引受け 又は弁済をした者から贈与(当該債務の免除、引受け 又は弁済が遺言によりなされた場合には、遺贈)により取得したものとみなす。


ただし、当該債務の免除、引受け 又は弁済が次の各号いずれかに該当する場合においては、その贈与 又は遺贈により取得したものとみなされた金額のうちその債務を弁済することが困難である部分の金額については、この限りでない。

一 号

債務者が資力を喪失して債務を弁済することが困難である場合において、当該債務の全部 又は一部の免除を受けたとき。

二 号

債務者が資力を喪失して債務を弁済することが困難である場合において、その債務者の扶養義務者によつて当該債務の全部 又は一部の引受け 又は弁済がなされたとき。

1項

第五条から前条まで 及び次節に定する場合を除くほか、対価を支払わないで、又は著しく低い価額の対価で利益を受けた場合においては、当該利益を受けた時において、当該利益を受けた者が、当該利益を受けた時における当該利益の価額に相当する金額(対価の支払があつた場合には、その価額を控除した金額)を当該利益を受けさせた者から贈与(当該行為が遺言によりなされた場合には、遺贈)により取得したものとみなす。


ただし、当該行為が、当該利益を受ける者が資力を喪失して債務を弁済することが困難である場合において、その者の扶養義務者から当該債務の弁済に充てるためになされたものであるときは、その贈与 又は遺贈により取得したものとみなされた金額のうちその債務を弁済することが困難である部分の金額については、この限りでない。