国の資産 及び債務に関する改革は、財政融資資金の貸付金の残高の縮減を維持し、歳出の削減を徹底するほか、国有財産(国有財産法(昭和二十三年法律第七十三号)第二条に規定する国有財産をいう。以下同じ。)の売却、剰余金等(決算上の剰余金 及び特別会計における積立金をいう。以下同じ。)の見直しその他の措置を講ずることにより、国の資産(外国為替資金特別会計法第一条に規定する外国為替等、年金積立金管理運用独立行政法人に対する寄託金 及び国有財産法第三条第二項第二号の公共用財産 その他 これらに類する資産を除く。次条において同じ。)の圧縮を図るとともに、民間の知見を積極的に活用して国の資産 及び債務の管理の在り方を見直すことにより行われるものとする。
簡素で効率的な政府を実現するための行政改革の推進に関する法律
第五節 国の資産及び債務に関する改革
政府は、前項の改革の推進に資するため、次に掲げる原則により財政運営に当たるとともに、国民の理解を深めるため、これらの原則に関連する情報を積極的に公表するものとする。
政府は、平成二十七年度以降の各年度末における国の資産の額の当該年度の国内総生産の額に占める割合が、平成十七年度末における当該割合の二分の一にできる限り近づくことを長期的な目安として、これに留意しつつ、次に掲げる措置を講ずるものとする。
過大と認められる剰余金等については、国債総額の抑制 その他国民負担の軽減に資するため、その活用を図ること。
国有財産については、時価により売却した場合に見込まれる収入 その他の当該国有財産の保有を継続することにより得られないこととなる利益を考慮し、その売却の可能性を検討すること。
国有財産の性質に応じ、その証券化(資産の流動化に関する法律(平成十年法律第百五号)第二条第二項に規定する資産の流動化 その他これに類する手法を用いて資産を譲渡し、又は信託する方法をいう。以下 この号において同じ。)について、危険の分散を行うための手法の有無 及び国民負担の軽減に資するか否かを見極めつつ検討するほか、国の貸付金については、幅広い観点からその証券化の適否を検討すること。
国有財産の管理(国有財産法第一条に規定する管理をいう。)について、民間の知見を活用するための仕組みを整備するとともに、国債に関する施策について、当該知見を活用して関係職員の専門的能力を向上させ、その充実を図ること。
庁舎等(庁舎法第二条第二項に規定する庁舎等をいう。以下 この号において同じ。)の設置に当たっては、取得 及び賃借のうち有利な方法によるものとし、既存の庁舎等については、使用の状況の実地監査 及び庁舎法に基づく使用調整を徹底して使用の効率化を図るとともに、余裕が生じた部分を国以外の者に貸し付けること。
国が利用していない国有の宅地(宅地となる見込みのあるものを含む。)について、不整形な土地の区画の変更等により売却の容易化を図るとともに、売却までの間、国以外の者に対する貸付け 又は管理の委託を行うよう努めること。
政府は、企業会計の慣行を参考とした貸借対照表 その他の財務書類の整備を促進するため、当該書類を作成する基準について必要な見直しを行い、その他必要な取組を行うものとする。
財務大臣は、平成十八年度中に、前二条の規定により講ずる措置について、その具体的内容、手順 及び実施時期を定め、公表するものとする。
地方公共団体は、第五十八条から第六十条までの規定の趣旨を踏まえ、その地域の実情に応じ、次に掲げる施策を積極的に推進するよう努めるものとする。
政府は、地方公共団体に対し、前項各号の施策の推進を要請するとともに、企業会計の慣行を参考とした貸借対照表 その他の財務書類の整備に関し必要な情報の提供、助言 その他の協力を行うものとする。