船員法

# 昭和二十二年法律第百号 #

第百二十条の三 # 外国船舶の監督等

@ 施行日 : 令和六年五月三十一日 ( 2024年 5月31日 )
@ 最終更新 : 令和六年法律第四十二号

1項

国土交通大臣は、その職員に、日本船舶以外の船舶(第一条第一項の国土交通省令で定める船舶 及び同条第二項各号に定める船舶を除く。以下この条において「外国船舶」という。)で国土交通省令で定めるものが国内の港にある間、当該外国船舶に立ち入り、当該外国船舶の乗組員の労働条件等が二千六年の海上の労働に関する条約に定める要件に適合しているかどうか 及び当該外国船舶の乗組員が次に掲げる要件の全てに適合しているかどうかについて検査を行わせることができる。

一 号

千九百七十八年の船員の訓練 及び資格証明 並びに当直の基準に関する国際条約に定める航海当直の基準に従つた航海当直を実施していること。

二 号

操舵設備 又は消防設備の操作 その他の航海の安全の確保に関し国土交通省令で定める事項を適切に実施するために必要な知識 及び能力を有していること。

2項

国土交通大臣は、前項の検査を行う場合において必要があると認めるときは、その必要と認める限度において、当該外国船舶の帳簿書類 その他の物件を検査し、当該外国船舶の乗組員に質問し、又は当該外国船舶の乗組員が同項第二号に定める知識 及び能力を有するかどうかについて審査を行うことができる。

3項

国土交通大臣は、第一項の規定による検査の結果、当該外国船舶の乗組員の労働条件等が二千六年の海上の労働に関する条約に定める要件に適合していないと認めるとき、又は当該外国船舶の乗組員が同項各号に掲げる要件のいずれかに適合していないと認めるときは、当該外国船舶の船長に対し、これらの要件に適合するために必要な措置をとるべきことを文書により通告するものとする。

4項

国土交通大臣は、前項の規定に基づく通告をしたにもかかわらず、なお当該通告に係る措置がとられていない場合において、当該外国船舶の大きさ 及び種類 並びに航海の期間 及び態様を考慮して、航海を継続することが人の生命、身体 若しくは財産に危険を生ぜしめ、又は海洋環境の保全に障害を及ぼすおそれがあると認めるときは、当該外国船舶の航行の停止を命じ、又はその航行を差し止めることができる。

5項

国土交通大臣があらかじめ指定するその職員は、前項に規定する場合において、人の生命、身体 若しくは財産に対する危険を防止し、又は海洋環境の保全を図るため緊急の必要があると認めるときは、同項に規定する国土交通大臣の権限を即時に行うことができる。

6項

第百一条第三項の規定は第四項の場合について、第百七条第三項 及び第四項の規定は第一項の場合について、それぞれ準用する。


この場合において、

第百一条第三項
「前項」とあるのは
第百二十条の三第四項」と、

「第一項に規定する事実がなくなつた」とあるのは
二千六年の海上の労働に関する条約に定める要件 及び同条第一項各号に定める要件に適合するために必要な措置がとられた」と、

第百七条第三項
「前二項」とあるのは
第百二十条の三第一項」と、

「船員労務官」とあるのは
同条第一項の規定により立入検査をする職員」と、

同条第四項
「第一項 又は第二項」とあるのは
第百二十条の三第一項」と

読み替えるものとする。

7項

第百十二条の規定(船員 及び船舶所有者に係る部分に限る)は、外国船舶の乗組員について準用する。


この場合において、

同条第一項
「この法律、労働基準法 又はこの法律に基づいて発する命令」とあるのは
二千六年の海上の労働に関する条約」と、

「船員労務官」とあるのは
「国土交通大臣があらかじめ指定するその職員」と

読み替えるものとする。