著作権法

# 昭和四十五年法律第四十八号 #

第九十三条の三 # 放送等のための固定物等による放送同時配信等

@ 施行日 : 令和六年一月一日 ( 2024年 1月1日 )
@ 最終更新 : 令和五年法律第三十三号による改正

1項

第九十二条の二第一項に規定する権利放送同時配信等に係るものに限る。以下 この項 及び第九十四条の三第一項において同じ。を有する者以下「特定実演家」という。)が放送事業者に対し、その実演の放送同時配信等(当該放送事業者と密接な関係を有する放送同時配信等事業者が放送番組の供給を受けて行うものを含む。)の許諾を行つたときは、契約に別段の定めがない限り、当該許諾を得た実演(当該実演に係る第九十二条の二第一項に規定する権利について著作権等管理事業者による管理が行われているもの 又は文化庁長官が定める方法により当該実演に係る特定実演家の氏名 若しくは名称、放送同時配信等の許諾の申込みを受け付けるための連絡先 その他の円滑な許諾のために必要な情報であつて文化庁長官が定めるものの公表がされているものを除く)について、当該許諾に係る放送同時配信等のほか、次に掲げる放送同時配信等を行うことができる。

一 号

当該許諾を得た放送事業者が当該実演について第九十三条第一項の規定により作成した録音物 又は録画物を用いてする放送同時配信等

二 号

当該許諾を得た放送事業者と密接な関係を有する放送同時配信等事業者が当該放送事業者から当該許諾に係る放送番組の供給を受けてする放送同時配信等

2項

前項の場合において、同項各号に掲げる放送同時配信等が行われたときは、当該放送事業者 又は放送同時配信等事業者は、通常の使用料の額に相当する額の報酬を当該実演に係る特定実演家に支払わなければならない。

3項

前項の報酬を受ける権利は、著作権等管理事業者であつて全国を通じて一個に限りその同意を得て文化庁長官指定するものがあるときは、当該指定を受けた著作権等管理事業者以下この条において「指定報酬管理事業者」という。)によつてのみ行使することができる。

4項

文化庁長官は、次に掲げる要件を備える著作権等管理事業者でなければ、前項の規定による指定をしてはならない。

一 号
営利を目的としないこと。
二 号

その構成員が任意に加入し、又は脱退することができること。

三 号

その構成員の議決権 及び選挙権が平等であること。

四 号

第二項の報酬を受ける権利を有する者次項 及び第七項において「権利者」という。)のためにその権利を行使する業務を自ら的確に遂行するに足りる能力を有すること。

5項

指定報酬管理事業者は、権利者のために自己の名をもつてその権利に関する裁判上 又は裁判外の行為を行う権限を有する。

6項

文化庁長官は、指定報酬管理事業者に対し、政令で定めるところにより、第二項の報酬に係る業務に関して報告をさせ、若しくは帳簿、書類 その他の資料の提出を求め、又はその業務の執行方法の改善のため必要な勧告をすることができる。

7項

指定報酬管理事業者第三項の規定により権利者のために請求することができる報酬の額は、毎年、指定報酬管理事業者放送事業者 若しくは放送同時配信等事業者 又はその団体との間において協議して定めるものとする。

8項

前項の協議が成立しないときは、その当事者は、政令で定めるところにより、同項の報酬の額について文化庁長官の裁定を求めることができる。

9項

第七十条第三項第六項 及び第八項第七十一条第二号に係る部分に限る)、第七十二条第一項第七十三条本文 並びに第七十四条第一項第四号 及び第五号に係る部分に限る第十一項において同じ。)及び第二項の規定は、第二項の報酬 及び前項の裁定について準用する。


この場合において、

第七十条第三項
著作権者」とあり、
及び同条第六項
申請者に通知し、第六十八条第一項 又は前条の裁定をしたときは、その旨を当事者」とあるのは
「当事者」と、

第七十四条第二項
著作権者」とあるのは
第九十三条の三第三項に規定する指定報酬管理事業者」と

読み替えるものとする。

10項

前項において準用する第七十二条第一項の訴えにおいては、訴えを提起する者放送事業者 若しくは放送同時配信等事業者 又はその団体であるときは指定報酬管理事業者を、指定報酬管理事業者であるときは放送事業者 若しくは放送同時配信等事業者 又はその団体を、それぞれ被告としなければならない。

11項

第九項において準用する第七十四条第一項 及び第二項の規定による報酬の供託は、指定報酬管理事業者の所在地の最寄りの供託所にするものとする。


この場合において、供託をした者は、速やかにその旨を指定報酬管理事業者通知しなければならない。

12項

私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律昭和二十二年法律第五十四号)の規定は、第七項の協議による定め 及びこれに基づいてする行為については、適用しない


ただし、不公正な取引方法を用いる場合 及び関連事業者の利益を不当に害することとなる場合は、この限りでない。

13項

第二項から前項までに定めるもののほか第二項の報酬の支払 及び指定報酬管理事業者に関し必要な事項は、政令で定める。