著作権法

昭和四十五年法律第四十八号
分類 法律
カテゴリ   文化
@ 施行日 : 令和六年一月一日 ( 2024年 1月1日 )
@ 最終更新 : 令和五年法律第三十三号による改正
最終編集日 : 2024年 03月17日 11時51分

T
  • 第一章 総則

    • 第一節 通則
    • 第二節 適用範囲
  • 第二章 著作者の権利

    • 第一節 著作物
    • 第二節 著作者
    • 第三節 権利の内容
      • 第一款 総則
      • 第二款 著作者人格権
      • 第三款 著作権に含まれる権利の種類
      • 第四款 映画の著作物の著作権の帰属
      • 第五款 著作権の制限
    • 第四節 保護期間
    • 第五節 著作者人格権の一身専属性等
    • 第六節 著作権の譲渡及び消滅
    • 第七節 権利の行使
    • 第八節 裁定による著作物の利用
    • 第九節 補償金等
    • 第十節 登録
  • 第三章 出版権

  • 第四章 著作隣接権

    • 第一節 総則
    • 第二節 実演家の権利
    • 第三節 レコード製作者の権利
    • 第四節 放送事業者の権利
    • 第五節 有線放送事業者の権利
    • 第六節 保護期間
    • 第七節 実演家人格権の一身専属性等
    • 第八節 権利の制限、譲渡及び行使等並びに登録
  • 第五章 著作権等の制限による利用に係る補償金

    • 第一節 私的録音録画補償金
    • 第二節 授業目的公衆送信補償金
  • 第六章 紛争処理

  • 第七章 権利侵害

  • 第八章 罰則

制定に関する表明

著作権法(明治三十二年法律第三十九号)の全部を改正する。

第一章 総則

第一節 通則

1項

この法律は、著作物 並びに実演、レコード、放送 及び有線放送に関し著作者の権利 及びこれに隣接する権利を定め、これらの文化的所産の公正な利用に留意しつつ、著作者等の権利の保護を図り、もつて文化の発展に寄与することを目的とする。

1項

この法律において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。

一 号

著作物

思想 又は感情を創作的に表現したものであつて、文芸、学術、美術 又は音楽の範囲に属するものをいう。

二 号

著作者

著作物を創作する者をいう。

三 号

実演

著作物を、演劇的に演じ、舞い、演奏し、歌い、口演し、朗詠し、又はその他の方法により演ずること(これらに類する行為で、著作物を演じないが芸能的な性質を有するものを含む。)をいう。

四 号

実演家

俳優舞踊家演奏家歌手 その他実演を行う者 及び実演を指揮し、又は演出する者をいう。

五 号

レコード

蓄音機用音盤、録音テープ その他の物に音を固定したもの(音を専ら影像とともに再生することを目的とするものを除く)をいう。

六 号

レコード製作者

レコードに固定されている音を最初に固定した者をいう。

七 号

商業用レコード

市販の目的をもつて製作されるレコードの複製物をいう。

七の二 号

公衆送信

公衆によつて直接受信されることを目的として無線通信 又は有線電気通信の送信(電気通信設備で、その一の部分の設置の場所が他の部分の設置の場所と同一の構内(その構内が二以上の者の占有に属している場合には、同一の者の占有に属する区域内)にあるものによる送信(プログラムの著作物の送信を除く)を除く)を行うことをいう。

八 号

放送

公衆送信のうち、公衆によつて同一の内容の送信が同時に受信されることを目的として行う無線通信の送信をいう。

九 号

放送事業者

放送を業として行う者をいう。

九の二 号

有線放送

公衆送信のうち、公衆によつて同一の内容の送信が同時に受信されることを目的として行う有線電気通信の送信をいう。

九の三 号

有線放送事業者

有線放送を業として行う者をいう。

九の四 号

自動公衆送信

公衆送信のうち、公衆からの求めに応じ自動的に行うもの(放送 又は有線放送に該当するものを除く)をいう。

九の五 号

送信可能化

次のいずれかに掲げる行為により自動公衆送信し得るようにすることをいう。

公衆の用に供されている電気通信回線に接続している自動公衆送信装置(公衆の用に供する電気通信回線に接続することにより、その記録媒体のうち自動公衆送信の用に供する部分(以下 この号において「公衆送信用記録媒体」という。)に記録され、又は当該装置に入力される情報を自動公衆送信する機能を有する装置をいう。以下同じ。)の公衆送信用記録媒体に情報を記録し、情報が記録された記録媒体を当該自動公衆送信装置の公衆送信用記録媒体として加え、若しくは情報が記録された記録媒体を当該自動公衆送信装置の公衆送信用記録媒体に変換し、又は当該自動公衆送信装置に情報を入力すること。

その公衆送信用記録媒体に情報が記録され、又は当該自動公衆送信装置に情報が入力されている自動公衆送信装置について、公衆の用に供されている電気通信回線への接続(配線、自動公衆送信装置の始動、送受信用プログラムの起動 その他の一連の行為により行われる場合には、当該一連の行為のうち最後のものをいう。)を行うこと。

九の六 号

特定入力型自動公衆送信

放送を受信して同時に、公衆の用に供されている電気通信回線に接続している自動公衆送信装置に情報を入力することにより行う自動公衆送信(当該自動公衆送信のために行う送信可能化を含む。)をいう。

九の七 号

放送同時配信等放送

番組 又は有線放送番組の自動公衆送信(当該自動公衆送信のために行う送信可能化を含む。以下 この号において同じ。)のうち、次のイからハまでに掲げる要件を備えるもの(著作権者出版権者 若しくは著作隣接権者以下「著作権者等」という。)の利益を不当に害するおそれがあるもの 又は広く国民が容易に視聴することが困難なものとして文化庁長官総務大臣と協議して定めるもの 及び特定入力型自動公衆送信を除く)をいう。

放送番組の放送 又は有線放送番組の有線放送が行われた日から一週間以内当該放送番組 又は有線放送番組が同一の名称の下に一定の間隔で連続して放送され、又は有線放送されるものであつてその間隔が一週間を超えるものである場合には、一月以内でその間隔に応じて文化庁長官が定める期間内)に行われるもの(当該放送 又は有線放送が行われるより前に行われるものを除く)であること。

放送番組 又は有線放送番組の内容を変更しないで行われるもの(著作権者等から当該自動公衆送信に係る許諾が得られていない部分を表示しないこと その他のやむを得ない事情により変更されたものを除く)であること。

当該自動公衆送信を受信して行う放送番組 又は有線放送番組のデジタル方式の複製を防止し、又は抑止するための措置として文部科学省令で定めるものが講じられているものであること。

九の八 号

放送同時配信等事業者

人的関係 又は資本関係において文化庁長官が定める密接な関係(以下単に「密接な関係」という。)を有する放送事業者 又は有線放送事業者から放送番組 又は有線放送番組の供給を受けて放送同時配信等を業として行う事業者をいう。

十 号

映画製作者

映画の著作物の製作に発意と責任を有する者をいう。

十の二 号

プログラム

電子計算機を機能させて一の結果を得ることができるようにこれに対する指令を組み合わせたものとして表現したものをいう。

十の三 号

データベース

論文、数値、図形 その他の情報の集合物であつて、それらの情報を電子計算機を用いて検索することができるように体系的に構成したものをいう。

十一 号

二次的著作物

著作物を翻訳し、編曲し、若しくは変形し、又は脚色し、映画化し、その他翻案することにより創作した著作物をいう。

十二 号

共同著作物

二人以上の者が共同して創作した著作物であつて、その各人の寄与を分離して個別的に利用することができないものをいう。

十三 号

録音

音を物に固定し、又はその固定物を増製することをいう。

十四 号

録画

影像を連続して物に固定し、又はその固定物を増製することをいう。

十五 号

複製

印刷、写真、複写、録音、録画 その他の方法により有形的に再製することをいい、次に掲げるものについては、それぞれ次に掲げる行為を含むものとする。

脚本 その他これに類する演劇用の著作物

当該著作物の上演、放送 又は有線放送を録音し、又は録画すること。

建築の著作物

建築に関する図面に従つて建築物を完成すること。

十六 号

上演

演奏(歌唱を含む。以下同じ。以外の方法により著作物を演ずることをいう。

十七 号

上映

著作物(公衆送信されるものを除く)を映写幕 その他の物に映写することをいい、これに伴つて映画の著作物において固定されている音を再生することを含むものとする。

十八 号

口述

朗読 その他の方法により著作物を口頭で伝達すること(実演に該当するものを除く)をいう。

十九 号

頒布

有償であるか 又は無償であるかを問わず、複製物を公衆に譲渡し、又は貸与することをいい、映画の著作物 又は映画の著作物において複製されている著作物にあつては、これらの著作物を公衆に提示することを目的として当該映画の著作物の複製物を譲渡し、又は貸与することを含むものとする。

二十 号

技術的保護手段

電子的方法、磁気的方法 その他の人の知覚によつて認識することができない方法(次号 及び第二十二号において「電磁的方法」という。)により、第十七条第一項に規定する著作者人格権 若しくは著作権、出版権 又は第八十九条第一項に規定する実演家人格権 若しくは同条第六項に規定する著作隣接権(以下 この号第三十条第一項第二号第百十三条第七項 並びに第百二十条の二第一号 及び第四号において「著作権等」という。)を侵害する行為の防止 又は抑止(著作権等を侵害する行為の結果に著しい障害を生じさせることによる当該行為の抑止をいう。第三十条第一項第二号において同じ。)をする手段(著作権等を有する者の意思に基づくことなく用いられているものを除く)であつて、著作物、実演、レコード、放送 又は有線放送(以下「著作物等」という。)の利用(著作者 又は実演家の同意を得ないで行つたとしたならば著作者人格権 又は実演家人格権の侵害となるべき行為を含む。)に際し、これに用いられる機器が特定の反応をする信号を記録媒体に記録し、若しくは送信する方式 又は当該機器が特定の変換を必要とするよう著作物、実演、レコード 若しくは放送 若しくは有線放送に係る音 若しくは影像を変換して記録媒体に記録し、若しくは送信する方式によるものをいう。

二十一 号

技術的利用制限手段

電磁的方法により、著作物等の視聴(プログラムの著作物にあつては、当該著作物を電子計算機において実行する行為を含む。以下 この号 及び第百十三条第六項において同じ。)を制限する手段(著作権者等の意思に基づくことなく用いられているものを除く)であつて、著作物等の視聴に際し、これに用いられる機器が特定の反応をする信号を記録媒体に記録し、若しくは送信する方式 又は当該機器が特定の変換を必要とするよう著作物、実演、レコード 若しくは放送 若しくは有線放送に係る音 若しくは影像を変換して記録媒体に記録し、若しくは送信する方式によるものをいう。

二十二 号

権利管理情報

第十七条第一項に規定する著作者人格権 若しくは著作権、出版権 又は第八十九条第一項から第四項までの権利(以下 この号において「著作権等」という。)に関する情報であつて、イからハまでいずれかに該当するもののうち、電磁的方法により著作物、実演、レコード 又は放送 若しくは有線放送に係る音 若しくは影像とともに記録媒体に記録され、又は送信されるもの(著作物等の利用状況の把握、著作物等の利用の許諾に係る事務処理 その他の著作権等の管理(電子計算機によるものに限る)に用いられていないものを除く)をいう。

著作物等、著作権等を有する者 その他政令で定める事項を特定する情報

著作物等の利用を許諾する場合の利用方法 及び条件に関する情報

他の情報と照合することにより 又はに掲げる事項を特定することができることとなる情報

二十三 号

著作権等管理事業者

著作権等管理事業法平成十二年法律第百三十一号第二条第三項に規定する著作権等管理事業者をいう。

二十四 号

国内

この法律の施行地をいう。

二十五 号

国外

この法律の施行地外の地域をいう。

2項

この法律にいう「美術の著作物」には、美術工芸品を含むものとする。

3項

この法律にいう「映画の著作物」には、映画の効果に類似する視覚的 又は視聴覚的効果を生じさせる方法で表現され、かつ、物に固定されている著作物を含むものとする。

4項

この法律にいう「写真の著作物」には、写真の製作方法に類似する方法を用いて表現される著作物を含むものとする。

5項

この法律にいう「公衆」には、特定かつ多数の者を含むものとする。

6項

この法律にいう「法人」には、法人格を有しない社団 又は財団代表者 又は管理人の定めがあるものを含むものとする。

7項

この法律において、「上演」、「演奏」又は「口述」には、著作物の上演、演奏 又は口述で録音され、又は録画されたものを再生すること(公衆送信 又は上映に該当するものを除く)及び著作物の上演、演奏 又は口述を電気通信設備を用いて伝達すること(公衆送信に該当するものを除く)を含むものとする。

8項

この法律にいう「貸与」には、いずれの名義 又は方法をもつてするかを問わず、これと同様の使用の権原を取得させる行為を含むものとする。

9項

この法律において、第一項第七号の二第八号第九号の二第九号の四第九号の五第九号の七 若しくは第十三号から第十九号まで 又は前二項に掲げる用語については、それぞれこれらを動詞の語幹として用いる場合を含むものとする。

1項

著作物は、その性質に応じ公衆の要求を満たすことができる相当程度の部数の複製物が、第二十一条に規定する権利を有する者 若しくはその許諾第六十三条第一項の規定による利用の許諾をいう。以下 この項次条第一項第四条の二 及び第六十三条除き、以下 この章 及び次章において同じ。を得た者 又は第七十九条出版権の設定を受けた者 若しくはその複製許諾第八十条第三項の規定による複製の許諾をいう。以下同じ。を得た者によつて作成され、頒布された場合(第二十六条第二十六条の二第一項 又は第二十六条の三に規定する権利を有する者の権利を害しない場合に限る)において、発行されたものとする。

2項

二次的著作物である翻訳物の前項に規定する部数の複製物が第二十八条の規定により第二十一条に規定する権利と同一の権利を有する者 又はその許諾を得た者によつて作成され、頒布された場合(第二十八条の規定により第二十六条第二十六条の二第一項 又は第二十六条の三に規定する権利と同一の権利を有する者の権利を害しない場合に限る)には、その原著作物は、発行されたものとみなす。

3項

著作物がこの法律による保護を受けるとしたならば前二項権利を有すべき者 又はその者からその著作物の利用の承諾を得た者は、それぞれ前二項権利を有する者 又はその許諾を得た者とみなして、前二項の規定を適用する。

1項

著作物は、発行され、又は第二十二条から第二十五条までに規定する権利を有する者 若しくはその許諾第六十三条第一項の規定による利用の許諾をいう。を得た者 若しくは第七十九条出版権の設定を受けた者 若しくはその公衆送信許諾第八十条第三項の規定による公衆送信の許諾をいう。以下同じ。を得た者によつて上演、演奏、上映、公衆送信、口述 若しくは展示の方法で公衆提示された場合(建築の著作物にあつては、第二十一条に規定する権利を有する者 又はその許諾(第六十三条第一項の規定による利用の許諾をいう。)を得た者によつて建設された場合を含む。)において、公表されたものとする。

2項

著作物は、第二十三条第一項に規定する権利を有する者 又はその許諾を得た者 若しくは第七十九条出版権の設定を受けた者 若しくはその公衆送信許諾を得た者によつて送信可能化された場合には、公表されたものとみなす。

3項

二次的著作物である翻訳物が、第二十八条の規定により第二十二条から第二十四条までに規定する権利と同一の権利を有する者 若しくはその許諾を得た者によつて上演、演奏、上映、公衆送信 若しくは口述の方法で公衆に提示され、又は第二十八条の規定により第二十三条第一項に規定する権利と同一の権利を有する者 若しくはその許諾を得た者によつて送信可能化された場合には、その原著作物は、公表されたものとみなす。

4項

美術の著作物 又は写真の著作物は、第四十五条第一項に規定する者によつて同項展示が行われた場合には、公表されたものとみなす。

5項

著作物がこの法律による保護を受けるとしたならば第一項から第三項まで権利を有すべき者 又はその者からその著作物の利用の承諾を得た者は、それぞれ第一項から第三項まで権利を有する者 又はその許諾を得た者とみなして、これらの規定を適用する。

1項

レコードは、その性質に応じ公衆の要求を満たすことができる相当程度の部数の複製物が、第九十六条に規定する権利を有する者 又はその許諾第百三条において準用する第六十三条第一項の規定による利用の許諾をいう。第四章第二節 及び第三節において同じ。を得た者によつて作成され、頒布された場合(第九十七条の二第一項 又は第九十七条の三第一項に規定する権利を有する者の権利を害しない場合に限る)において、発行されたものとする。

1項

著作者の権利 及びこれに隣接する権利に関し条約に別段の定めがあるときは、その規定による。

第二節 適用範囲

1項

著作物は、次の各号いずれかに該当するものに限り、この法律による保護を受ける。

一 号

日本国民わがの法令に基づいて設立された法人 及び国内に主たる事務所を有する法人を含む。以下同じ。)の著作物

二 号

最初に国内において発行された著作物(最初に国外において発行されたが、その発行の日から三十日以内に国内において発行されたものを含む。

三 号

前二号に掲げるもののほか、条約によりわがが保護の義務を負う著作物

1項

実演は、次の各号いずれかに該当するものに限り、この法律による保護を受ける。

一 号

国内において行われる実演

二 号

次条第一号 又は第二号に掲げるレコードに固定された実演

三 号

第九条第一号 又は第二号に掲げる放送において送信される実演(実演家の承諾を得て送信前に録音され、又は録画されているものを除く

四 号

第九条の二各号に掲げる有線放送において送信される実演(実演家の承諾を得て送信前に録音され、又は録画されているものを除く

五 号

前各号に掲げるもののほか、次のいずれかに掲げる実演

実演家レコード製作者 及び放送機関の保護に関する国際条約(以下「実演家等保護条約」という。)の締約国において行われる実演

次条第三号に掲げるレコードに固定された実演

第九条第三号に掲げる放送において送信される実演(実演家の承諾を得て送信前に録音され、又は録画されているものを除く

六 号

前各号に掲げるもののほか、次のいずれかに掲げる実演

実演 及びレコードに関する世界知的所有権機関条約(以下「実演・レコード条約」という。)の締約国において行われる実演

次条第四号に掲げるレコードに固定された実演

七 号

前各号に掲げるもののほか、次のいずれかに掲げる実演

世界貿易機関加盟国において行われる実演

次条第五号に掲げるレコードに固定された実演

第九条第四号に掲げる放送において送信される実演(実演家の承諾を得て送信前に録音され、又は録画されているものを除く

八 号

前各号に掲げるもののほか、視聴覚的実演に関する北京条約の締約国の国民 又は当該締約国に常居所を有する者である実演家に係る実演

1項

レコードは、次の各号いずれかに該当するものに限り、この法律による保護を受ける。

一 号

日本国民レコード製作者とするレコード

二 号

レコードでこれに固定されている音が最初に国内において固定されたもの

三 号

前二号に掲げるもののほか、次のいずれかに掲げるレコード

実演家等保護条約の締約国の国民当該締約国の法令に基づいて設立された法人 及び当該締約国に主たる事務所を有する法人を含む。以下同じ。)をレコード製作者とするレコード

レコードでこれに固定されている音が最初に実演家等保護条約の締約国において固定されたもの

四 号

前三号に掲げるもののほか、次のいずれかに掲げるレコード

実演・レコード条約の締約国の国民当該締約国の法令に基づいて設立された法人 及び当該締約国に主たる事務所を有する法人を含む。以下同じ。)をレコード製作者とするレコード

レコードでこれに固定されている音が最初に実演・レコード条約の締約国において固定されたもの

五 号

前各号に掲げるもののほか、次のいずれかに掲げるレコード

世界貿易機関の加盟国の国民当該加盟国の法令に基づいて設立された法人 及び当該加盟国に主たる事務所を有する法人を含む。以下同じ。)をレコード製作者とするレコード

レコードでこれに固定されている音が最初に世界貿易機関の加盟国において固定されたもの

六 号

前各号に掲げるもののほか、許諾を得ないレコードの複製からのレコード製作者の保護に関する条約(第百二十一条の二第二号において「レコード保護条約」という。)により我がが保護の義務を負うレコード

1項

放送は、次の各号いずれかに該当するものに限り、この法律による保護を受ける。

一 号

日本国民である放送事業者の放送

二 号

国内にある放送設備から行なわれる放送

三 号

前二号に掲げるもののほか、次のいずれかに掲げる放送

実演家等保護条約の締約国の国民である放送事業者の放送

実演家等保護条約の締約国にある放送設備から行われる放送

四 号

前三号に掲げるもののほか、次のいずれかに掲げる放送

世界貿易機関加盟国の国民である放送事業者の放送

世界貿易機関加盟国にある放送設備から行われる放送

1項

有線放送は、次の各号いずれかに該当するものに限り、この法律による保護を受ける。

一 号

日本国民である有線放送事業者の有線放送(放送を受信して行うものを除く次号において同じ。

二 号

国内にある有線放送設備から行われる有線放送

第二章 著作者の権利

第一節 著作物

1項

この法律にいう著作物を例示すると、おおむね次のとおりである。

一 号

小説、脚本、論文、講演 その他の言語の著作物

二 号
音楽の著作物
三 号
舞踊 又は無言劇の著作物
四 号

絵画、版画、彫刻 その他の美術の著作物

五 号
建築の著作物
六 号

地図 又は学術的な性質を有する図面、図表、模型 その他の図形の著作物

七 号
映画の著作物
八 号
写真の著作物
九 号
プログラムの著作物
2項

事実の伝達にすぎない雑報 及び時事の報道は、前項第一号に掲げる著作物に該当しない。

3項

第一項第九号に掲げる著作物に対するこの法律による保護は、その著作物を作成するために用いるプログラム言語規約 及び解法に及ばない。


この場合において、これらの用語の意義は、次の各号に定めるところによる。

一 号

プログラム言語

プログラムを表現する手段としての文字 その他の記号 及びその体系をいう。

二 号

規約

特定のプログラムにおける前号のプログラム言語の用法についての特別の約束をいう。

三 号

解法

プログラムにおける電子計算機に対する指令の組合せの方法をいう。

1項

二次的著作物に対するこの法律による保護は、その原著作物の著作者の権利に影響を及ぼさない。

1項

編集物(データベースに該当するものを除く。以下同じ。)でその素材の選択 又は配列によつて創作性を有するものは、著作物として保護する。

2項

前項の規定は、同項の編集物の部分を構成する著作物の著作者の権利に影響を及ぼさない。

1項

データベースでその情報の選択 又は体系的な構成によつて創作性を有するものは、著作物として保護する。

2項

前項の規定は、同項のデータベースの部分を構成する著作物の著作者の権利に影響を及ぼさない。

1項

次の各号いずれかに該当する著作物は、この章の規定による権利の目的となることができない

一 号

憲法 その他の法令

二 号

若しくは地方公共団体の機関独立行政法人独立行政法人通則法平成十一年法律第百三号第二条第一項に規定する独立行政法人をいう。以下同じ。)又は地方独立行政法人地方独立行政法人法(平成十五年法律第百十八号)第二条第一項に規定する地方独立行政法人をいう。以下同じ。)が発する告示、訓令、通達 その他これらに類するもの

三 号

裁判所の判決、決定、命令 及び審判 並びに行政庁の裁決 及び決定で裁判に準ずる手続により行われるもの

四 号

前三号に掲げるものの翻訳物 及び編集物で、 若しくは地方公共団体の機関独立行政法人 又は地方独立行政法人が作成するもの

第二節 著作者

1項

著作物の原作品に、又は著作物の公衆への提供 若しくは提示の際に、その氏名 若しくは名称(以下「実名」という。)又はその雅号、筆名、略称 その他実名に代えて用いられるもの(以下「変名」という。)として周知のものが著作者名として通常の方法により表示されている者は、その著作物の著作者と推定する。

1項

法人 その他使用者以下 この条において「法人等」という。)の発意に基づきその法人等業務に従事する者が職務上作成する著作物(プログラムの著作物を除く)で、その法人等自己の著作の名義の下に公表するものの著作者は、その作成の時における契約、勤務規則 その他に別段の定めがない限り、その法人等とする。

2項

法人等の発意に基づきその法人等業務に従事する者が職務上作成するプログラムの著作物の著作者は、その作成の時における契約、勤務規則 その他に別段の定めがない限り、その法人等とする。

1項

映画の著作物の著作者は、その映画の著作物において翻案され、又は複製された小説、脚本、音楽 その他の著作物の著作者除き、制作、監督、演出、撮影、美術等を担当してその映画の著作物の全体的形成に創作的に寄与した者とする。


ただし前条の規定の適用がある場合は、この限りでない。

第三節 権利の内容

第一款 総則

1項

著作者は、次条第一項第十九条第一項 及び第二十条第一項に規定する権利(以下「著作者人格権」という。)並びに第二十一条から第二十八条までに規定する権利(以下「著作権」という。)を享有する。

2項

著作者人格権 及び著作権の享有には、いかなる方式の履行をも要しない。

第二款 著作者人格権

1項

著作者は、その著作物でまだ公表されていないもの(その同意を得ないで公表された著作物を含む。以下この条において同じ。)を公衆に提供し、又は提示する権利を有する。


当該著作物を原著作物とする二次的著作物についても、同様とする。

2項

著作者は、次の各号に掲げる場合には、当該各号に掲げる行為について同意したものと推定する。

一 号

その著作物でまだ公表されていないものの著作権を譲渡した場合

当該著作物をその著作権の行使により公衆に提供し、又は提示すること。

二 号

その美術の著作物 又は写真の著作物でまだ公表されていないものの原作品を譲渡した場合

これらの著作物をその原作品による展示の方法で公衆に提示すること。

三 号

第二十九条の規定によりその映画の著作物の著作権が映画製作者に帰属した場合

当該著作物をその著作権の行使により公衆に提供し、又は提示すること。

3項

著作者は、次の各号に掲げる場合には、当該各号に掲げる行為について同意したものとみなす。

一 号

その著作物でまだ公表されていないものを行政機関行政機関の保有する情報の公開に関する法律平成十一年法律第四十二号。以下「行政機関情報公開法」という。第二条第一項に規定する行政機関をいう。以下同じ。)に提供した場合(行政機関情報公開法第九条第一項の規定による開示する旨の決定の時までに別段の意思表示をした場合を除く

行政機関情報公開法の規定により行政機関の長が当該著作物を公衆に提供し、又は提示すること(当該著作物に係る歴史公文書等(公文書等の管理に関する法律平成二十一年法律第六十六号。以下「公文書管理法」という。第二条第六項に規定する歴史公文書等をいう。以下同じ。)が行政機関の長から公文書管理法第八条第一項の規定により国立公文書館等(公文書管理法第二条第三項に規定する国立公文書館等をいう。以下同じ。)に移管された場合(公文書管理法第十六条第一項の規定による利用をさせる旨の決定の時までに当該著作物の著作者が別段の意思表示をした場合を除く)にあつては、公文書管理法第十六条第一項の規定により国立公文書館等の長公文書管理法第十五条第一項に規定する国立公文書館等の長をいう。以下同じ。)が当該著作物を公衆に提供し、又は提示することを含む。)。

二 号

その著作物でまだ公表されていないものを独立行政法人等独立行政法人等の保有する情報の公開に関する法律平成十三年法律第百四十号。以下「独立行政法人等情報公開法」という。第二条第一項に規定する独立行政法人等をいう。以下同じ。)に提供した場合(独立行政法人等情報公開法第九条第一項の規定による開示する旨の決定の時までに別段の意思表示をした場合を除く

独立行政法人等情報公開法の規定により当該独立行政法人等が当該著作物を公衆に提供し、又は提示すること(当該著作物に係る歴史公文書等が当該独立行政法人等から公文書管理法第十一条第四項の規定により国立公文書館等に移管された場合(公文書管理法第十六条第一項の規定による利用をさせる旨の決定の時までに当該著作物の著作者が別段の意思表示をした場合を除く)にあつては、公文書管理法第十六条第一項の規定により国立公文書館等の長が当該著作物を公衆に提供し、又は提示することを含む。)。

三 号

その著作物でまだ公表されていないものを地方公共団体 又は地方独立行政法人に提供した場合(開示する旨の決定の時までに別段の意思表示をした場合を除く

情報公開条例(地方公共団体 又は地方独立行政法人の保有する情報の公開を請求する住民等の権利について定める当該地方公共団体の条例をいう。以下同じ。)の規定により当該地方公共団体の機関 又は地方独立行政法人が当該著作物を公衆に提供し、又は提示すること(当該著作物に係る歴史公文書等が当該地方公共団体 又は地方独立行政法人から公文書管理条例(地方公共団体 又は地方独立行政法人の保有する歴史公文書等の適切な保存 及び利用について定める当該地方公共団体の条例をいう。以下同じ。)に基づき地方公文書館等歴史公文書等の適切な保存 及び利用を図る施設として公文書管理条例が定める施設をいう。以下同じ。)に移管された場合(公文書管理条例の規定(公文書管理法第十六条第一項の規定に相当する規定に限る。以下この条において同じ。)による利用をさせる旨の決定の時までに当該著作物の著作者が別段の意思表示をした場合を除く)にあつては、公文書管理条例の規定により地方公文書館等の長地方公文書館等地方公共団体の施設である場合にあつてはその属する地方公共団体の長をいい、地方公文書館等地方独立行政法人の施設である場合にあつてはその施設を設置した地方独立行政法人をいう。以下同じ。)が当該著作物を公衆に提供し、又は提示することを含む。)。

四 号

その著作物でまだ公表されていないものを国立公文書館等に提供した場合(公文書管理法第十六条第一項の規定による利用をさせる旨の決定の時までに別段の意思表示をした場合を除く

同項の規定により国立公文書館等の長が当該著作物を公衆に提供し、又は提示すること。

五 号

その著作物でまだ公表されていないものを地方公文書館等に提供した場合(公文書管理条例の規定による利用をさせる旨の決定の時までに別段の意思表示をした場合を除く

公文書管理条例の規定により地方公文書館等の長が当該著作物を公衆に提供し、又は提示すること。

4項

第一項の規定は、次の各号いずれかに該当するときは、適用しない

一 号

行政機関情報公開法第五条の規定により行政機関の長同条第一号ロ 若しくは 若しくは同条第二号ただし書に規定する情報が記録されている著作物でまだ公表されていないものを公衆に提供し、若しくは提示するとき、又は行政機関情報公開法第七条の規定により行政機関の長が著作物でまだ公表されていないものを公衆に提供し、若しくは提示するとき。

二 号

独立行政法人等情報公開法第五条の規定により独立行政法人等同条第一号ロ 若しくは 若しくは同条第二号ただし書に規定する情報が記録されている著作物でまだ公表されていないものを公衆に提供し、若しくは提示するとき、又は独立行政法人等情報公開法第七条の規定により独立行政法人等が著作物でまだ公表されていないものを公衆に提供し、若しくは提示するとき。

三 号

情報公開条例(行政機関情報公開法第十三条第二項 及び第三項の規定に相当する規定を設けているものに限る第五号において同じ。)の規定により地方公共団体の機関 又は地方独立行政法人が著作物でまだ公表されていないもの(行政機関情報公開法第五条第一号ロ 又は同条第二号ただし書に規定する情報に相当する情報が記録されているものに限る)を公衆に提供し、又は提示するとき。

四 号

情報公開条例の規定により地方公共団体の機関 又は地方独立行政法人が著作物でまだ公表されていないもの(行政機関情報公開法第五条第一号ハに規定する情報に相当する情報が記録されているものに限る)を公衆に提供し、又は提示するとき。

五 号

情報公開条例の規定で行政機関情報公開法第七条の規定に相当するものにより地方公共団体の機関 又は地方独立行政法人が著作物でまだ公表されていないものを公衆に提供し、又は提示するとき。

六 号

公文書管理法第十六条第一項の規定により国立公文書館等の長行政機関情報公開法第五条第一号ロ 若しくは 若しくは同条第二号ただし書に規定する情報 又は独立行政法人等情報公開法第五条第一号ロ 若しくは 若しくは同条第二号ただし書に規定する情報が記録されている著作物でまだ公表されていないものを公衆に提供し、又は提示するとき。

七 号

公文書管理条例(公文書管理法第十八条第二項 及び第四項の規定に相当する規定を設けているものに限る)の規定により地方公文書館等の長が著作物でまだ公表されていないもの(行政機関情報公開法第五条第一号ロ 又は同条第二号ただし書に規定する情報に相当する情報が記録されているものに限る)を公衆に提供し、又は提示するとき。

八 号

公文書管理条例の規定により地方公文書館等の長が著作物でまだ公表されていないもの(行政機関情報公開法第五条第一号ハに規定する情報に相当する情報が記録されているものに限る)を公衆に提供し、又は提示するとき。

1項

著作者は、その著作物の原作品に、又はその著作物の公衆への提供 若しくは提示に際し、その実名 若しくは変名を著作者名として表示し、又は著作者名を表示しないこととする権利を有する。


その著作物を原著作物とする二次的著作物の公衆への提供 又は提示に際しての原著作物の著作者名の表示についても、同様とする。

2項

著作物を利用する者は、その著作者の別段の意思表示がない限り、その著作物につきすでに著作者が表示しているところに従つて著作者名を表示することができる。

3項

著作者名の表示は、著作物の利用の目的 及び態様に照らし著作者創作者であることを主張する利益を害するおそれがないと認められるときは、公正な慣行に反しない限り、省略することができる。

4項

第一項の規定は、次の各号いずれかに該当するときは、適用しない

一 号

行政機関情報公開法独立行政法人等情報公開法 又は情報公開条例の規定により行政機関の長独立行政法人等 又は地方公共団体の機関 若しくは地方独立行政法人が著作物を公衆に提供し、又は提示する場合において、当該著作物につき既にその著作者が表示しているところに従つて著作者名を表示するとき。

二 号

行政機関情報公開法第六条第二項の規定、独立行政法人等情報公開法第六条第二項の規定 又は情報公開条例の規定で行政機関情報公開法第六条第二項の規定に相当するものにより行政機関の長独立行政法人等 又は地方公共団体の機関 若しくは地方独立行政法人が著作物を公衆に提供し、又は提示する場合において、当該著作物の著作者名の表示を省略することとなるとき。

三 号

公文書管理法第十六条第一項の規定 又は公文書管理条例の規定(同項の規定に相当する規定に限る)により国立公文書館等の長 又は地方公文書館等の長が著作物を公衆に提供し、又は提示する場合において、当該著作物につき既にその著作者が表示しているところに従つて著作者名を表示するとき。

1項

著作者は、その著作物 及びその題号の同一性を保持する権利を有し、その意に反してこれらの変更、切除 その他の改変を受けないものとする。

2項

前項の規定は、次の各号いずれかに該当する改変については、適用しない

一 号

第三十三条第一項同条第四項において準用する場合を含む。)、第三十三条の二第一項第三十三条の三第一項 又は第三十四条第一項の規定により著作物を利用する場合における用字 又は用語の変更 その他の改変で、学校教育の目的上やむを得ないと認められるもの

二 号

建築物の増築、改築、修繕 又は模様替えによる改変

三 号

特定の電子計算機においては実行し得ないプログラムの著作物を当該電子計算機において実行し得るようにするため、又はプログラムの著作物を電子計算機においてより効果的に実行し得るようにするために必要な改変

四 号

前三号に掲げるもののほか、著作物の性質 並びにその利用の目的 及び態様に照らしやむを得ないと認められる改変

第三款 著作権に含まれる権利の種類

1項

著作者は、その著作物を複製する権利を専有する。

1項

著作者は、その著作物を、公衆に直接見せ 又は聞かせることを目的として(以下「公に」という。)上演し、又は演奏する権利を専有する。

1項

著作者は、その著作物を公に上映する権利を専有する。

1項

著作者は、その著作物について、公衆送信自動公衆送信の場合にあつては、送信可能化を含む。)を行う権利を専有する。

2項

著作者は、公衆送信されるその著作物を受信装置を用いて公に伝達する権利を専有する。

1項

著作者は、その言語の著作物を公に口述する権利を専有する。

1項

著作者は、その美術の著作物 又はまだ発行されていない写真の著作物をこれらの原作品により公に展示する権利を専有する。

1項

著作者は、その映画の著作物をその複製物により頒布する権利を専有する。

2項

著作者は、映画の著作物において複製されているその著作物を当該映画の著作物の複製物により頒布する権利を専有する。

1項

著作者は、その著作物(映画の著作物を除く。以下この条において同じ。)をその原作品 又は複製物(映画の著作物において複製されている著作物にあつては、当該映画の著作物の複製物を除く。以下この条において同じ。)の譲渡により公衆に提供する権利を専有する。

2項

前項の規定は、著作物の原作品 又は複製物で次の各号いずれかに該当するものの譲渡による場合には、適用しない

一 号

前項に規定する権利を有する者 又はその許諾を得た者により公衆に譲渡された著作物の原作品 又は複製物

二 号

第六十七条第一項 若しくは第六十九条の規定による裁定 又は万国著作権条約の実施に伴う著作権法の特例に関する法律昭和三十一年法律第八十六号第五条第一項の規定による許可を受けて公衆に譲渡された著作物の複製物

三 号

第六十七条の二第一項の規定の適用を受けて公衆に譲渡された著作物の複製物

四 号

前項に規定する権利を有する者 又はその承諾を得た者により特定かつ少数の者に譲渡された著作物の原作品 又は複製物

五 号

国外において、前項に規定する権利に相当する権利を害することなく、又は同項に規定する権利に相当する権利を有する者 若しくはその承諾を得た者により譲渡された著作物の原作品 又は複製物

1項

著作者は、その著作物(映画の著作物を除く)をその複製物(映画の著作物において複製されている著作物にあつては、当該映画の著作物の複製物を除く)の貸与により公衆に提供する権利を専有する。

1項

著作者は、その著作物を翻訳し、編曲し、若しくは変形し、又は脚色し、映画化し、その他翻案する権利を専有する。

1項

二次的著作物の原著作物の著作者は、当該二次的著作物の利用に関し、この款に規定する権利で当該二次的著作物の著作者が有するものと同一の種類の権利を専有する。

第四款 映画の著作物の著作権の帰属

1項

映画の著作物(第十五条第一項次項 又は第三項の規定の適用を受けるものを除く)の著作権は、その著作者映画製作者に対し当該映画の著作物の製作に参加することを約束しているときは、当該映画製作者に帰属する。

2項

専ら放送事業者が放送 又は放送同時配信等のための技術的手段として製作する映画の著作物(第十五条第一項の規定の適用を受けるものを除く)の著作権のうち次に掲げる権利は、映画製作者としての当該放送事業者に帰属する。

一 号

専ら放送事業者が放送 又は放送同時配信等のための技術的手段として製作する映画の著作物(第十五条第一項の規定の適用を受けるものを除く)の著作権のうち次に掲げる権利は、映画製作者としての当該放送事業者に帰属する。

二 号

その著作物を放送同時配信等する権利 及び放送同時配信等されるその著作物を受信装置を用いて公に伝達する権利

三 号

その著作物を複製し、又はその複製物により放送事業者に頒布する権利

3項

専ら有線放送事業者が有線放送 又は放送同時配信等のための技術的手段として製作する映画の著作物(第十五条第一項の規定の適用を受けるものを除く)の著作権のうち次に掲げる権利は、映画製作者としての当該有線放送事業者に帰属する。

一 号

その著作物を有線放送する権利 及び有線放送されるその著作物を受信装置を用いて公に伝達する権利

二 号

その著作物を放送同時配信等する権利 及び放送同時配信等されるその著作物を受信装置を用いて公に伝達する権利

三 号

その著作物を複製し、又はその複製物により有線放送事業者に頒布する権利

第五款 著作権の制限

1項

著作権の目的となつている著作物(以下 この款において単に「著作物」という。)は、個人的に 又は家庭内 その他これに準ずる限られた範囲内において使用すること(以下「私的使用」という。)を目的とするときは、次に掲げる場合を除き、その使用する者複製することができる。

一 号

公衆の使用に供することを目的として設置されている自動複製機器(複製の機能を有し、これに関する装置の全部 又は主要な部分が自動化されている機器をいう。)を用いて複製する場合

二 号

技術的保護手段の回避(第二条第一項第二十号に規定する信号の除去 若しくは改変 その他の当該信号の効果を妨げる行為(記録 又は送信の方式の変換に伴う技術的な制約によるものを除く)を行うこと 又は同号に規定する特定の変換を必要とするよう変換された著作物、実演、レコード 若しくは放送 若しくは有線放送に係る音 若しくは影像の復元を行うことにより、当該技術的保護手段によつて防止される行為を可能とし、又は当該技術的保護手段によつて抑止される行為の結果に障害を生じないようにすること(著作権等を有する者の意思に基づいて行われるものを除く)をいう。第百十三条第七項 並びに第百二十条の二第一号 及び第二号において同じ。)により可能となり、又はその結果に障害が生じないようになつた複製を、その事実を知りながら行う場合

三 号

著作権を侵害する自動公衆送信(国外で行われる自動公衆送信であつて、国内で行われたとしたならば著作権の侵害となるべきものを含む。)を受信して行うデジタル方式の録音 又は録画(以下 この号 及び次項において「特定侵害録音録画」という。)を、特定侵害録音録画であることを知りながら行う場合

四 号

著作権(第二十八条に規定する権利(翻訳以外の方法により創作された二次的著作物に係るものに限る)を除く。以下 この号において同じ。)を侵害する自動公衆送信(国外で行われる自動公衆送信であつて、国内で行われたとしたならば著作権の侵害となるべきものを含む。)を受信して行うデジタル方式の複製(録音 及び録画を除く。以下 この号において同じ。)(当該著作権に係る著作物のうち当該複製がされる部分の占める割合、当該部分が自動公衆送信される際の表示の精度 その他の要素に照らし軽微なものを除く。以下 この号 及び次項において「特定侵害複製」という。)を、特定侵害複製であることを知りながら行う場合(当該著作物の種類 及び用途 並びに当該特定侵害複製の態様に照らし著作権者の利益を不当に害しないと認められる特別な事情がある場合を除く

2項

前項第三号 及び第四号の規定は、特定侵害録音録画 又は特定侵害複製であることを重大な過失により知らないで行う場合を含むものと解釈してはならない。

3項

私的使用を目的として、デジタル方式の録音 又は録画の機能を有する機器(放送の業務のための特別の性能 その他の私的使用に通常供されない特別の性能を有するもの及び録音機能付きの電話機 その他の本来の機能に附属する機能として録音 又は録画の機能を有するものを除く)であつて政令で定めるものにより、当該機器によるデジタル方式の録音 又は録画の用に供される記録媒体であつて政令で定めるものに録音 又は録画を行う者は、相当な額の補償金を著作権者に支払わなければならない。

1項

写真の撮影、録音、録画、放送 その他これらと同様に事物の影像 又は音を複製し、又は複製を伴うことなく伝達する行為(以下 この項において「複製伝達行為」という。)を行うに当たつて、その対象とする事物 又は音(以下 この項において「複製伝達対象事物等」という。)に付随して対象となる事物 又は音(複製伝達対象事物等の一部を構成するものとして対象となる事物 又は音を含む。以下 この項において「付随対象事物等」という。)に係る著作物(当該複製伝達行為により作成され、又は伝達されるもの(以下この条において「作成伝達物」という。)のうち当該著作物の占める割合、当該作成伝達物における当該著作物の再製の精度 その他の要素に照らし当該作成伝達物において当該著作物が軽微な構成部分となる場合における当該著作物に限る。以下この条において「付随対象著作物」という。)は、当該付随対象著作物の利用により利益を得る目的の有無、当該付随対象事物等の当該複製伝達対象事物等からの分離の困難性の程度、当該作成伝達物において当該付随対象著作物が果たす役割 その他の要素に照らし正当な範囲内において、当該複製伝達行為に伴つて、いずれの方法によるかを問わず、利用することができる。


ただし、当該付随対象著作物の種類 及び用途 並びに当該利用の態様に照らし著作権者の利益を不当に害することとなる場合は、この限りでない。

2項

前項の規定により利用された付随対象著作物は、当該付随対象著作物に係る作成伝達物の利用に伴つて、いずれの方法によるかを問わず、利用することができる。


ただし、当該付随対象著作物の種類 及び用途 並びに当該利用の態様に照らし著作権者の利益を不当に害することとなる場合は、この限りでない。

1項

著作権者の許諾を得て、又は第六十七条第一項第六十八条第一項 若しくは第六十九条の規定による裁定を受けて著作物を利用しようとする者は、これらの利用についての検討の過程(当該許諾を得、又は当該裁定を受ける過程を含む。)における利用に供することを目的とする場合には、その必要と認められる限度において、いずれの方法によるかを問わず、当該著作物を利用することができる。


ただし、当該著作物の種類 及び用途 並びに当該利用の態様に照らし著作権者の利益を不当に害することとなる場合は、この限りでない。

1項

著作物は、次に掲げる場合 その他の当該著作物に表現された思想 又は感情を自ら享受し 又は他人に享受させることを目的としない場合には、その必要と認められる限度において、いずれの方法によるかを問わず、利用することができる。


ただし、当該著作物の種類 及び用途 並びに当該利用の態様に照らし著作権者の利益を不当に害することとなる場合は、この限りでない。

一 号

著作物の録音、録画 その他の利用に係る技術の開発 又は実用化のための試験の用に供する場合

二 号

情報解析(多数の著作物 その他の大量の情報から、当該情報を構成する言語、音、影像 その他の要素に係る情報を抽出し、比較、分類 その他の解析を行うことをいう。第四十七条の五第一項第二号において同じ。)の用に供する場合

三 号

前二号に掲げる場合のほか、著作物の表現についての人の知覚による認識を伴うことなく当該著作物を電子計算機による情報処理の過程における利用 その他の利用(プログラムの著作物にあつては、当該著作物の電子計算機における実行を除く)に供する場合

1項

国立国会図書館 及び図書、記録 その他の資料を公衆の利用に供することを目的とする図書館その他の施設で政令で定めるもの(以下 この条 及び第百四条の十の四第三項において「図書館等」という。)においては、次に掲げる場合には、その営利を目的としない事業として、図書館等の図書、記録 その他の資料(次項 及び第六項において「図書館資料」という。)を用いて著作物を複製することができる。

一 号

図書館等の利用者の求めに応じ、その調査研究の用に供するために、公表された著作物の一部分( 若しくは地方公共団体の機関独立行政法人 又は地方独立行政法人一般に周知させることを目的として作成し、その著作の名義の下に公表する広報資料、調査統計資料、報告書 その他これらに類する著作物(次項 及び次条第二項において「国等の周知目的資料」という。)その他の著作物の全部の複製物の提供が著作権者の利益を不当に害しないと認められる特別な事情があるものとして政令で定めるものにあつては、その全部)の複製物を一人につき一部提供する場合

二 号
図書館資料の保存のため必要がある場合
三 号

他の図書館等の求めに応じ、絶版 その他これに準ずる理由により一般に入手することが困難な図書館資料(以下この条において「絶版等資料」という。)の複製物を提供する場合

2項

特定図書館等においては、その営利を目的としない事業として、当該特定図書館等の利用者あらかじめ当該特定図書館等にその氏名 及び連絡先 その他文部科学省令で定める情報(次項第三号 及び第八項第一号において「利用者情報」という。)を登録している者限る第四項 及び第百四条の十の四第四項において同じ。)の求めに応じ、その調査研究の用に供するために、公表された著作物の一部分(国等の周知目的資料 その他の著作物の全部の公衆送信が著作権者の利益を不当に害しないと認められる特別な事情があるものとして政令で定めるものにあつては、その全部)について、次に掲げる行為を行うことができる。


ただし、当該著作物の種類(著作権者 若しくはその許諾を得た者 又は第七十九条出版権の設定を受けた者 若しくはその公衆送信許諾を得た者による当該著作物の公衆送信(放送 又は有線放送を除き、自動公衆送信の場合にあつては送信可能化を含む。以下この条において同じ。)の実施状況を含む。第百四条の十の四第四項において同じ。)及び用途 並びに当該特定図書館等が行う公衆送信の態様に照らし著作権者の利益を不当に害することとなる場合は、この限りでない。

一 号

図書館資料を用いて次号公衆送信のために必要な複製を行うこと。

二 号

図書館資料の原本 又は複製物を用いて公衆送信を行うこと(当該公衆送信を受信して作成された電磁的記録(電子的方式、磁気的方式 その他人の知覚によつては認識することができない方式で作られる記録であつて、電子計算機による情報処理の用に供されるものをいう。以下同じ。)による著作物の提供 又は提示を防止し、又は抑止するための措置として文部科学省令で定める措置を講じて行うものに限る)。

3項

前項に規定する特定図書館等とは、図書館等であつて次に掲げる要件を備えるものをいう。

一 号

前項の規定による公衆送信に関する業務を適正に実施するための責任者が置かれていること。

二 号

前項の規定による公衆送信に関する業務に従事する職員に対し、当該業務を適正に実施するための研修を行つていること。

三 号
利用者情報を適切に管理するために必要な措置を講じていること。
四 号

前項の規定による公衆送信のために作成された電磁的記録に係る情報が同項に定める目的以外の目的のために利用されることを防止し、又は抑止するために必要な措置として文部科学省令で定める措置を講じていること。

五 号

前各号に掲げるもののほか前項の規定による公衆送信に関する業務を適正に実施するために必要な措置として文部科学省令で定める措置を講じていること。

4項

第二項の規定により公衆送信された著作物を受信した特定図書館等の利用者は、その調査研究の用に供するために必要と認められる限度において、当該著作物を複製することができる。

5項

第二項の規定により著作物の公衆送信を行う場合には、第三項に規定する特定図書館等を設置する者は、相当な額の補償金を当該著作物の著作権者に支払わなければならない。

6項

第一項各号に掲げる場合のほか、国立国会図書館においては、図書館資料の原本を公衆の利用に供することによるその滅失、損傷 若しくは汚損を避けるために当該原本に代えて公衆の利用に供するため、又は絶版等資料に係る著作物を次項 若しくは第八項の規定により自動公衆送信送信可能化を含む。以下この条において同じ。)に用いるため、電磁的記録を作成する場合には、必要と認められる限度において、当該図書館資料に係る著作物を記録媒体に記録することができる。

7項

国立国会図書館は、絶版等資料に係る著作物について、図書館等 又はこれに類する外国の施設で政令で定めるものにおいて公衆に提示することを目的とする場合には、前項の規定により記録媒体に記録された当該著作物の複製物を用いて自動公衆送信を行うことができる。


この場合において、当該図書館等においては、その営利を目的としない事業として、次に掲げる行為を行うことができる。

一 号

当該図書館等の利用者の求めに応じ、当該利用者が自ら利用するために必要と認められる限度において、自動公衆送信された当該著作物の複製物を作成し、当該複製物を提供すること。

二 号

自動公衆送信された当該著作物を受信装置を用いてに伝達すること(当該著作物の伝達を受ける者から料金(いずれの名義をもつてするかを問わず、著作物の提供 又は提示につき受ける対価をいう。第九項第二号 及び第三十八条において同じ。)を受けない場合に限る)。

8項

国立国会図書館は、次に掲げる要件を満たすときは、特定絶版等資料に係る著作物について、第六項の規定により記録媒体に記録された当該著作物の複製物を用いて、自動公衆送信当該自動公衆送信を受信して行う当該著作物のデジタル方式の複製を防止し、又は抑止するための措置として文部科学省令で定める措置を講じて行うものに限る。以下 この項 及び次項において同じ。)を行うことができる。

一 号

当該自動公衆送信が、当該著作物をあらかじめ国立国会図書館に利用者情報を登録している者次号において「事前登録者」という。)の用に供することを目的とするものであること。

二 号

当該自動公衆送信を受信しようとする者が当該自動公衆送信を受信する際に事前登録者であることを識別するための措置を講じていること。

9項

前項の規定による自動公衆送信を受信した者は、次に掲げる行為を行うことができる。

一 号

自動公衆送信された当該著作物を自ら利用するために必要と認められる限度において複製すること。

二 号

次の 又はに掲げる場合の区分に応じ、当該 又はに定める要件に従つて、自動公衆送信された当該著作物を受信装置を用いて公に伝達すること。

個人的に 又は家庭内において当該著作物が閲覧される場合の表示の大きさと同等のものとして政令で定める大きさ以下の大きさで表示する場合

営利を目的とせず、かつ、当該著作物の伝達を受ける者から料金を受けずに行うこと。

に掲げる場合以外の場合

公共の用に供される施設であつて、地方公共団体 又は一般社団法人 若しくは一般財団法人 その他の営利を目的としない法人が設置するもののうち、自動公衆送信された著作物のの伝達を適正に行うために必要な法に関する知識を有する職員が置かれているものにおいて、営利を目的とせず、かつ、当該著作物の伝達を受ける者から料金を受けずに行うこと。

10項

第八項特定絶版等資料とは、第六項の規定により記録媒体に記録された著作物に係る絶版等資料のうち、著作権者 若しくはその許諾を得た者 又は第七十九条出版権の設定を受けた者 若しくはその複製許諾 若しくは公衆送信許諾を得た者の申出を受けて、国立国会図書館の館長が当該申出のあつた日から起算して三月以内に絶版等資料に該当しなくなる蓋然性が高いと認めた資料を除いたものをいう。

11項

前項の申出は、国立国会図書館の館長に対し、当該申出に係る絶版等資料が当該申出のあつた日から起算して三月以内に絶版等資料に該当しなくなる蓋然性が高いことを疎明する資料を添えて行うものとする。

1項

公表された著作物は、引用して利用することができる。


この場合において、その引用は、公正な慣行に合致するものであり、かつ、報道、批評、研究 その他の引用の目的上正当な範囲内で行なわれるものでなければならない。

2項

国等の周知目的資料は、説明の材料として新聞紙雑誌その他の刊行物に転載することができる。


ただし、これを禁止する旨の表示がある場合は、この限りでない。

1項

公表された著作物は、学校教育の目的上必要と認められる限度において、教科用図書学校教育法昭和二十二年法律第二十六号第三十四条第一項同法第四十九条第四十九条の八第六十二条第七十条第一項 及び第八十二条において準用する場合を含む。)に規定する教科用図書をいう。以下同じ。)に掲載することができる。

2項

前項の規定により著作物を教科用図書に掲載する者は、その旨を著作者に通知するとともに、同項の規定の趣旨、著作物の種類 及び用途、通常の使用料の額 その他の事情を考慮して文化庁長官が定める算出方法により算出した額の補償金を著作権者に支払わなければならない。

3項

文化庁長官は、前項の算出方法を定めたときは、これをインターネットの利用 その他の適切な方法により公表するものとする。

4項

前三項の規定は、高等学校中等教育学校の後期課程を含む。)の通信教育用学習図書 及び教科用図書に係る教師用指導書(当該教科用図書を発行する者の発行に係るものに限る)への著作物の掲載について準用する。

1項

教科用図書に掲載された著作物は、学校教育の目的上必要と認められる限度において、教科用図書代替教材(学校教育法第三十四条第二項 又は第三項これらの規定を同法第四十九条第四十九条の八第六十二条第七十条第一項 及び第八十二条において準用する場合を含む。以下 この項において同じ。)の規定により教科用図書に代えて使用することができる同法第三十四条第二項に規定する教材をいう。以下 この項 及び次項において同じ。)に掲載し、及び教科用図書代替教材の当該使用に伴つていずれの方法によるかを問わず利用することができる。

2項

前項の規定により教科用図書に掲載された著作物を教科用図書代替教材に掲載しようとする者は、あらかじめ当該教科用図書を発行する者にその旨を通知するとともに、同項の規定の趣旨、同項の規定による著作物の利用の態様 及び利用状況、前条第二項に規定する補償金の額 その他の事情を考慮して文化庁長官が定める算出方法により算出した額の補償金を著作権者に支払わなければならない。

3項

文化庁長官は、前項の算出方法を定めたときは、これをインターネットの利用 その他の適切な方法により公表するものとする。

1項

教科用図書に掲載された著作物は、視覚障害、発達障害 その他の障害により教科用図書に掲載された著作物を使用することが困難な児童 又は生徒学習の用に供するため、当該教科用図書に用いられている文字、図形等の拡大 その他の当該児童 又は生徒が当該著作物を使用するために必要な方式により複製することができる。

2項

前項の規定により複製する教科用の図書 その他の複製物(点字により複製するものを除き、当該教科用図書に掲載された著作物の全部 又は相当部分を複製するものに限る。以下 この項において「教科用拡大図書等」という。)を作成しようとする者は、あらかじめ当該教科用図書を発行する者にその旨を通知するとともに、営利を目的として当該教科用拡大図書等を頒布する場合にあつては、第三十三条第二項に規定する補償金の額に準じて文化庁長官が定める算出方法により算出した額の補償金を当該著作物の著作権者に支払わなければならない。

3項

文化庁長官は、前項の算出方法を定めたときは、これをインターネットの利用 その他の適切な方法により公表するものとする。

4項

障害のある児童及び生徒のための教科用特定図書等の普及の促進等に関する法律平成二十年法律第八十一号)第五条第一項 又は第二項の規定により教科用図書に掲載された著作物に係る電磁的記録の提供を行う者は、その提供のために必要と認められる限度において、当該著作物を利用することができる。

1項

公表された著作物は、学校教育の目的上必要と認められる限度において、学校教育に関する法令の定める教育課程の基準に準拠した学校向けの放送番組 又は有線放送番組において放送し、有線放送し、地域限定特定入力型自動公衆送信(特定入力型自動公衆送信のうち、専ら当該放送に係る放送対象地域(放送法昭和二十五年法律第百三十二号第九十一条第二項第二号に規定する放送対象地域をいい、これが定められていない放送にあつては、電波法昭和二十五年法律第百三十一号第十四条第三項第二号に規定する放送区域をいう。)において受信されることを目的として行われるものをいう。以下同じ。)を行い、又は放送同時配信等(放送事業者有線放送事業者 又は放送同時配信等事業者が行うものに限る第三十八条第三項第三十九条 並びに第四十条第二項 及び第三項において同じ。)を行い、及び当該放送番組用 又は有線放送番組用の教材に掲載することができる。

2項

前項の規定により著作物を利用する者は、その旨を著作者に通知するとともに、相当な額の補償金を著作権者に支払わなければならない。

1項

学校 その他の教育機関(営利を目的として設置されているものを除く)において教育を担任する者 及び授業を受ける者は、その授業の過程における利用に供することを目的とする場合には、その必要と認められる限度において、公表された著作物を複製し、若しくは公衆送信自動公衆送信の場合にあつては、送信可能化を含む。以下この条において同じ。)を行い、又は公表された著作物であつて公衆送信されるものを受信装置を用いて公に伝達することができる。


ただし、当該著作物の種類 及び用途 並びに当該複製の部数 及び当該複製、公衆送信 又は伝達の態様に照らし著作権者の利益を不当に害することとなる場合は、この限りでない。

2項

前項の規定により公衆送信を行う場合には、同項教育機関を設置する者は、相当な額の補償金を著作権者に支払わなければならない。

3項

前項の規定は、公表された著作物について、第一項の教育機関における授業の過程において、当該授業を直接受ける者に対して当該著作物をその原作品 若しくは複製物を提供し、若しくは提示して利用する場合 又は当該著作物を第三十八条第一項の規定により上演し、演奏し、上映し、若しくは口述して利用する場合において、当該授業が行われる場所以外の場所において当該授業を同時に受ける者に対して公衆送信を行うときには、適用しない

1項

公表された著作物については、入学試験 その他人の学識技能に関する試験 又は検定の目的上必要と認められる限度において、当該試験 又は検定の問題として複製し、又は公衆送信(放送 又は有線放送を除き、自動公衆送信の場合にあつては送信可能化を含む。次項において同じ。)を行うことができる。


ただし、当該著作物の種類 及び用途 並びに当該公衆送信の態様に照らし著作権者の利益を不当に害することとなる場合は、この限りでない。

2項

営利を目的として前項の複製 又は公衆送信を行う者は、通常の使用料の額に相当する額の補償金を著作権者支払わなければならない

1項

公表された著作物は、点字により複製することができる。

2項

公表された著作物については、電子計算機を用いて点字を処理する方式により、記録媒体に記録し、又は公衆送信(放送 又は有線放送を除き、自動公衆送信の場合にあつては送信可能化を含む。次項において同じ。)を行うことができる。

3項

視覚障害 その他の障害により視覚による表現の認識が困難な者(以下 この項 及び第百二条第四項において「視覚障害者等」という。)の福祉に関する事業を行う者で政令で定めるものは、公表された著作物であつて、視覚によりその表現が認識される方式(視覚 及び他の知覚により認識される方式を含む。)により公衆に提供され、又は提示されているもの(当該著作物以外の著作物で、当該著作物において複製されているもの その他当該著作物と一体として公衆に提供され、又は提示されているものを含む。以下 この項 及び同条第四項において「視覚著作物」という。)について、専ら視覚障害者等で当該方式によつては当該視覚著作物を利用することが困難な者の用に供するために必要と認められる限度において、当該視覚著作物に係る文字を音声にすること その他当該視覚障害者等が利用するために必要な方式により、複製し、又は公衆送信を行うことができる。


ただし、当該視覚著作物について、著作権者 又はその許諾を得た者 若しくは第七十九条の出版権の設定を受けた者 若しくはその複製許諾 若しくは公衆送信許諾を得た者により、当該方式による公衆への提供 又は提示が行われている場合は、この限りでない。

1項

聴覚障害者 その他聴覚による表現の認識に障害のある者(以下 この条 及び次条第五項において「聴覚障害者等」という。)の福祉に関する事業を行う者次の各号に掲げる利用の区分に応じて政令で定めるものは、公表された著作物であつて、聴覚によりその表現が認識される方式(聴覚 及び他の知覚により認識される方式を含む。)により公衆に提供され、又は提示されているもの(当該著作物以外の著作物で、当該著作物において複製されているもの その他当該著作物と一体として公衆に提供され、又は提示されているものを含む。以下 この条において「聴覚著作物」という。)について、専ら聴覚障害者等で当該方式によつては当該聴覚著作物を利用することが困難な者の用に供するために必要と認められる限度において、それぞれ当該各号に掲げる利用を行うことができる。


ただし、当該聴覚著作物について、著作権者 又はその許諾を得た者 若しくは第七十九条の出版権の設定を受けた者 若しくはその複製許諾 若しくは公衆送信許諾を得た者により、当該聴覚障害者等が利用するために必要な方式による公衆への提供 又は提示が行われている場合は、この限りでない。

一 号

当該聴覚著作物に係る音声について、これを文字にすること その他当該聴覚障害者等が利用するために必要な方式により、複製し、又は自動公衆送信(送信可能化を含む。)を行うこと。

二 号

専ら当該聴覚障害者等向けの貸出しの用に供するため、複製すること(当該聴覚著作物に係る音声を文字にすること その他当該聴覚障害者等が利用するために必要な方式による当該音声の複製と併せて行うものに限る)。

1項

公表された著作物は、営利を目的とせず、かつ、聴衆 又は観衆から料金を受けない場合には、公に上演し、演奏し、上映し、又は口述することができる。


ただし、当該上演、演奏、上映 又は口述について実演家 又は口述を行う者に対し報酬が支払われる場合は、この限りでない。

2項

放送される著作物は、営利を目的とせず、かつ、聴衆 又は観衆から料金を受けない場合には、有線放送し、又は地域限定特定入力型自動公衆送信を行うことができる。

3項

放送され、有線放送され、特定入力型自動公衆送信が行われ、又は放送同時配信等(放送 又は有線放送が終了した後に開始されるものを除く)が行われる著作物は、営利を目的とせず、かつ、聴衆 又は観衆から料金を受けない場合には、受信装置を用いて公に伝達することができる。


通常の家庭用受信装置を用いてする場合も、同様とする。

4項

公表された著作物(映画の著作物を除く)は、営利を目的とせず、かつ、その複製物の貸与を受ける者から料金を受けない場合には、その複製物(映画の著作物において複製されている著作物にあつては、当該映画の著作物の複製物を除く)の貸与により公衆に提供することができる。

5項

映画フィルム その他の視聴覚資料を公衆の利用に供することを目的とする視聴覚教育施設その他の施設営利を目的として設置されているものを除く)で政令で定めるもの 及び聴覚障害者等の福祉に関する事業を行う者前条の政令で定めるもの(同条第二号に係るものに限り、営利を目的として当該事業を行うものを除く)は、公表された映画の著作物を、その複製物の貸与を受ける者から料金を受けない場合には、その複製物の貸与により頒布することができる。


この場合において、当該頒布を行う者は、当該映画の著作物 又は当該映画の著作物において複製されている著作物につき第二十六条に規定する権利を有する者第二十八条の規定により第二十六条に規定する権利と同一の権利を有する者を含む。)に相当な額の補償金を支払わなければならない。

1項

新聞紙 又は雑誌に掲載して発行された政治上、経済上 又は社会上の時事問題に関する論説(学術的な性質を有するものを除く)は、他の新聞紙 若しくは雑誌に転載し、又は放送し、有線放送し、地域限定特定入力型自動公衆送信を行い、若しくは放送同時配信等を行うことができる。


ただし、これらの利用を禁止する旨の表示がある場合は、この限りでない。

2項

前項の規定により放送され、有線放送され、地域限定特定入力型自動公衆送信が行われ、又は放送同時配信等が行われる論説は、受信装置を用いて公に伝達することができる。

1項

公開して行われた政治上の演説 又は陳述 並びに裁判手続 及び行政審判手続(行政庁の行う審判 その他裁判に準ずる手続をいう。第四十一条の二において同じ。)における公開の陳述は、同一の著作者のものを編集して利用する場合を除き、いずれの方法によるかを問わず、利用することができる。

2項

若しくは地方公共団体の機関独立行政法人 又は地方独立行政法人において行われた公開の演説 又は陳述は、前項の規定によるものを除き、報道の目的上正当と認められる場合には、新聞紙 若しくは雑誌に掲載し、又は放送し、有線放送し、地域限定特定入力型自動公衆送信を行い、若しくは放送同時配信等を行うことができる。

3項

前項の規定により放送され、有線放送され、地域限定特定入力型自動公衆送信が行われ、又は放送同時配信等が行われる演説 又は陳述は、受信装置を用いて公に伝達することができる。

1項

写真映画放送 その他の方法によつて時事の事件報道する場合には、当該事件を構成し、又は当該事件の過程において見られ、若しくは聞かれる著作物は、報道の目的上正当な範囲内において、複製し、及び当該事件の報道に伴つて利用することができる。

1項

著作物は、裁判手続 及び行政審判手続のために必要と認められる場合には、その必要と認められる限度において、複製することができる。


ただし、当該著作物の種類 及び用途 並びにその複製の部数 及び態様に照らし著作権者の利益を不当に害することとなる場合は、この限りでない。

2項

著作物は、特許法昭和三十四年法律第百二十一号)その他政令で定める法律の規定による行政審判手続であつて、電磁的記録を用いて行い、又は映像 若しくは音声の送受信を伴つて行うもののために必要と認められる限度において、公衆送信(自動公衆送信の場合にあつては、送信可能化を含む。以下 この項次条 及び第四十二条の二第二項において同じ。)を行い、又は受信装置を用いて公に伝達することができる。


ただし、当該著作物の種類 及び用途 並びにその公衆送信 又は伝達の態様に照らし著作権者の利益を不当に害することとなる場合は、この限りでない。

1項

著作物は、立法 又は行政の目的のために内部資料として必要と認められる場合には、その必要と認められる限度において、複製し、又は当該内部資料を利用する者との間で公衆送信を行い、若しくは受信装置を用いて公に伝達することができる。


ただし、当該著作物の種類 及び用途 並びにその複製の部数 及びその複製、公衆送信 又は伝達の態様に照らし著作権者の利益を不当に害することとなる場合は、この限りでない。

1項

著作物は、次に掲げる手続のために必要と認められる場合には、その必要と認められる限度において、複製することができる。


ただし、当該著作物の種類 及び用途 並びにその複製の部数 及び態様に照らし著作権者の利益を不当に害することとなる場合は、この限りでない。

一 号

行政庁の行う特許、意匠 若しくは商標に関する審査、実用新案に関する技術的な評価 又は国際出願(特許協力条約に基づく国際出願等に関する法律昭和五十三年法律第三十号第二条に規定する国際出願をいう。)に関する国際調査 若しくは国際予備審査に関する手続

二 号

行政庁の行う品種(種苗法(平成十年法律第八十三号)第二条第二項に規定する品種をいう。)に関する審査 又は登録品種(同法第二十条第一項に規定する登録品種をいう。)に関する調査に関する手続

三 号

行政庁の行う特定農林水産物等(特定農林水産物等の名称の保護に関する法律(平成二十六年法律第八十四号)第二条第二項に規定する特定農林水産物等をいう。以下 この号において同じ。)についての同法第六条の登録 又は外国の特定農林水産物等についての同法第二十三条第一項の指定に関する手続

四 号

行政庁 若しくは独立行政法人の行う薬事(医療機器(医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律昭和三十五年法律第百四十五号第二条第四項に規定する医療機器をいう。)及び再生医療等製品(同条第九項に規定する再生医療等製品をいう。)に関する事項を含む。以下 この号において同じ。)に関する審査 若しくは調査 又は行政庁 若しくは独立行政法人に対する薬事に関する報告に関する手続

五 号

前各号に掲げるもののほか、これらに類するものとして政令で定める手続

2項

著作物は、電磁的記録を用いて行い、又は映像 若しくは音声の送受信を伴つて行う前項各号に掲げる手続のために必要と認められる場合には、その必要と認められる限度において、公衆送信を行い、又は受信装置を用いて公に伝達することができる。


ただし、当該著作物の種類 及び用途 並びにその公衆送信 又は伝達の態様に照らし著作権者の利益を不当に害することとなる場合は、この限りでない。

1項

行政機関の長、独立行政法人等 又は地方公共団体の機関 若しくは地方独立行政法人は、行政機関情報公開法、独立行政法人等情報公開法 又は情報公開条例の規定により著作物を公衆に提供し、又は提示することを目的とする場合には、それぞれ行政機関情報公開法第十四条第一項同項の規定に基づく政令の規定を含む。)に規定する方法、独立行政法人等情報公開法第十五条第一項に規定する方法(同項の規定に基づき当該独立行政法人等が定める方法(行政機関情報公開法第十四条第一項の規定に基づく政令で定める方法以外のものを除く)を含む。)又は情報公開条例で定める方法(行政機関情報公開法第十四条第一項同項の規定に基づく政令の規定を含む。)に規定する方法以外のものを除く)により開示するために必要と認められる限度において、当該著作物を利用することができる。

1項

国立公文書館等の長 又は地方公文書館等の長は、公文書管理法第十五条第一項の規定 又は公文書管理条例の規定(同項の規定に相当する規定に限る)により歴史公文書等を保存することを目的とする場合には、必要と認められる限度において、当該歴史公文書等に係る著作物を複製することができる。

2項

国立公文書館等の長 又は地方公文書館等の長は、公文書管理法第十六条第一項の規定 又は公文書管理条例の規定(同項の規定に相当する規定に限る)により著作物を公衆に提供し、又は提示することを目的とする場合には、それぞれ公文書管理法第十九条同条の規定に基づく政令の規定を含む。以下 この項において同じ。)に規定する方法 又は公文書管理条例で定める方法(同条に規定する方法以外のものを除く)により利用をさせるために必要と認められる限度において、当該著作物を利用することができる。

1項

国立国会図書館の館長は、国立国会図書館法昭和二十三年法律第五号第二十五条の三第一項の規定により同項に規定するインターネット資料(以下 この条において「インターネット資料」という。)又は同法第二十五条の四第三項の規定により同項に規定するオンライン資料を収集するために必要と認められる限度において、当該インターネット資料 又は当該オンライン資料に係る著作物を国立国会図書館の使用に係る記録媒体に記録することができる。

2項

次の各号に掲げる者は、当該各号に掲げる資料を提供するために必要と認められる限度において、当該各号に掲げる資料に係る著作物を複製することができる。

一 号

国立国会図書館法第二十四条 及び第二十四条の二規定する者

同法第二十五条の三第三項の求めに応じ提供するインターネット資料

二 号

国立国会図書館法第二十四条 及び第二十四条の二規定する者以外の者

同法第二十五条の四第一項の規定により提供する同項に規定するオンライン資料

1項

放送事業者は、第二十三条第一項に規定する権利を害することなく放送し、又は放送同時配信等することができる著作物を、自己の放送 又は放送同時配信等(当該放送事業者密接な関係を有する放送同時配信等事業者が放送番組の供給を受けて行うものを含む。)のために、自己の手段 又は当該著作物を同じく放送し、若しくは放送同時配信等することができる他の放送事業者の手段により、一時的に録音し、又は録画することができる。

2項

有線放送事業者は、第二十三条第一項に規定する権利を害することなく有線放送し、又は放送同時配信等することができる著作物を、自己の有線放送(放送を受信して行うものを除く)又は放送同時配信等(当該有線放送事業者密接な関係を有する放送同時配信等事業者が有線放送番組の供給を受けて行うものを含む。)のために、自己の手段により、一時的に録音し、又は録画することができる。

3項

放送同時配信等事業者は、第二十三条第一項に規定する権利を害することなく放送同時配信等することができる著作物を、自己の放送同時配信等のために、自己の手段 又は自己と密接な関係を有する放送事業者 若しくは有線放送事業者の手段により、一時的に録音し、又は録画することができる。

4項

前三項の規定により作成された録音物 又は録画物は、録音 又は録画の後六月その期間内に当該録音物 又は録画物を用いてする放送、有線放送 又は放送同時配信等があつたときは、その放送、有線放送 又は放送同時配信等の後六月)を超えて保存することができない


ただし、政令で定めるところにより公的な記録保存所において保存する場合は、この限りでない。

1項

美術の著作物 若しくは写真の著作物の原作品の所有者 又はその同意を得た者は、これらの著作物をその原作品により公に展示することができる。

2項

前項の規定は、美術の著作物の原作品を街路、公園 その他一般公衆に開放されている屋外の場所 又は建造物の外壁 その他一般公衆の見やすい屋外の場所に恒常的に設置する場合には、適用しない

1項

美術の著作物でその原作品が前条第二項に規定する屋外の場所に恒常的に設置されているもの 又は建築の著作物は、次に掲げる場合を除き、いずれの方法によるかを問わず、利用することができる。

一 号

彫刻を増製し、又はその増製物の譲渡により公衆に提供する場合

二 号

建築の著作物を建築により複製し、又はその複製物の譲渡により公衆に提供する場合

三 号

前条第二項に規定する屋外の場所に恒常的に設置するために複製する場合

四 号

専ら美術の著作物の複製物の販売を目的として複製し、又はその複製物を販売する場合

1項

美術の著作物 又は写真の著作物の原作品により、第二十五条に規定する権利を害することなく、これらの著作物を公に展示する者以下 この条において「原作品展示者」という。)は、観覧者のためにこれらの展示する著作物(以下 この条 及び第四十七条の六第二項第一号において「展示著作物」という。)の解説 若しくは紹介をすることを目的とする小冊子に当該展示著作物を掲載し、又は次項の規定により当該展示著作物を上映し、若しくは当該展示著作物について自動公衆送信送信可能化を含む。同項 及び同号において同じ。)を行うために必要と認められる限度において、当該展示著作物を複製することができる。


ただし、当該展示著作物の種類 及び用途 並びに当該複製の部数 及び態様に照らし著作権者の利益を不当に害することとなる場合は、この限りでない。

2項

原作品展示者は、観覧者のために展示著作物の解説 又は紹介をすることを目的とする場合には、その必要と認められる限度において、当該展示著作物を上映し、又は当該展示著作物について自動公衆送信を行うことができる。


ただし、当該展示著作物の種類 及び用途 並びに当該上映 又は自動公衆送信の態様に照らし著作権者の利益を不当に害することとなる場合は、この限りでない。

3項

原作品展示者 及びこれに準ずる者として政令で定めるものは、展示著作物の所在に関する情報を公衆に提供するために必要と認められる限度において、当該展示著作物について複製し、又は公衆送信(自動公衆送信の場合にあつては、送信可能化を含む。)を行うことができる。


ただし、当該展示著作物の種類 及び用途 並びに当該複製 又は公衆送信の態様に照らし著作権者の利益を不当に害することとなる場合は、この限りでない。

1項

美術の著作物 又は写真の著作物の原作品 又は複製物の所有者 その他のこれらの譲渡 又は貸与の権原を有する者が、第二十六条の二第一項 又は第二十六条の三に規定する権利を害することなく、その原作品 又は複製物を譲渡し、又は貸与しようとする場合には、当該権原を有する者 又はその委託を受けた者は、その申出の用に供するため、これらの著作物について、複製 又は公衆送信自動公衆送信の場合にあつては、送信可能化を含む。)(当該複製により作成される複製物を用いて行うこれらの著作物の複製 又は当該公衆送信を受信して行うこれらの著作物の複製を防止し、又は抑止するための措置 その他の著作権者の利益を不当に害しないための措置として政令で定める措置を講じて行うものに限る)を行うことができる。

1項

プログラムの著作物の複製物の所有者は、自ら当該著作物を電子計算機において実行するために必要と認められる限度において、当該著作物を複製することができる。


ただし、当該実行に係る複製物の使用につき、第百十三条第五項の規定が適用される場合は、この限りでない。

2項

前項複製物の所有者が当該複製物(同項の規定により作成された複製物を含む。)のいずれかについて滅失以外の事由により所有権を有しなくなつた後には、その者は、当該著作権者の別段の意思表示がない限り、その他の複製物を保存してはならない。

1項

電子計算機における利用(情報通信の技術を利用する方法による利用を含む。以下 この条において同じ。)に供される著作物は、次に掲げる場合 その他これらと同様に当該著作物の電子計算機における利用を円滑 又は効率的に行うために当該電子計算機における利用に付随する利用に供することを目的とする場合には、その必要と認められる限度において、いずれの方法によるかを問わず、利用することができる。


ただし、当該著作物の種類 及び用途 並びに当該利用の態様に照らし著作権者の利益を不当に害することとなる場合は、この限りでない。

一 号

電子計算機において、著作物を当該著作物の複製物を用いて利用する場合 又は無線通信 若しくは有線電気通信の送信がされる著作物を当該送信を受信して利用する場合において、これらの利用のための当該電子計算機による情報処理の過程において、当該情報処理を円滑 又は効率的に行うために当該著作物を当該電子計算機の記録媒体に記録するとき。

二 号

自動公衆送信装置を他人の自動公衆送信の用に供することを業として行う者が、当該他人の自動公衆送信の遅滞 若しくは障害を防止し、又は送信可能化された著作物の自動公衆送信を中継するための送信を効率的に行うために、これらの自動公衆送信のために送信可能化された著作物を記録媒体に記録する場合

三 号

情報通信の技術を利用する方法により情報を提供する場合において、当該提供を円滑 又は効率的に行うための準備に必要な電子計算機による情報処理を行うことを目的として記録媒体への記録 又は翻案を行うとき。

2項

電子計算機における利用に供される著作物は、次に掲げる場合 その他これらと同様に当該著作物の電子計算機における利用を行うことができる状態を維持し、又は当該状態に回復することを目的とする場合には、その必要と認められる限度において、いずれの方法によるかを問わず、利用することができる。


ただし、当該著作物の種類 及び用途 並びに当該利用の態様に照らし著作権者の利益を不当に害することとなる場合は、この限りでない。

一 号

記録媒体を内蔵する機器の保守 又は修理を行うために当該機器に内蔵する記録媒体(以下 この号 及び 次号において「内蔵記録媒体」という。)に記録されている著作物を当該内蔵記録媒体以外の記録媒体に一時的に記録し、及び当該保守 又は修理の後に、当該内蔵記録媒体に記録する場合

二 号

記録媒体を内蔵する機器をこれと同様の機能を有する機器と交換するためにその内蔵記録媒体に記録されている著作物を当該内蔵記録媒体以外の記録媒体に一時的に記録し、及び当該同様の機能を有する機器の内蔵記録媒体に記録する場合

三 号

自動公衆送信装置を他人の自動公衆送信の用に供することを業として行う者が、当該自動公衆送信装置により送信可能化された著作物の複製物が滅失し、又は毀損した場合の復旧の用に供するために当該著作物を記録媒体に記録するとき。

1項

電子計算機を用いた情報処理により新たな知見 又は情報を創出することによつて著作物の利用の促進に資する次の各号に掲げる行為を行う者当該行為の一部を行う者を含み、当該行為を政令で定める基準に従つて行う者限る)は、公衆への提供等(公衆への提供 又は提示をいい、送信可能化を含む。以下同じ。)が行われた著作物(以下 この条 及び次条第二項第二号において「公衆提供等著作物」という。)(公表された著作物 又は送信可能化された著作物に限る)について、当該各号に掲げる行為の目的上必要と認められる限度において、当該行為に付随して、いずれの方法によるかを問わず、利用(当該公衆提供等著作物のうちその利用に供される部分の占める割合、その利用に供される部分の量、その利用に供される際の表示の精度 その他の要素に照らし軽微なものに限る。以下この条において「軽微利用」という。)を行うことができる。


ただし、当該公衆提供等著作物に係る公衆への提供等が著作権を侵害するものであること(国外で行われた公衆への提供等にあつては、国内で行われたとしたならば著作権の侵害となるべきものであること)を知りながら当該軽微利用を行う場合 その他当該公衆提供等著作物の種類 及び用途 並びに当該軽微利用の態様に照らし著作権者の利益を不当に害することとなる場合は、この限りでない。

一 号

電子計算機を用いて、検索により求める情報(以下 この号において「検索情報」という。)が記録された著作物の題号 又は著作者名、送信可能化された検索情報に係る送信元識別符号(自動公衆送信の送信元を識別するための文字、番号、記号 その他の符号をいう。第百十三条第二項 及び第四項において同じ。)その他の検索情報の特定 又は所在に関する情報を検索し、及びその結果を提供すること。

二 号

電子計算機による情報解析を行い、及びその結果を提供すること。

三 号

前二号に掲げるもののほか、電子計算機による情報処理により、新たな知見 又は情報を創出し、及びその結果を提供する行為であつて、国民生活の利便性の向上に寄与するものとして政令で定めるもの

2項

前項各号に掲げる行為の準備を行う者当該行為の準備のための情報の収集、整理 及び提供を政令で定める基準に従つて行う者に限る)は、公衆提供等著作物について、同項の規定による軽微利用の準備のために必要と認められる限度において、複製 若しくは公衆送信自動公衆送信の場合にあつては、送信可能化を含む。以下 この項 及び次条第二項第二号において同じ。)を行い、又はその複製物による頒布を行うことができる。


ただし、当該公衆提供等著作物の種類 及び用途 並びに当該複製 又は頒布の部数 及び当該複製、公衆送信 又は頒布の態様に照らし著作権者の利益を不当に害することとなる場合は、この限りでない。

1項

次の各号に掲げる規定により著作物を利用することができる場合には、当該著作物について、当該規定の例により当該各号に定める方法による利用を行うことができる。

一 号

第三十条第一項第三十三条第一項同条第四項において準用する場合を含む。)、第三十四条第一項第三十五条第一項 又は前条第二項

翻訳、編曲、変形 又は翻案

二 号

第三十一条第一項第一号に係る部分に限る)、第二項第四項第七項第一号に係る部分に限る)若しくは第九項第一号に係る部分に限る)、第三十二条第三十六条第一項第三十七条第一項 若しくは第二項第三十九条第一項第四十条第二項 又は第四十一条から第四十二条の二まで

翻訳

三 号

第三十三条の二第一項第三十三条の三第一項 又は第四十七条

変形 又は翻案

四 号

第三十七条第三項

翻訳、変形 又は翻案

五 号

第三十七条の二

翻訳 又は翻案

六 号

第四十七条の三第一項翻案

2項

前項の規定により創作された二次的著作物は、当該二次的著作物の原著作物を同項各号に掲げる規定(次の各号に掲げる二次的著作物にあつては、当該各号に定める規定を含む。以下 この項 及び第四十八条第三項第二号において同じ。)により利用することができる場合には、原著作物の著作者 その他の当該二次的著作物の利用に関して第二十八条に規定する権利を有する者との関係においては、当該二次的著作物を前項各号に掲げる規定に規定する著作物に該当するものとみなして、当該各号に掲げる規定による利用を行うことができる。

一 号

第四十七条第一項の規定により同条第二項の規定による展示著作物の上映 又は自動公衆送信を行うために当該展示著作物を複製することができる場合に、前項の規定により創作された二次的著作物

同条第二項

二 号

前条第二項の規定により公衆提供等著作物について複製、公衆送信 又はその複製物による頒布を行うことができる場合に、前項の規定により創作された二次的著作物

同条第一項

1項

第三十条の二第二項第三十条の三第三十条の四第三十一条第一項第一号に係る部分に限る。以下この条において同じ。)若しくは第七項第一号に係る部分に限る。以下この条において同じ。)、第三十二条第三十三条第一項同条第四項において準用する場合を含む。)、第三十三条の二第一項第三十三条の三第一項 若しくは第四項第三十四条第一項第三十五条第一項第三十六条第一項第三十七条第三十七条の二第二号除く。以下この条において同じ。)、第三十九条第一項第四十条第一項 若しくは第二項第四十一条第四十一条の二第一項第四十二条第四十二条の二第一項第四十二条の三第四十二条の四第二項第四十六条第四十七条第一項 若しくは第三項第四十七条の二第四十七条の四 又は第四十七条の五の規定により複製することができる著作物は、これらの規定の適用を受けて作成された複製物(第三十一条第一項 若しくは第七項第三十六条第一項第四十一条の二第一項第四十二条 又は第四十二条の二第一項の規定に係る場合にあつては、映画の著作物の複製物(映画の著作物において 複製されている著作物にあつては、当該映画の著作物の複製物を含む。以下この条において同じ。)を除く)の譲渡により公衆に提供することができる。


ただし第三十条の三第三十一条第一項 若しくは第七項第三十三条の二第一項第三十三条の三第一項 若しくは第四項第三十五条第一項第三十七条第三項第三十七条の二第四十一条第四十一条の二第一項第四十二条第四十二条の二第一項第四十二条の三第四十二条の四第二項第四十七条第一項 若しくは第三項第四十七条の二第四十七条の四 若しくは第四十七条の五の規定の適用を受けて作成された著作物の複製物(第三十一条第一項 若しくは第七項第四十一条の二第一項第四十二条 又は第四十二条の二第一項の規定に係る場合にあつては、映画の著作物の複製物を除く)を第三十条の三第三十一条第一項 若しくは第七項第三十三条の二第一項第三十三条の三第一項 若しくは第四項第三十五条第一項第三十七条第三項第三十七条の二第四十一条第四十一条の二第一項第四十二条第四十二条の二第一項第四十二条の三第四十二条の四第二項第四十七条第一項 若しくは第三項第四十七条の二第四十七条の四 若しくは第四十七条の五に定める目的以外の目的のために公衆に譲渡する場合 又は第三十条の四の規定の適用を受けて作成された著作物の複製物を当該著作物に表現された思想 若しくは感情を自ら享受し 若しくは他人に享受させる目的のために公衆に譲渡する場合は、この限りでない。

1項

次の各号に掲げる場合には、当該各号に規定する著作物の出所を、その複製 又は利用の態様に応じ合理的と認められる方法 及び程度により、明示しなければならない。

一 号

第三十二条第三十三条第一項同条第四項において準用する場合を含む。)、第三十三条の二第一項第三十三条の三第一項第三十七条第一項第四十一条の二第一項第四十二条第四十二条の二第一項 又は第四十七条第一項の規定により著作物を複製する場合

二 号

第三十四条第一項第三十七条第三項第三十七条の二第三十九条第一項第四十条第一項 若しくは第二項第四十七条第二項 若しくは第三項 又は第四十七条の二の規定により著作物を利用する場合

三 号

第三十二条 若しくは第四十二条の規定により著作物を複製以外の方法により利用する場合 又は第三十五条第一項第三十六条第一項第三十八条第一項第四十一条第四十一条の二第二項第四十二条の二第二項第四十六条 若しくは第四十七条の五第一項の規定により著作物を利用する場合において、その出所を明示する慣行があるとき。

2項

前項の出所の明示に当たつては、これに伴い著作者名が明らかになる場合 及び当該著作物が無名のものである場合を除き、当該著作物につき表示されている著作者名を示さなければならない。

3項

次の各号に掲げる場合には、前二項の規定の例により、当該各号に規定する二次的著作物の原著作物の出所を明示しなければならない。

一 号

第四十条第一項第四十六条 又は第四十七条の五第一項の規定により創作された二次的著作物をこれらの規定により利用する場合

二 号

第四十七条の六第一項の規定により創作された二次的著作物を同条第二項の規定の適用を受けて同条第一項各号に掲げる規定により利用する場合

1項

次に掲げる者は、第二十一条の複製を行つたものとみなす。

一 号

第三十条第一項第三十条の三第三十一条第一項第一号第二項第一号第四項第七項第一号 若しくは第九項第一号第三十三条の二第一項第三十三条の三第一項 若しくは第四項第三十五条第一項第三十七条第三項第三十七条の二本文(同条第二号に係る場合にあつては、同号次項第一号において同じ。)、第四十一条第四十一条の二第一項第四十二条第四十二条の二第一項第四十二条の三第四十二条の四第四十三条第二項第四十四条第一項から第三項まで第四十七条第一項 若しくは第三項第四十七条の二 又は第四十七条の五第一項に定める目的以外の目的のために、これらの規定の適用を受けて作成された著作物の複製物(次項第一号 又は第二号の複製物に該当するものを除く)を頒布し、又は当該複製物によつて当該著作物の公衆への提示(送信可能化を含む。以下同じ。)を行つた者

二 号

第三十条の四の規定の適用を受けて作成された著作物の複製物(次項第三号の複製物に該当するものを除く)を用いて、当該著作物に表現された思想 又は感情を自ら享受し 又は他人に享受させる目的のために、いずれの方法によるかを問わず、当該著作物を利用した者

三 号

第四十四条第四項の規定に違反して同項の録音物 又は録画物を保存した放送事業者、有線放送事業者 又は放送同時配信等事業者

四 号

第四十七条の三第一項の規定の適用を受けて作成された著作物の複製物(次項第四号の複製物に該当するものを除く)を頒布し、又は当該複製物によつて当該著作物の公衆への提示を行つた者

五 号

第四十七条の三第二項の規定に違反して同項の複製物(次項第四号の複製物に該当するものを除く)を保存した者

六 号

第四十七条の四 又は第四十七条の五第二項に定める目的以外の目的のために、これらの規定の適用を受けて作成された著作物の複製物(次項第六号 又は第七号の複製物に該当するものを除く)を用いて、いずれの方法によるかを問わず、当該著作物を利用した者

2項

次に掲げる者は、当該二次的著作物の原著作物につき第二十七条の翻訳、編曲、変形 又は翻案を、当該二次的著作物につき第二十一条の複製を、それぞれ行つたものとみなす。

一 号

第三十条第一項第三十一条第一項第一号第二項第一号第四項第七項第一号 若しくは第九項第一号第三十三条の二第一項第三十三条の三第一項第三十五条第一項第三十七条第三項第三十七条の二本文、第四十一条第四十一条の二第一項第四十二条第四十二条の二第一項 又は第四十七条第一項 若しくは第三項に定める目的以外の目的のために、第四十七条の六第二項の規定の適用を受けて同条第一項各号に掲げる これらの規定により作成された二次的著作物の複製物を頒布し、又は当該複製物によつて当該二次的著作物の公衆への提示を行つた者

二 号

第三十条の三 又は第四十七条の五第一項に定める目的以外の目的のために、これらの規定の適用を受けて作成された二次的著作物の複製物を頒布し、又は当該複製物によつて当該二次的著作物の公衆への提示を行つた者

三 号

第三十条の四の規定の適用を受けて作成された二次的著作物の複製物を用いて、当該二次的著作物に表現された思想 又は感情を自ら享受し 又は他人に享受させる目的のために、いずれの方法によるかを問わず、当該二次的著作物を利用した者

四 号

第四十七条の六第二項の規定の適用を受けて第四十七条の三第一項の規定により作成された二次的著作物の複製物を頒布し、又は当該複製物によつて当該二次的著作物の公衆への提示を行つた者

五 号

第四十七条の三第二項の規定に違反して前号の複製物を保存した者

六 号

第四十七条の四に定める目的以外の目的のために、同条の規定の適用を受けて作成された二次的著作物の複製物を用いて、いずれの方法によるかを問わず、当該二次的著作物を利用した者

七 号

第四十七条の五第二項に定める目的以外の目的のために、第四十七条の六第二項の規定の適用を受けて第四十七条の五第二項の規定により作成された二次的著作物の複製物を用いて、いずれの方法によるかを問わず、当該二次的著作物を利用した者

1項

この款の規定は、著作者人格権に影響を及ぼすものと解釈してはならない。

第四節 保護期間

1項

著作権の存続期間は、著作物の創作の時に始まる。

2項

著作権は、この節に別段の定めがある場合を除き著作者の死後(共同著作物にあつては、最終に死亡した著作者の死後。次条第一項において同じ。七十年を経過するまでの間、存続する。

1項

無名 又は変名の著作物の著作権は、その著作物の公表後七十年を経過するまでの間、存続する。


ただし、その存続期間の満了前にその著作者の死後七十年を経過していると認められる無名 又は変名の著作物の著作権は、その著作者の死後七十年を経過したと認められる時において、消滅したものとする。

2項

前項の規定は、次の各号いずれかに該当するときは、適用しない

一 号

変名の著作物における著作者の変名がその者のものとして周知のものであるとき。

二 号

前項の期間内に第七十五条第一項の実名の登録があつたとき。

三 号

著作者前項の期間内にその実名 又は周知の変名を著作者名として表示してその著作物を公表したとき。

1項

法人 その他の団体が著作の名義を有する著作物の著作権は、その著作物の公表後七十年その著作物がその創作後七十年以内に公表されなかつたときは、その創作後七十年)を経過するまでの間、存続する。

2項

前項の規定は、法人 その他の団体が著作の名義を有する著作物の著作者である個人が同項の期間内にその実名 又は周知の変名を著作者名として表示してその著作物を公表したときは、適用しない

3項

第十五条第二項の規定により法人 その他の団体著作者である著作物の著作権の存続期間に関しては、第一項の著作物に該当する著作物以外の著作物についても、当該団体が著作の名義を有するものとみなして同項の規定を適用する。

1項

映画の著作物の著作権は、その著作物の公表後七十年その著作物がその創作後七十年以内に公表されなかつたときは、その創作後七十年)を経過するまでの間、存続する。

2項

映画の著作物の著作権がその存続期間の満了により消滅したときは、当該映画の著作物の利用に関するその原著作物の著作権は、当該映画の著作物の著作権とともに消滅したものとする。

3項

前二条の規定は、映画の著作物の著作権については、適用しない

1項

第五十二条第一項第五十三条第一項 及び第五十四条第一項の公表の時は、冊、号 又は回を追つて公表する著作物については、毎冊、毎号 又は毎回の公表の時によるものとし、一部分ずつを逐次公表して完成する著作物については、最終部分の公表の時によるものとする。

2項

一部分ずつを逐次公表して完成する著作物については、継続すべき部分が直近の公表の時から三年を経過しても公表されないときは、すでに公表されたもののうちの最終の部分をもつて前項の最終部分とみなす。

1項

第五十一条第二項第五十二条第一項第五十三条第一項 又は第五十四条第一項の場合において、著作者死後七十年 又は著作物の公表後七十年 若しくは創作後七十年の期間の終期を計算するときは、著作者が死亡した日 又は著作物が公表され 若しくは創作された日のそれぞれ属する年の翌年から起算する。

1項

文学的 及び美術的著作物の保護に関するベルヌ条約により創設された国際同盟の加盟国、著作権に関する世界知的所有権機関条約の締約国 又は世界貿易機関の加盟国である外国をそれぞれ文学的 及び美術的著作物の保護に関するベルヌ条約、著作権に関する世界知的所有権機関条約 又は世界貿易機関を設立するマラケシュ協定の規定に基づいて本国とする著作物(第六条第一号に該当するものを除く)で、その本国において定められる著作権の存続期間が第五十一条から第五十四条までに定める著作権の存続期間より短いものについては、その本国において定められる著作権の存続期間による。

第五節 著作者人格権の一身専属性等

1項

著作者人格権は、著作者の一身に専属し、譲渡することができない

1項

著作物を公衆に提供し、又は提示する者は、その著作物の著作者が存しなくなつた後においても、著作者が存しているとしたならばその著作者人格権の侵害となるべき行為をしてはならない。


ただし、その行為の性質 及び程度、社会的事情の変動 その他によりその行為が当該著作者の意を害しないと認められる場合は、この限りでない。

第六節 著作権の譲渡及び消滅

1項

著作権は、その全部 又は一部を譲渡することができる。

2項

著作権を譲渡する契約において、第二十七条 又は第二十八条に規定する権利が譲渡の目的として特掲されていないときは、これらの権利は、譲渡した者に留保されたものと推定する。

1項

著作権は、次に掲げる場合には、消滅する。

一 号

著作権者死亡した場合において、その著作権が民法明治二十九年法律第八十九号第九百五十九条残余財産の国庫への帰属)の規定により国庫に帰属すべきこととなるとき。

二 号

著作権者である法人解散した場合において、その著作権が一般社団法人及び一般財団法人に関する法律平成十八年法律第四十八号第二百三十九条第三項残余財産の国庫への帰属)その他これに準ずる法律の規定により国庫に帰属すべきこととなるとき。

2項

第五十四条第二項の規定は、映画の著作物の著作権が前項の規定により消滅した場合について準用する。

第七節 権利の行使

1項

著作権者は、他人に対し、その著作物の利用を許諾することができる。

2項

前項許諾を得た者は、その許諾に係る利用方法 及び条件の範囲内において、その許諾に係る著作物を利用することができる。

3項

利用権(第一項の許諾に係る著作物を前項の規定により利用することができる権利をいう。次条において同じ。)は、著作権者の承諾を得ない限り、譲渡することができない

4項

著作物の放送 又は有線放送についての第一項の許諾は、契約に別段の定めがない限り、当該著作物の録音 又は録画の許諾を含まないものとする。

5項

著作物の放送 又は有線放送 及び放送同時配信等について許諾第一項の許諾をいう。以下 この項において同じ。を行うことができる者が、特定放送事業者等放送事業者 又は有線放送事業者のうち、放送同時配信等を業として行い、又はその者と密接な関係を有する放送同時配信等事業者が業として行う放送同時配信等のために放送番組 若しくは有線放送番組を供給しており、かつ、その事実を周知するための措置として、文化庁長官が定める方法により、放送同時配信等が行われている放送番組 又は有線放送番組の名称、その放送 又は有線放送の時間帯 その他の放送同時配信等の実施状況に関する情報として文化庁長官が定める情報を公表しているものをいう。以下 この項において同じ。)に対し、当該特定放送事業者等の放送番組 又は有線放送番組における著作物の利用の許諾を行つた場合には、当該許諾に際して別段の意思表示をした場合を除き、当該許諾には当該著作物の放送同時配信等(当該特定放送事業者等と密接な関係を有する放送同時配信等事業者が当該放送番組 又は有線放送番組の供給を受けて行うものを含む。)の許諾を含むものと推定する。

6項

著作物の送信可能化について第一項許諾を得た者が、その許諾に係る利用方法 及び条件(送信可能化の回数 又は送信可能化に用いる自動公衆送信装置に係るものを除く)の範囲内において反復して 又は他の自動公衆送信装置を用いて行う当該著作物の送信可能化については、第二十三条第一項の規定は、適用しない

1項

利用権は、当該利用権に係る著作物の著作権を取得した者 その他の第三者に対抗することができる。

1項

共同著作物の著作者人格権は、著作者全員の合意によらなければ、行使することができない

2項

共同著作物の各著作者は、信義に反して前項の合意の成立を妨げることができない

3項

共同著作物の著作者は、そのうちからその著作者人格権を代表して行使する者を定めることができる。

4項

前項権利を代表して行使する者の代表権に加えられた制限は、善意の第三者対抗することができない

1項

共同著作物の著作権 その他共有に係る著作権(以下 この条において「共有著作権」という。)については、各共有者は、他の共有者の同意を得なければ、その持分を譲渡し、又は質権の目的とすることができない。

2項

共有著作権は、その共有者全員の合意によらなければ、行使することができない

3項

前二項の場合において、各共有者は、正当な理由がない限り、第一項の同意を拒み、又は前項の合意の成立を妨げることができない。

4項

前条第三項 及び第四項の規定は、共有著作権の行使について準用する。

1項

著作権は、これを目的として質権を設定した場合においても、設定行為に別段の定めがない限り、著作権者が行使するものとする。

2項

著作権を目的とする質権は、当該著作権の譲渡 又は当該著作権に係る著作物の利用につき著作権者が受けるべき金銭 その他の物(出版権の設定の対価を含む。)に対しても、行なうことができる。


ただし、これらの支払 又は引渡し前にこれらを受ける権利を差し押えることを必要とする。

第八節 裁定による著作物の利用

1項

公表された著作物 又は相当期間にわたり公衆に提供され、若しくは提示されている事実が明らかである著作物は、著作権者の不明 その他の理由により相当な努力を払つてもその著作権者と連絡することができない場合として政令で定める場合は、文化庁長官の裁定を受け、かつ、通常の使用料の額に相当するものとして文化庁長官が定める額の補償金を著作権者のために供託して、その裁定に係る利用方法により利用することができる。

2項

地方公共団体 その他これらに準ずるものとして政令で定める法人以下 この項 及び次条において「国等」という。)が前項の規定により著作物を利用しようとするときは、同項の規定にかかわらず同項の規定による供託を要しない。


この場合において、国等著作権者と連絡をすることができるに至つたときは、同項の規定により文化庁長官が定める額の補償金を著作権者に支払わなければならない。

3項

第一項裁定を受けようとする者は、著作物の利用方法 その他政令で定める事項を記載した申請書に、著作権者と連絡することができないことを疎明する資料 その他政令で定める資料を添えて、これを文化庁長官提出しなければならない。

4項

第一項の規定により作成した著作物の複製物には、同項の裁定に係る複製物である旨 及びその裁定のあつた年月日を表示しなければならない。

1項

前条第一項裁定以下 この条において単に「裁定」という。の申請をした者は、当該申請に係る著作物の利用方法を勘案して文化庁長官が定める額の担保金を供託した場合には、裁定 又は裁定をしない処分を受けるまでの間裁定 又は裁定をしない処分を受けるまでの間に著作権者と連絡をすることができるに至つたときは、当該連絡をすることができるに至つた時までの間)、当該申請に係る利用方法と同一の方法により、当該申請に係る著作物を利用することができる。


ただし、当該著作物の著作者が当該著作物の出版 その他の利用を廃絶しようとしていることが明らかであるときは、この限りでない。

2項

国等前項の規定により著作物を利用しようとするときは、同項の規定にかかわらず同項の規定による供託を要しない。

3項

第一項の規定により作成した著作物の複製物には、同項の規定の適用を受けて作成された複製物である旨 及び裁定の申請をした年月日を表示しなければならない。

4項

第一項の規定により著作物を利用する者以下「申請中利用者」という。)(国等を除く次項において同じ。)が裁定を受けたときは、前条第一項の規定にかかわらず同項の補償金のうち第一項の規定により供託された担保金の額に相当する額(当該担保金の額が当該補償金の額を超えるときは、当該額)については、同条第一項の規定による供託を要しない。

5項

申請中利用者は、裁定をしない処分を受けたとき当該処分を受けるまでの間に著作権者と連絡をすることができるに至つた場合を除く)は、当該処分を受けた時までの間における第一項の規定による著作物の利用に係る使用料の額に相当するものとして文化庁長官が定める額の補償金を著作権者のために供託しなければならない。


この場合において、同項の規定により供託された担保金の額のうち当該補償金の額に相当する額(当該補償金の額が当該担保金の額を超えるときは、当該額)については、当該補償金を供託したものとみなす。

6項

申請中利用者国等限る)は、裁定をしない処分を受けた後に著作権者と連絡をすることができるに至つたときは、当該処分を受けた時までの間における第一項の規定による著作物の利用に係る使用料の額に相当するものとして文化庁長官が定める額の補償金を著作権者に支払わなければならない。

7項

申請中利用者は、裁定 又は裁定をしない処分を受けるまでの間に著作権者と連絡をすることができるに至つたときは、当該連絡をすることができるに至つた時までの間における第一項の規定による著作物の利用に係る使用料の額に相当する額の補償金を著作権者に支払わなければならない。

8項

第四項第五項 又は前項の場合において、著作権者は、前条第一項 又はこの条第五項 若しくは前項の補償金を受ける権利に関し、第一項の規定により供託された担保金から弁済を受けることができる。

9項

第一項の規定により担保金を供託した者は、当該担保金の額が前項の規定により著作権者が弁済を受けることができる額を超えることとなつたときは、政令で定めるところにより、その全部 又は一部を取り戻すことができる。

1項

公表された著作物を放送し、又は放送同時配信等しようとする放送事業者 又は放送同時配信等事業者は、その著作権者に対し放送 若しくは放送同時配信等の許諾につき協議を求めたがその協議が成立せず、又はその協議をすることができないときは、文化庁長官の裁定を受け、かつ、通常の使用料の額に相当するものとして文化庁長官が定める額の補償金を著作権者に支払つて、その著作物を放送し、又は放送同時配信等することができる。

2項

前項の規定により放送され、又は放送同時配信等される著作物は、有線放送し、地域限定特定入力型自動公衆送信を行い、又は受信装置を用いて公に伝達することができる。


この場合において、当該有線放送、地域限定特定入力型自動公衆送信 又は伝達を行う者は、第三十八条第二項 及び第三項の規定の適用がある場合を除き、通常の使用料の額に相当する額の補償金を著作権者に支払わなければならない。

1項

商業用レコードが最初に国内において販売され、かつ、その最初の販売の日から三年を経過した場合において、当該商業用レコードに著作権者の許諾を得て録音されている音楽の著作物を録音して他の商業用レコードを製作しようとする者は、その著作権者に対し録音 又は譲渡による公衆への提供の許諾につき協議を求めたが、その協議が成立せず、又はその協議をすることができないときは、文化庁長官の裁定を受け、かつ、通常の使用料の額に相当するものとして文化庁長官が定める額の補償金を著作権者に支払つて、当該録音 又は譲渡による公衆への提供をすることができる。

1項

第六十七条第一項第六十八条第一項 又は前条の裁定の申請をする者は、実費を勘案して政令で定める額の手数料を納付しなければならない。

2項

前項の規定は、同項の規定により手数料を納付すべき者がであるときは、適用しない

3項

文化庁長官は、第六十八条第一項 又は前条の裁定の申請があつたときは、その旨を当該申請に係る著作権者に通知し、相当の期間を指定して、意見を述べる機会を与えなければならない。

4項

文化庁長官は、第六十七条第一項第六十八条第一項 又は前条の裁定の申請があつた場合において、次の各号いずれかに該当すると認めるときは、これらの裁定をしてはならない。

一 号

著作者がその著作物の出版 その他の利用を廃絶しようとしていることが明らかであるとき。

二 号

第六十八条第一項の裁定の申請に係る著作権者がその著作物の放送 又は放送同時配信等の許諾を与えないことについてやむを得ない事情があるとき。

5項

文化庁長官は、前項の裁定をしない処分をしようとするとき第七項の規定により裁定をしない処分をする場合を除く)は、あらかじめ申請者にその理由を通知し、弁明 及び有利な証拠の提出の機会を与えなければならないものとし、当該裁定をしない処分をしたときは、理由を付した書面をもつて申請者にその旨を通知しなければならない。

6項

文化庁長官は、第六十七条第一項裁定をしたときは、その旨を官報で告示するとともに申請者に通知し、第六十八条第一項 又は前条の裁定をしたときは、その旨を当事者通知しなければならない。

7項

文化庁長官は、申請中利用者から第六十七条第一項の裁定の申請を取り下げる旨の申出があつたときは、当該裁定をしない処分をするものとする。

8項

前各項に規定するもののほかこの節に定める裁定に関し必要な事項は、政令で定める。

第九節 補償金等

1項

文化庁長官は、次に掲げる事項を定める場合には、文化審議会諮問しなければならない。

一 号

第三十三条第二項同条第四項において準用する場合を含む。)、第三十三条の二第二項 又は第三十三条の三第二項算出方法

二 号

第六十七条第一項第六十七条の二第五項 若しくは第六項第六十八条第一項 又は第六十九条補償金の額

1項

第六十七条第一項第六十七条の二第五項 若しくは第六項第六十八条第一項 又は第六十九条の規定に基づき定められた補償金の額について不服がある当事者は、これらの規定による裁定(第六十七条の二第五項 又は第六項に係る場合にあつては、第六十七条第一項の裁定をしない処分)があつたことを知つた日から六月以内に、訴えを提起してその額の増減を求めることができる。

2項

前項の訴えにおいては、訴えを提起する者が著作物を利用する者であるときは著作権者を、著作権者であるときは著作物を利用する者を、それぞれ被告としなければならない。

1項

第六十七条第一項第六十八条第一項 又は第六十九条の裁定 又は裁定をしない処分についての審査請求においては、その裁定 又は裁定をしない処分に係る補償金の額についての不服をその裁定 又は裁定をしない処分についての不服の理由とすることができない


ただし第六十七条第一項の裁定 又は裁定をしない処分を受けた者著作権者の不明 その他これに準ずる理由により前条第一項の訴えを提起することができない場合は、この限りでない。

1項

第三十三条第二項同条第四項において準用する場合を含む。)、第三十三条の二第二項第三十三条の三第二項第六十八条第一項 又は第六十九条補償金を支払うべき者は、次に掲げる場合には、その補償金の支払に代えてその補償金を供託しなければならない。

一 号

補償金の提供をした場合において、著作権者がその受領を拒んだとき。

二 号

著作権者が補償金を受領することができないとき。

三 号

その者が著作権者を確知することができないとき(その者に過失があるときを除く)。

四 号

その者がその補償金の額について第七十二条第一項の訴えを提起したとき。

五 号

当該著作権を目的とする質権が設定されているとき(当該質権を有する者の承諾を得た場合を除く)。

2項

前項第四号の場合において、著作権者請求があるときは、当該補償金を支払うべき者は、自己の見積金額を支払い、裁定に係る補償金の額との差額を供託しなければならない

3項

第六十七条第一項第六十七条の二第五項 若しくは前二項の規定による補償金の供託 又は同条第一項の規定による担保金の供託は、著作権者が国内に住所 又は居所で知れているものを有する場合にあつては当該住所 又は居所の最寄りの供託所に、その他の場合にあつては供託をする者の住所 又は居所の最寄りの供託所に、それぞれするものとする。

4項

前項供託をした者は、すみやかにその旨を著作権者通知しなければならない。


ただし著作権者の不明 その他の理由により著作権者に通知することができない場合は、この限りでない。

第十節 登録

1項

無名 又は変名で公表された著作物の著作者は、現にその著作権を有するかどうかにかかわらず、その著作物についてその実名の登録を受けることができる。

2項

著作者は、その遺言指定する者により、死後において前項の登録を受けることができる。

3項

実名の登録がされている者は、当該登録に係る著作物の著作者と推定する。

1項

著作権者 又は無名 若しくは変名の著作物の発行者は、その著作物について第一発行年月日の登録 又は第一公表年月日の登録を受けることができる。

2項

第一発行年月日の登録 又は第一公表年月日の登録がされている著作物については、これらの登録に係る年月日において最初の発行 又は最初の公表があつたものと推定する。

1項

プログラムの著作物の著作者は、その著作物について創作年月日の登録を受けることができる。


ただし、その著作物の創作後六月を経過した場合は、この限りでない。

2項

前項の登録がされている著作物については、その登録に係る年月日において創作があつたものと推定する。

1項

次に掲げる事項は、登録しなければ第三者対抗することができない

一 号

著作権の移転 若しくは信託による変更 又は処分の制限

二 号

著作権を目的とする質権の設定、移転、変更 若しくは消滅(混同 又は著作権 若しくは担保する債権の消滅によるものを除く)又は処分の制限

1項

第七十五条第一項第七十六条第一項第七十六条の二第一項 又は前条の登録は、文化庁長官が著作権登録原簿に記載し、又は記録して行う。

2項

著作権登録原簿は、政令で定めるところにより、その全部 又は一部を磁気ディスク(これに準ずる方法により一定の事項を確実に記録しておくことができる物を含む。第四項において同じ。)をもつて調製することができる。

3項

文化庁長官は、第七十五条第一項登録を行つたときは、その旨をインターネットの利用 その他の適切な方法により公表するものとする。

4項

何人も、文化庁長官に対し、著作権登録原簿の謄本 若しくは抄本 若しくはその附属書類の写しの交付、著作権登録原簿 若しくはその附属書類の閲覧 又は著作権登録原簿のうち磁気ディスクをもつて調製した部分に記録されている事項を記載した書類の交付を請求することができる。

5項

前項請求をする者は、実費を勘案して政令で定める額の手数料を納付しなければならない。

6項

前項の規定は、同項の規定により手数料を納付すべき者がであるときは、適用しない

7項

第一項に規定する登録に関する処分については、行政手続法平成五年法律第八十八号第二章 及び第三章の規定は、適用しない

8項

著作権登録原簿 及びその附属書類については、行政機関情報公開法の規定は、適用しない

9項

著作権登録原簿 及びその附属書類に記録されている保有個人情報(個人情報の保護に関する法律平成十五年法律第五十七号第六十条第一項に規定する保有個人情報をいう。)については、同法第五章第四節の規定は、適用しない

10項

この節に規定するもののほか第一項に規定する登録に関し必要な事項は、政令で定める。

1項

プログラムの著作物に係る登録については、この節の規定によるほか、別に法律で定めるところによる。

第三章 出版権

1項

第二十一条 又は第二十三条第一項に規定する権利を有する者以下 この章において「複製権等保有者」という。)は、その著作物について、文書 若しくは図画として出版すること(電子計算機を用いてその映像面に文書 又は図画として表示されるようにする方式により記録媒体に記録し、当該記録媒体に記録された当該著作物の複製物により頒布することを含む。次条第二項 及び第八十一条第一号において「出版行為」という。)又は当該方式により記録媒体に記録された当該著作物の複製物を用いて公衆送信放送 又は有線放送を除き、自動公衆送信の場合にあつては送信可能化を含む。以下 この章において同じ。を行うこと次条第二項 及び第八十一条第二号において「公衆送信行為」という。を引き受ける者に対し、出版権を設定することができる。

2項

複製権等保有者は、その複製権 又は公衆送信権を目的とする質権が設定されているときは、当該質権を有する者の承諾を得た場合に限り、出版権を設定することができるものとする。

1項

出版権者は、設定行為で定めるところにより、その出版権の目的である著作物について、次に掲げる権利の全部 又は一部を専有する。

一 号

頒布の目的をもつて、原作のまま印刷 その他の機械的 又は化学的方法により文書 又は図画として複製する権利(原作のまま前条第一項に規定する方式により記録媒体に記録された電磁的記録として複製する権利を含む。

二 号

原作のまま前条第一項に規定する方式により記録媒体に記録された当該著作物の複製物を用いて公衆送信を行う権利

2項

出版権の存続期間中に当該著作物の著作者死亡したとき、又は、設定行為に別段の定めがある場合を除き、出版権の設定後最初の出版行為 又は公衆送信行為(第八十三条第二項 及び第八十四条第三項において「出版行為等」という。)があつた日から三年経過したときは、複製権等保有者は、前項の規定にかかわらず、当該著作物について、全集 その他の編集物(その著作者の著作物のみを編集したものに限る)に収録して複製し、又は公衆送信を行うことができる。

3項

出版権者は、複製権等保有者の承諾を得た場合に限り、他人に対し、その出版権の目的である著作物の複製 又は公衆送信を許諾することができる。

4項

第六十三条第二項第三項 及び第六項 並びに第六十三条の二の規定は、前項の場合について準用する。


この場合において、

第六十三条第三項
著作権者」とあるのは
第七十九条第一項の複製権等保有者 及び出版権者」と、

同条第六項
第二十三条第一項」とあるのは
第八十条第一項第二号に係る部分に限る)」と

読み替えるものとする。

1項

出版権者は、次の各号に掲げる区分に応じ、その出版権の目的である著作物につき当該各号に定める義務を負う。


ただし、設定行為に別段の定めがある場合は、この限りでない。

一 号

前条第一項第一号に掲げる権利に係る出版権者(次条において「第一号出版権者」という。

次に掲げる義務

複製権等保有者からその著作物を複製するために必要な原稿 その他の原品 若しくはこれに相当する物の引渡し 又はその著作物に係る電磁的記録の提供を受けた日から六月以内に当該著作物について出版行為を行う義務

当該著作物について慣行に従い継続して出版行為を行う義務

二 号

前条第一項第二号に掲げる権利に係る出版権者(次条第一項第二号 及び第百四条の十の三第二号ロにおいて「第二号出版権者」という。

次に掲げる義務

複製権等保有者からその著作物について公衆送信を行うために必要な原稿 その他の原品 若しくはこれに相当する物の引渡し又はその著作物に係る電磁的記録の提供を受けた日から六月以内に当該著作物について公衆送信行為を行う義務

当該著作物について慣行に従い継続して公衆送信行為を行う義務

1項

著作者は、次に掲げる場合には、正当な範囲内において、その著作物に修正 又は増減を加えることができる。

一 号

その著作物を第一号出版権者が改めて複製する場合

二 号

その著作物について第二号出版権者が公衆送信を行う場合

2項

第一号出版権者は、その出版権の目的である著作物を改めて複製しようとするときは、その都度、あらかじめ著作者にその旨を通知しなければならない。

1項

出版権の存続期間は、設定行為で定めるところによる。

2項

出版権は、その存続期間につき設定行為に定めがないときは、その設定後最初の出版行為等があつた日から三年を経過した日において消滅する。

1項

出版権者第八十一条第一号に係る部分に限る)又は第二号に係る部分に限る)の義務に違反したときは、複製権等保有者は、出版権者に通知してそれぞれ第八十条第一項第一号 又は第二号に掲げる権利に係る出版権を消滅させることができる

2項

出版権者第八十一条第一号に係る部分に限る)又は第二号に係る部分に限る)の義務に違反した場合において、複製権等保有者三月以上の期間を定めてその履行を催告したにもかかわらず、その期間内にその履行がされないときは、複製権等保有者は、出版権者に通知してそれぞれ第八十条第一項第一号 又は第二号に掲げる権利に係る出版権を消滅させることができる

3項

複製権等保有者である著作者は、その著作物の内容が自己の確信に適合しなくなつたときは、その著作物の出版行為等を廃絶するために、出版権者に通知してその出版権を消滅させることができる


ただし、当該廃絶により出版権者に通常生ずべき損害をあらかじめ賠償しない場合は、この限りでない。

1項

第三十条の二から第三十条の四まで第三十一条第一項 及び第七項第一号に係る部分に限る)、第三十二条第三十三条第一項同条第四項において準用する場合を含む。)、第三十三条の二第一項第三十三条の三第一項 及び第四項第三十四条第一項第三十五条第一項第三十六条第一項第三十七条第三十七条の二第三十九条第一項第四十条第一項 及び第二項第四十一条第四十一条の二第一項第四十二条第四十二条の二第一項第四十二条の三第四十二条の四第二項第四十六条第四十七条第一項 及び第三項第四十七条の二第四十七条の四 並びに第四十七条の五の規定は、出版権の目的となつている著作物の複製について準用する。


この場合において、

第三十条の二第一項ただし書 及び第二項ただし書、第三十条の三第三十条の四ただし書、第三十一条第一項第一号第三十五条第一項ただし書、第四十一条の二第一項ただし書、第四十二条ただし書、第四十二条の二第一項ただし書、第四十七条第一項ただし書 及び第三項ただし書、第四十七条の二第四十七条の四第一項ただし書 及び第二項ただし書 並びに第四十七条の五第一項ただし書 及び第二項ただし書中
著作権者」とあるのは
「出版権者」と、

同条第一項ただし書中
著作権を」とあるのは
「出版権を」と、

著作権の」とあるのは
「出版権の」と

読み替えるものとする。

2項

次に掲げる者は、第八十条第一項第一号複製を行つたものとみなす。

一 号

第三十条第一項に定める私的使用の目的 又は第三十一条第四項 若しくは第九項第一号に定める目的以外の目的のために、これらの規定の適用を受けて原作のまま印刷 その他の機械的 若しくは化学的方法により文書 若しくは図画として複製することにより作成された著作物の複製物(原作のまま第七十九条第一項に規定する方式により記録媒体に記録された電磁的記録として複製することにより作成されたものを含む。)を頒布し、又は当該複製物によつて当該著作物の公衆への提示を行つた者

二 号

前項において準用する第三十条の三第三十一条第一項第一号 若しくは第七項第一号第三十三条の二第一項第三十三条の三第一項 若しくは第四項第三十五条第一項第三十七条第三項第三十七条の二本文(同条第二号に係る場合にあつては、同号)、第四十一条第四十一条の二第一項第四十二条第四十二条の二第一項第四十二条の三第四十二条の四第二項第四十七条第一項 若しくは第三項第四十七条の二 又は第四十七条の五第一項に定める目的以外の目的のために、これらの規定の適用を受けて作成された著作物の複製物を頒布し、又は当該複製物によつて当該著作物の公衆への提示を行つた者

三 号

前項において準用する第三十条の四の規定の適用を受けて作成された著作物の複製物を用いて、当該著作物に表現された思想 又は感情を自ら享受し 又は他人に享受させる目的のために、いずれの方法によるかを問わず、当該著作物を利用した者

3項

第三十条の二から第三十条の四まで第三十一条第二項第二号に係る部分に限る)、第五項第七項前段 及び第八項第三十二条第一項第三十三条の二第一項第三十三条の三第四項第三十五条第一項第三十六条第一項第三十七条第二項 及び第三項第三十七条の二第二号除く)、第四十条第一項第四十一条第四十一条の二第二項第四十二条第四十二条の二第二項第四十二条の三第四十二条の四第二項第四十六条第四十七条第二項 及び第三項第四十七条の二第四十七条の四 並びに第四十七条の五の規定は、出版権の目的となつている著作物の公衆送信について準用する。


この場合において、

第三十条の二第一項ただし書 及び第二項ただし書、第三十条の三第三十条の四ただし書、第三十一条第五項第三十五条第一項ただし書、第三十六条第一項ただし書、第四十一条の二第二項ただし書、第四十二条ただし書、第四十二条の二第二項ただし書、第四十七条第二項ただし書 及び第三項ただし書、第四十七条の二第四十七条の四第一項ただし書 及び第二項ただし書 並びに第四十七条の五第一項ただし書 及び第二項ただし書中
著作権者」とあるのは
「出版権者」と、

第三十一条第二項
著作権者の」とあるのは
「出版権者の」と、

著作権者 若しくはその許諾を得た者 又は第七十九条の出版権の設定を受けた者 若しくは」とあるのは
第七十九条の出版権の設定を受けた者 又は」と、

第四十七条の五第一項ただし書中
著作権を」とあるのは
「出版権を」と、

著作権の」とあるのは
「出版権の」と

読み替えるものとする。

1項

出版権は、複製権等保有者の承諾を得た場合に限り、その全部 又は一部を譲渡し、又は質権の目的とすることができる。

1項

次に掲げる事項は、登録しなければ、第三者に対抗することができない。

一 号

出版権の設定、移転、変更 若しくは消滅(混同 又は複製権 若しくは公衆送信権の消滅によるものを除く)又は処分の制限

二 号

出版権を目的とする質権の設定、移転、変更 若しくは消滅(混同 又は出版権 若しくは担保する債権の消滅によるものを除く)又は処分の制限

2項

第七十八条第三項除く)の規定は、前項の登録について準用する。


この場合において、

同条第一項第二項第四項第八項 及び第九項中
著作権登録原簿」とあるのは、
「出版権登録原簿」と

読み替えるものとする。

第四章 著作隣接権

第一節 総則

1項

実演家は、第九十条の二第一項 及び第九十条の三第一項に規定する権利以下「実演家人格権」という。)並びに第九十一条第一項第九十二条第一項第九十二条の二第一項第九十五条の二第一項 及び第九十五条の三第一項に規定する権利 並びに第九十四条の二 及び第九十五条の三第三項に規定する報酬 並びに第九十五条第一項に規定する二次使用料を受ける権利を享有する。

2項

レコード製作者は、第九十六条第九十六条の二第九十七条の二第一項 及び第九十七条の三第一項に規定する権利 並びに第九十七条第一項に規定する二次使用料 及び第九十七条の三第三項に規定する報酬を受ける権利を享有する。

3項

放送事業者は、第九十八条から第百条までに規定する権利を享有する。

4項

有線放送事業者は、第百条の二から第百条の五までに規定する権利を享有する。

5項

前各項の権利の享有には、いかなる方式の履行をも要しない。

6項

第一項から第四項までの権利(実演家人格権 並びに第一項 及び第二項の報酬 及び二次使用料を受ける権利を除く)は、著作隣接権という。

1項

この章の規定は、著作者の権利に影響を及ぼすものと解釈してはならない。

第二節 実演家の権利

1項

実演家は、その実演の公衆への提供 又は提示に際し、その氏名 若しくはその芸名 その他氏名に代えて用いられるものを実演家名として表示し、又は実演家名を表示しないこととする権利を有する。

2項

実演を利用する者は、その実演家の別段の意思表示がない限り、その実演につき既に実演家が表示しているところに従つて実演家名を表示することができる。

3項

実演家名の表示は、実演の利用の目的 及び態様に照らし実演家がその実演の実演家であることを主張する利益を害するおそれがないと認められるとき 又は公正な慣行に反しないと認められるときは、省略することができる。

4項

第一項の規定は、次の各号いずれかに該当するときは、適用しない

一 号

行政機関情報公開法独立行政法人等情報公開法 又は情報公開条例の規定により行政機関の長独立行政法人等 又は地方公共団体の機関 若しくは地方独立行政法人が実演を公衆に提供し、又は提示する場合において、当該実演につき既にその実演家が表示しているところに従つて実演家名を表示するとき。

二 号

行政機関情報公開法第六条第二項の規定独立行政法人等情報公開法第六条第二項の規定 又は情報公開条例の規定で行政機関情報公開法第六条第二項の規定に相当するものにより行政機関の長独立行政法人等 又は地方公共団体の機関 若しくは地方独立行政法人が実演を公衆に提供し、又は提示する場合において、当該実演の実演家名の表示を省略することとなるとき。

三 号

公文書管理法第十六条第一項の規定 又は公文書管理条例の規定(同項の規定に相当する規定に限る)により国立公文書館等の長 又は地方公文書館等の長が実演を公衆に提供し、又は提示する場合において、当該実演につき既にその実演家が表示しているところに従つて実演家名を表示するとき。

1項

実演家は、その実演の同一性を保持する権利を有し、自己の名誉 又は声望を害するその実演の変更、切除 その他の改変を受けないものとする。

2項

前項の規定は、実演の性質 並びにその利用の目的 及び態様に照らしやむを得ないと認められる改変 又は公正な慣行に反しないと認められる改変については、適用しない

1項

実演家は、その実演を録音し、又は録画する権利を専有する。

2項

前項の規定は、同項に規定する権利を有する者の許諾を得て映画の著作物において録音され、又は録画された実演については、これを録音物(音を専ら影像とともに再生することを目的とするものを除く)に録音する場合を除き適用しない

1項

実演家は、その実演を放送し、又は有線放送する権利を専有する。

2項

前項の規定は、次に掲げる場合には、適用しない

一 号
放送される実演を有線放送する場合
二 号

次に掲げる実演を放送し、又は有線放送する場合

前条第一項に規定する権利を有する者の許諾を得て録音され、又は録画されている実演

前条第二項の実演で同項の録音物以外の物に録音され、又は録画されているもの

1項

実演家は、その実演を送信可能化する権利を専有する。

2項

前項の規定は、次に掲げる実演については、適用しない

一 号

第九十一条第一項に規定する権利を有する者の許諾を得て録画されている実演

二 号

第九十一条第二項の実演で同項の録音物以外の物に録音され、又は録画されているもの

1項

実演の放送について第九十二条第一項に規定する権利を有する者の許諾を得た放送事業者は、その実演を放送 及び放送同時配信等ののために録音し、又は録画することができる。


ただし、契約に別段の定めがある場合 及び当該許諾に係る放送番組と異なる内容の放送番組に使用する目的で録音し、又は録画する場合は、この限りでない。

2項

次に掲げる者は、第九十一条第一項の録音 又は録画を行つたものとみなす。

一 号

前項の規定により作成された録音物 又は録画物を放送 若しくは放送同時配信等の目的以外の目的 又は同項ただし書に規定する目的のために使用し、又は提供した者

二 号

前項の規定により作成された録音物 又は録画物の提供を受けた放送事業者 又は放送同時配信等事業者で、これらを更に他の放送事業者 又は放送同時配信等事業者の放送 又は放送同時配信等のために提供したもの

1項

第九十二条第一項に規定する権利を有する者がその実演の放送を許諾したときは、契約に別段の定めがない限り、当該実演は、当該許諾に係る放送のほか、次に掲げる放送において放送することができる。

一 号

当該許諾を得た放送事業者前条第一項の規定により作成した録音物 又は録画物を用いてする放送

二 号

当該許諾を得た放送事業者からその者が前条第一項の規定により作成した録音物 又は録画物の提供を受けてする放送

三 号

当該許諾を得た放送事業者から当該許諾に係る放送番組の供給を受けてする放送(前号の放送を除く

2項

前項の場合において、同項各号に掲げる放送において実演が放送されたときは、当該各号に規定する放送事業者は、相当な額の報酬を当該実演に係る第九十二条第一項に規定する権利を有する者に支払わなければならない。

1項

第九十二条の二第一項に規定する権利放送同時配信等に係るものに限る。以下 この項 及び第九十四条の三第一項において同じ。を有する者以下「特定実演家」という。)が放送事業者に対し、その実演の放送同時配信等(当該放送事業者と密接な関係を有する放送同時配信等事業者が放送番組の供給を受けて行うものを含む。)の許諾を行つたときは、契約に別段の定めがない限り、当該許諾を得た実演(当該実演に係る第九十二条の二第一項に規定する権利について著作権等管理事業者による管理が行われているもの 又は文化庁長官が定める方法により当該実演に係る特定実演家の氏名 若しくは名称、放送同時配信等の許諾の申込みを受け付けるための連絡先 その他の円滑な許諾のために必要な情報であつて文化庁長官が定めるものの公表がされているものを除く)について、当該許諾に係る放送同時配信等のほか、次に掲げる放送同時配信等を行うことができる。

一 号

当該許諾を得た放送事業者が当該実演について第九十三条第一項の規定により作成した録音物 又は録画物を用いてする放送同時配信等

二 号

当該許諾を得た放送事業者密接な関係を有する放送同時配信等事業者が当該放送事業者から当該許諾に係る放送番組の供給を受けてする放送同時配信等

2項

前項の場合において、同項各号に掲げる放送同時配信等が行われたときは、当該放送事業者 又は放送同時配信等事業者は、通常の使用料の額に相当する額の報酬を当該実演に係る特定実演家に支払わなければならない。

3項

前項の報酬を受ける権利は、著作権等管理事業者であつて全国を通じて一個に限りその同意を得て文化庁長官指定するものがあるときは、当該指定を受けた著作権等管理事業者以下この条において「指定報酬管理事業者」という。)によつてのみ行使することができる。

4項

文化庁長官は、次に掲げる要件を備える著作権等管理事業者でなければ、前項の規定による指定をしてはならない。

一 号
営利を目的としないこと。
二 号

その構成員が任意に加入し、又は脱退することができること。

三 号

その構成員の議決権 及び選挙権が平等であること。

四 号

第二項の報酬を受ける権利を有する者次項 及び第七項において「権利者」という。)のためにその権利を行使する業務を自ら的確に遂行するに足りる能力を有すること。

5項

指定報酬管理事業者は、権利者のために自己の名をもつてその権利に関する裁判上 又は裁判外の行為を行う権限を有する。

6項

文化庁長官は、指定報酬管理事業者に対し、政令で定めるところにより、第二項の報酬に係る業務に関して報告をさせ、若しくは帳簿、書類 その他の資料の提出を求め、又はその業務の執行方法の改善のため必要な勧告をすることができる。

7項

指定報酬管理事業者第三項の規定により権利者のために請求することができる報酬の額は、毎年、指定報酬管理事業者放送事業者 若しくは放送同時配信等事業者 又はその団体との間において協議して定めるものとする。

8項

前項の協議が成立しないときは、その当事者は、政令で定めるところにより、同項の報酬の額について文化庁長官の裁定を求めることができる。

9項

第七十条第三項第六項 及び第八項第七十一条第二号に係る部分に限る)、第七十二条第一項第七十三条本文 並びに第七十四条第一項第四号 及び第五号に係る部分に限る第十一項において同じ。)及び第二項の規定は、第二項の報酬 及び前項の裁定について準用する。


この場合において、

第七十条第三項
著作権者」とあり、
及び同条第六項
申請者に通知し、第六十八条第一項 又は前条の裁定をしたときは、その旨を当事者」とあるのは
「当事者」と、

第七十四条第二項
著作権者」とあるのは
第九十三条の三第三項に規定する指定報酬管理事業者」と

読み替えるものとする。

10項

前項において準用する第七十二条第一項の訴えにおいては、訴えを提起する者放送事業者 若しくは放送同時配信等事業者 又はその団体であるときは指定報酬管理事業者を、指定報酬管理事業者であるときは放送事業者 若しくは放送同時配信等事業者 又はその団体を、それぞれ被告としなければならない。

11項

第九項において準用する第七十四条第一項 及び第二項の規定による報酬の供託は、指定報酬管理事業者の所在地の最寄りの供託所にするものとする。


この場合において、供託をした者は、速やかにその旨を指定報酬管理事業者通知しなければならない。

12項

私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律昭和二十二年法律第五十四号)の規定は、第七項の協議による定め 及びこれに基づいてする行為については、適用しない


ただし、不公正な取引方法を用いる場合 及び関連事業者の利益を不当に害することとなる場合は、この限りでない。

13項

第二項から前項までに定めるもののほか第二項の報酬の支払 及び指定報酬管理事業者に関し必要な事項は、政令で定める。

1項

第九十三条の二第一項の規定により同項第一号に掲げる放送において実演が放送される場合において、当該放送を行う放送事業者 又は当該放送事業者と密接な関係を有する放送同時配信等事業者は、次に掲げる措置の全てを講じてもなお当該実演に係る特定実演家連絡することができないときは、契約に別段の定めがない限り、その事情につき、著作権等管理事業者であつて全国を通じて一個に限りその同意を得て文化庁長官が指定したもの(以下この条において「指定補償金管理事業者」という。)の確認を受け、かつ、通常の使用料の額に相当する額の補償金であつて特定実演家に支払うべきものを指定補償金管理事業者に支払うことにより、放送事業者にあつては当該放送に用いる録音物 又は録画物を用いて、放送同時配信等事業者にあつては当該放送に係る放送番組の供給を受けて、当該実演の放送同時配信等を行うことができる。

一 号

当該特定実演家の連絡先を保有している場合には、当該連絡先に宛てて連絡を行うこと。

二 号

著作権等管理事業者であつて実演について管理を行つているものに対し照会すること。

三 号

前条第一項に規定する公表がされているかどうかを確認すること。

四 号

放送同時配信等することを予定している放送番組の名称、当該特定実演家の氏名 その他の文化庁長官が定める情報を文化庁長官が定める方法により公表すること。

2項

前項の確認を受けようとする放送事業者 又は放送同時配信等事業者は、同項各号に掲げる措置の全てを適切に講じてもなお放送同時配信等しようとする実演に係る特定実演家と連絡することができないことを疎明する資料を指定補償金管理事業者提出しなければならない。

3項

第一項の規定により補償金を受領した指定補償金管理事業者は、同項の規定により放送同時配信等された実演に係る特定実演家から請求があつた場合には、当該特定実演家に当該補償金を支払わなければならない

4項

前条第四項の規定は第一項の規定による指定について、同条第五項から第十三項までの規定は第一項の補償金 及び指定補償金管理事業者について、それぞれ準用する。


この場合において、

同条第四項第四号
第二項の報酬を受ける権利を有する者(次項 及び第七項において「権利者」という。)のためにその権利を行使する」とあるのは
次条第一項の確認 及び同項の補償金に係る」と、

同条第五項
権利者」とあるのは
「特定実演家」と、

同条第六項
第二項の報酬」とあるのは
次条第一項の確認 及び同項の補償金」と、

同条第七項
第三項の規定により権利者のために請求することができる報酬」とあるのは
次条第一項の規定により受領する補償金」と

読み替えるものとする。

1項

有線放送事業者は、放送される実演を有線放送した場合営利を目的とせず、かつ、聴衆 又は観衆から料金(いずれの名義をもつてするかを問わず、実演の提示につき受ける対価をいう。第九十五条第一項において同じ。)を受けない場合を除く)には、当該実演(著作隣接権の存続期間内のものに限り、第九十二条第二項第二号に掲げるものを除く)に係る実演家に相当な額の報酬を支払わなければならない。

1項

放送事業者有線放送事業者 又は放送同時配信等事業者は、第九十一条第一項に規定する権利を有する者の許諾を得て商業用レコード(送信可能化されたレコードを含む。次項次条第一項第九十六条の三第一項 及び第二項 並びに第九十七条第一項 及び第三項において同じ。)に録音されている実演(当該実演に係る第九十二条の二第一項に規定する権利について著作権等管理事業者による管理が行われているもの 又は文化庁長官が定める方法により当該実演に係る特定実演家の氏名 若しくは名称、放送同時配信等の許諾の申込みを受け付けるための連絡先 その他の円滑な許諾のために必要な情報であつて文化庁長官が定めるものの公表がされているものを除く)について放送同時配信等を行うことができる。

2項

前項の場合において、商業用レコードを用いて同項の実演の放送同時配信等を行つたときは、放送事業者有線放送事業者 又は放送同時配信等事業者は、通常の使用料の額に相当する額の補償金を当該実演に係る特定実演家に支払わなければならない。

3項

前項の補償金を受ける権利は、著作権等管理事業者であつて全国を通じて一個に限りその同意を得て文化庁長官指定するものがあるときは、当該著作権等管理事業者によつてのみ行使することができる。

4項

第九十三条の三第四項の規定は前項の規定による指定について、同条第五項から第十三項までの規定は第二項の補償金 及び前項の規定による指定を受けた著作権等管理事業者について、それぞれ準用する。


この場合において、

同条第四項第四号
第二項の報酬」とあるのは
第九十四条の三第二項の補償金」と、

同条第七項 及び第十項
放送事業者」とあるのは
「放送事業者、有線放送事業者」と

読み替えるものとする。

1項

放送事業者 及び有線放送事業者以下 この条 及び第九十七条第一項において「放送事業者等」という。)は、第九十一条第一項に規定する権利を有する者の許諾を得て実演が録音されている商業用レコードを用いた放送 又は有線放送を行つた場合(営利を目的とせず、かつ、聴衆 又は観衆から料金を受けずに、当該放送を受信して同時に有線放送を行つた場合を除く)には、当該実演(第七条第一号から第六号までに掲げる実演で著作隣接権の存続期間内のものに限る次項から第四項までにおいて同じ。)に係る実演家二次使用料を支払わなければならない

2項

前項の規定は、実演家等保護条約の締約国については、当該締約国であつて、実演家等保護条約第十六条1(a)(i)の規定に基づき実演家等保護条約第十二条の規定を適用しないこととしている国以外の国の国民をレコード製作者とするレコードに固定されている実演に係る実演家について適用する。

3項

第八条第一号に掲げるレコードについて実演家等保護条約の締約国により与えられる実演家等保護条約第十二条の規定による保護の期間が第一項の規定により実演家が保護を受ける期間より短いときは、当該締約国の国民をレコード製作者とするレコードに固定されている実演に係る実演家同項の規定により保護を受ける期間は、第八条第一号に掲げるレコードについて当該締約国により与えられる実演家等保護条約第十二条の規定による保護の期間による。

4項

第一項の規定は、実演・レコード条約の締約国実演家等保護条約の締約国除く)であつて、実演・レコード条約第十五条(3)の規定により留保を付している国の国民をレコード製作者とするレコードに固定されている実演に係る実演家については、当該留保の範囲に制限して適用する。

5項

第一項の二次使用料を受ける権利は、国内において実演を業とする者の相当数を構成員とする団体その連合体を含む。)でその同意を得て文化庁長官指定するものがあるときは、当該団体によつてのみ行使することができる。

6項

文化庁長官は、次に掲げる要件を備える団体でなければ、前項の指定をしてはならない。

一 号
営利を目的としないこと。
二 号

その構成員が任意に加入し、又は脱退することができること。

三 号

その構成員の議決権 及び選挙権が平等であること。

四 号

第一項の二次使用料を受ける権利を有する者以下 この条において「権利者」という。)のためにその権利を行使する業務をみずから的確に遂行するに足りる能力を有すること。

7項

第五項団体は、権利者から申込みがあつたときは、その者のためにその権利を行使することを拒んではならない。

8項

第五項団体は、前項申込みがあつたときは、権利者のために自己の名をもつてその権利に関する裁判上 又は裁判外の行為を行う権限を有する。

9項

文化庁長官は、第五項団体に対し、政令で定めるところにより、第一項の二次使用料に係る業務に関して報告をさせ、若しくは帳簿、書類 その他の資料の提出を求め、又はその業務の執行方法の改善のため必要な勧告をすることができる。

10項

第五項団体同項の規定により権利者のために請求することができる二次使用料の額は、毎年、当該団体放送事業者等 又はその団体との間において協議して定めるものとする。

11項

前項の協議が成立しないときは、その当事者は、政令で定めるところにより、同項の二次使用料の額について文化庁長官の裁定を求めることができる。

12項

第七十条第三項第六項 及び第八項第七十一条第二号に係る部分に限る)並びに第七十二条から第七十四条までの規定は、前項の裁定 及び二次使用料について準用する。


この場合において、

第七十条第三項
著作権者」とあるのは
「当事者」と、

第七十二条第二項
著作物を利用する者」とあるのは
第九十五条第一項の放送事業者等」と、

著作権者」とあるのは
同条第五項の団体」と、

第七十四条
著作権者」とあるのは
第九十五条第五項の団体」と

読み替えるものとする。

13項

私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律の規定は、第十項の協議による定め 及びこれに基づいてする行為については、適用しない


ただし、不公正な取引方法を用いる場合 及び関連事業者の利益を不当に害することとなる場合は、この限りでない。

14項

第五項から前項までに定めるもののほか第一項の二次使用料の支払 及び第五項団体に関し必要な事項は、政令で定める。

1項

実演家は、その実演をその録音物 又は録画物の譲渡により公衆に提供する権利を専有する。

2項

前項の規定は、次に掲げる実演については、適用しない

一 号

第九十一条第一項に規定する権利を有する者の許諾を得て録画されている実演

二 号

第九十一条第二項の実演で同項の録音物以外の物に録音され、又は録画されているもの

3項

第一項の規定は、実演(前項各号に掲げるものを除く。以下 この条において同じ。)の録音物 又は録画物で次の各号いずれかに該当するものの譲渡による場合には、適用しない

一 号

第一項に規定する権利を有する者 又はその許諾を得た者により公衆に譲渡された実演の録音物 又は録画物

二 号

第百三条において準用する第六十七条第一項の規定による裁定を受けて公衆に譲渡された実演の録音物 又は録画物

三 号

第百三条において準用する第六十七条の二第一項の規定の適用を受けて公衆に譲渡された実演の録音物 又は録画物

四 号

第一項に規定する権利を有する者 又はその承諾を得た者により特定かつ少数の者に譲渡された実演の録音物 又は録画物

五 号

国外において、第一項に規定する権利に相当する権利を害することなく、又は同項に規定する権利に相当する権利を有する者 若しくはその承諾を得た者により譲渡された実演の録音物 又は録画物

1項

実演家は、その実演をそれが録音されている商業用レコードの貸与により公衆に提供する権利を専有する。

2項

前項の規定は、最初に販売された日から起算して一月以上十二月を超えない範囲内において政令で定める期間を経過した商業用レコード(複製されているレコードのすべてが当該商業用レコードと同一であるものを含む。以下「期間経過商業用レコード」という。)の貸与による場合には、適用しない

3項

商業用レコードの公衆への貸与を営業として行う者以下「貸レコード業者」という。)は、期間経過商業用レコードの貸与により実演を公衆提供した場合には、当該実演(著作隣接権の存続期間内のものに限る)に係る実演家に相当な額の報酬を支払わなければならない。

4項

第九十五条第五項から第十四項までの規定は、前項の報酬を受ける権利について準用する。


この場合において、

同条第十項
放送事業者等」とあり、
及び同条第十二項
第九十五条第一項の放送事業者等」とあるのは、
第九十五条の三第三項の貸レコード業者」と

読み替えるものとする。

5項

第一項に規定する権利を有する者の許諾に係る使用料を受ける権利は、前項において準用する第九十五条第五項団体によつて行使することができる。

6項

第九十五条第七項から第十四項までの規定は、前項の場合について準用する。


この場合においては、第四項後段の規定を準用する。

第三節 レコード製作者の権利

1項

レコード製作者は、そのレコードを複製する権利を専有する。

1項

レコード製作者は、そのレコードを送信可能化する権利を専有する。

1項

放送事業者有線放送事業者 又は放送同時配信等事業者は、商業用レコード(当該商業用レコードに係る前条に規定する権利(放送同時配信等に係るものに限る。以下 この項 及び次項において同じ。)について著作権等管理事業者による管理が行われているもの 又は文化庁長官が定める方法により当該商業用レコードに係る同条に規定する権利を有する者の氏名 若しくは名称、放送同時配信等の許諾の申込みを受け付けるための連絡先 その他の円滑な許諾のために必要な情報であつて文化庁長官が定めるものの公表がされているものを除く次項において同じ。)を用いて放送同時配信等を行うことができる。

2項

前項の場合において、商業用レコードを用いて放送同時配信等を行つたときは、放送事業者有線放送事業者 又は放送同時配信等事業者は、通常の使用料の額に相当する額の補償金を当該商業用レコードに係る前条に規定する権利を有する者に支払わなければならない。

3項

前項の補償金を受ける権利は、著作権等管理事業者であつて全国を通じて一個に限りその同意を得て文化庁長官指定するものがあるときは、当該著作権等管理事業者によつてのみ行使することができる。

4項

第九十三条の三第四項の規定は前項の規定による指定について、同条第五項から第十三項までの規定は第二項の補償金 及び前項の規定による指定を受けた著作権等管理事業者について、それぞれ準用する。


この場合において、

同条第四項第四号
第二項の報酬」とあるのは
第九十六条の三第二項の補償金」と、

同条第七項 及び第十項
放送事業者」とあるのは
「放送事業者、有線放送事業者」と

読み替えるものとする。

1項

放送事業者等は、商業用レコードを用いた放送 又は有線放送を行つた場合営利を目的とせず、かつ、聴衆 又は観衆から料金(いずれの名義をもつてするかを問わず、レコードに係る音の提示につき受ける対価をいう。)を受けずに、当該放送を受信して同時に有線放送を行つた場合を除く)には、そのレコード(第八条第一号から第四号までに掲げるレコードで著作隣接権の存続期間内のものに限る)に係るレコード製作者に二次使用料を支払わなければならない。

2項

第九十五条第二項 及び第四項の規定は、前項に規定するレコード製作者について準用し、同条第三項の規定は、前項の規定により保護を受ける期間について準用する。


この場合において、

同条第二項から第四項までの規定中
国民をレコード製作者とするレコードに固定されている実演に係る実演家」とあるのは
「国民であるレコード製作者」と、

同条第三項中
実演家が保護を受ける期間」とあるのは
「レコード製作者が保護を受ける期間」と

読み替えるものとする。

3項

第一項の二次使用料を受ける権利は、国内において商業用レコードの製作を業とする者の相当数を構成員とする団体その連合体を含む。)でその同意を得て文化庁長官指定するものがあるときは、当該団体によつてのみ行使することができる。

4項

第九十五条第六項から第十四項までの規定は、第一項の二次使用料 及び前項の団体について準用する。

1項

レコード製作者は、そのレコードをその複製物の譲渡により公衆に提供する権利を専有する。

2項

前項の規定は、レコードの複製物で次の各号いずれかに該当するものの譲渡による場合には、適用しない

一 号

前項に規定する権利を有する者 又はその許諾を得た者により公衆に譲渡されたレコードの複製物

二 号

第百三条において準用する第六十七条第一項の規定による裁定を受けて公衆に譲渡されたレコードの複製物

三 号

第百三条において準用する第六十七条の二第一項の規定の適用を受けて公衆に譲渡されたレコードの複製物

四 号

前項に規定する権利を有する者 又はその承諾を得た者により特定かつ少数の者に譲渡されたレコードの複製物

五 号

国外において、前項に規定する権利に相当する権利を害することなく、又は同項に規定する権利に相当する権利を有する者 若しくはその承諾を得た者により譲渡されたレコードの複製物

1項

レコード製作者は、そのレコードをそれが複製されている商業用レコードの貸与により公衆に提供する権利を専有する。

2項

前項の規定は、期間経過商業用レコードの貸与による場合には、適用しない

3項

貸レコード業者は、期間経過商業用レコードの貸与によりレコードを公衆提供した場合には、当該レコード(著作隣接権の存続期間内のものに限る)に係るレコード製作者に相当な額の報酬を支払わなければならない。

4項

第九十七条第三項の規定は、前項の報酬を受ける権利の行使について準用する。

5項

第九十五条第六項から第十四項までの規定は、第三項の報酬 及び前項において準用する第九十七条第三項に規定する団体について準用する。


この場合においては、第九十五条の三第四項後段の規定を準用する。

6項

第一項に規定する権利を有する者の許諾に係る使用料を受ける権利は、第四項において準用する第九十七条第三項団体によつて行使することができる。

7項

第五項の規定は、前項の場合について準用する。


この場合において、

第五項
第九十五条第六項」とあるのは、
第九十五条第七項」と

読み替えるものとする。

第四節 放送事業者の権利

1項

放送事業者は、その放送 又はこれを受信して行なう有線放送を受信して、その放送に係る音 又は影像を録音し、録画し、又は写真 その他これに類似する方法により複製する権利を専有する。

1項

放送事業者は、その放送を受信してこれを再放送し、又は有線放送する権利を専有する。

2項

前項の規定は、放送を受信して有線放送を行なう者が法令の規定により行なわなければならない有線放送については、適用しない

1項

放送事業者は、その放送 又はこれを受信して行う有線放送を受信して、その放送を送信可能化する権利を専有する。

2項

前項の規定は、放送を受信して自動公衆送信を行う者が法令の規定により行わなければならない自動公衆送信に係る送信可能化については、適用しない

1項

放送事業者は、そのテレビジョン放送 又はこれを受信して行なう有線放送を受信して、影像を拡大する特別の装置を用いてその放送を公に伝達する権利を専有する。

第五節 有線放送事業者の権利

1項

有線放送事業者は、その有線放送を受信して、その有線放送に係る音 又は影像を録音し、録画し、又は写真 その他これに類似する方法により複製する権利を専有する。

1項

有線放送事業者は、その有線放送を受信してこれを放送し 又は再有線放送する権利を専有する。

1項

有線放送事業者は、その有線放送を受信してこれを送信可能化する権利を専有する。

1項

有線放送事業者は、その有線テレビジョン放送を受信して、影像を拡大する特別の装置を用いてその有線放送を公に伝達する権利を専有する。

第六節 保護期間

1項

著作隣接権の存続期間は、次に掲げる時に始まる。

一 号
実演に関しては、その実演を行つた時
二 号

レコードに関しては、その音を最初に固定した時

三 号

放送に関しては、その放送を行つた時

四 号

有線放送に関しては、その有線放送を行つた時

2項

著作隣接権の存続期間は、次に掲げる時をもつて満了する。

一 号

実演に関しては、その実演が行われた日の属する年の翌年から起算して七十年を経過した時

二 号

レコードに関しては、その発行が行われた日の属する年の翌年から起算して七十年その音が最初に固定された日の属する年の翌年から起算して七十年を経過する時までの間に発行されなかつたときは、その音が最初に固定された日の属する年の翌年から起算して七十年)を経過した時

三 号

放送に関しては、その放送が行われた日の属する年の翌年から起算して五十年を経過した時

四 号

有線放送に関しては、その有線放送が行われた日の属する年の翌年から起算して五十年を経過した時

第七節 実演家人格権の一身専属性等

1項

実演家人格権は、実演家の一身に専属し、譲渡することができない

1項

実演を公衆提供し、又は提示する者は、その実演の実演家の死後においても、実演家が生存しているとしたならばその実演家人格権の侵害となるべき行為をしてはならない。


ただし、その行為の性質 及び程度、社会的事情の変動 その他によりその行為が当該実演家の意を害しないと認められる場合は、この限りでない。

第八節 権利の制限、譲渡及び行使等並びに登録

1項

第三十条第一項第四号除く第九項第一号において同じ。)、第三十条の二から第三十二条まで第三十五条第三十六条第三十七条第三項第三十七条の二第一号除く次項において同じ。)、第三十八条第二項 及び第四項第四十一条から第四十三条まで第四十四条第二項除く)、第四十六条から第四十七条の二まで第四十七条の四 並びに第四十七条の五の規定は、著作隣接権の目的となつている実演、レコード、放送 又は有線放送の利用について準用し、第三十条第三項 及び第四十七条の七の規定は、著作隣接権の目的となつている実演 又はレコードの利用について準用し、第三十三条から第三十三条の三までの規定は、著作隣接権の目的となつている放送 又は有線放送の利用について準用し、第四十四条第二項の規定は、著作隣接権の目的となつている実演、レコード 又は有線放送の利用について準用する。


この場合において、

第三十条第一項第三号
自動公衆送信(国外で行われる自動公衆送信」とあるのは
「送信可能化(国外で行われる送信可能化」と、

含む。)」とあるのは
含む。)に係る自動公衆送信」と、

第四十四条第一項
第二十三条第一項」とあるのは
第九十二条第一項第九十二条の二第一項第九十六条の二第九十九条第一項 又は第百条の三」と、

同条第二項
第二十三条第一項」とあるのは
第九十二条第一項第九十二条の二第一項第九十六条の二 又は第百条の三」と、

同条第三項
第二十三条第一項」とあるのは
第九十二条の二第一項 又は第九十六条の二」と

読み替えるものとする。

2項

前項において準用する 第三十二条第三十三条第一項同条第四項において準用する場合を含む。)、第三十三条の二第一項第三十三条の三第一項第三十七条第三項第三十七条の二第四十一条の二第一項第四十二条第四十二条の二第一項 若しくは第四十七条の規定 又は次項 若しくは第四項の規定により実演 若しくはレコード 又は放送 若しくは有線放送に係る音 若しくは影像(以下「実演等」と総称する。)を複製する場合において、その出所を明示する慣行があるときは、これらの複製の態様に応じ合理的と認められる方法 及び程度により、その出所を明示しなければならない。

3項

第三十三条の三第一項の規定により教科用図書に掲載された著作物を複製することができる場合には、同項の規定の適用を受けて作成された録音物において録音されている実演 又は当該録音物に係るレコードを複製し、又は同項に定める目的のためにその複製物の譲渡により公衆に提供することができる。

4項

視覚障害者等の福祉に関する事業を行う者第三十七条第三項の政令で定めるものは、同項の規定により視覚著作物を複製することができる場合には、同項の規定の適用を受けて作成された録音物において録音されている実演 又は当該録音物に係るレコードについて、複製し、又は同項に定める目的のために、送信可能化を行い、若しくはその複製物の譲渡により公衆に提供することができる。

5項

著作隣接権の目的となつている実演であつて放送されるものは、専ら当該放送に係る放送対象地域において受信されることを目的として送信可能化(公衆の用に供されている電気通信回線に接続している自動公衆送信装置に情報を入力することによるものに限る)を行うことができる。


ただし、当該放送に係る第九十九条の二第一項に規定する権利を有する者の権利を害することとなる場合は、この限りでない。

6項

前項の規定により実演の送信可能化を行う者は、第一項において準用する第三十八条第二項の規定の適用がある場合除き、当該実演に係る第九十二条の二第一項に規定する権利を有する者に相当な額の補償金を支払わなければならない。

7項

前二項の規定は、著作隣接権の目的となつているレコードの利用について準用する。


この場合において、

前項
第九十二条の二第一項」とあるのは、
第九十六条の二」と

読み替えるものとする。

8項

第三十九条第一項 又は第四十条第一項 若しくは第二項の規定により著作物を放送し、又は有線放送することができる場合には、その著作物の放送 若しくは有線放送について、これを受信して有線放送し、若しくは影像を拡大する特別の装置を用いて公に伝達し、又はその著作物の放送について、地域限定特定入力型自動公衆送信を行うことができる。

9項

次に掲げる者は、第九十一条第一項第九十六条第九十八条 又は第百条の二の録音、録画 又は複製を行つたものとみなす。

一 号

第一項において準用する第三十条第一項第三十条の三第三十一条第一項第一号第二項第一号第四項第七項第一号 若しくは第九項第一号第三十三条の二第一項第三十三条の三第一項 若しくは第四項第三十五条第一項第三十七条第三項第三十七条の二第二号第四十一条から第四十二条の三まで第四十三条第二項第四十四条第一項から第三項まで第四十七条第一項 若しくは第三項第四十七条の二 又は第四十七条の五第一項に定める目的以外の目的のために、これらの規定の適用を受けて作成された実演等の複製物を頒布し、又は当該複製物によつて当該実演、当該レコードに係る音 若しくは当該放送 若しくは有線放送に係る音 若しくは影像の公衆への提示を行つた者

二 号

第一項において準用する第三十条の四の規定の適用を受けて作成された実演等の複製物を用いて、当該実演等を自ら享受し 又は他人に享受させる目的のために、いずれの方法によるかを問わず、当該実演等を利用した者

三 号

第一項において準用する第四十四条第四項の規定に違反して同項の録音物 又は録画物を保存した放送事業者有線放送事業者 又は放送同時配信等事業者

四 号

第一項において準用する第四十七条の四 又は第四十七条の五第二項に定める目的以外の目的のために、これらの規定の適用を受けて作成された実演等の複製物を用いて、いずれの方法によるかを問わず、当該実演等を利用した者

五 号

第三十三条の三第一項 又は第三十七条第三項に定める目的以外の目的のために、第三項 若しくは第四項の規定の適用を受けて作成された実演 若しくはレコードの複製物を頒布し、又は当該複製物によつて当該実演 若しくは当該レコードに係る音の公衆への提示を行つた者

1項

前条の著作隣接権の制限に関する規定(同条第七項 及び第八項の規定を除く)は、実演家人格権に影響を及ぼすものと解釈してはならない。

1項

第六十一条第一項の規定は著作隣接権の譲渡について、第六十二条第一項の規定は著作隣接権の消滅について、第六十三条 及び第六十三条の二の規定は実演、レコード、放送 又は有線放送の利用の許諾について、第六十五条の規定は著作隣接権が共有に係る場合について、第六十六条の規定は著作隣接権を目的として質権が設定されている場合について、第六十七条第六十七条の二第一項ただし書を除く)、第七十条第三項から第五項まで除く)、第七十一条第二号に係る部分に限る)、第七十二条第七十三条 並びに第七十四条第三項 及び第四項の規定は著作隣接権者と連絡することができない場合における実演、レコード、放送 又は有線放送の利用について、第六十八条第七十条第四項第一号 及び第七項除く)、第七十一条第二号に係る部分に限る)、第七十二条第七十三条本文 及び第七十四条の規定は著作隣接権者に協議を求めたがその協議が成立せず、又はその協議をすることができない場合における実演、レコード、放送 又は有線放送の利用について、第七十一条第一号に係る部分に限る)及び第七十四条の規定は第百二条第一項において準用する第三十三条から第三十三条の三までの規定による放送 又は有線放送の利用について、それぞれ準用する。


この場合において、

第六十三条第六項
第二十三条第一項」とあるのは
第九十二条の二第一項第九十六条の二第九十九条の二第一項 又は第百条の四」と、

第六十八条第二項
第三十八条第二項 及び第三項」とあるのは
第百二条第一項において準用する第三十八条第二項」と

読み替えるものとする。

1項

第七十七条 及び第七十八条第三項除く)の規定は、著作隣接権に関する登録について準用する。


この場合において、

同条第一項第二項第四項第八項 及び第九項
著作権登録原簿」とあるのは、
「著作隣接権登録原簿」と

読み替えるものとする。

第五章 著作権等の制限による利用に係る補償金

第一節 私的録音録画補償金

1項

第三十条第三項第百二条第一項において準用する場合を含む。以下 この節において同じ。)の補償金(以下 この節において「私的録音録画補償金」という。)を受ける権利は、私的録音録画補償金を受ける権利を有する者次項 及び次条第四号において「権利者」という。)のためにその権利を行使することを目的とする団体であつて、次に掲げる私的録音録画補償金の区分ごとに全国を通じて一個に限りその同意を得て文化庁長官指定するものがあるときは、それぞれ当該指定を受けた団体以下 この節において「指定管理団体」という。)によつてのみ行使することができる。

一 号

私的使用を目的として行われる録音(専ら録画とともに行われるものを除く次条第二号イ 及び第百四条の四において「私的録音」という。)に係る私的録音録画補償金

二 号

私的使用を目的として行われる録画(専ら録音とともに行われるものを含む。次条第二号ロ 及び第百四条の四において「私的録画」という。)に係る私的録音録画補償金

2項

指定管理団体は、権利者のために自己の名をもつて私的録音録画補償金を受ける権利に関する裁判上 又は裁判外の行為を行う権限を有する。

1項

文化庁長官は、次に掲げる要件を備える団体でなければ前条第一項の規定による指定をしてはならない

一 号
一般社団法人であること。
二 号

前条第一項第一号に掲げる私的録音録画補償金に係る場合については 及びに掲げる団体を、同項第二号に掲げる私的録音録画補償金に係る場合についてはロからニまでに掲げる団体を構成員とすること。

私的録音に係る著作物に関し第二十一条に規定する権利を有する者を構成員とする団体その連合体を含む。)であつて、国内において私的録音に係る著作物に関し同条に規定する権利を有する者の利益を代表すると認められるもの

私的録画に係る著作物に関し第二十一条に規定する権利を有する者を構成員とする団体その連合体を含む。)であつて、国内において私的録画に係る著作物に関し同条に規定する権利を有する者の利益を代表すると認められるもの

国内において実演を業とする者の相当数を構成員とする団体その連合体を含む。

国内において商業用レコードの製作を業とする者の相当数を構成員とする団体(その連合体を含む。

三 号

前号イからニまでに掲げる団体がそれぞれ次に掲げる要件を備えるものであること。

営利を目的としないこと。

その構成員が任意に加入し、又は脱退することができること。

その構成員の議決権 及び選挙権が平等であること。

四 号

権利者のために私的録音録画補償金を受ける権利を行使する業務(第百四条の八第一項の事業に係る業務を含む。以下 この節において「補償金関係業務」という。)を的確に遂行するに足りる能力を有すること。

1項

第三十条第三項の政令で定める機器(以下 この条 及び次条において「特定機器」という。)又は記録媒体(以下 この条 及び次条において「特定記録媒体」という。)を購入する者当該特定機器 又は特定記録媒体が小売に供された後最初に購入するものに限る)は、その購入に当たり、指定管理団体から、当該特定機器 又は特定記録媒体を用いて行う私的録音 又は私的録画に係る私的録音録画補償金の一括の支払として、第百四条の六第一項の規定により当該特定機器 又は特定記録媒体について定められた額の私的録音録画補償金の支払の請求があつた場合には、当該私的録音録画補償金を支払わなければならない。

2項

前項の規定により私的録音録画補償金を支払つた者は、指定管理団体に対し、その支払に係る特定機器 又は特定記録媒体を専ら私的録音 及び私的録画以外の用に供することを証明して、当該私的録音録画補償金の返還を請求することができる。

3項

第一項の規定による支払の請求を受けて私的録音録画補償金が支払われた特定機器により同項の規定による支払の請求を受けて私的録音録画補償金が支払われた特定記録媒体に私的録音 又は私的録画を行う者は、第三十条第三項の規定にかかわらず、当該私的録音 又は私的録画を行うに当たり、私的録音録画補償金を支払うことを要しない。


ただし、当該特定機器 又は特定記録媒体が前項の規定により私的録音録画補償金の返還を受けたものであるときは、この限りでない。

1項

前条第一項の規定により指定管理団体が私的録音録画補償金の支払を請求する場合には、特定機器 又は特定記録媒体の製造 又は輸入を業とする者次条第三項において「製造業者等」という。)は、当該私的録音録画補償金の支払の請求 及びその受領に関し協力しなければならない。

1項

第百四条の二第一項の規定により指定管理団体が私的録音録画補償金を受ける権利を行使する場合には、指定管理団体は、私的録音録画補償金の額を定め、文化庁長官の認可を受けなければならない。


これを変更しようとするときも、同様とする。

2項

前項認可があつたときは、私的録音録画補償金の額は、第三十条第三項の規定にかかわらず、その認可を受けた額とする。

3項

指定管理団体は、第百四条の四第一項の規定により支払の請求をする私的録音録画補償金に係る第一項の認可の申請に際し、あらかじめ製造業者等の団体で製造業者等の意見を代表すると認められるものの意見を聴かなければならない。

4項

文化庁長官は、第一項の認可の申請に係る私的録音録画補償金の額が、第三十条第一項第百二条第一項において準用する場合を含む。)及び第百四条の四第一項の規定の趣旨、録音 又は録画に係る通常の使用料の額 その他の事情を考慮した適正な額であると認めるときでなければ、その認可をしてはならない。

5項

文化庁長官は、第一項の認可をしようとするときは、文化審議会諮問しなければならない。

1項

指定管理団体は、補償金関係業務を開始しようとするときは、補償金関係業務の執行に関する規程を定め、文化庁長官に届け出なければならない。


これを変更しようとするときも、同様とする。

2項

前項の規程には、私的録音録画補償金(第百四条の四第一項の規定に基づき支払を受けるものに限る)の分配に関する事項を含むものとし、指定管理団体は、第三十条第三項の規定の趣旨を考慮して当該分配に関する事項を定めなければならない。

1項

指定管理団体は、私的録音録画補償金(第百四条の四第一項の規定に基づき支払を受けるものに限る)の額の二割以内で政令で定める割合に相当する額を、著作権 及び著作隣接権の保護に関する事業 並びに著作物の創作の振興 及び普及に資する事業のために支出しなければならない。

2項

文化庁長官は、前項の政令の制定 又は改正の立案をしようとするときは、文化審議会諮問しなければならない。

3項

文化庁長官は、第一項の事業に係る業務の適正な運営を確保するため必要があると認めるときは、指定管理団体に対し、当該業務に関し監督上必要な命令をすることができる。

1項

文化庁長官は、指定管理団体の補償金関係業務の適正な運営を確保するため必要があると認めるときは、指定管理団体に対し、補償金関係業務に関して報告をさせ、若しくは帳簿、書類 その他の資料の提出を求め、又は補償金関係業務の執行方法の改善のため必要な勧告をすることができる。

1項

この章に規定するもののほか指定管理団体 及び補償金関係業務に関し必要な事項は、政令で定める。

第二節 図書館等公衆送信補償金

1項

第三十一条第五項第八十六条第三項 及び第百二条第一項において準用する場合を含む。第百四条の十の四第二項 及び第百四条の十の五第二項において同じ。)の補償金(以下 この節において「図書館等公衆送信補償金」という。)を受ける権利は、図書館等公衆送信補償金を受ける権利を有する者次項 及び次条第四号において「権利者」という。)のためにその権利を行使することを目的とする団体であつて、全国を通じて一個に限りその同意を得て文化庁長官指定するものがあるときは、当該指定を受けた団体以下 この節において「指定管理団体」という。)によつてのみ行使することができる。

2項

指定管理団体は、権利者のために自己の名をもつて図書館等公衆送信補償金を受ける権利に関する裁判上 又は裁判外の行為を行う権限を有する。

1項

文化庁長官は、次に掲げる要件を備える団体でなければ前条第一項の規定による指定をしてはならない。

一 号

一般社団法人であること。

二 号

次に掲げる団体を構成員とすること。

第三十一条第二項第八十六条第三項 及び第百二条第一項において準用する場合を含む。次条第四項において同じ。)の規定による公衆送信(以下 この節において「図書館等公衆送信」という。)に係る著作物に関し第二十三条第一項に規定する権利を有する者を構成員とする団体その連合体を含む。)であつて、国内において図書館等公衆送信に係る著作物に関し同項に規定する権利を有する者の利益を代表すると認められるもの

図書館等公衆送信に係る著作物に関する第二号出版権者を構成員とする団体その連合体を含む。)であつて、国内において図書館等公衆送信に係る著作物に関する第二号出版権者の利益を代表すると認められるもの

三 号

前号イ 及びに掲げる団体がそれぞれ次に掲げる要件を備えるものであること。

営利を目的としないこと。

その構成員が任意に加入し、又は脱退することができること。

その構成員の議決権 及び選挙権が平等であること。

四 号

権利者のために図書館等公衆送信補償金を受ける権利を行使する業務(第百四条の十の六第一項の事業に係る業務を含む。以下 この節において「補償金関係業務」という。)を的確に遂行するに足りる能力を有すること。

1項

第百四条の十の二第二項の規定により指定管理団体が図書館等公衆送信補償金を受ける権利を行使する場合には、指定管理団体は、図書館等公衆送信補償金の額を定め、文化庁長官の認可を受けなければならない。


これを変更しようとするときも、同様とする。

2項

前項の認可があつたときは、図書館等公衆送信補償金の額は、第三十一条第五項の規定にかかわらず、その認可を受けた額とする。

3項

指定管理団体は、第一項の認可の申請に際し、あらかじめ、図書館等を設置する者の団体で図書館等を設置する者の意見を代表すると認められるものの意見を聴かなければならない。

4項

文化庁長官は、第一項の認可の申請に係る図書館等公衆送信補償金の額が、第三十一条第二項の規定の趣旨、図書館等公衆送信に係る著作物の種類 及び用途 並びに図書館等公衆送信の態様に照らした著作権者等の利益に与える影響、図書館等公衆送信により電磁的記録を容易に取得することができることにより特定図書館等の利用者が受ける便益 その他の事情を考慮した適正な額であると認めるときでなければ、その認可をしてはならない。

5項

文化庁長官は、第一項の認可をするときは、文化審議会諮問しなければならない。

1項

指定管理団体は、補償金関係業務を開始しようとするときは、補償金関係業務の執行に関する規程を定め、文化庁長官に届け出なければならない。


これを変更しようとするときも、同様とする。

2項

前項の規程には、図書館等公衆送信補償金の分配に関する事項を含むものとし、指定管理団体は、第三十一条第五項の規定の趣旨を考慮して当該分配に関する事項を定めなければならない。

1項

指定管理団体は、図書館等公衆送信補償金の総額のうち、図書館等公衆送信による著作物の利用状況、図書館等公衆送信補償金の分配に係る事務に要する費用 その他の事情を勘案して政令で定めるところにより算出した額に相当する額を、著作権、出版権 及び著作隣接権の保護に関する事業 並びに著作物の創作の振興 及び普及に資する事業のために支出しなければならない。

2項

文化庁長官は、前項の政令の制定 又は改正の立案をするときは、文化審議会諮問しなければならない。

3項

文化庁長官は、第一項の事業に係る業務の適正な運営を確保するため必要があると認めるときは、指定管理団体に対し、当該業務に関し監督上必要な命令をすることができる。

1項

文化庁長官は、指定管理団体の補償金関係業務の適正な運営を確保するため必要があると認めるときは、指定管理団体に対し、補償金関係業務に関して報告をさせ、若しくは帳簿、書類 その他の資料の提出を求め、又は補償金関係業務の執行方法の改善のため必要な勧告をすることができる。

1項

この節に規定するもののほか指定管理団体 及び補償金関係業務に関し必要な事項は、政令で定める。

第三節 授業目的公衆送信補償金

1項

第三十五条第二項第百二条第一項において準用する場合を含む。第百四条の十三第二項 及び第百四条の十四第二項において同じ。)の補償金(以下 この節において「授業目的公衆送信補償金」という。)を受ける権利は、授業目的公衆送信補償金を受ける権利を有する者(次項 及び次条第四号において「権利者」という。)のためにその権利を行使することを目的とする団体であつて、全国を通じて一個に限りその同意を得て文化庁長官指定するものがあるときは、当該指定を受けた団体以下 この節において「指定管理団体」という。)によつてのみ行使することができる。

2項

指定管理団体は、権利者のために自己の名をもつて授業目的公衆送信補償金を受ける権利に関する裁判上 又は裁判外の行為を行う権限を有する。

1項

文化庁長官は、次に掲げる要件を備える団体でなければ前条第一項の規定による指定をしてはならない。

一 号

一般社団法人であること。

二 号

次に掲げる団体構成員とすること。

第三十五条第一項第百二条第一項において準用する場合を含む。次条第四項において同じ。)の公衆送信(第三十五条第三項の公衆送信に該当するものを除く。以下 この節において「授業目的公衆送信」という。)に係る著作物に関し第二十三条第一項に規定する権利を有する者を構成員とする団体その連合体を含む。)であつて、国内において授業目的公衆送信に係る著作物に関し同項に規定する権利を有する者の利益を代表すると認められるもの

授業目的公衆送信に係る実演に関し第九十二条第一項 及び第九十二条の二第一項に規定する権利を有する者を構成員とする団体(その連合体を含む。)であつて、国内において授業目的公衆送信に係る実演に関しこれらの規定に規定する権利を有する者の利益を代表すると認められるもの

授業目的公衆送信に係るレコードに関し第九十六条の二に規定する権利を有する者を構成員とする団体その連合体を含む。)であつて、国内において授業目的公衆送信に係るレコードに関し同条に規定する権利を有する者の利益を代表すると認められるもの

授業目的公衆送信に係る放送に関し第九十九条第一項 及び第九十九条の二第一項に規定する権利を有する者を構成員とする団体その連合体を含む。)であつて、国内において授業目的公衆送信に係る放送に関しこれらの規定に規定する権利を有する者の利益を代表すると認められるもの

授業目的公衆送信に係る有線放送に関し第百条の三 及び第百条の四に規定する権利を有する者を構成員とする団体その連合体を含む。)であつて、国内において授業目的公衆送信に係る有線放送に関しこれらの規定に規定する権利を有する者の利益を代表すると認められるもの

三 号

前号イからホまでに掲げる団体がそれぞれ次に掲げる要件を備えるものであること。

営利を目的としないこと。

その構成員が任意に加入し、又は脱退することができること。

その構成員の議決権 及び選挙権が平等であること。

四 号

権利者のために授業目的公衆送信補償金を受ける権利を行使する業務(第百四条の十五第一項の事業に係る業務を含む。以下 この節において「補償金関係業務」という。)を的確に遂行するに足りる能力を有すること。

1項

第百四条の十一第一項の規定により指定管理団体が授業目的公衆送信補償金を受ける権利を行使する場合には、指定管理団体は、授業目的公衆送信補償金の額を定め、文化庁長官の認可を受けなければならない。


これを変更しようとするときも、同様とする。

2項

前項認可があつたときは、授業目的公衆送信補償金の額は、第三十五条第二項の規定にかかわらず、その認可を受けた額とする。

3項

指定管理団体は、第一項の認可の申請に際し、あらかじめ、授業目的公衆送信が行われる第三十五条第一項教育機関を設置する者の団体同項の教育機関を設置する者の意見を代表すると認められるものの意見を聴かなければならない。

4項

文化庁長官は、第一項の認可の申請に係る授業目的公衆送信補償金の額が、第三十五条第一項の規定の趣旨、公衆送信(自動公衆送信の場合にあつては、送信可能化を含む。)に係る通常の使用料の額 その他の事情を考慮した適正な額であると認めるときでなければ、その認可をしてはならない。

5項

文化庁長官は、第一項認可をしようとするときは、文化審議会諮問しなければならない。

1項

指定管理団体は、補償金関係業務を開始しようとするときは、補償金関係業務の執行に関する規程を定め、文化庁長官に届け出なければならない。


これを変更しようとするときも、同様とする。

2項

前項の規程には、授業目的公衆送信補償金の分配に関する事項を含むものとし、指定管理団体は、第三十五条第二項の規定の趣旨を考慮して当該分配に関する事項を定めなければならない。

1項

指定管理団体は授業目的公衆送信補償金の総額のうち、授業目的公衆送信による著作物等の利用状況、授業目的公衆送信補償金の分配に係る事務に要する費用 その他の事情を勘案して政令で定めるところにより算出した額に相当する額を、著作権 及び著作隣接権の保護に関する事業 並びに著作物の創作の振興 及び普及に資する事業のために支出しなければならない。

2項

文化庁長官は、前項の政令の制定 又は改正の立案をしようとするときは、文化審議会諮問しなければならない。

3項

文化庁長官は、第一項の事業に係る業務の適正な運営を確保するため必要があると認めるときは、指定管理団体に対し、当該業務に関し監督上必要な命令をすることができる。

1項

文化庁長官は、指定管理団体の補償金関係業務の適正な運営を確保するため必要があると認めるときは、指定管理団体に対し、補償金関係業務に関して報告をさせ、若しくは帳簿、書類 その他の資料の提出を求め、又は補償金関係業務の執行方法の改善のため必要な勧告をすることができる。

1項

この節に規定するもののほか指定管理団体 及び補償金関係業務に関し必要な事項は、政令で定める。

第六章 紛争処理

1項

この法律に規定する権利に関する紛争につきあつせんによりその解決を図るため、文化庁著作権紛争解決あつせん委員以下 この章において「委員」という。)を置く。

2項

委員は、文化庁長官が、著作権 又は著作隣接権に係る事項に関し学識経験を有する者のうちから、事件ごとに三人以内を委嘱する。

1項

この法律に規定する権利に関し紛争が生じたときは、当事者は、文化庁長官に対し、あつせんの申請をすることができる。

1項

あつせん申請をする者は、実費を勘案して政令で定める額の手数料を納付しなければならない。

2項

前項の規定は、同項の規定により手数料を納付すべき者がであるときは、適用しない

1項

文化庁長官は、第百六条の規定に基づき当事者の双方からあつせん申請があつたとき、又は当事者の一方からあつせんの申請があつた場合において他の当事者がこれに同意したときは、委員によるあつせんに付するものとする。

2項

文化庁長官は、前項申請があつた場合において、事件がその性質上あつせんをするのに適当でないと認めるとき、又は当事者が不当な目的でみだりにあつせんの申請をしたと認めるときは、あつせんに付さないことができる。

1項

委員は、当事者間をあつせんし、双方の主張の要点を確かめ、実情に即して事件が解決されるように努めなければならない。

2項

委員は、事件が解決される見込みがないと認めるときは、あつせんを打ち切ることができる。

1項

委員は、あつせんが終わつたときは、その旨を文化庁長官報告しなければならない。

2項

委員は、前条の規定によりあつせん打ち切つたときは、その旨 及びあつせんを打ち切ることとした理由を、当事者に通知するとともに文化庁長官報告しなければならない。

1項

この章に規定するもののほか、あつせんの手続 及び委員に関し必要な事項は、政令で定める。

第七章 権利侵害

1項

著作者著作権者出版権者実演家 又は著作隣接権者は、その著作者人格権、著作権、出版権、実演家人格権 又は著作隣接権を侵害する者 又は侵害するおそれがある者に対し、その侵害の停止 又は予防を請求することができる。

2項

著作者著作権者出版権者実演家 又は著作隣接権者は、前項の規定による請求をするに際し、侵害の行為を組成した物、侵害の行為によつて作成された物 又は専ら侵害の行為に供された機械 若しくは器具の廃棄 その他の侵害の停止 又は予防に必要な措置を請求することができる。

1項

次に掲げる行為は、当該著作者人格権、著作権、出版権、実演家人格権 又は著作隣接権を侵害する行為とみなす。

一 号

国内において頒布する目的をもつて、輸入の時において国内で作成したとしたならば著作者人格権、著作権、出版権、実演家人格権 又は著作隣接権の侵害となるべき行為によつて作成された物を輸入する行為

二 号

著作者人格権、著作権、出版権、実演家人格権 又は著作隣接権を侵害する行為によつて作成された物(前号の輸入に係る物を含む。)を、情を知つて、頒布し、頒布の目的をもつて所持し、若しくは頒布する旨の申出をし、又は業として輸出し、若しくは業としての輸出の目的をもつて所持する行為

2項

送信元識別符号 又は送信元識別符号以外の符号 その他の情報であつてその提供が送信元識別符号の提供と同一 若しくは類似の効果を有するもの(以下 この項 及び次項において「送信元識別符号等」という。)の提供により侵害著作物等(著作権(第二十八条に規定する権利(翻訳以外の方法により創作された二次的著作物に係るものに限る)を除く。以下 この項 及び次項において同じ。)、出版権 又は著作隣接権を侵害して送信可能化が行われた著作物等をいい、国外で行われる送信可能化であつて国内で行われたとしたならばこれらの権利の侵害となるべきものが行われた著作物等を含む。以下 この項 及び次項において同じ。)の他人による利用を容易にする行為(同項において「侵害著作物等利用容易化」という。)であつて、第一号に掲げるウェブサイト等(同項 及び第百十九条第二項第四号において「侵害著作物等利用容易化ウェブサイト等」という。)において 又は第二号に掲げるプログラム(次項 及び同条第二項第五号において「侵害著作物等利用容易化プログラム」という。)を用いて行うものは、当該行為に係る著作物等が侵害著作物等であることを知つていた場合 又は知ることができたと認めるに足りる相当の理由がある場合には、当該侵害著作物等に係る著作権、出版権 又は著作隣接権を侵害する行為とみなす。

一 号
次に掲げるウェブサイト等

当該ウェブサイト等において、侵害著作物等に係る送信元識別符号等(以下 この条 及び第百十九条第二項において「侵害送信元識別符号等」という。)の利用を促す文言が表示されていること、侵害送信元識別符号等が強調されていること その他の当該ウェブサイト等における侵害送信元識別符号等の提供の態様に照らし、公衆を侵害著作物等に殊更に誘導するものであると認められるウェブサイト等

に掲げるもののほか、当該ウェブサイト等において提供されている侵害送信元識別符号等の数、当該数が当該ウェブサイト等において提供されている送信元識別符号等の総数に占める割合、当該侵害送信元識別符号等の利用に資する分類 又は整理の状況 その他の当該ウェブサイト等における侵害送信元識別符号等の提供の状況に照らし、主として公衆による侵害著作物等の利用のために用いられるものであると認められるウェブサイト等

二 号

次に掲げるプログラム

当該プログラムによる送信元識別符号等の提供に際し、侵害送信元識別符号等の利用を促す文言が表示されていること、侵害送信元識別符号等が強調されていること その他の当該プログラムによる侵害送信元識別符号等の提供の態様に照らし、公衆を侵害著作物等に殊更に誘導するものであると認められるプログラム

に掲げるもののほか、当該プログラムにより提供されている侵害送信元識別符号等の数、当該数が当該プログラムにより提供されている送信元識別符号等の総数に占める割合、当該侵害送信元識別符号等の利用に資する分類 又は整理の状況 その他の当該プログラムによる侵害送信元識別符号等の提供の状況に照らし、主として公衆による侵害著作物等の利用のために用いられるものであると認められるプログラム

3項

侵害著作物等利用容易化ウェブサイト等の公衆への提示を行つている者当該侵害著作物等利用容易化ウェブサイト等と侵害著作物等利用容易化ウェブサイト等以外の相当数のウェブサイト等とを包括しているウェブサイト等において、単に当該公衆への提示の機会を提供しているに過ぎない者(著作権者等からの当該侵害著作物等利用容易化ウェブサイト等において提供されている侵害送信元識別符号等の削除に関する請求に正当な理由なく応じない状態が相当期間にわたり継続していること その他の著作権者等の利益を不当に害すると認められる特別な事情がある場合を除く)を除く)又は侵害著作物等利用容易化プログラムの公衆への提供等を行つている者当該公衆への提供等のために用いられているウェブサイト等とそれ以外の相当数のウェブサイト等とを包括しているウェブサイト等 又は当該侵害著作物等利用容易化プログラム 及び侵害著作物等利用容易化プログラム以外の相当数のプログラムの公衆への提供等のために用いられているウェブサイト等において、単に当該侵害著作物等利用容易化プログラムの公衆への提供等の機会を提供しているに過ぎない者著作権者等からの当該侵害著作物等利用容易化プログラムにより提供されている侵害送信元識別符号等の削除に関する請求に正当な理由なく応じない状態が相当期間にわたり継続していること その他の著作権者等の利益を不当に害すると認められる特別な事情がある場合を除く)を除く)が、当該侵害著作物等利用容易化ウェブサイト等において 又は当該侵害著作物等利用容易化プログラムを用いて他人による侵害著作物等利用容易化に係る送信元識別符号等の提供が行われている場合であつて、かつ、当該送信元識別符号等に係る著作物等が侵害著作物等であることを知つている場合 又は知ることができたと認めるに足りる相当の理由がある場合において、当該侵害著作物等利用容易化を防止する措置を講ずることが技術的に可能であるにもかかわらず当該措置を講じない行為は、当該侵害著作物等に係る著作権、出版権 又は著作隣接権を侵害する行為とみなす。

4項

前二項に規定するウェブサイト等とは、送信元識別符号のうちインターネットにおいて個々の電子計算機を識別するために用いられる部分が共通するウェブページ(インターネットを利用した情報の閲覧の用に供される電磁的記録で文部科学省令で定めるものをいう。以下 この項において同じ。)の集合物(当該集合物の一部を構成する複数のウェブページであつて、ウェブページ相互の関係 その他の事情に照らし公衆への提示が一体的に行われていると認められるものとして政令で定める要件に該当するものを含む。)をいう。

5項

プログラムの著作物の著作権を侵害する行為によつて作成された複製物(当該複製物の所有者によつて第四十七条の三第一項の規定により作成された複製物 並びに第一項第一号の輸入に係るプログラムの著作物の複製物 及び当該複製物の所有者によつて同条第一項の規定により作成された複製物を含む。)を業務上電子計算機において使用する行為は、これらの複製物を使用する権原を取得した時に情を知つていた場合に限り、当該著作権を侵害する行為とみなす。

6項

技術的利用制限手段の回避(技術的利用制限手段により制限されている著作物等の視聴を当該技術的利用制限手段の効果を妨げることにより可能とすること(著作権者等の意思に基づいて行われる場合を除く)をいう。次項 並びに第百二十条の二第一号 及び第二号において同じ。)を行う行為は、技術的利用制限手段に係る研究 又は技術の開発の目的上正当な範囲内で行われる場合 その他著作権者等の利益を不当に害しない場合を除き、当該技術的利用制限手段に係る著作権、出版権 又は著作隣接権を侵害する行為とみなす。

7項

技術的保護手段の回避 又は技術的利用制限手段の回避を行うことをその機能とする指令符号(電子計算機に対する指令であつて、当該指令のみによつて一の結果を得ることができるものをいう。)を公衆に譲渡し、若しくは貸与し、公衆への譲渡 若しくは貸与の目的をもつて製造し、輸入し、若しくは所持し、若しくは公衆の使用に供し、又は公衆送信し、若しくは送信可能化する行為は、当該技術的保護手段に係る著作権等 又は当該技術的利用制限手段に係る著作権、出版権 若しくは著作隣接権を侵害する行為とみなす。

8項

著作者の名誉 又は声望を害する方法によりその著作物を利用する行為は、その著作者人格権を侵害する行為とみなす。

一 号

権利管理情報として虚偽の情報を故意に付加する行為

二 号

権利管理情報を故意に除去し、又は改変する行為(記録 又は送信の方式の変換に伴う技術的な制約による場合 その他の著作物 又は実演等の利用の目的 及び態様に照らしやむを得ないと認められる場合を除く

三 号

前二号の行為が行われた著作物 若しくは実演等の複製物を、情を知つて、頒布し、若しくは頒布の目的をもつて輸入し、若しくは所持し、又は当該著作物 若しくは実演等を情を知つて公衆送信し、若しくは送信可能化する行為

9項

第九十四条の二第九十五条の三第三項 若しくは第九十七条の三第三項に規定する報酬 又は第九十五条第一項 若しくは第九十七条第一項に規定する二次使用料を受ける権利は、前項の規定の適用については、著作隣接権とみなす。


この場合において、

前条
著作隣接権者」とあるのは
「著作隣接権者(次条第九項の規定により著作隣接権とみなされる権利を有する者を含む。)」と、

同条第一項
著作隣接権を」とあるのは
「著作隣接権(同項の規定により著作隣接権とみなされる権利を含む。)を」と

する。

10項

国内において頒布することを目的とする商業用レコード(以下 この項において「国内頒布目的商業用レコード」という。)を自ら発行し、又は他の者に発行させている著作権者 又は著作隣接権者が、当該国内頒布目的商業用レコードと同一の商業用レコードであつて、専ら国外において頒布することを目的とするもの(以下 この項において「国外頒布目的商業用レコード」という。)を国外において自ら発行し、又は他の者に発行させている場合において、情を知つて、当該国外頒布目的商業用レコードを国内において頒布する目的をもつて輸入する行為 又は当該国外頒布目的商業用レコードを国内において頒布し、若しくは国内において頒布する目的をもつて所持する行為は、当該国外頒布目的商業用レコードが国内で頒布されることにより当該国内頒布目的商業用レコードの発行により当該著作権者 又は著作隣接権者の得ることが見込まれる利益が不当に害されることとなる場合に限り、それらの著作権 又は著作隣接権を侵害する行為とみなす。


ただし、国内において最初に発行された日から起算して七年を超えない範囲内において政令で定める期間を経過した国内頒布目的商業用レコードと同一の国外頒布目的商業用レコードを輸入する行為 又は当該国外頒布目的商業用レコードを国内において頒布し、若しくは国内において頒布する目的をもつて所持する行為については、この限りでない。

11項

著作者の名誉 又は声望を害する方法によりその著作物を利用する行為は、その著作者人格権を侵害する行為とみなす。

1項

著作物の原作品 若しくは複製物(映画の著作物の複製物(映画の著作物において複製されている著作物にあつては、当該映画の著作物の複製物を含む。)を除く。以下 この条において同じ。)、実演の録音物 若しくは録画物 又はレコードの複製物の譲渡を受けた時において、当該著作物の原作品 若しくは複製物、実演の録音物 若しくは録画物 又はレコードの複製物がそれぞれ第二十六条の二第二項各号第九十五条の二第三項各号 又は第九十七条の二第二項各号のいずれにも該当しないものであることを知らず、かつ、知らないことにつき過失がない者が当該著作物の原作品 若しくは複製物、実演の録音物 若しくは録画物 又はレコードの複製物を公衆に譲渡する行為は、第二十六条の二第一項第九十五条の二第一項 又は第九十七条の二第一項に規定する権利を侵害する行為でないものとみなす。

1項

著作権者等が故意 又は過失により自己の著作権、出版権 又は著作隣接権を侵害した者(以下 この項において「侵害者」という。)に対しその侵害により自己が受けた損害の賠償を請求する場合において、侵害者がその侵害の行為によつて作成された物(第一号において「侵害作成物」という。)を譲渡し、又はその侵害の行為を組成する公衆送信(自動公衆送信の場合にあつては、送信可能化を含む。同号において「侵害組成公衆送信」という。)を行つたときは、次の各号に掲げる額の合計額を、著作権者等が受けた損害の額とすることができる。

一 号

譲渡等数量(侵害者が 譲渡した侵害作成物 及び侵害者が行つた侵害組成公衆送信を公衆が受信して作成した著作物 又は実演等の複製物(以下 この号において「侵害受信複製物」という。)の数量をいう。次号において同じ。)のうち 販売等相応数量(当該著作権者等が当該侵害作成物 又は当該侵害受信複製物を販売するとした場合に その販売のために必要な行為を行う能力に応じた数量をいう。同号において同じ。)を超えない部分(その全部 又は一部に相当する数量を当該著作権者等が販売することができないとする事情があるときは、当該事情に相当する数量(同号において「特定数量」という。)を控除した数量)に、著作権者等が その侵害の行為がなければ販売することができた物の単位数量当たりの利益の額を乗じて得た額

二 号

譲渡等数量のうち販売等相応数量を超える数量 又は特定数量がある場合(著作権者等が、その著作権、出版権 又は著作隣接権の行使をし得たと認められない場合を除く)におけるこれらの数量に応じた当該著作権、出版権 又は著作隣接権の行使につき受けるべき金銭の額に相当する額

2項

著作権者出版権者 又は著作隣接権者が故意 又は過失によりその著作権、出版権 又は著作隣接権を侵害した者に対しその侵害により自己が受けた損害の賠償を請求する場合において、その者がその侵害の行為により利益を受けているときは、その利益の額は、当該著作権者出版権者 又は著作隣接権者が受けた損害の額と推定する。

3項

著作権者出版権者 又は著作隣接権者は、故意 又は過失によりその著作権、出版権 又は著作隣接権を侵害した者に対し、その著作権、出版権 又は著作隣接権の行使につき受けるべき金銭の額に相当する額を自己が受けた損害の額として、その賠償を請求することができる。

4項

著作権者 又は著作隣接権者は、前項の規定によりその著作権 又は著作隣接権を侵害した者に対し損害の賠償を請求する場合において、その著作権 又は著作隣接権が著作権等管理事業法第二条第一項に規定する管理委託契約に基づき著作権等管理事業者管理するものであるときは、当該著作権等管理事業者が定める同法第十三条第一項に規定する使用料規程のうちその侵害の行為に係る著作物等の利用の態様について適用されるべき規定により算出したその著作権 又は著作隣接権に係る著作物等の使用料の額(当該額の算出方法が複数あるときは、当該複数の算出方法によりそれぞれ算出した額のうち最も高い額)をもつて、前項に規定する金銭の額とすることができる。

5項

裁判所は、第一項第二号 及び第三項に規定する著作権、出版権 又は著作隣接権の行使につき受けるべき金銭の額に相当する額を認定するに当たつては、著作権者等が、自己の著作権、出版権 又は著作隣接権の侵害があつたことを前提として当該著作権、出版権 又は著作隣接権を侵害した者との間でこれらの権利の行使の対価について合意をするとしたならば、当該著作権者等が得ることとなる その対価を考慮することができる。

6項

第三項の規定は、同項に規定する金額を超える損害の賠償の請求を妨げない。


この場合において、著作権、出版権 又は著作隣接権を侵害した者に故意 又は重大な過失がなかつたときは、裁判所は、損害の賠償の額を定めるについて、これを参酌することができる。

1項

著作者人格権、著作権、出版権、実演家人格権 又は著作隣接権の侵害に係る訴訟において、著作者著作権者出版権者実演家 又は著作隣接権者が侵害の行為を組成したもの 又は侵害の行為によつて作成されたものとして主張する物の具体的態様を否認するときは、相手方は、自己の行為の具体的態様を明らかにしなければならない。


ただし相手方において明らかにすることができない相当の理由があるときは、この限りでない。

1項

裁判所は、著作者人格権、著作権、出版権、実演家人格権 又は著作隣接権の侵害に係る訴訟においては、当事者の申立てにより、当事者に対し、当該侵害の行為について立証するため、又は当該侵害の行為による損害の計算をするため必要な書類の提出を命ずることができる。


ただし、その書類の所持者においてその提出を拒むことについて正当な理由があるときは、この限りでない。

2項

裁判所は、前項本文の申立てに係る書類が同項本文の書類に該当するかどうか 又は同項ただし書に規定する正当な理由があるかどうかの判断をするため必要があると認めるときは、書類の所持者にその提示をさせることができる。


この場合においては、何人も、その提示された書類の開示を求めることができない

3項

裁判所は、前項の場合において、第一項本文の申立てに係る書類が同項本文の書類に該当するかどうか 又は同項ただし書に規定する正当な理由があるかどうかについて前項後段の書類を開示してその意見を聴くことが必要であると認めるときは、当事者等当事者(法人である場合にあつては、その代表者)又は当事者の代理人(訴訟代理人 及び補佐人を除く)、使用人 その他の従業者をいう。第百十四条の六第一項において同じ。)、訴訟代理人 又は補佐人に対し、当該書類を開示することができる。

4項

裁判所は、第二項の場合において、同項後段の書類を開示して専門的な知見に基づく説明を聴くことが必要であると認めるときは、当事者の同意を得て、民事訴訟法平成八年法律第百九号第一編第五章第二節第一款に規定する専門委員に対し、当該書類を開示することができる。

5項

前各項の規定は、著作者人格権、著作権、出版権、実演家人格権 又は著作隣接権の侵害に係る訴訟における当該侵害の行為について立証するため必要な検証の目的の提示について準用する。

1項

著作権、出版権 又は著作隣接権の侵害に係る訴訟において、当事者の申立てにより、裁判所が当該侵害の行為による損害の計算をするため必要な事項について鑑定を命じたときは、当事者は、鑑定人に対し、当該鑑定をするため必要な事項について説明しなければならない。

1項

著作権、出版権 又は著作隣接権の侵害に係る訴訟において、損害が生じたことが認められる場合において、損害額を立証するために必要な事実を立証することが当該事実の性質上極めて困難であるときは、裁判所は、口頭弁論の全趣旨 及び証拠調べの結果に基づき、相当な損害額を認定することができる。

1項

裁判所は、著作者人格権、著作権、出版権、実演家人格権 又は著作隣接権の侵害に係る訴訟において、その当事者が保有する営業秘密(不正競争防止法平成五年法律第四十七号第二条第六項に規定する営業秘密をいう。以下同じ。)について、次に掲げる事由のいずれにも該当することにつき疎明があつた場合には、当事者の申立てにより、決定で、当事者等訴訟代理人 又は補佐人に対し、当該営業秘密を当該訴訟の追行の目的以外の目的で使用し、又は当該営業秘密に係るこの項の規定による命令を受けた者以外の者に開示してはならない旨を命ずることができる。


ただし、その申立ての時までに当事者等訴訟代理人 又は補佐人第一号に規定する準備書面の閲読 又は同号に規定する証拠の取調べ 若しくは開示以外の方法により当該営業秘密を取得し、又は保有していた場合は、この限りでない。

一 号

既に提出され 若しくは提出されるべき準備書面に当事者の保有する営業秘密が記載され、又は既に取り調べられ 若しくは取り調べられるべき証拠(第百十四条の三第三項の規定により開示された書類を含む。)の内容に当事者の保有する営業秘密が含まれること。

二 号

前号の営業秘密が当該訴訟の追行の目的以外の目的で使用され、又は当該営業秘密が開示されることにより、当該営業秘密に基づく当事者の事業活動に支障を生ずるおそれがあり、これを防止するため当該営業秘密の使用 又は開示を制限する必要があること。

2項

前項の規定による命令(以下「秘密保持命令」という。)の申立ては、次に掲げる事項を記載した書面でしなければならない。

一 号

秘密保持命令を受けるべき者

二 号

秘密保持命令の対象となるべき営業秘密を特定するに足りる事実

三 号

前項各号に掲げる事由に該当する事実

3項

秘密保持命令が発せられた場合には、その決定書を秘密保持命令を受けた者送達しなければならない。

4項

秘密保持命令は、秘密保持命令を受けた者に対する決定書の送達がされた時から、効力を生ずる。

5項

秘密保持命令の申立てを却下した裁判に対しては、即時抗告をすることができる。

1項

秘密保持命令の申立てをした者 又は秘密保持命令を受けた者は、訴訟記録の存する裁判所訴訟記録の存する裁判所がない場合にあつては、秘密保持命令を発した裁判所)に対し、前条第一項に規定する要件を欠くこと 又はこれを欠くに至つたことを理由として、秘密保持命令の取消しの申立てをすることができる。

2項

秘密保持命令の取消しの申立てについての裁判があつた場合には、その決定書をその申立てをした者 及び相手方送達しなければならない。

3項

秘密保持命令の取消しの申立てについての裁判に対しては、即時抗告をすることができる。

4項

秘密保持命令を取り消す裁判は、確定しなければその効力を生じない。

5項

裁判所は、秘密保持命令を取り消す裁判をした場合において、秘密保持命令の取消しの申立てをした者 又は相手方以外に当該秘密保持命令が発せられた訴訟において当該営業秘密に係る秘密保持命令を受けている者があるときは、その者に対し、直ちに、秘密保持命令を取り消す裁判をした旨を通知しなければならない。

1項

秘密保持命令が発せられた訴訟(全ての秘密保持命令が取り消された訴訟を除く)に係る訴訟記録につき、民事訴訟法第九十二条第一項決定があつた場合において、当事者から同項に規定する秘密記載部分の閲覧等の請求があり、かつ、その請求の手続を行つた者が当該訴訟において秘密保持命令を受けていない者であるときは、裁判所書記官は、同項の申立てをした当事者その請求をした者を除く第三項において同じ。)に対し、その請求後直ちに、その請求があつた旨を通知しなければならない。

2項

前項の場合において、裁判所書記官は、同項の請求があつた日から二週間を経過する日までの間(その請求の手続を行つた者に対する秘密保持命令の申立てがその日までにされた場合にあつては、その申立てについての裁判が確定するまでの間)、その請求の手続を行つた者同項の秘密記載部分の閲覧等をさせてはならない。

3項

前二項の規定は、第一項請求をした者同項の秘密記載部分の閲覧等をさせることについて民事訴訟法第九十二条第一項申立てをした当事者のすべての同意があるときは、適用しない

1項

著作者 又は実演家は、故意 又は過失によりその著作者人格権 又は実演家人格権を侵害した者に対し、損害の賠償に代えて、又は損害の賠償とともに、著作者 又は実演家であることを確保し、又は訂正 その他著作者 若しくは実演家の名誉 若しくは声望を回復するために適当な措置を請求することができる。

1項

著作者 又は実演家の死後においては、その遺族死亡した著作者 又は実演家の配偶者、子、父母、孫、祖父母 又は兄弟姉妹をいう。以下 この条において同じ。)は、当該著作者 又は実演家について第六十条 又は第百一条の三の規定に違反する行為をする者 又はするおそれがある者に対し第百十二条の請求を、故意 又は過失により著作者人格権 又は実演家人格権を侵害する行為 又は第六十条 若しくは第百一条の三の規定に違反する行為をした者に対し前条の請求をすることができる。

2項

前項の請求をすることができる遺族の順位は、同項に規定する順序とする。


ただし著作者 又は実演家遺言によりその順位を別に定めた場合は、その順序とする。

3項

著作者 又は実演家は、遺言により、遺族に代えて第一項請求をすることができる者を指定することができる。


この場合において、その指定を受けた者は、当該著作者 又は実演家の死亡の日の属する年の翌年から起算して七十年を経過した後(その経過する時に遺族が存する場合にあつては、その存しなくなつた後)においては、その請求をすることができない

1項

共同著作物の各著作者 又は各著作権者は、他の著作者 又は他の著作権者の同意を得ないで、第百十二条の規定による請求 又はその著作権の侵害に係る自己の持分に対する損害の賠償の請求 若しくは自己の持分に応じた不当利得の返還の請求をすることができる。

2項

前項の規定は、共有に係る著作権 又は著作隣接権の侵害について準用する。

1項

無名 又は変名の著作物の発行者は、その著作物の著作者 又は著作権者のために、自己の名をもつて、第百十二条第百十五条 若しくは第百十六条第一項の請求 又はその著作物の著作者人格権 若しくは著作権の侵害に係る損害の賠償の請求 若しくは不当利得の返還の請求を行なうことができる。


ただし著作者の変名がその者のものとして周知のものである場合 及び第七十五条第一項の実名の登録があつた場合は、この限りでない。

2項

無名 又は変名の著作物の複製物にその実名 又は周知の変名が発行者名として通常の方法により表示されている者は、その著作物の発行者と推定する。

第八章 罰則

1項

著作権、出版権 又は著作隣接権を侵害した者第三十条第一項第百二条第一項において準用する場合を含む。第三項において同じ。)に定める私的使用の目的をもつて自ら著作物 若しくは実演等の複製を行つた者第百十三条第二項第三項 若しくは第六項から第八項までの規定により著作権、出版権 若しくは著作隣接権(同項の規定による場合にあつては、同条第九項の規定により著作隣接権とみなされる権利を含む。第百二十条の二第五号において同じ。)を侵害する行為とみなされる行為を行つた者、第百十三条第十項の規定により著作権 若しくは著作隣接権を侵害する行為とみなされる行為を行つた者 又は次項第三号 若しくは第六号に掲げる者を除く)は、十年以下の懲役 若しくは千万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。

2項

次の各号いずれかに該当する者は、五年以下の懲役 若しくは五百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。

一 号

著作者人格権 又は実演家人格権を侵害した者第百十三条第八項の規定により著作者人格権 又は実演家人格権を侵害する行為とみなされる行為を行つた者を除く

二 号

営利を目的として、第三十条第一項第一号に規定する自動複製機器を著作権、出版権 又は著作隣接権の侵害となる著作物 又は実演等の複製に使用させた者

三 号

第百十三条第一項の規定により著作権、出版権 又は著作隣接権を侵害する行為とみなされる行為を行つた者

四 号

侵害著作物等利用容易化ウェブサイト等の公衆への提示を行つた者当該侵害著作物等利用容易化ウェブサイト等と侵害著作物等利用容易化ウェブサイト等以外の相当数のウェブサイト等(第百十三条第四項に規定するウェブサイト等をいう。以下 この号 及び次号において同じ。)とを包括しているウェブサイト等において、単に当該公衆への提示の機会を提供したに過ぎない者(著作権者等からの当該侵害著作物等利用容易化ウェブサイト等において提供されている侵害送信元識別符号等の削除に関する請求に正当な理由なく応じない状態が相当期間にわたり継続していたこと その他の著作権者等の利益を不当に害すると認められる特別な事情がある場合を除く)を除く

五 号

侵害著作物等利用容易化プログラムの公衆への提供等を行つた者当該公衆への提供等のために用いられているウェブサイト等とそれ以外の相当数のウェブサイト等とを包括しているウェブサイト等 又は当該侵害著作物等利用容易化プログラム 及び侵害著作物等利用容易化プログラム以外の相当数のプログラムの公衆への提供等のために用いられているウェブサイト等において、単に当該侵害著作物等利用容易化プログラムの公衆への提供等の機会を提供したに過ぎない者(著作権者等からの当該侵害著作物等利用容易化プログラムにより提供されている侵害送信元識別符号等の削除に関する請求に正当な理由なく応じない状態が相当期間にわたり継続していたこと その他の著作権者等の利益を不当に害すると認められる特別な事情がある場合を除く)を除く

六 号

第百十三条第五項の規定により著作権を侵害する行為とみなされる行為を行つた者

3項

次の各号いずれかに該当する者は、二年以下の懲役 若しくは二百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。

一 号

第三十条第一項に定める私的使用の目的をもつて、録音録画有償著作物等(録音され、又は録画された著作物 又は実演等(著作権 又は著作隣接権の目的となつているものに限る)であつて、有償で公衆に提供され、又は提示されているもの(その提供 又は提示が著作権 又は著作隣接権を侵害しないものに限る)をいう。)の著作権を侵害する自動公衆送信(国外で行われる自動公衆送信であつて、国内で行われたとしたならば著作権の侵害となるべきものを含む。)又は著作隣接権を侵害する送信可能化(国外で行われる送信可能化であつて、国内で行われたとしたならば著作隣接権の侵害となるべきものを含む。)に係る自動公衆送信を受信して行うデジタル方式の録音 又は録画(以下 この号 及び次項において「有償著作物等特定侵害録音録画」という。)を、自ら有償著作物等特定侵害録音録画であることを知りながら行つて著作権 又は著作隣接権を侵害した者

二 号

第三十条第一項に定める私的使用の目的をもつて、著作物(著作権の目的となつているものに限る。以下 この号において同じ。)であつて有償で公衆に提供され、又は提示されているもの(その提供 又は提示が著作権を侵害しないものに限る)の著作権(第二十八条に規定する権利(翻訳以外の方法により創作された二次的著作物に係るものに限る)を除く。以下 この号 及び第五項において同じ。)を侵害する自動公衆送信(国外で行われる自動公衆送信であつて、国内で行われたとしたならば著作権の侵害となるべきものを含む。)を受信して行うデジタル方式の複製(録音 及び録画を除く。以下 この号において同じ。)(当該著作物のうち当該複製がされる部分の占める割合、当該部分が自動公衆送信される際の表示の精度 その他の要素に照らし軽微なものを除く。以下 この号 及び第五項において「有償著作物特定侵害複製」という。)を、自ら有償著作物特定侵害複製であることを知りながら行つて著作権を侵害する行為(当該著作物の種類 及び用途 並びに当該有償著作物特定侵害複製の態様に照らし著作権者の利益を不当に害しないと認められる特別な事情がある場合を除く)を継続的に 又は反復して行つた者

4項

前項第一号に掲げる者には、有償著作物等特定侵害録音録画を、自ら有償著作物等特定侵害録音録画であることを重大な過失により知らないで行つて著作権 又は著作隣接権を侵害した者を含むものと解釈してはならない。

5項

第三項第二号に掲げる者には、有償著作物特定侵害複製を、自ら有償著作物特定侵害複製であることを重大な過失により知らないで行つて著作権を侵害する行為を継続的に 又は反復して行つた者を含むものと解釈してはならない。

1項

第六十条 又は第百一条の三の規定に違反した者は、五百万円以下の罰金に処する。

1項

次の各号いずれかに該当する者は、三年以下の懲役 若しくは三百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。

一 号

技術的保護手段の回避 若しくは技術的利用制限手段の回避を行うことをその機能とする装置(当該装置の部品一式であつて容易に組み立てることができるものを含む。)若しくは技術的保護手段の回避 若しくは技術的利用制限手段の回避を行うことをその機能とするプログラムの複製物を公衆に譲渡し、若しくは貸与し、公衆への譲渡 若しくは貸与の目的をもつて製造し、輸入し、若しくは所持し、若しくは公衆の使用に供し、又は当該プログラムを公衆送信し、若しくは送信可能化する行為(当該装置 又は当該プログラムが当該機能以外の機能を併せて有する場合にあつては、著作権等を侵害する行為を技術的保護手段の回避により可能とし、又は第百十三条第六項の規定により著作権、出版権 若しくは著作隣接権を侵害する行為とみなされる行為を技術的利用制限手段の回避により可能とする用途に供するために行うものに限る)をした者

二 号

業として公衆からの求めに応じて技術的保護手段の回避 又は技術的利用制限手段の回避を行つた者

三 号

第百十三条第二項の規定により著作権、出版権 又は著作隣接権を侵害する行為とみなされる行為を行つた者

四 号

第百十三条第七項の規定により技術的保護手段に係る著作権等 又は技術的利用制限手段に係る著作権、出版権 若しくは著作隣接権を侵害する行為とみなされる行為を行つた者

五 号

営利を目的として、第百十三条第八項の規定により著作者人格権、著作権、出版権、実演家人格権 又は著作隣接権を侵害する行為とみなされる行為を行つた者

六 号

営利を目的として、第百十三条第十項の規定により著作権 又は著作隣接権を侵害する行為とみなされる行為を行つた者

1項

著作者でない者の実名 又は周知の変名を著作者名として表示した著作物の複製物(原著作物の著作者でない者の実名 又は周知の変名を原著作物の著作者名として表示した二次的著作物の複製物を含む。)を頒布した者は、一年以下の懲役 若しくは百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。

1項

次の各号に掲げる商業用レコード(当該商業用レコードの複製物(二以上の段階にわたる複製に係る複製物を含む。)を含む。)を商業用レコードとして複製し、その複製物を頒布し、その複製物を頒布の目的をもつて所持し、又はその複製物を頒布する旨の申出をした者当該各号の原盤に音を最初に固定した日の属する年の翌年から起算して七十年を経過した後において当該複製、頒布、所持 又は申出を行つた者を除く)は、一年以下の懲役 若しくは百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。

一 号

国内において商業用レコードの製作を業とする者が、レコード製作者からそのレコード(第八条各号いずれかに該当するものを除く)の原盤の提供を受けて製作した商業用レコード

二 号

国外において商業用レコードの製作を業とする者が、実演家等保護条約の締約国の国民、世界貿易機関の加盟国の国民 又はレコード保護条約の締約国の国民当該締約国の法令に基づいて設立された法人 及び当該締約国に主たる事務所を有する法人を含む。)であるレコード製作者からそのレコード(第八条各号いずれかに該当するものを除く)の原盤の提供を受けて製作した商業用レコード

1項

第四十八条 又は第百二条第二項の規定に違反した者は、五十万円以下の罰金に処する。

1項

秘密保持命令に違反した者は、五年以下の懲役 若しくは五百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。

2項

前項の罪は、国外において同項の罪を犯した者にも適用する。

1項

第百十九条第一項から第三項まで第百二十条の二第三号から第六号まで第百二十一条の二 及び前条第一項の罪は、告訴がなければ公訴を提起することができない

2項

前項の規定は、次に掲げる行為の対価として財産上の利益を受ける目的 又は有償著作物等の提供 若しくは提示により著作権者等の得ることが見込まれる利益を害する目的で、次の各号いずれかに掲げる行為を行うことにより犯した第百十九条第一項の罪については、適用しない

一 号

有償著作物等について、原作のまま複製された複製物を公衆に譲渡し、又は原作のまま公衆送信(自動公衆送信の場合にあつては、送信可能化を含む。次号において同じ。)を行うこと(当該有償著作物等の種類 及び用途、当該譲渡の部数、当該譲渡 又は公衆送信の態様 その他の事情に照らして、当該有償著作物等の提供 又は提示により著作権者等の得ることが見込まれる利益が不当に害されることとなる場合に限る)。

二 号

有償著作物等について、原作のまま複製された複製物を公衆に譲渡し、又は原作のまま公衆送信を行うために、当該有償著作物等を複製すること(当該有償著作物等の種類 及び用途、当該複製の部数 及び態様 その他の事情に照らして、当該有償著作物等の提供 又は提示により著作権者等の得ることが見込まれる利益が不当に害されることとなる場合に限る)。

3項

前項に規定する有償著作物等とは、著作物 又は実演等(著作権、出版権 又は著作隣接権の目的となつているものに限る)であつて、有償公衆に提供され、又は提示されているもの(その提供 又は提示が著作権、出版権 又は著作隣接権を侵害するもの(国外で行われた提供 又は提示にあつては、国内で行われたとしたならばこれらの権利の侵害となるべきもの)を除く)をいう。

4項

無名 又は変名の著作物の発行者は、その著作物に係る第一項に規定する罪について告訴をすることができる。


ただし第百十八条第一項ただし書に規定する場合 及び当該告訴が著作者の明示した意思に反する場合は、この限りでない。

1項

法人の代表者(法人格を有しない社団 又は財団の管理人を含む。)又は法人 若しくは人の代理人、使用人 その他の従業者が、その法人 又は人の業務に関し、次の各号に掲げる規定の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人に対して当該各号に定める罰金刑を、その人に対して各本条の罰金刑を科する。

一 号

第百十九条第一項 若しくは第二項第三号から第六号まで 又は第百二十二条の二第一項

三億円以下の罰金刑

二 号

第百十九条第二項第一号 若しくは第二号 又は第百二十条から第百二十二条まで

各本条の罰金刑

2項

法人格を有しない社団 又は財団について前項の規定の適用がある場合には、その代表者 又は管理人がその訴訟行為につきその社団 又は財団を代表するほか、法人を被告人 又は被疑者とする場合の刑事訴訟に関する法律の規定を準用する。

3項

第一項の場合において、当該行為者に対してした告訴 又は告訴の取消しは、その法人 又は人に対しても効力を生じ、その法人 又は人に対してした告訴 又は告訴の取消しは、当該行為者に対しても効力を生ずるものとする。

4項

第一項の規定により第百十九条第一項 若しくは第二項 又は第百二十二条の二第一項の違反行為につき法人 又は人に罰金刑を科する場合における時効の期間は、これらの規定の罪についての時効の期間による。