裁判員の参加する刑事裁判に関する法律

# 平成十六年法律第六十三号 #
略称 : 裁判員法 

第二款 区分事件審判

分類 法律
カテゴリ   司法
@ 施行日 : 令和六年二月十五日 ( 2024年 2月15日 )
@ 最終更新 : 令和五年法律第二十八号による改正
最終編集日 : 2024年 07月20日 08時25分

1項

区分事件の審理において、証拠調べが終わった後、検察官は、次条第二項第一号 及び第三号から第五号まで 並びに第三項各号に掲げる事項に係る事実 及び法律の適用について意見を陳述しなければならない。

2項

区分事件の審理において、証拠調べが終わった後、被告人 及び弁護人は、当該区分事件について意見を陳述することができる。

3項

区分事件の審理において、裁判所は、区分事件に含まれる被告事件に係る被害者参加人刑事訴訟法第三百十六条の三十三第三項に規定する被害者参加人をいう。第八十九条第一項において同じ。)又はその委託を受けた弁護士から、第一項に規定する事項に係る事実 又は法律の適用について意見を陳述することの申出がある場合において、審理の状況、申出をした者の数 その他の事情を考慮し、相当と認めるときは、公判期日において、同項の規定による検察官の意見の陳述の後に、訴因として特定された事実の範囲内で、申出をした者がその意見を陳述することを許すものとする。

4項

刑事訴訟法第三百十六条の三十八第二項から第四項までの規定は、前項の規定による意見の陳述について準用する。

5項

刑事訴訟法第三百十六条の三十七の規定は、第三項の規定による意見の陳述をするための被告人に対する質問について準用する。

1項

区分事件に含まれる被告事件について、犯罪の証明があったときは、刑事訴訟法第三百三十三条 及び第三百三十四条の規定にかかわらず、部分判決で有罪の言渡しをしなければならない。

2項

部分判決で有罪の言渡しをするには、刑事訴訟法第三百三十五条第一項の規定にかかわらず、次に掲げる事項を示さなければならない。

一 号
罪となるべき事実
二 号
証拠の標目
三 号

罰条の適用 並びに刑法明治四十年法律第四十五号第五十四条第一項の規定の適用 及びその適用に係る判断

四 号

法律上犯罪の成立を妨げる理由となる事実に係る判断

五 号

法律上刑を減免し 又は減免することができる理由となる事実に係る判断

3項

部分判決で有罪の言渡しをする場合は、次に掲げる事項を示すことができる。

一 号

犯行の動機、態様 及び結果 その他の罪となるべき事実に関連する情状に関する事実

二 号

没収、追徴 及び被害者還付の根拠となる事実 並びにこれらに関する規定の適用に係る判断

4項

区分事件の審理において第二項第四号 又は第五号に規定する事実が主張されたときは、刑事訴訟法第三百三十五条第二項の規定にかかわらず、部分判決において、これに対する判断を示さなければならない。

5項

第六十三条の規定は、第一項の規定による部分判決の宣告をする場合について準用する。

1項

区分事件に含まれる被告事件について、刑事訴訟法第三百二十九条の規定による管轄違いの判決、同法第三百三十六条の規定による無罪の判決、同法第三百三十七条の規定による免訴の判決 又は同法第三百三十八条の規定による公訴棄却の判決の言渡しをしなければならない事由があるときは、部分判決でその旨の言渡しをしなければならない。

1項

部分判決に対しては、刑事訴訟法第三百七十二条の規定にかかわらず控訴をすることができない

1項

第七十九条の部分判決は、当該部分判決をした事件に係る弁論を刑事訴訟法第三百十三条第一項の決定により分離した場合には、その決定を告知した時に、終局の判決となるものとする。

1項

区分事件審判に関する公判調書は、刑事訴訟法第四十八条第三項の規定にかかわらず、各公判期日後速やかに、遅くとも当該区分事件についての部分判決を宣告するまでにこれを整理しなければならない。


ただし、部分判決を宣告する公判期日の調書 及び公判期日から部分判決を宣告する日までの期間が十日に満たない場合における当該公判期日の調書は、それぞれその公判期日後十日以内に、整理すれば足りる。

2項

前項の公判調書に係る刑事訴訟法第五十一条第一項の規定による異議の申立ては、同条第二項の規定にかかわらず、遅くとも当該区分事件審判における最終の公判期日後十四日以内前項ただし書の規定により部分判決を宣告する公判期日後に整理された調書については、整理ができた日から十四日以内)にこれをしなければならない。

1項

区分事件に含まれる被告事件についての公訴は、刑事訴訟法第二百五十七条の規定にかかわらず、当該区分事件について部分判決の宣告があった後は、これを取り消すことができない

2項

刑事訴訟法第四百六十五条第一項の規定による正式裁判の請求があった被告事件について、区分審理決定があったときは、同法第四百六十六条の規定にかかわらず、当該被告事件を含む区分事件について部分判決の宣告があった後は、当該請求を取り下げることができない

3項

前項の区分審理決定があった場合には、同項の請求に係る略式命令は、刑事訴訟法第四百六十九条の規定にかかわらず、当該被告事件について終局の判決があったときに、その効力を失う。

1項

区分事件審判に係る職務を行う裁判員 及び補充裁判員の任務は、第四十八条の規定にかかわらず次の各号いずれかに該当するときに終了する。

一 号

当該区分事件について部分判決の宣告をしたとき。

二 号

当該区分事件に含まれる被告事件の全部について刑事訴訟法第三百三十九条第一項の規定による公訴を棄却する決定がされたとき。

三 号

当該区分事件について第七十四条の決定がされたとき。

1項

前条の規定により区分事件審判に係る職務を行う裁判員の任務が終了し、新たに第二条第一項合議体に他の区分事件審判に係る職務を行う裁判員が加わった場合には、第六十一条第一項の規定にかかわらず、公判手続の更新は行わないものとする。