貸金業法

# 昭和五十八年法律第三十二号 #
略称 : ノンバンク規制法 

第四十一条の五十 # 指定紛争解決機関による紛争解決手続

@ 施行日 : 令和五年六月十六日 ( 2023年 6月16日 )
@ 最終更新 : 令和五年法律第六十三号による改正

1項
加入貸金業者に係る貸金業務関連紛争の解決を図るため、当事者は、当該加入貸金業者が手続実施基本契約を締結した指定紛争解決機関に対し、紛争解決手続の申立てをすることができる。
2項

指定紛争解決機関は、前項の申立てを受けたときは、紛争解決委員を選任するものとする。

3項

紛争解決委員は、人格が高潔で識見の高い者であつて、次の各号いずれかに該当する者(第一項の申立てに係る当事者と利害関係を有する者を除く)のうちから選任されるものとする。


この場合において、紛争解決委員のうち少なくとも一人は、第一号 又は第三号当該申立てが司法書士法第三条第一項第七号に規定する紛争に係るものである場合にあつては、第一号第三号 又は第四号)のいずれかに該当する者でなければならない。

一 号

弁護士であつてその職務に従事した期間が通算して五年以上である者

二 号

貸金業務に従事した期間が通算して十年以上である者

三 号
消費生活に関する消費者と事業者との間に生じた苦情に係る相談 その他の消費生活に関する事項について専門的な知識経験を有する者として内閣府令で定める者
四 号

当該申立てが司法書士法第三条第一項第七号に規定する紛争に係るものである場合にあつては、同条第二項に規定する司法書士であつて同項に規定する簡裁訴訟代理等関係業務に従事した期間が通算して五年以上である者

五 号

前各号に掲げる者に準ずる者として内閣府令で定める者

4項

指定紛争解決機関は、第一項の申立てを第二項の規定により選任した紛争解決委員(以下 この条 及び次条第一項において単に「紛争解決委員」という。)による紛争解決手続に付するものとする。


ただし、紛争解決委員は、当該申立てに係る当事者である加入貸金業者に係る資金需要者等が当該貸金業務関連紛争を適切に解決するに足りる能力を有する者であると認められること その他の事由により紛争解決手続を行うのに適当でないと認めるとき、又は当事者が不当な目的でみだりに第一項の申立てをしたと認めるときは、紛争解決手続を実施しないものとし、紛争解決委員が当該申立てを受託紛争解決機関における紛争解決手続に相当する手続に付することが適当と認めるときは、指定紛争解決機関は、受託紛争解決機関に紛争解決手続の業務を委託するものとする。

5項

前項ただし書の規定により紛争解決委員が紛争解決手続を実施しないこととしたとき、又は受託紛争解決機関に業務を委託することとしたときは、指定紛争解決機関は、第一項の申立てをした者に対し、その旨を理由を付して通知するものとする。

6項

紛争解決委員は、当事者 若しくは参考人から意見を聴取し、若しくは報告書の提出を求め、又は当事者から参考となるべき帳簿書類 その他の物件の提出を求め、和解案を作成して、その受諾を勧告し、又は特別調停(第四十一条の四十四第六項に規定する特別調停案を提示することをいう。)をすることができる。

7項

紛争解決手続は、公開しない。


ただし、紛争解決委員は、当事者の同意を得て、相当と認める者の傍聴を許すことができる。

8項

指定紛争解決機関は、紛争解決手続の開始に先立ち、当事者である加入貸金業者に係る資金需要者等に対し、内閣府令で定めるところにより、次に掲げる事項について、これを記載した書面を交付し、又はこれを記録した電磁的記録を提供して説明をしなければならない。

一 号
当該資金需要者等が支払う料金に関する事項
二 号

第四十一条の四十四第四項第六号に規定する紛争解決手続の開始から終了に至るまでの標準的な手続の進行

三 号

前二号に掲げるもののほか、内閣府令で定める事項

9項

指定紛争解決機関は、内閣府令で定めるところにより、その実施した紛争解決手続に関し、次に掲げる事項を記載した手続実施記録を作成し、保存しなければならない。

一 号
貸金業務関連紛争の当事者が紛争解決手続の申立てをした年月日
二 号
貸金業務関連紛争の当事者 及びその代理人の氏名、商号 又は名称
三 号
紛争解決委員の氏名
四 号
紛争解決手続の実施の経緯
五 号

紛争解決手続の結果(紛争解決手続の終了の理由 及びその年月日を含む。

六 号

前各号に掲げるもののほか、実施した紛争解決手続の内容を明らかにするために必要な事項であつて内閣府令で定めるもの