道路交通法

# 昭和三十五年法律第百五号 #
略称 : 道交法 

第八十一条 # 違法工作物等に対する措置

@ 施行日 : 令和六年五月二十四日 ( 2024年 5月24日 )
@ 最終更新 : 令和六年法律第三十四号による改正

1項

警察署長は、次の各号いずれかに該当する者に対し、当該違反行為に係る工作物 又は物件(以下 この節において「工作物等」という。)の除去、移転 又は改修、当該違反行為に係る工事 又は作業(以下 この節において「工事等」という。)の中止 その他当該違反行為に係る工作物等 又は工事等について、道路における危険を防止し、又は交通の妨害を排除するため必要な措置をとることを命ずることができる。

一 号

第七十六条第一項 又は第二項の規定に違反して工作物等を設置した者

二 号

第七十六条第三項の規定に違反して物件を置いた者

三 号

第七十七条第一項の規定に違反して工作物等を設置し、又は工事等を行なつた者

四 号

第七十七条第三項 又は第四項の規定による所轄警察署長が付した条件に違反した者

五 号

第七十七条第七項の規定に違反して当該工作物の除去 その他道路を原状に回復する措置を講じなかつた者

2項

警察署長は、前項第一号第二号 又は第三号に掲げる者の氏名 及び住所を知ることができないため、これらの者に対し、前項の規定による措置をとることを命ずることができないときは、自ら当該措置をとることができる。


この場合において、工作物等を除去したときは、警察署長は、当該工作物等を保管しなければならない。

3項

警察署長は、前項後段の規定により工作物等を保管したときは、当該工作物等の占有者、所有者 その他当該工作物等について権原を有する者(以下 この条 及び第八十二条において「占有者等」という。)に対し当該工作物等を返還するため、政令で定めるところにより政令で定める事項を公示し、その他政令で定める必要な措置を講じなければならない。

4項

警察署長は、第二項の規定により保管した工作物等が滅失し、若しくは破損するおそれがあるとき、又は前項の規定による公示の日から起算して三月を経過してもなお当該工作物等を返還することができない場合において、政令で定めるところにより評価した当該工作物等の価額に比し、その保管に不相当な費用 若しくは手数を要するときは、政令で定めるところにより、当該工作物等を売却し、その売却した代金を保管することができる。

5項

警察署長は、前項の規定による工作物等の売却につき買受人がない場合において、同項に規定する価額が著しく低いときは、当該工作物等を廃棄することができる。

6項

第四項の規定により売却した代金は、売却に要した費用に充てることができる。

7項

第二項から第四項までに規定する工作物等の除去、移転、改修、保管、売却、公示等に要した費用は、当該工作物等の返還を受けるべき占有者等の負担とする。

8項

警察署長は、前項の規定により占有者等の負担とされる負担金につき納付すべき金額、納付の期限 及び場所を定め、これらの者に対し、文書で その納付を命じなければならない。

9項

警察署長は、前項の規定により納付を命ぜられた者が納付の期限を経過しても負担金を納付しないときは、督促状によつて納付すべき期限を指定して督促しなければならない。


この場合において、警察署長は、負担金につき年十四・五パーセントの割合により計算した額の範囲内の延滞金 及び督促に要した手数料を徴収することができる。

10項

前項の規定による督促を受けた者がその指定期限までに負担金 並びに同項後段の延滞金 及び手数料以下この条において「負担金等」という。)を納付しないときは、警察署長は、地方税の滞納処分の例により負担金等を徴収することができる。


この場合における負担金等の先取特権の順位は、国税 及び地方税に次ぐものとする。

11項

納付され、又は徴収された負担金等は、当該警察署の属する都道府県の収入とする。

12項

第三項に規定する公示の日から起算して六月を経過しても なお第二項の規定により保管した工作物等(第四項の規定により売却した代金を含む。以下 この項において同じ。)を返還することができないときは、当該工作物等の所有権は、当該警察署の属する都道府県に帰属する。