陪審法

# 大正十二年法律第五十号 #

第一章 総則

分類 法律
カテゴリ   刑事
最終編集日 : 2024年 11月23日 19時24分


1項

裁判所ハ 本法ノ定ムル所ニ依リ 刑事事件ニ付 陪審ノ評議ニ付シテ事実ノ判断ヲ為スコトヲ得

1項

死刑 又ハ無期ノ懲役 若ハ 禁錮ニ該ル事件ハ之ヲ陪審ノ評議ニ付ス

1項

長期三年ヲ超ユル有期ノ懲役 又ハ 禁錮ニ該ル事件ニシテ地方裁判所ノ管轄ニ属スルモノニ付 被告人ノ請求アリタルトキハ之ヲ陪審ノ評議ニ付ス

1項

左ニ掲クル罪ニ該ル事件ハ前二条ノ規定ニ拘ラス 之ヲ陪審ノ評議ニ付セス

一 号
大審院ノ特別権限ニ属スル罪
二 号

刑法第二編第一章乃至第四章及第八章ノ罪

三 号
治安維持法ノ罪
四 号

軍機保護法、陸軍刑法 又ハ海軍刑法ノ罪 其ノ他軍機ニ関シ犯シタル罪

五 号

法令ニ依リテ行フ 公選ニ関シ犯シタル罪

1項

第三条ノ請求ハ第一回公判期日前ニ之ヲ為スヘシ


但シ其ノ期日前ト雖最初ニ定メタル公判期日ノ召喚ヲ受ケタル日ヨリ十日ヲ経過シタルトキハ之ヲ為スコトヲ得ス

1項

被告人ハ検察官ノ被告事件陳述前ハ何時ニテモ事件ヲ陪審ノ評議ニ付スルコトヲ辞シ 又ハ請求ヲ取下クルコトヲ得

○2項

前項ノ場合ニ於テハ事件ヲ 陪審ノ評議ニ付スルコトヲ得ス

1項

被告人公判 又ハ公判準備ニ於ケル取調ニ於テ公訴事実ヲ認メタルトキハ事件ヲ 陪審ノ評議ニ付スルコトヲ得ス


但シ 共同被告人中公訴事実ヲ認メサル者アルトキハ此ノ限ニ在ラス

1項

地方ノ情況ニ由リ 陪審ノ評議公平ヲ失スルノ虞アルトキハ検察官ハ 直近上級裁判所ニ管轄移転ノ請求ヲ為スコトヲ得

○2項

公判ニ繋属スル事件ニ付前項ノ請求アリタルトキハ訴訟手続ヲ停止スヘシ

1項

前条第一項ノ請求ヲ為スニハ理由ヲ附シタル請求書ヲ 管轄裁判所ニ差出スヘシ

○2項

前項ノ請求書ヲ差出スニハ管轄裁判所ニ対応スル検察庁ノ 検察官ヲ経由スヘシ

○3項

公判ニ繋属スル事件ニ付 管轄移転ノ請求ヲ為シタルトキハ速ニ其ノ旨ヲ裁判所ニ通知シ 且請求書ノ謄本ヲ被告人ニ交付スヘシ

○4項

被告人ハ謄本ノ交付ヲ受ケタル日ヨリ三日内ニ意見書ヲ差出スコトヲ得

○5項

管轄裁判所ハ検察官ノ意見ヲ聴キ 決定ヲ為スヘシ

1項
管轄移転ノ請求アリタルトキハ被告人ハ検察官ノ被告事件陳述後ト雖其ノ決定アル迄事件ヲ陪審ノ評議ニ付スルコトヲ辞シ又ハ請求ヲ取下クルコトヲ得
○2項
被告人事件ヲ陪審ノ評議ニ付スルコトヲ辞シ又ハ請求ヲ取下ケタルニ因リ事件陪審ノ評議ニ付スヘカラサルニ至リタルトキハ検察官ノ管轄移転ノ請求ハ之ヲ取下ケタルモノト看做ス
○3項

共同被告人中事件ヲ陪審ノ評議ニ付スルコトヲ辞シ又ハ請求ヲ取下ケタル者アルトキハ其ノ被告人ニ関スル管轄移転ノ請求ニ付亦前項ニ同シ

1項
上訴裁判所ニ於テハ事件ヲ陪審ノ評議ニ付スルコトヲ得ス