アイヌの人々の誇りが尊重される社会を実現するための施策の推進に関する法律

# 平成三十一年法律第十六号 #
略称 : アイヌ施策推進法 

第四章 アイヌ施策推進地域計画の認定等

分類 法律
カテゴリ   文化
@ 施行日 : 令和四年六月十七日 ( 2022年 6月17日 )
@ 最終更新 : 令和四年法律第六十八号による改正
最終編集日 : 2024年 06月23日 06時05分


1項

市町村は、単独で 又は共同して、基本方針に基づき(当該市町村を包括する都道府県の知事が都道府県方針を定めているときは、基本方針に基づくとともに、当該都道府県方針を勘案して)、内閣府令で定めるところにより、当該市町村の区域内におけるアイヌ施策を推進するための計画(以下「アイヌ施策推進地域計画」という。)を作成し、内閣総理大臣の認定を申請することができる。

2項

アイヌ施策推進地域計画には、次に掲げる事項を記載するものとする。

一 号
アイヌ施策推進地域計画の目標
二 号

アイヌ施策の推進に必要な次に掲げる事業に関する事項

アイヌ文化の保存 又は継承に資する事業

アイヌの伝統等に関する理解の促進に資する事業

観光の振興 その他の産業の振興に資する事業

地域内 若しくは地域間の交流 又は国際交流の促進に資する事業

その他内閣府令で定める事業
三 号
計画期間
四 号
その他内閣府令で定める事項
3項

市町村は、アイヌ施策推進地域計画を作成しようとするときは、これに記載しようとする前項第二号に規定する事業を実施する者の意見を聴かなければならない。

4項

第二項第二号除く)に規定する事業に関する事項には、アイヌにおいて継承されてきた儀式の実施 その他のアイヌ文化の振興等に利用するための林産物を国有林野(国有林野の管理経営に関する法律昭和二十六年法律第二百四十六号第二条第一項に規定する国有林野をいう。第十六条第一項において同じ。)において採取する事業に関する事項を記載することができる。

5項

前項に定めるもののほか第二項第二号除く)に規定する事業に関する事項には、アイヌにおいて継承されてきた儀式 若しくは漁法(以下 この項において「儀式等」という。)の保存 若しくは継承 又は儀式等に関する知識の普及 及び啓発に利用するためのさけを内水面(漁業法昭和二十四年法律第二百六十七号第六十条第五項第五号に規定する内水面をいう。)において採捕する事業(以下 この条 及び第十七条において「内水面さけ採捕事業」という。)に関する事項を記載することができる。


この場合においては、内水面さけ採捕事業ごとに、当該内水面さけ採捕事業を実施する区域を記載するものとする。

6項

前二項に定めるもののほか第二項第二号に係る部分に限る)に規定する事業に関する事項には、当該市町村における地域の名称 又はその略称を含む商標の使用をし、又は使用をすると見込まれる商品 又は役務の需要の開拓を行う事業(以下 この項 及び第十八条において「商品等需要開拓事業」という。)に関する事項を記載することができる。


この場合においては、商品等需要開拓事業ごとに、当該商品等需要開拓事業の目標 及び実施期間を記載するものとする。

7項

第二項第二号イからホまでのいずれかの事業を実施しようとする者は、市町村に対して、アイヌ施策推進地域計画を作成することを提案することができる。


この場合においては、基本方針に即して、当該提案に係るアイヌ施策推進地域計画の素案を作成して、これを提示しなければならない。

8項

前項の規定による提案を受けた市町村は、当該提案に基づきアイヌ施策推進地域計画を作成するか否かについて、遅滞なく、当該提案をした者通知しなければならない。


この場合において、アイヌ施策推進地域計画を作成しないこととするときは、その理由を明らかにしなければならない。

9項

内閣総理大臣は、第一項の規定による認定の申請があった場合において、アイヌ施策推進地域計画が次に掲げる基準に適合すると認めるときは、その認定をするものとする。

一 号
基本方針に適合するものであること。
二 号

当該アイヌ施策推進地域計画の実施が当該地域におけるアイヌ施策の推進に相当程度寄与するものであると認められること。

三 号

円滑かつ確実に実施されると見込まれるものであること。

10項

内閣総理大臣は、前項の認定を行うに際し必要と認めるときは、アイヌ政策推進本部に対し、意見を求めることができる。

11項

内閣総理大臣は、第九項認定をしようとするときは、その旨を当該認定に係るアイヌ施策推進地域計画を作成した市町村を包括する都道府県の知事通知しなければならない。


この場合において、当該都道府県の知事が都道府県方針を定めているときは、同項の認定に関し、内閣総理大臣に対し、意見を述べることができる。

12項

内閣総理大臣は、アイヌ施策推進地域計画に特定事業関係事項(第四項から第六項までいずれかに規定する事項をいう。以下同じ。)が記載されている場合において、第九項認定をしようとするときは、当該特定事業関係事項について、当該特定事業関係事項に係る国の関係行政機関の長以下単に「国の関係行政機関の長」という。)の同意を得なければならない。

13項

内閣総理大臣は、アイヌ施策推進地域計画に内水面さけ採捕事業に関する事項が記載されている場合において、第九項認定をしようとするときは、当該アイヌ施策推進地域計画を作成した市町村(市町村が共同して作成したときは、当該内水面さけ採捕事業を実施する区域を含む市町村に限る)を包括する都道府県の知事の意見を聴かなければならない。

14項

内閣総理大臣は、第九項認定をしたときは、遅滞なく、その旨を公示しなければならない。

1項

市町村は、前条第九項の認定を受けたアイヌ施策推進地域計画の変更(内閣府令で定める軽微な変更を除く)をしようとするときは、内閣総理大臣の認定を受けなければならない。

2項

前条第三項から第十四項までの規定は、同条第九項の認定を受けたアイヌ施策推進地域計画の変更について準用する。

1項

内閣総理大臣は、第十条第九項の認定(前条第一項の変更の認定を含む。)を受けた市町村以下「認定市町村」という。)に対し、第十条第九項の認定を受けたアイヌ施策推進地域計画(前条第一項の変更の認定があったときは、その変更後のもの。以下「認定アイヌ施策推進地域計画」という。)の実施の状況について報告を求めることができる。

2項

国の関係行政機関の長は、認定アイヌ施策推進地域計画に特定事業関係事項が記載されている場合には、認定市町村に対し、当該特定事業関係事項の実施の状況について報告を求めることができる。

1項

内閣総理大臣は、認定アイヌ施策推進地域計画の適正な実施のため必要があると認めるときは、認定市町村に対し、当該認定アイヌ施策推進地域計画の実施に関し必要な措置を講ずることを求めることができる。

2項

国の関係行政機関の長は、認定アイヌ施策推進地域計画に特定事業関係事項が記載されている場合において、当該特定事業関係事項の適正な実施のため必要があると認めるときは、認定市町村に対し、当該特定事業関係事項の実施に関し必要な措置を講ずることを求めることができる。

1項

内閣総理大臣は、認定アイヌ施策推進地域計画が第十条第九項各号のいずれかに適合しなくなったと認めるときは、その認定を取り消すことができる。


この場合において、当該認定アイヌ施策推進地域計画に特定事業関係事項が記載されているときは、内閣総理大臣は、あらかじめ、国の関係行政機関の長にその旨を通知しなければならない。

2項

前項の規定による通知を受けた国の関係行政機関の長は、同項の規定による認定の取消しに関し、内閣総理大臣に意見を述べることができる。

3項

前項に規定する場合のほか、国の関係行政機関の長は、認定アイヌ施策推進地域計画に特定事業関係事項が記載されている場合には、第一項の規定による認定の取消しに関し、内閣総理大臣に意見を述べることができる。

4項

第十条第十四項の規定は、第一項の規定による認定の取消しについて準用する。