スマートフォンにおいて利用される特定ソフトウェアに係る競争の促進に関する法律

# 令和六年法律第五十八号 #

第五章 差止請求、損害賠償等

分類 法律
カテゴリ   産業通則
最終編集日 : 2026年 10月14日 16時56分


1項

第五条から第九条までの規定に違反する行為によってその利益を侵害され、又は侵害されるおそれがある者は、これにより著しい損害を生じ、又は生ずるおそれがあるときは、その利益を侵害する指定事業者 又は侵害するおそれがある指定事業者に対し、その侵害の停止 又は予防を請求することができる。

1項

第五条から第九条までの規定に違反する行為をした指定事業者は、被害者に対し、損害賠償の責めに任ずる。

2項

指定事業者は、故意 又は過失がなかったことを証明して、前項に規定する責任を免れることができない。

3項

第一項の規定による損害賠償の請求権は、排除措置命令(第十八条第一項 又は第二項の規定による命令をいう。以下同じ。)(排除措置命令がされなかった場合にあっては、課徴金納付命令)が確定した後でなければ、裁判上主張することができない。

4項

前項の請求権は、排除措置命令(排除措置命令がされなかった場合にあっては、課徴金納付命令)が確定した日から三年を経過したときは、時効によって消滅する。

1項

第三十一条の規定による侵害の停止 又は予防に関する訴えが提起されたときは、裁判所は、被告の申立てにより、決定で、相当の担保を立てるべきことを原告に命ずることができる。

2項

前項の申立てをするには、同項の訴えの提起が不正の利益を得る目的、他人に損害を加える目的 その他の不正の目的によるものであることを疎明しなければならない。

1項

裁判所は、第三十一条の規定による侵害の停止 又は予防に関する訴えが提起されたときは、その旨を公正取引委員会に通知するものとする。

2項

裁判所は、前項の訴えが提起されたときは、公正取引委員会に対し、当該事件に関するこの法律の適用 その他の必要な事項について、意見を求めることができる。

3項

公正取引委員会は、第一項の訴えが提起されたときは、裁判所の許可を得て、裁判所に対し、当該事件に関するこの法律の適用 その他の必要な事項について、意見を述べることができる。

1項

裁判所は、第三十一条の規定による侵害の停止 又は予防に関する訴訟においては、当事者の申立てにより、当事者に対し、当該侵害行為について立証するため必要な書類 又は電磁的記録の提出を命ずることができる。


ただし、その書類の所持者 又はその電磁的記録を利用する権限を有する者においてその提出を拒むことについて正当な理由があるときは、この限りでない。

2項

裁判所は、前項ただし書に規定する正当な理由があるかどうかの判断をするため必要があると認めるときは、書類の所持者 又は電磁的記録を利用する権限を有する者にその提示をさせることができる。


この場合においては、何人も、その提示された書類 又は電磁的記録の開示を求めることができない。

3項

裁判所は、前項の場合において、第一項ただし書に規定する正当な理由があるかどうかについて前項後段の書類 又は電磁的記録を開示してその意見を聴くことが必要であると認めるときは、当事者等(当事者(法人である場合にあっては、その代表者)又は当事者の代理人(訴訟代理人 及び補佐人を除く。)、使用人 その他の従業者をいう。次条第一項において同じ。)、訴訟代理人 又は補佐人に対し、当該書類 又は電磁的記録を開示することができる。

4項

前三項の規定は、第三十一条の規定による侵害の停止 又は予防に関する訴訟における当該侵害行為について立証するため必要な検証の目的の提示について準用する。

1項

裁判所は、第三十一条の規定による侵害の停止 又は予防に関する訴訟において、その当事者が保有する営業秘密(不正競争防止法(平成五年法律第四十七号)第二条第六項に規定する営業秘密をいう。以下この条 及び次条第五項において同じ。)について、次の各号に掲げる事由のいずれにも該当することにつき疎明があった場合には、当事者の申立てにより、決定で、当事者等、訴訟代理人 又は補佐人に対し、当該営業秘密を当該訴訟の追行の目的以外の目的で使用し、又は当該営業秘密に係るこの項の規定による命令を受けた者以外の者に開示してはならない旨を命ずることができる。


ただし、その申立ての時までに当事者等、訴訟代理人 又は補佐人が第一号に規定する準備書面の閲読 又は同号に規定する証拠の取調べ 若しくは開示以外の方法により当該営業秘密を取得し、又は保有していた場合は、この限りでない。

一 号

既に提出され、若しくは提出されるべき準備書面に当事者の保有する営業秘密が記載され、又は既に取り調べられ、若しくは取り調べられるべき証拠(前条第三項(同条第四項において準用する場合を含む。)の規定により開示された書類 若しくは電磁的記録 又は検証の目的を含む。)の内容に当事者の保有する営業秘密が含まれること。

二 号

前号の営業秘密が当該訴訟の追行の目的以外の目的で使用され、又は当該営業秘密が開示されることにより、当該営業秘密に基づく当事者の事業活動に支障を生ずるおそれがあり、これを防止するため当該営業秘密の使用 又は開示を制限する必要があること。

2項

前項の規定による命令(以下「秘密保持命令」という。)の申立ては、次に掲げる事項を記載した書面でしなければならない。

一 号
秘密保持命令を受けるべき者
二 号
秘密保持命令の対象となるべき営業秘密を特定するに足りる事実
三 号

前項各号に掲げる事由に該当する事実

3項

秘密保持命令が発せられた場合には、その電子決定書(民事訴訟法(平成八年法律第百九号)第百二十二条において準用する同法第二百五十二条第一項の規定により作成された同法第三条の七第三項に規定する電磁的記録(同法第百二十二条において準用する同法第二百五十三条第二項の規定により裁判所の使用に係る電子計算機に備えられたファイルに記録されたものに限る。)をいう。次項 及び次条第二項において同じ。)を秘密保持命令を受けた者に送達しなければならない。

4項

秘密保持命令は、秘密保持命令を受けた者に対する電子決定書の送達がされた時から、効力を生ずる。

5項

秘密保持命令の申立てを却下した裁判に対しては、即時抗告をすることができる。

1項

秘密保持命令の申立てをした者 又は秘密保持命令を受けた者は、訴訟記録の存する裁判所(訴訟記録の存する裁判所がない場合にあっては、秘密保持命令を発した裁判所)に対し、前条第一項に規定する要件を欠くこと 又はこれを欠くに至ったことを理由として、秘密保持命令の取消しの申立てをすることができる。

2項

秘密保持命令の取消しの申立てについての裁判があった場合には、その電子決定書をその申立てをした者 及び相手方に送達しなければならない。

3項

秘密保持命令の取消しの申立てについての裁判に対しては、即時抗告をすることができる。

4項

秘密保持命令を取り消す裁判は、確定しなければその効力を生じない。

5項

裁判所は、秘密保持命令を取り消す裁判をした場合において、秘密保持命令の取消しの申立てをした者 又は相手方以外に当該秘密保持命令が発せられた訴訟において当該営業秘密に係る秘密保持命令を受けている者があるときは、その者に対し、直ちに、秘密保持命令を取り消す裁判をした旨を通知しなければならない。

1項

秘密保持命令が発せられた訴訟(全ての秘密保持命令が取り消された訴訟を除く。)に係る訴訟記録につき、民事訴訟法第九十二条第一項の決定があった場合において、当事者から同項に規定する秘密記載部分の閲覧等の請求があり、かつ、その請求の手続を行った者が当該訴訟において秘密保持命令を受けていない者であるときは、裁判所書記官は、同項の申立てをした当事者(その請求をした者を除く。第三項において同じ。)に対し、その請求後直ちに、その請求があった旨を通知しなければならない。

2項

前項の場合において、裁判所書記官は、同項の請求があった日から二週間を経過する日までの間(その請求の手続を行った者に対する秘密保持命令の申立てがその日までにされた場合にあっては、その申立てについての裁判が確定するまでの間)、その請求の手続を行った者に同項の秘密記載部分の閲覧等をさせてはならない。

3項

前二項の規定は、第一項の請求をした者に同項の秘密記載部分の閲覧等をさせることについて民事訴訟法第九十二条第一項の申立てをした当事者の全ての同意があるときは、適用しない。

1項

第三十二条第一項の規定による損害賠償に関する訴えが提起されたときは、裁判所は、公正取引委員会に対し、同項に規定する違反行為によって生じた損害の額について、意見を求めることができる。

2項

前項の規定は、第三十二条第一項の規定による損害賠償の請求が相殺のために裁判上主張された場合について準用する。

1項

裁判所は、緊急の必要があると認めるときは、公正取引委員会の申立てにより、第五条から第九条までの規定に違反する疑いのある行為をしている者に対し、当該行為を一時停止すべきことを命じ、又はその命令を取り消し、若しくは変更することができる。

2項

前項の規定による裁判は、非訟事件手続法(平成二十三年法律第五十一号)により行う。

1項

前条第一項の規定による裁判については、裁判所の定める保証金 又は有価証券(社債、株式等の振替に関する法律(平成十三年法律第七十五号)第二百七十八条第一項に規定する振替債を含む。次項において同じ。)を供託して、その執行を免れることができる。

2項

前項の規定により供託をした場合において、前条第一項の規定による裁判が確定したときは、裁判所は、公正取引委員会の申立てにより、供託に係る保証金 又は有価証券の全部 又は一部を没取することができる。

3項

前条第二項の規定は、前二項の規定による裁判について準用する。