中央省庁等改革基本法

# 平成十年法律第百三号 #

第一章 総則

分類 法律
カテゴリ   行政組織
最終編集日 : 2024年 11月23日 19時25分


1項

この法律は、平成九年十二月三日に行われた行政改革会議の最終報告の趣旨にのっとって行われる内閣機能の強化、国の行政機関の再編成 並びに国の行政組織 並びに事務 及び事業の減量、効率化等の改革(以下「中央省庁等改革」という。)について、その基本的な理念 及び方針 その他の基本となる事項を定めるとともに、中央省庁等改革推進本部を設置すること等により、これを推進することを目的とする。

1項
中央省庁等改革は、内外の社会経済情勢の変化を踏まえ、国が本来果たすべき役割を重点的に担い、かつ、有効に遂行するにふさわしく、国の行政組織 並びに事務 及び事業の運営を簡素かつ効率的なものとするとともに、その総合性、機動性 及び透明性の向上を図り、これにより戦後の我が国の社会経済構造の転換を促し、もってより自由かつ公正な社会の形成に資することを基本として行われるものとする。
1項

国は、前条の基本理念にのっとり、中央省庁等改革を推進する責務を有する。

1項
政府は、次に掲げる基本方針に基づき、中央省庁等改革を行うものとする。
一 号
内閣が日本国憲法の定める国務を総理する任務を十全に果たすことができるようにするため、内閣の機能を強化し、内閣総理大臣の国政運営上の指導性をより明確なものとし、並びに内閣 及び内閣総理大臣を補佐し、支援する体制を整備すること。
二 号
国の行政が本来果たすべき機能を十全に発揮し、内外の主要な行政課題に的確かつ柔軟に対応し得るようにするため、次に掲げるところに従い、新たな省の編成を行うこと。
国の行政が担うべき主要な任務を基軸として、一の省ができる限り総合性 及び包括性をもった行政機能を担うこと。
基本的な政策目的 又は価値体系の対立する行政機能は、できる限り異なる省が担うこと。
各省の行政機能 及び権限は、できる限り均衡のとれたものとすること。
三 号
国の規制の撤廃 又は緩和を進め、国と民間とが分担すべき役割を見直し、及び国と地方公共団体との役割分担の在り方に即した地方分権を推進し、これに伴い国の事務 及び事業のうち民間 又は地方公共団体にゆだねることが可能なものはできる限りこれらにゆだねること等により、国の行政組織 並びに事務 及び事業を減量し、その運営を効率化するとともに、国が果たす役割を重点化すること。
四 号

国の行政機関における政策の企画立案に関する機能と その実施に関する機能とを分離することを基本とし、それぞれの機能を高度化するとともに、組織上の分担体制を明らかにし、及びそれらに係る責任の所在を明確化すること。


この場合において、政策の企画立案に関する機能を担う組織と その実施に関する機能を担う組織との緊密な連携の確保を図ること。

五 号
国の行政機関の間における政策についての協議 及び調整の活性化 及び円滑化 並びにその透明性の向上を図り、かつ、政府全体として総合的かつ一体的な行政運営を図ること。
六 号
国民的視点に立ち、かつ、内外の社会経済情勢の変化を踏まえた客観的な政策評価機能を強化するとともに、評価の結果が政策に適切に反映されるようにすること。
七 号
行政運営の透明性の向上を図るとともに、政府の諸活動を国民に説明する責務が全うされるものとすること。
八 号

国の行政機関(その内部組織を含む。)の編成に当たっては、内外の社会経済情勢の変化 並びに行政需要 及び政策課題の変化に柔軟かつ弾力的に対応し得る仕組みとすること。

1項

政府は、中央省庁等改革の緊要性にかんがみ、遅くとも この法律の施行後五年以内に、できれば平成十三年一月一日を目標として、中央省庁等改革による新たな体制への移行を開始するものとする。