公共サービス基本法

# 平成二十一年法律第四十号 #

第一章 総則

分類 法律
カテゴリ   行政組織
最終編集日 : 2024年 06月15日 17時03分


1項

この法律は、公共サービスが国民生活の基盤となるものであることにかんがみ、公共サービスに関し、基本理念を定め、及び国等の責務を明らかにするとともに、公共サービスに関する施策の基本となる事項を定めることにより、公共サービスに関する施策を推進し、もって国民が安心して暮らすことのできる社会の実現に寄与することを目的とする。

1項

この法律において「公共サービス」とは、次に掲げる行為であって、国民が日常生活 及び社会生活を円滑に営むために必要な基本的な需要を満たすものをいう。

一 号

国(独立行政法人(独立行政法人通則法平成十一年法律第百三号第二条第一項に規定する独立行政法人をいう。)を含む。第十一条除き、以下同じ。)又は地方公共団体(地方独立行政法人(地方独立行政法人法平成十五年法律第百十八号第二条第一項に規定する地方独立行政法人をいう。)を含む。第十一条除き、以下同じ。)の事務 又は事業であって、特定の者に対して行われる金銭 その他の物の給付 又は役務の提供

二 号

前号に掲げるもののほか、国 又は地方公共団体が行う規制、監督、助成、広報、公共施設の整備 その他の公共の利益の増進に資する行為

1項

公共サービスの実施 並びに公共サービスに関する施策の策定 及び実施(以下「公共サービスの実施等」という。)は、次に掲げる事項が公共サービスに関する国民の権利であることが尊重され、国民が健全な生活環境の中で日常生活 及び社会生活を円滑に営むことができるようにすることを基本として、行われなければならない。

一 号

安全かつ良質な公共サービスが、確実、効率的かつ適正に実施されること。

二 号

社会経済情勢の変化に伴い多様化する国民の需要に的確に対応するものであること。

三 号

公共サービスについて国民の自主的かつ合理的な選択の機会が確保されること。

四 号

公共サービスに関する必要な情報 及び学習の機会が国民に提供されるとともに、国民の意見が公共サービスの実施等に反映されること。

五 号

公共サービスの実施により苦情 又は紛争が生じた場合には、適切かつ迅速に処理され、又は解決されること。

1項

国は、前条の基本理念(以下「基本理念」という。)にのっとり、国民生活の安定と向上のために国が本来果たすべき役割を踏まえ、公共サービスに関する施策を策定し、及び実施するとともに、国に係る公共サービスを実施する責務を有する。

1項

地方公共団体は、基本理念にのっとり、公共サービスの実施等に関し、国との適切な役割分担を踏まえつつ、その地方公共団体の実情に応じた施策を策定し、及び実施するとともに、地方公共団体に係る公共サービスを実施する責務を有する。

1項

公共サービスの実施に従事する者は、国民の立場に立ち、責任を自覚し、誇りを持って誠実に職務を遂行する責務を有する。

1項

政府は、この法律の目的を達成するため、必要な措置を講ずるよう努めるものとする。