地球温暖化対策の推進に関する法律

# 平成十年法律第百十七号 #
略称 : 温対法  地球温暖化対策推進法 

第五章 事業活動に伴う排出削減等

分類 法律
カテゴリ   環境保全
@ 施行日 : 令和五年四月一日 ( 2023年 4月1日 )
@ 最終更新 : 令和四年法律第四十六号による改正
最終編集日 : 2023年 08月16日 08時52分


1項

事業者は、事業の用に供する設備について、温室効果ガスの排出の量の削減等のための技術の進歩 その他の事業活動を取り巻く状況の変化に応じ、温室効果ガスの排出の量の削減等に資するものを選択するとともに、できる限り温室効果ガスの排出の量を少なくする方法で使用するよう努めなければならない。

1項

事業者は、国民が日常生活において利用する製品 又は役務(以下「日常生活用製品等」という。)の製造、輸入 若しくは販売 又は提供(以下この条において「製造等」という。)を行うに当たっては、その利用に伴う温室効果ガスの排出の量がより少ないものの製造等を行うとともに、当該日常生活用製品等の利用に伴う温室効果ガスの排出に関する正確かつ適切な情報の提供を行うよう努めなければならない。

2項

日常生活用製品等の製造等を行う事業者は、前項に規定する情報の提供を行うに当たっては、必要に応じ、日常生活における利用に伴って温室効果ガスの排出がされる製品 又は役務について当該排出の量に関する情報の収集 及び提供を行う団体 その他の国民の日常生活に関する温室効果ガスの排出の量の削減のための措置の実施を支援する役務の提供を行う者の協力を得つつ、効果的にこれを行うよう努めるものとする。

1項

主務大臣は、前二条の規定により事業者が講ずべき措置に関して、その適切かつ有効な実施を図るため必要な指針を公表するものとする。

1項

事業活動(国 又は地方公共団体の事務 及び事業を含む。以下この条において同じ。)に伴い相当程度多い温室効果ガスの排出をする者として政令で定めるもの(以下「特定排出者」という。)は、毎年度、主務省令で定めるところにより、主務省令で定める期間に排出した温室効果ガス算定排出量に関し、主務省令で定める事項(当該特定排出者が政令で定める規模以上の事業所を設置している場合にあっては、当該事項 及び当該規模以上の事業所ごとに主務省令で定める期間に排出した温室効果ガス算定排出量に関し、主務省令で定める事項)を当該特定排出者に係る事業を所管する大臣(以下「事業所管大臣」という。)に報告しなければならない。

2項

定型的な約款による契約に基づき、特定の商標、商号 その他の表示を使用させ、商品の販売 又は役務の提供に関する方法を指定し、かつ、継続的に経営に関する指導を行う事業であって、当該約款に、当該事業に加盟する者(以下 この項において「加盟者」という。)が設置している事業所における温室効果ガスの排出に関する事項であって主務省令で定めるものに係る定めがあるもの(以下 この項において「連鎖化事業」という。)を行う者(以下 この項において「連鎖化事業者」という。)については、その加盟者が設置している当該連鎖化事業に係るすべての事業所における事業活動を当該連鎖化事業者の事業活動とみなして、前項の規定を適用する。


この場合において、

同項
事業所を設置している場合」とあるのは、
「事業所を設置している場合(次項に規定する加盟者が同項に規定する連鎖化事業に係る事業所として設置している場合を含む。)」と

する。

3項

この章において「温室効果ガス算定排出量」とは、温室効果ガスである物質ごとに、特定排出者の事業活動に伴う温室効果ガスの排出量として政令で定める方法により算定される当該物質の排出量に当該物質の地球温暖化係数を乗じて得た量をいう。

1項

特定排出者は、前条第一項の規定による報告に係る温室効果ガス算定排出量の情報が公にされることにより、当該特定排出者の権利、競争上の地位 その他正当な利益(以下「権利利益」という。)が害されるおそれがあると思料するときは、当該温室効果ガス算定排出量に代えて、当該特定排出者に係る温室効果ガス算定排出量を主務省令で定めるところにより合計した量をもって次条第一項の規定による通知を行うよう事業所管大臣に請求を行うことができる。

2項

特定排出者は、前項の請求を行うときは、前条第一項の規定による報告と併せて、主務省令で定めるところにより、その理由を付して行わなければならない。

3項

事業所管大臣は、第一項の請求を認める場合には、その旨の決定をし、当該請求を行った特定排出者に対し、その旨を通知するものとする。

4項

事業所管大臣は、第一項の請求を認めない場合には、その旨の決定をし、当該決定後直ちに、当該請求を行った特定排出者に対し、その旨 及びその理由を通知するものとする。

5項

前二項の決定は、第一項の請求があった日から三十日以内にするものとする。

6項

前項の規定にかかわらず、事業所管大臣は、事務処理上の困難 その他正当な理由があるときは、同項の期間を三十日以内に限り延長することができる。

1項

事業所管大臣は、第二十六条第一項の規定による報告があったときは、当該報告に係る事項について環境大臣 及び経済産業大臣に通知するものとする。

2項

前項の規定による通知は、次に掲げるところにより、行うものとする。

一 号

前条第一項の請求がないときは、遅滞なく、当該報告に係る事項を通知すること。

二 号

前条第一項の請求があった場合において、同条第三項の決定をしたときは、遅滞なく、当該報告に係る事項(当該事項のうち当該決定に係る温室効果ガス算定排出量については、これに代えて当該特定排出者に係る温室効果ガス算定排出量を同条第一項の主務省令で定めるところにより合計した量)を通知すること。

三 号

前条第一項の請求があった場合において、同条第四項の決定をしたときは、同項の規定による特定排出者への通知の日から二週間を経過した日以後速やかに、当該報告に係る事項を通知すること。

3項

事業所管大臣は、第二十六条第一項の規定による報告があったときは、主務省令で定めるところにより、遅滞なく、当該報告に係る温室効果ガス算定排出量を集計するものとする。

4項

事業所管大臣は、遅滞なく、前項の規定により集計した結果を環境大臣 及び経済産業大臣に通知するものとする。


ただし、当該集計結果が通知されることにより、前条第三項の決定に係る特定排出者の権利利益が害されるおそれがあるときは、当該集計結果に係る温室効果ガス算定排出量については、これに代えて、これを主務省令で定めるところにより合計した量を通知するものとする。

1項

環境大臣 及び経済産業大臣は、前条第一項の規定により通知された事項について、遅滞なく、環境省令・経済産業省令で定めるところにより、電子計算機に備えられたファイルに記録するとともに、当該ファイルに記録された事項を公表するものとする。

2項

環境大臣 及び経済産業大臣は、環境省令・経済産業省令で定めるところにより、遅滞なく、前条第四項の規定により通知された事項を集計するものとする。この場合において、環境大臣 及び経済産業大臣は、当該集計の用に供するため、関係事業所管大臣に対し、第二十七条第三項の決定に係る特定排出者の権利利益の保護に支障がないことを確認した上で、前条第三項の規定により集計した結果に係る温室効果ガス算定排出量を主務省令で定めるところにより合計した量を通知するよう求めることができる。

3項

環境大臣 及び経済産業大臣は、遅滞なく、環境省令・経済産業省令で定めるところにより、前項の規定により集計した結果を公表するものとする。

1項

特定排出者は、主務省令で定めるところにより、第二十六条第一項の規定による報告に添えて、第二十九条第一項 及び第三項の規定により公表される情報に対する理解の増進に資するため、事業所管大臣に対し、当該報告に係る温室効果ガス算定排出量の増減の状況に関する情報 その他の情報を提供することができる。

2項

事業所管大臣は、前項の規定により提供された情報を環境大臣 及び経済産業大臣に通知するものとする。

3項

環境大臣 及び経済産業大臣は、遅滞なく、前項の規定により通知された情報について、環境省令・経済産業省令で定めるところにより、電子計算機に備えられたファイルに記録するとともに、当該ファイルに記録された事項を公表するものとする。

1項
主務大臣は、温室効果ガス算定排出量の算定の適正な実施の確保 又は自主的な温室効果ガスの排出の量の削減等の促進に資するため、特定排出者に対し必要な技術的助言、情報の提供 その他の援助を行うものとする。
1項

特定排出者から、エネルギーの使用の合理化及び非化石エネルギーへの転換等に関する法律昭和五十四年法律第四十九号)第十六条第一項(同法第五十二条第一項の規定により読み替えて適用する場合を含む。)、同法第二十八条第一項(同法第五十二条第二項の規定により読み替えて適用する場合を含む。)、同法第四十条第一項(同法第五十二条第三項の規定により読み替えて適用する場合を含む。)、同法第八十四条第三項、第八十五条第三項、第八十六条第三項、第百七条第一項(同法第百四十条第一項の規定により読み替えて適用する場合を含む。)、同法第百十五条第一項(同法第百二十三条第一項の規定により読み替えて適用する場合を含む。)、同法第百十九条第一項(同法第百二十三条第二項の規定により読み替えて適用する場合を含む。)、同法第百三十一条第一項(同法第百四十条第二項の規定により読み替えて適用する場合を含む。)、同法第百三十六条第一項(同法第百四十条第三項の規定により読み替えて適用する場合を含む。)又は同法第百四十五条第一項の規定による報告があったときは、第二十六条から前条まで 及び第六十四条の規定の適用については、当該報告のうち二酸化炭素の排出量に係る事項に関する部分(同法第三十一条第二項に規定する認定管理統括事業者、同法第百十七条第二項に規定する認定管理統括荷主 及び同法第百三十四条第二項に規定する認定管理統括貨客輸送事業者にあっては、当該者に係る部分に限る)は、エネルギー(同法第二条第一項に規定するエネルギーをいう。次項 及び次条において同じ。)の使用に伴って発生する二酸化炭素の排出量についての第二十六条第一項の規定による報告とみなす。


この場合において、

同項
当該特定排出者に係る事業を所管する大臣」とあるのは、
同法第十六条第一項(同法第五十二条第一項の規定により読み替えて適用する場合を含む。)、同法第二十八条第一項(同法第五十二条第二項の規定により読み替えて適用する場合を含む。)又は同法第四十条第一項(同法第五十二条第三項の規定により読み替えて適用する場合を含む。)の規定による報告については
エネルギーの使用の合理化及び非化石エネルギーへの転換等に関する法律昭和五十四年法律第四十九号)第十六条第一項(同法第五十二条第一項の規定により読み替えて適用する場合を含む。)、同法第二十八条第一項(同法第五十二条第二項の規定により読み替えて適用する場合を含む。)又は同法第四十条第一項(同法第五十二条第三項の規定により読み替えて適用する場合を含む。)に規定する主務大臣」と、

同法第八十四条第三項、第八十五条第三項 又は第八十六条第三項の規定による報告については
エネルギーの使用の合理化及び非化石エネルギーへの転換等に関する法律昭和五十四年法律第四十九号)第八十四条第三項、第八十五条第三項 又は第八十六条第三項に規定する主務大臣」と、

同法第百七条第一項(同法第百四十条第一項の規定により読み替えて適用する場合を含む。)、同法第百三十一条第一項(同法第百四十条第二項の規定により読み替えて適用する場合を含む。)、同法第百三十六条第一項(同法第百四十条第三項の規定により読み替えて適用する場合を含む。)又は同法第百四十五条第一項の規定による報告については
「国土交通大臣」と、

同法第百十五条第一項(同法第百二十三条第一項の規定により読み替えて適用する場合を含む。)又は同法第百十九条第一項(同法第百二十三条第二項の規定により読み替えて適用する場合を含む。)の規定による報告については
エネルギーの使用の合理化及び非化石エネルギーへの転換等に関する法律昭和五十四年法律第四十九号)第百十五条第一項(同法第百二十三条第一項の規定により読み替えて適用する場合を含む。)又は同法第百十九条第一項(同法第百二十三条第二項の規定により読み替えて適用する場合を含む。)に規定する主務大臣」とするほか、

第二十六条から前条まで 及び第六十四条の規定の適用に関し必要な技術的読替えは、政令で定める。

2項

エネルギーの使用の合理化及び非化石エネルギーへの転換等に関する法律第三十一条第二項に規定する認定管理統括事業者であって同項第二号に規定する管理関係事業者のうちに特定排出者を含むもの、同法第百十七条第二項に規定する認定管理統括荷主であって同項第二号に規定する管理関係荷主のうちに特定排出者を含むもの 又は同法第百三十四条第二項に規定する認定管理統括貨客輸送事業者であって同項第二号に規定する管理関係貨客輸送事業者のうちに特定排出者を含むものから、同法第四十条第一項(同法第五十二条第三項の規定により読み替えて適用する場合を含む。)、同法第八十六条第三項、同法第百十九条第一項(同法第百二十三条第二項の規定により読み替えて適用する場合を含む。)又は同法第百三十六条第一項(同法第百四十条第三項の規定により読み替えて適用する場合を含む。)の規定による報告があったときは、第二十六条から前条まで 及び第六十四条の規定の適用については、当該報告のうち当該管理関係事業者、当該管理関係荷主 又は当該管理関係貨客輸送事業者であって特定排出者であるものの二酸化炭素の排出量に係る事項に関する部分は、当該者のエネルギーの使用に伴って発生する二酸化炭素の排出量についての第二十六条第一項の規定による報告とみなす。


この場合において、

同項
当該特定排出者に係る事業を所管する大臣」とあるのは、
同法第四十条第一項(同法第五十二条第三項の規定により読み替えて適用する場合を含む。)の規定による報告については
エネルギーの使用の合理化及び非化石エネルギーへの転換等に関する法律昭和五十四年法律第四十九号)第四十条第一項(同法第五十二条第三項の規定により読み替えて適用する場合を含む。)に規定する主務大臣」と、

同法第八十六条第三項の規定による報告については
エネルギーの使用の合理化及び非化石エネルギーへの転換等に関する法律昭和五十四年法律第四十九号)第八十六条第三項に規定する主務大臣」と、

同法第百十九条第一項(同法第百二十三条第二項の規定により読み替えて適用する場合を含む。)の規定による報告については
エネルギーの使用の合理化及び非化石エネルギーへの転換等に関する法律昭和五十四年法律第四十九号)第百十九条第一項(同法第百二十三条第二項の規定により読み替えて適用する場合を含む。)に規定する主務大臣」と、

同法第百三十六条第一項(同法第百四十条第三項の規定により読み替えて適用する場合を含む。)の規定による報告については
「国土交通大臣」と

するほか、第二十六条から前条まで 及び第六十四条の規定の適用に関し必要な技術的読替えは、政令で定める。

1項
一般消費者に対するエネルギーの供給の事業を行う者は、その供給の相手方に対し、その供給したエネルギーの使用に伴う二酸化炭素の排出量の把握に必要な情報を提供するよう努めなければならない。
1項

事業者は、その事業活動に関し、地球温暖化対策計画の定めるところに留意しつつ、単独で 又は共同して、温室効果ガスの排出の量の削減等のための措置(他の者の温室効果ガスの排出の量の削減等に寄与するための措置を含む。)に関する計画を作成し、これを公表するように努めなければならない。

2項

前項の計画の作成 及び公表を行った事業者は、地球温暖化対策計画の定めるところに留意しつつ、単独で又は共同して、同項の計画に係る措置の実施の状況を公表するように努めなければならない。