この法律は、子どもの現在 及び将来がその生まれ育った環境によって左右されることのないよう、全ての子どもが心身ともに健やかに育成され、及びその教育の機会均等が保障され、子ども一人一人が夢や希望を持つことができるようにするため、子どもの貧困の解消に向けて、児童の権利に関する条約の精神にのっとり、子どもの貧困対策に関し、基本理念を定め、国等の責務を明らかにし、及び子どもの貧困対策の基本となる事項を定めることにより、子どもの貧困対策を総合的に推進することを目的とする。
子どもの貧困対策の推進に関する法律
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平成二十五年法律第六十四号
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略称 : 子どもの貧困対策法
第一章 総則
@ 施行日 : 令和五年四月一日
( 2023年 4月1日 )
@ 最終更新 :
令和四年法律第七十七号による改正
最終編集日 :
2023年 07月19日 21時29分
子どもの貧困対策は、社会のあらゆる分野において、子どもの年齢 及び発達の程度に応じて、その意見が尊重され、その最善の利益が優先して考慮され、子どもが心身ともに健やかに育成されることを旨として、推進されなければならない。
子どもの貧困対策は、子ども等に対する教育の支援、生活の安定に資するための支援、職業生活の安定と向上に資するための就労の支援、経済的支援等の施策を、子どもの現在 及び将来がその生まれ育った環境によって左右されることのない社会を実現することを旨として、子ども等の生活 及び取り巻く環境の状況に応じて包括的かつ早期に講ずることにより、推進されなければならない。
子どもの貧困対策は、子どもの貧困の背景に様々な社会的な要因があることを踏まえ、推進されなければならない。
子どもの貧困対策は、国 及び地方公共団体の関係機関相互の密接な連携の下に、関連分野における総合的な取組として行われなければならない。
国は、前条の基本理念(次条において「基本理念」という。)にのっとり、子どもの貧困対策を総合的に策定し、及び実施する責務を有する。
地方公共団体は、基本理念にのっとり、子どもの貧困対策に関し、国と協力しつつ、当該地域の状況に応じた施策を策定し、及び実施する責務を有する。
国民は、国 又は地方公共団体が実施する子どもの貧困対策に協力するよう努めなければならない。
政府は、この法律の目的を達成するため、必要な法制上 又は財政上の措置 その他の措置を講じなければならない。
政府は、毎年、国会に、子どもの貧困の状況 及び子どもの貧困対策の実施の状況に関する報告を提出するとともに、これを公表しなければならない。
こども基本法(令和四年法律第七十七号)第八条第一項の規定による国会への報告 及び公表がされたときは、前項の規定による国会への報告 及び公表がされたものとみなす。