裁判所は、区分所有者による専有部分の管理が不適当であることによつて他人の権利 又は法律上保護される利益が侵害され、又は侵害されるおそれがある場合において、必要があると認めるときは、利害関係人の請求により、当該専有部分を対象として、第三項に規定する管理不全専有部分管理人による管理を命ずる処分(以下「管理不全専有部分管理命令」という。)をすることができる。
建物の区分所有等に関する法律
第七節 管理不全専有部分管理命令及び管理不全共用部分管理命令
管理不全専有部分管理命令の効力は、当該管理不全専有部分管理命令の対象とされた専有部分 又は共用部分、附属施設 若しくは建物の敷地にある動産(当該管理不全専有部分管理命令の対象とされた専有部分の区分所有者 又はその共有持分を有する者が所有するものに限る。)並びに共用部分 及び附属施設に関する権利 並びに敷地利用権(いずれも当該管理不全専有部分管理命令の対象とされた専有部分の区分所有者 又はその共有持分を有する者が有するものに限る。)に及ぶ。
裁判所は、管理不全専有部分管理命令をする場合には、当該管理不全専有部分管理命令において、管理不全専有部分管理人を選任しなければならない。
管理不全専有部分管理人は、管理不全専有部分管理命令の対象とされた専有部分 並びに管理不全専有部分管理命令の効力が及ぶ動産 並びに共用部分 及び附属施設に関する権利 並びに敷地利用権 並びにこれらの管理、処分 その他の事由により管理不全専有部分管理人が得た財産(以下「管理不全専有部分等」という。)の管理 及び処分をする権限を有する。
前項の規定にかかわらず、管理不全専有部分管理人は、集会において議決権を行使することができない。
管理不全専有部分管理人が次に掲げる行為の範囲を超える行為をするには、裁判所の許可を得なければならない。
ただし、この許可がないことをもつて善意でかつ過失がない第三者に対抗することはできない。
管理不全専有部分管理命令の対象とされた専有部分の処分についての前項の許可をするには、その区分所有者の同意がなければならない。
管理不全専有部分管理人は、管理不全専有部分等の所有者のために、善良な管理者の注意をもつて、その権限を行使しなければならない。
管理不全専有部分等が数人の共有に属する場合には、管理不全専有部分管理人は、その共有持分を有する者全員のために、誠実かつ公平にその権限を行使しなければならない。
管理不全専有部分管理人がその任務に違反して管理不全専有部分等に著しい損害を与えたこと その他重要な事由があるときは、裁判所は、利害関係人の請求により、管理不全専有部分管理人を解任することができる。
管理不全専有部分管理人は、正当な事由があるときは、裁判所の許可を得て、辞任することができる。
管理不全専有部分管理人は、管理不全専有部分等から裁判所が定める額の費用の前払 及び報酬を受けることができる。
管理不全専有部分管理人による管理不全専有部分等の管理に必要な費用 及び報酬は、管理不全専有部分等の所有者の負担とする。
裁判所は、区分所有者による共用部分の管理が不適当であることによつて他人の権利 又は法律上保護される利益が侵害され、又は侵害されるおそれがある場合において、必要があると認めるときは、利害関係人の請求により、当該共用部分を対象として、第三項に規定する管理不全共用部分管理人による管理を命ずる処分(以下「管理不全共用部分管理命令」という。)をすることができる。
管理不全共用部分管理命令の効力は、当該管理不全共用部分管理命令の対象とされた共用部分にある動産(当該管理不全共用部分管理命令の対象とされた共用部分の所有者 又は その共有持分を有する者が所有するものに限る。)に及ぶ。
裁判所は、管理不全共用部分管理命令をする場合には、当該管理不全共用部分管理命令において、管理不全共用部分管理人を選任しなければならない。
第四十六条の九から第四十六条の十二までの規定は、管理不全共用部分管理命令 及び管理不全共用部分管理人について準用する。
この場合において、
これらの規定中
「管理不全専有部分等」とあるのは
「管理不全共用部分等」と、
第四十六条の九第一項中
「専有部分 並びに」とあるのは
「共用部分 及び」と、
「動産 並びに共用部分 及び附属施設に関する権利 並びに敷地利用権」とあるのは
「動産」と、
同条第四項中
「専有部分の」とあるのは
「共用部分の」と、
「区分所有者」とあるのは
「所有者」と、
第四十六条の十二第二項中
「の所有者の負担とする」とあるのは
「を共有する者が連帯して負担する」と
読み替えるものとする。