居住者に対し国内において第二十八条第一項(給与所得)に規定する給与等(以下この章において「給与等」という。)の支払をする者は、その支払の際、その給与等について所得税を徴収し、その徴収の日の属する月の翌月十日までに、これを国に納付しなければならない。
所得税法
第一節 源泉徴収義務及び徴収税額
法人の法人税法第二条第十五号(定義)に規定する役員に対する賞与については、支払の確定した日から一年を経過した日までにその支払がされない場合には、その一年を経過した日においてその支払があつたものとみなして、前項の規定を適用する。
常時二人以下の家事使用人のみに対し給与等の支払をする者は、前条の規定にかかわらず、 その給与等について所得税を徴収して納付することを要しない。
次条に規定する賞与以外の給与等について第百八十三条第一項(源泉徴収義務)の規定により徴収すべき所得税の額は、次の各号に掲げる給与等の区分に応じ当該各号に定める税額とする。
給与所得者の扶養控除等申告書を提出した居住者に対し、その提出の際に経由した給与等の支払者が支払う給与等
次に掲げる場合の区分に応じ、その給与等の金額(ロ、ハ、ニ 又はヘに掲げる場合にあつては、それぞれ当該金額の二倍に相当する金額、当該金額の三倍に相当する金額、給与等の月割額 又は給与等の日割額)並びに当該申告書に記載された源泉控除対象配偶者 及び控除対象扶養親族(二以上の給与等の支払者から 給与等の支払を受ける場合には第百九十四条第一項第六号(給与所得者の扶養控除等申告書)に規定する源泉控除対象配偶者 及び控除対象扶養親族とし、当該申告書に記載された源泉控除対象配偶者 又は控除対象扶養親族が同条第四項に規定する国外居住親族(第百八十七条(障害者控除等の適用を受ける者に係る徴収税額)及び第百九十条第二号ハ(年末調整)において「国外居住親族」という。)である場合には第百九十四条第四項に規定する書類の提出 又は提示がされた源泉控除対象配偶者 及び控除対象扶養親族に限る。次条において「主たる給与等に係る源泉控除対象配偶者 及び控除対象扶養親族」という。)の有無 及び その数に応ずる次に定める税額
給与等の支給期が毎月と定められている場合
別表第二の甲欄に掲げる税額
給与等の支給期が毎半月と定められている場合
別表第二の甲欄に掲げる税額の二分の一に相当する税額
給与等の支給期が毎旬と定められている場合
別表第二の甲欄に掲げる税額の三分の一に相当する税額
給与等の支給期が月の整数倍の期間ごとと定められている場合
別表第二の甲欄に掲げる税額に当該倍数を乗じて計算した金額に相当する税額
給与等の支給期が毎日と定められている場合
別表第三の甲欄に掲げる税額
イから ホまでに掲げる場合以外の場合
別表第三の甲欄に掲げる税額にその支給日数を乗じて計算した金額に相当する税額
前号 及び次号に掲げる給与等以外の給与等
次に掲げる場合の区分に応じ、その給与等の金額(ロ、ハ、ニ 又はヘに掲げる場合にあつては、それぞれ当該金額の二倍に相当する金額、当該金額の三倍に相当する金額、給与等の月割額 又は給与等の日割額)、従たる給与についての扶養控除等申告書の提出の有無 並びに当該申告書に記載された第百九十五条第一項第三号(従たる給与についての扶養控除等申告書)に規定する源泉控除対象配偶者 及び控除対象扶養親族(当該源泉控除対象配偶者 又は控除対象扶養親族が同条第四項の記載がされた者である場合には、同項に規定する書類の提出 又は提示がされた源泉控除対象配偶者 及び控除対象扶養親族に限る。)の数に応ずる次に定める税額
給与等の支給期が毎月と定められている場合
別表第二の乙欄に掲げる税額
給与等の支給期が毎半月と定められている場合
別表第二の乙欄に掲げる税額の二分の一に相当する税額
給与等の支給期が毎旬と定められている場合
別表第二の乙欄に掲げる税額の三分の一に相当する税額
給与等の支給期が月の整数倍の期間ごとと定められている場合
別表第二の乙欄に掲げる税額に当該倍数を乗じて計算した金額に相当する税額
給与等の支給期が毎日と定められている場合
別表第三の乙欄に掲げる税額
イから ホまでに掲げる場合以外の場合
別表第三の乙欄に掲げる税額にその支給日数を乗じて計算した金額に相当する税額
労働した日 又は時間によつて算定され、かつ、労働した日ごとに支払を受ける給与等で政令で定めるもの
その給与等の金額に応じ、別表第三の丙欄に掲げる税額
前項第一号 及び第二号に規定する月割額 又は日割額の意義 その他 同項の規定の適用に関し必要な事項は、政令で定める。
賞与(賞与の性質を有する給与を含む。以下この条において同じ。)について第百八十三条第一項(源泉徴収義務)の規定により徴収すべき所得税の額は、次項の規定の適用がある場合を除き、次の各号に掲げる賞与の区分に応じ当該各号に定める税額とする。
給与所得者の扶養控除等申告書を提出した居住者に対し、その提出の際に経由した給与等の支払者が支払う賞与
次に掲げる場合の区分に応じそれぞれ次に定める税額
その賞与の支払者がその支払を受ける居住者に対し前月中に支払つた又は支払うべきその他の給与等(以下この条において「通常の給与等」という。)がある場合(その賞与の支払者が支払う通常の給与等の支給期が月の整数倍の期間ごとと定められている場合にあつては、前月中に通常の給与等の支払がされない場合を含む。次号イ 及び次項において同じ。)
前月中に支払つた又は支払うべき通常の給与等の金額(その賞与の支払者が支払う通常の給与等の支給期が月の整数倍の期間ごとと定められている場合には、その賞与の支払の直前に支払つた又は支払うべきその通常の給与等の前条第一項第一号に規定する月割額。次号イ 及び次項において同じ。)、給与所得者の扶養控除等申告書に記載された主たる給与等に係る源泉控除対象配偶者 及び控除対象扶養親族の有無 及び その数に応じ別表第四の甲欄により求めた率をその賞与の金額に乗じて計算した金額に相当する税額
イに掲げる場合以外の場合
その賞与の金額の六分の一(当該金額の計算の基礎となつた期間が六月を超える場合には、十二分の一。次号ロ 及び次項において同じ。)に相当する金額 並びに給与所得者の扶養控除等申告書に記載された主たる給与等に係る源泉控除対象配偶者 及び控除対象扶養親族の有無 及び その数に応ずる別表第二の甲欄に掲げる税額に六(当該賞与の金額の計算の基礎となつた期間が六月を超える場合には、十二。次号ロ 及び次項において同じ。)を乗じて計算した金額に相当する税額
前号に掲げる賞与以外の賞与
次に掲げる場合の区分に応じそれぞれ次に定める税額
その賞与の支払者がその支払を受ける居住者に対し前月中に支払つた又は支払うべき通常の給与等がある場合
前月中に支払つた又は支払うべき通常の給与等の金額に応じ別表第四の乙欄により求めた率をその賞与の金額に乗じて計算した金額に相当する税額
イに掲げる場合以外の場合
その賞与の金額の六分の一に相当する金額に応ずる別表第二の乙欄に掲げる税額に六を乗じて計算した金額に相当する税額
賞与の支払者がその支払を受ける居住者に対し前月中に支払つた又は支払うべき通常の給与等がある場合において、その賞与の金額が前月中に支払つた又は支払うべき通常の給与等の金額の十倍に相当する金額を超えるときは、当該賞与について第百八十三条第一項の規定により徴収すべき所得税の額は、次の各号に掲げる賞与の区分に応じ当該各号に定める税額とする。
給与所得者の扶養控除等申告書を提出した居住者に対し、その提出の際に経由した給与等の支払者が支払う賞与
その賞与の金額の六分の一に相当する金額と当該通常の給与等の金額との合計額 並びに給与所得者の扶養控除等申告書に記載された主たる給与等に係る源泉控除対象配偶者 及び控除対象扶養親族の有無 及び その数に応ずる別表第二の甲欄に掲げる税額と当該通常の給与等の金額 並びに当該申告書に記載された主たる給与等に係る源泉控除対象配偶者 及び控除対象扶養親族の有無 及び その数に応ずる別表第二の甲欄に掲げる税額との差額に六を乗じて計算した金額に相当する税額
前号に掲げる賞与以外の賞与
その賞与の金額の六分の一に相当する金額と当該通常の給与等の金額との合計額に応ずる別表第二の乙欄に掲げる税額と当該通常の給与等の金額に応ずる別表第二の乙欄に掲げる税額との差額に六を乗じて計算した金額に相当する税額
給与所得者の扶養控除等申告書を提出した居住者に対し、その年最後に支払う給与等が第百九十条(年末調整)の規定の適用を受ける通常の給与等であり、かつ、当該通常の給与等の支払をする日の属する月に賞与を支払う場合において、当該賞与を支払う日の現況によりその年中にその居住者に対し支払うべきことが確定する給与等(その居住者がその年において他の給与等の支払者を経由して他の給与所得者の扶養控除等申告書を提出したことがある場合には、当該 他の給与等の支払者がその年中にその居住者に対し支払うべきことが確定した給与等で政令で定めるものを含む。)につき同条の規定を適用した場合に同条に規定する不足額が生ずると見込まれるときは、当該賞与について第百八十三条第一項の規定により徴収すべき所得税の額は、第一項第一号 又は前項第一号の規定にかかわらず、これらの規定による税額と当該不足額に相当する税額との合計額とすることができる。
給与所得者の扶養控除等申告書 又は従たる給与についての扶養控除等申告書を提出した居住者(以下この条において「対象居住者」という。)のこれらの申告書に源泉控除対象配偶者である旨の記載がされた配偶者(以下この条において「対象配偶者」という。)が、当該対象居住者を、当該対象配偶者の提出した給与所得者の扶養控除等申告書 若しくは従たる給与についての扶養控除等申告書 又は公的年金等の受給者の扶養親族等申告書に記載された源泉控除対象配偶者として第百八十五条第一項第一号 若しくは第二号(賞与以外の給与等に係る徴収税額)若しくは前条第一項第一号 若しくは第二項第一号 又は第二百三条の三第一号から 第三号まで(徴収税額)の規定の適用を受ける場合には、当該対象配偶者は当該対象居住者の提出した給与所得者の扶養控除等申告書 又は従たる給与についての扶養控除等申告書に源泉控除対象配偶者である旨の記載がされていないものとして、第百八十五条第一項第一号 及び第二号 並びに前条第一項第一号 及び第二項第一号の規定を適用する。
給与所得者の扶養控除等申告書を提出した居住者で、当該申告書にその者が障害者、寡婦、ひとり親 又は勤労学生に該当する旨の記載があるもの(当該勤労学生が第二条第一項第三十二号ロ 又はハ(定義)に掲げる者に該当する場合には、当該申告書に勤労学生に該当する旨の記載があるほか、第百九十四条第三項(給与所得者の扶養控除等申告書)に規定する書類の提出 又は提示があつたもの)である場合には、これらの一に該当するごとに控除対象扶養親族が一人あると記載されているものとし、当該申告書に同一生計配偶者 又は扶養親族のうちに障害者 又は同居特別障害者(当該障害者 又は同居特別障害者が国外居住親族である場合には、同条第四項に規定する書類の提出 又は提示がされた障害者 又は同居特別障害者に限る。)がある旨の記載があるものである場合には、これらの一に該当するごとに控除対象扶養親族が他に一人あると記載されているものとして、第百八十五条第一項第一号(賞与以外の給与等に係る徴収税額)並びに第百八十六条第一項第一号 及び第二項第一号(賞与に係る徴収税額)の規定を適用する。
給与等の支払の際控除される第七十四条第二項(社会保険料控除)に規定する社会保険料 又は第七十五条第二項(小規模企業共済等掛金控除)に規定する小規模企業共済等掛金がある場合には、第百八十五条(賞与以外の給与等に係る徴収税額) 又は第百八十六条(賞与に係る徴収税額)の規定の適用については、その給与等の金額に相当する金額から当該社会保険料の金額と 当該小規模企業共済等掛金の額との合計額を控除した残額に相当する金額の給与等の支払があつたものとみなし、その残額がないときは、その給与等の支払がなかつたものとみなす。
給与所得者の扶養控除等申告書を提出した居住者に対し、その提出の際に経由した給与等の支払者がその支払う給与等について第百八十五条第一項第一号イから ニまで(賞与以外の給与等に係る徴収税額) 並びに第百八十六条第一項第一号ロ 及び第二項第一号(賞与に係る徴収税額)の規定を適用する場合において、 その給与等の支払額に関する計算を事務機械によつて処理しているときは、これらの規定に規定する別表第二の甲欄に掲げる税額は、当該税額が算定された方法に準ずるものとして財務大臣が定める方法によつて計算した金額をもつて代えることができる。
財務大臣は、前項の定めをしたときは、これを告示する。