昭和二十二年法律第五十四号(私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律)

# 昭和二十二年法律第五十四号 #
略称 : 独禁法  独占禁止法 

第七条の五

@ 施行日 : 令和六年六月十九日 ( 2024年 6月19日 )
@ 最終更新 : 令和六年法律第五十八号による改正

1項

公正取引委員会は、前条第二項第一号から第四号まで 又は第三項第一号 若しくは第二号に規定する事実の報告 及び資料の提出を行つた事業者(以下この条において「報告等事業者」という。)から次の各号に掲げる行為についての協議の申出があつたときは、報告等事業者との間で協議を行うものとし、当該事実 及び資料により得られ、並びに第一号に掲げる行為により報告し、又は提出する事実 又は資料により得られることが見込まれる事件の真相の解明に資するものとして公正取引委員会規則で定める事項に係る事実の内容 その他の事情を考慮して、公正取引委員会規則で定めるところにより、報告等事業者との間で、報告等事業者が同号に掲げる行為をし、かつ、公正取引委員会が第二号に掲げる行為をすることを内容とする合意をすることができる。

一 号
次に掲げる行為

当該協議において、公正取引委員会に対し、報告し、又は提出する旨の申出を行つた事実 又は資料を当該合意後 直ちに報告し、又は提出すること。

前条第二項第一号から第四号まで若しくは第三項第一号 若しくは第二号に規定する事実の報告 及び資料の提出 又はに掲げる行為により得られた事実 又は資料に関し、公正取引委員会の求めに応じ、事実の報告、資料の提出、公正取引委員会による報告等事業者の物件の検査( 及び次項第一号ロにおいて単に「検査」という。)の承諾 その他の行為を行うこと。

公正取引委員会による調査により判明した事実に関し、公正取引委員会の求めに応じ、事実の報告、資料の提出、検査の承諾 その他の行為を行うこと。

二 号

減算前課徴金額に次の 又はに掲げる事業者の区分に応じ、当該 又はに定める割合(次項第二号において「上限割合」という。)の範囲内において、当該合意において定める特定の割合(同号 及び第三項において「特定割合」という。)を乗じて得た額を、当該減算前課徴金額から減額すること。

前条第二項第一号から第四号までに規定する事実の報告 及び資料の提出を行つた事業者

百分の四十以下

前条第三項第一号 又は第二号に規定する事実の報告 及び資料の提出を行つた事業者

百分の二十以下

2項

公正取引委員会は、前項の協議において報告等事業者により説明された同項第一号に掲げる行為により得られる事実 又は資料が事件の真相の迅速な解明に必要であることに加えて、報告等事業者が同項の合意後に当該事件についての新たな事実 又は資料であつて同項の公正取引委員会規則で定める事項に係る事実に係るものを把握する蓋然性が高いと認められる場合において、当該新たな事実 又は資料の報告 又は提出に当該合意後一定の期間を要する事情があると認めるときは、報告等事業者に対し、当該協議において、報告等事業者が同号に掲げる行為に加えて第一号に掲げる行為をすることを当該合意の内容に含めるとともに、公正取引委員会が同項第二号に掲げる行為をすることに代えて第二号に掲げる行為をすることを当該合意の内容とするよう求めることができる。

一 号
次に掲げる行為

当該合意後、当該新たな事実 又は資料を把握したときは、直ちに、公正取引委員会に当該新たな事実 又は資料の報告 又は提出を行うこと。

に掲げる行為により得られた事実 又は資料に関し、公正取引委員会の求めに応じ、事実の報告、資料の提出、検査の承諾 その他の行為を行うこと。

二 号

減算前課徴金額に、特定割合を下限とし、これに報告等事業者が前号に掲げる行為をすることに対し減算前課徴金額を更に減ずることができる割合として公正取引委員会規則で定めるところにより当該合意において定める割合を加算した割合(上限割合以下の割合に限る)を上限とする範囲内において、公正取引委員会が当該行為により得られた前項の公正取引委員会規則で定める事項に係る事実の内容を評価して決定する割合(次項 及び第五項において「評価後割合」という。)を乗じて得た額を、当該減算前課徴金額から減額すること。

3項

第七条の二第一項の場合において、公正取引委員会は、第一項の合意(前項各号に掲げる行為をすることを内容とするものを含む。以下この条 及び次条において同じ。)があるときは、前条第二項 又は第三項の規定により減額する額に加えて、当該合意の内容に応じ、減算前課徴金額に特定割合 又は評価後割合を乗じて得た額を、当該減算前課徴金額から減額するものとする。

4項

第一項の合意は、公正取引委員会 及び報告等事業者が署名 又は記名押印をした書面により、その内容を明らかにしてするものとする。

5項

公正取引委員会は、第二項第二号に掲げる行為をすることを内容とする第一項の合意をする場合には、同号に規定する公正取引委員会による評価 及び評価後割合の決定の方法を前項の書面に記載するものとする。

6項

第一項の協議において、公正取引委員会は、報告等事業者に対し、報告等事業者が同項第一号イに掲げる行為により報告し、又は提出することができる事実 又は資料の概要について説明を求めることができる。

7項

公正取引委員会は、第一項の合意が成立しなかつた場合(報告等事業者が第二項の求めに応じず、第一項各号に掲げる行為をすることのみを内容とする合意が成立したときを除く)には、公正取引委員会が同項の協議における報告等事業者の説明の内容を記録した、文書 その他の物件を証拠とすることができない

8項

協議の申出の期限 その他の第一項の協議に関し必要な手続は、公正取引委員会規則で定める。

9項

報告等事業者は、第一項の協議を行うに当たり、代理人(弁護士 又は弁護士法人に限る次項 及び第十一項において「特定代理人」という。)を選任することができる。

10項

公正取引委員会は、第一項の協議を行うに当たり、当該協議の相手方となる報告等事業者に対し、特定代理人を選任することができる旨を書面により教示するものとする。

11項

報告等事業者が第九項の規定により特定代理人を選任した場合における第一項 及び第四項の規定の適用については、

第一項
との間で協議」とあるのは
「又は特定代理人(第九項に規定する特定代理人をいう。第四項において同じ。)との間で協議」と、

第四項
及び報告等事業者」とあるのは
「並びに報告等事業者 及び特定代理人」と

する。