対策本部は、事態対処法第十二条第一号に掲げるもののほか、次に掲げる事務をつかさどる。
武力攻撃事態等における国民の保護のための措置に関する法律
第三節 国民の保護のための措置の実施に係る体制
指定行政機関、地方公共団体 及び指定公共機関が実施する国民の保護のための措置の総合的な推進に関すること。
前号に掲げるもののほか、この法律の規定によりその権限に属する事務
対策本部に、対策本部長の定めるところにより対策本部の事務(国民の保護のための措置に関する事務に限る。)の一部を行う組織として、武力攻撃事態等現地対策本部を置くことができる。
この場合においては、地方自治法第百五十六条第四項の規定は、適用しない。
内閣総理大臣は、前項の規定により武力攻撃事態等現地対策本部を置いたときは、これを国会に報告しなければならない。
内閣総理大臣は、第二項の規定により武力攻撃事態等現地対策本部を置いたときは当該武力攻撃事態等現地対策本部の名称、所管区域 並びに設置の場所 及び期間を、当該武力攻撃事態等現地対策本部を廃止したときはその旨を、直ちに、公示しなければならない。
武力攻撃事態等現地対策本部に、武力攻撃事態等現地対策本部長 及び武力攻撃事態等現地対策本部員 その他の職員を置く。
武力攻撃事態等現地対策本部長は、対策本部長の命を受け、武力攻撃事態等現地対策本部の事務を掌理する。
武力攻撃事態等現地対策本部長 及び武力攻撃事態等現地対策本部員 その他の職員は、対策副本部長(事態対処法第十一条第三項の対策副本部長をいう。)、対策本部員(同項の対策本部員をいう。)その他の職員のうちから、対策本部長が指名する者をもって充てる。
内閣総理大臣は、事態対処法第九条第六項(同条第十三項において準用する場合を含む。)の規定により対処基本方針の案 又は対処基本方針の変更の案について閣議の決定を求めるときは、併せて第二十七条第一項の規定により都道府県国民保護対策本部を設置すべき都道府県 及び市町村国民保護対策本部を設置すべき市町村の指定について、閣議の決定を求めなければならない。
内閣総理大臣は、前項の規定により閣議の決定があったときは、総務大臣を経由して、直ちに、その旨を同項の指定を受けた都道府県の知事 及び市町村の長に通知するとともに、これを公示しなければならない。
内閣総理大臣は、第一項の指定を解除する必要があると認めるときは、当該指定の解除について、閣議の決定を求めなければならない。
第二項の規定は、前項の指定の解除について準用する。
都道府県知事は、内閣総理大臣に対し、当該都道府県について前条第一項の指定を行うよう要請することができる。
市町村長は、当該市町村の属する都道府県の知事を経由して、内閣総理大臣に対し、当該市町村について前条第一項の指定を行うよう要請することができる。
第二十五条第二項の規定による指定の通知を受けた都道府県の知事 及び市町村の長は、第三十四条第一項の規定による都道府県の国民の保護に関する計画 及び第三十五条第一項の規定による市町村の国民の保護に関する計画で定めるところにより、直ちに、都道府県国民保護対策本部(以下「都道府県対策本部」という。)及び市町村国民保護対策本部(以下「市町村対策本部」という。)を設置しなければならない。
都道府県対策本部は、当該都道府県 及び当該都道府県の区域内の市町村 並びに指定公共機関 及び指定地方公共機関が実施する当該都道府県の区域に係る国民の保護のための措置の総合的な推進に関する事務をつかさどる。
市町村対策本部は、当該市町村が実施する当該市町村の区域に係る国民の保護のための措置の総合的な推進に関する事務をつかさどる。
都道府県対策本部 又は市町村対策本部の長は、都道府県国民保護対策本部長(以下「都道府県対策本部長」という。)又は市町村国民保護対策本部長(以下「市町村対策本部長」という。)とし、それぞれ都道府県知事 又は市町村長をもって充てる。
都道府県対策本部に本部員を置き、次に掲げる者(道府県知事が設置するものにあっては、第四号に掲げる者を除く。)をもって充てる。
前各号に掲げる者のほか、都道府県知事が当該都道府県の職員のうちから任命する者
都道府県対策本部に副本部長を置き、前項の本部員のうちから、都道府県知事が指名する。
当該市町村の区域を管轄する消防長 又はその指名する消防吏員(消防本部を置かない市町村にあっては、消防団長)
前三号に掲げる者のほか、市町村長が当該市町村の職員のうちから任命する者
市町村対策本部に副本部長を置き、前項の本部員のうちから、市町村長が指名する。
都道府県対策本部長 又は市町村対策本部長は、必要があると認めるときは、国の職員 その他当該都道府県 又は市町村の職員以外の者を都道府県対策本部 又は市町村対策本部の会議に出席させることができる。
防衛大臣は、都道府県対策本部長の求めがあった場合において、国民の保護のための措置の実施に関し連絡調整を行う必要があると認めるときは、その指定する職員を都道府県対策本部の会議に出席させるものとする。
都道府県知事 又は市町村長は、第三十四条第一項の規定による都道府県の国民の保護に関する計画 又は第三十五条第一項の規定による市町村の国民の保護に関する計画で定めるところにより、都道府県対策本部 又は市町村対策本部に、国民の保護のための措置の実施を要する地域にあって当該都道府県対策本部 又は市町村対策本部の事務の一部を行う組織として、現地対策本部を置くことができる。
都道府県対策本部長は、当該都道府県の区域に係る国民の保護のための措置を的確かつ迅速に実施するため必要があると認めるときは、当該都道府県 及び関係市町村 並びに関係指定公共機関 及び指定地方公共機関が実施する当該都道府県の区域に係る国民の保護のための措置に関する総合調整を行うことができる。
前項の場合において、関係市町村長等 又は関係指定公共機関 若しくは指定地方公共機関は、当該関係市町村 又は関係指定公共機関 若しくは指定地方公共機関が実施する当該都道府県の区域に係る国民の保護のための措置に関して都道府県対策本部長が行う総合調整に関し、当該都道府県対策本部長に対して意見を申し出ることができる。
都道府県対策本部長は、国民の保護のための措置の実施に関し、指定行政機関 又は指定公共機関と緊密な連絡を図る必要があると認めるときは、当該連絡を要する事項を所管する指定地方行政機関の長(当該指定地方行政機関がないときは、当該指定行政機関の長)又は当該指定公共機関に対し、その指名する職員を派遣するよう求めることができる。
都道府県対策本部長は、特に必要があると認めるときは、対策本部長に対し、指定行政機関 及び指定公共機関が実施する国民の保護のための措置に関する総合調整を行うよう要請することができる。
この場合において、対策本部長は、必要があると認めるときは、所要の総合調整を行わなければならない。
市町村対策本部長は、当該市町村の区域に係る国民の保護のための措置を的確かつ迅速に実施するため必要があると認めるときは、当該市町村が実施する当該市町村の区域に係る国民の保護のための措置に関する総合調整を行うことができる。
市町村対策本部長は、特に必要があると認めるときは、都道府県対策本部長に対し、都道府県 並びに指定公共機関 及び指定地方公共機関が実施する国民の保護のための措置に関する総合調整を行うよう要請することができる。
この場合において、都道府県対策本部長は、必要があると認めるときは、所要の総合調整を行わなければならない。
市町村対策本部長は、特に必要があると認めるときは、都道府県対策本部長に対し、指定行政機関 及び指定公共機関が実施する国民の保護のための措置に関する第四項の規定による要請を行うよう求めることができる。
都道府県対策本部長 又は市町村対策本部長は、第一項 又は第五項の規定による総合調整を行うため必要があると認めるときは、対策本部長 又は都道府県対策本部長に対し、それぞれ当該都道府県 又は市町村の区域に係る国民の保護のための措置の実施に関し必要な情報の提供を求めることができる。
都道府県対策本部長 又は市町村対策本部長は、第一項 又は第五項の規定による総合調整を行うため必要があると認めるときは、当該総合調整の関係機関に対し、それぞれ当該都道府県 又は市町村の区域に係る国民の保護のための措置の実施の状況について報告 又は資料の提出を求めることができる。
都道府県対策本部長 又は市町村対策本部長は、都道府県対策本部長にあっては当該都道府県警察 及び当該都道府県の教育委員会に対し、市町村対策本部長にあっては当該市町村の教育委員会に対し、それぞれ当該都道府県 又は市町村の区域に係る国民の保護のための措置を実施するため必要な限度において、必要な措置を講ずるよう求めることができる。
都道府県知事等 又は市町村長等は、都道府県対策本部 又は市町村対策本部の設置の有無にかかわらず、この法律で定めるところにより、国民の保護のための措置を実施することができる。
第二十五条第四項において準用する同条第二項の規定による指定の解除の通知を受けた都道府県の知事 及び市町村の長は、遅滞なく、都道府県対策本部 及び市町村対策本部を廃止するものとする。
第二十七条から前条までに規定するもののほか、都道府県対策本部 又は市町村対策本部に関し必要な事項は、都道府県 又は市町村の条例で定める。