相続債権者 又は受遺者は、相続開始の時から三箇月以内に、相続人の財産の中から相続財産を分離することを家庭裁判所に請求することができる。
相続財産が相続人の固有財産と混合しない間は、その期間の満了後も、同様とする。
相続債権者 又は受遺者は、相続開始の時から三箇月以内に、相続人の財産の中から相続財産を分離することを家庭裁判所に請求することができる。
相続財産が相続人の固有財産と混合しない間は、その期間の満了後も、同様とする。
家庭裁判所が前項の請求によって財産分離を命じたときは、その請求をした者は、五日以内に、他の相続債権者 及び受遺者に対し、財産分離の命令があったこと 及び一定の期間内に配当加入の申出をすべき旨を公告しなければならない。
この場合において、その期間は、二箇月を下ることができない。
前項の規定による公告は、官報に掲載してする。
財産分離の請求をした者 及び前条第二項の規定により配当加入の申出をした者は、相続財産について、相続人の債権者に先立って弁済を受ける。
財産分離の請求があったときは、家庭裁判所は、相続財産の管理について必要な処分を命ずることができる。
第二十七条から第二十九条までの規定は、前項の規定により家庭裁判所が相続財産の管理人を選任した場合について準用する。
相続人は、単純承認をした後でも、財産分離の請求があったときは、以後、その固有財産におけるのと同一の注意をもって、相続財産の管理をしなければならない。
ただし、家庭裁判所が相続財産の管理人を選任したときは、この限りでない。
第六百四十五条から第六百四十七条まで 並びに第六百五十条第一項 及び第二項の規定は、前項の場合について準用する。
財産分離は、不動産については、その登記をしなければ、第三者に対抗することができない。
第三百四条の規定は、財産分離の場合について準用する。
相続人は、第九百四十一条第一項 及び第二項の期間の満了前には、相続債権者 及び受遺者に対して弁済を拒むことができる。
財産分離の請求があったときは、相続人は、第九百四十一条第二項の期間の満了後に、相続財産をもって、財産分離の請求 又は配当加入の申出をした相続債権者 及び受遺者に、それぞれその債権額の割合に応じて弁済をしなければならない。
ただし、優先権を有する債権者の権利を害することはできない。
第九百三十条から第九百三十四条までの規定は、前項の場合について準用する。
財産分離の請求をした者 及び配当加入の申出をした者は、相続財産をもって全部の弁済を受けることができなかった場合に限り、相続人の固有財産についてその権利を行使することができる。
この場合においては、相続人の債権者は、その者に先立って弁済を受けることができる。
相続人は、その固有財産をもって相続債権者 若しくは受遺者に弁済をし、又はこれに相当の担保を供して、財産分離の請求を防止し、又はその効力を消滅させることができる。
ただし、相続人の債権者が、これによって損害を受けるべきことを証明して、異議を述べたときは、この限りでない。
相続人が限定承認をすることができる間 又は相続財産が相続人の固有財産と混合しない間は、相続人の債権者は、家庭裁判所に対して財産分離の請求をすることができる。
第三百四条、第九百二十五条、第九百二十七条から第九百三十四条まで、第九百四十三条から第九百四十五条まで 及び第九百四十八条の規定は、前項の場合について準用する。
ただし、第九百二十七条の公告 及び催告は、財産分離の請求をした債権者がしなければならない。