民法

# 明治二十九年法律第八十九号 #

第六節 使用貸借

分類 法律
カテゴリ   民事
@ 施行日 : 令和六年五月二十四日 ( 2024年 5月24日 )
@ 最終更新 : 令和六年法律第三十三号による改正
最終編集日 : 2024年 10月25日 21時20分


1項

使用貸借は、当事者の一方がある物を引き渡すことを約し、相手方がその受け取った物について無償で使用 及び収益をして契約が終了したときに返還をすることを約することによって、その効力を生ずる。

1項

貸主は、借主が借用物を受け取るまで、契約の解除をすることができる。


ただし、書面による使用貸借については、この限りでない。

1項

借主は、契約 又はその目的物の性質によって定まった用法に従い、その物の使用 及び収益をしなければならない。

2項

借主は、貸主の承諾を得なければ、第三者に借用物の使用 又は収益をさせることができない。

3項

借主が前二項の規定に違反して使用 又は収益をしたときは、貸主は、契約の解除をすることができる。

1項

借主は、借用物の通常の必要費を負担する。

2項

第五百八十三条第二項の規定は、前項の通常の必要費以外の費用について準用する。

1項

第五百五十一条の規定は、使用貸借について準用する。

1項

当事者が使用貸借の期間を定めたときは、使用貸借は、その期間が満了することによって終了する。

2項

当事者使用貸借の期間を定めなかった場合において、使用 及び収益の目的を定めたときは、使用貸借は、借主がその目的に従い使用 及び収益を終えることによって終了する。

3項

使用貸借は、借主の死亡によって終了する。

1項

貸主は、前条第二項に規定する場合において、同項の目的に従い借主が使用 及び収益をするのに足りる期間を経過したときは、契約の解除をすることができる。

2項

当事者が使用貸借の期間 並びに使用 及び収益の目的を定めなかったときは、貸主は、いつでも契約の解除をすることができる。

3項

借主は、いつでも契約の解除をすることができる。

1項

借主は、借用物を受け取った後にこれに附属させた物がある場合において、使用貸借が終了したときは、その附属させた物を収去する義務を負う。


ただし、借用物から分離することができない物 又は分離するのに過分の費用を要する物については、この限りでない。

2項

借主は、借用物を受け取った後にこれに附属させた物を収去することができる。

3項

借主は、借用物を受け取った後にこれに生じた損傷がある場合において、使用貸借が終了したときは、その損傷を原状に復する義務を負う。


ただし、その損傷が借主の責めに帰することができない事由によるものであるときは、この限りでない。

1項

契約の本旨に反する使用 又は収益によって生じた損害の賠償 及び借主が支出した費用の償還は、貸主が返還を受けた時から一年以内請求しなければならない。

2項

前項の損害賠償の請求権については、貸主が返還を受けた時から一年を経過するまでの間は、時効は、完成しない。