水産資源保護法

# 昭和二十六年法律第三百十三号 #

第三節 保護水面

分類 法律
カテゴリ   水産業
@ 施行日 : 令和四年六月十七日 ( 2022年 6月17日 )
@ 最終更新 : 令和四年法律第六十八号による改正
最終編集日 : 2024年 11月23日 19時25分


1項

この法律において「保護水面」とは、水産動物が産卵し、稚魚が生育し、又は水産動植物の種苗が発生するのに適している水面であつて、その保護培養のために必要な措置を講ずべき水面として都道府県知事 又は農林水産大臣が指定する区域をいう。

1項

都道府県知事は、水産動植物の保護培養のため必要があると認めるときは、水産政策審議会の意見を聴いて農林水産大臣が定める基準に従つて、保護水面を指定することができる。

2項

都道府県知事は、前項の規定により保護水面の指定をしようとするときは、あらかじめ、農林水産大臣に協議し、その同意を得なければならない。

3項

都道府県知事は、第一項の規定により保護水面の指定をしようとするときは、指定をしようとする保護水面が漁業法第六十条第五項第二号に規定する海面に属する場合にあつては、当該保護水面につき定められた海区に設置した海区漁業調整委員会の意見を、指定をしようとする保護水面が内水面に属する場合にあつては、内水面漁場管理委員会(同法第百七十一条第一項ただし書の規定により内水面漁場管理委員会を置かない都道府県にあつては、同条第四項ただし書の規定により当該都道府県の知事が指定する海区漁業調整委員会)の意見を聴かなければならない。

4項

農林水産大臣は、水産動植物の保護培養のため特に必要があると認めるときは、第一項の規定にかかわらず同項に規定する基準に従つて、保護水面を指定することができる。

5項

農林水産大臣は、前項の規定により保護水面の指定をしようとするときは、指定をしようとする保護水面の属する水面を管轄する都道府県知事の意見を聴かなければならない。

6項

第三項の規定は、都道府県知事が前項の規定により農林水産大臣に意見を述べようとする場合に準用する。

7項

第一項 又は第四項の規定による保護水面の指定は、保護水面の区域の告示をもつてする。

1項

都道府県知事 又は農林水産大臣は、保護水面が前条第一項に規定する基準に適合しなくなつたときその他情勢の推移により必要が生じたときは、遅滞なく、その指定した保護水面の区域を変更し、又はその指定を解除するものとする。

2項

前条第二項第三項 及び第五項から第七項までの規定は、前項の規定による変更 又は解除について準用する。

1項

保護水面の管理は、当該保護水面を指定した都道府県知事 又は農林水産大臣が行う。

1項

都道府県知事 又は農林水産大臣は、第十八条第一項 又は第四項の規定により保護水面の指定をするときは、当該保護水面の管理計画を定めなければならない。

2項

前項の保護水面の管理計画においては、少なくとも次に掲げる事項を定めなければならない。

一 号

増殖すべき水産動植物の種類 並びにその増殖の方法 及び増殖施設の概要

二 号

採捕を制限し、又は禁止する水産動植物の種類 及びその制限 又は禁止の内容

三 号

制限し、又は禁止する漁具 又は漁船 及びその制限 又は禁止の内容

3項

都道府県知事は、その管理する保護水面の管理計画を定め、又は変更しようとするときは、前項各号に掲げる事項について、あらかじめ、農林水産大臣に協議し、その同意を得なければならない。

4項

第十八条第三項第五項 及び第六項の規定は、第一項の保護水面の管理計画を定め、又は変更しようとする場合に準用する。

5項

農林水産大臣は、水産動植物の保護培養のため特に必要があると認めるときは、都道府県知事に対し、その管理する保護水面の管理計画を変更すべきことを指示することができる。


この場合には、第十八条第五項 及び第六項の規定を準用する。

1項

保護水面の区域(河川、指定土地 又は港湾法(昭和二十五年法律第二百十八号)第二条第三項に規定する港湾区域、同法第五十六条第一項の規定により都道府県知事が公告した水域、排他的経済水域及び大陸棚の保全 及び利用の促進のための低潮線の保全及び拠点施設の整備等に関する法律平成二十二年法律第四十一号第九条第一項の規定により国土交通大臣が公告した水域 若しくは海洋再生可能エネルギー発電設備の整備に係る海域の利用の促進に関する法律(平成三十年法律第八十九号)第二条第五項に規定する海洋再生可能エネルギー発電設備整備促進区域(第五項において「港湾区域」と総称する。)に係る部分を除く)内において、埋立て 若しくはしゆんせつの工事 又は水路、河川の流量 若しくは水位の変更を来す工事をしようとする者は、政令の定めるところにより、当該保護水面を管理する都道府県知事 又は農林水産大臣の許可を受けなければならない。

2項

都道府県知事 又は農林水産大臣は、前項の許可を受けないでされた工事が当該保護水面の管理に著しく障害を及ぼすと認めるときは、当該工事の施行者に対し、当該工事を変更し、又は当該水面を原状に回復すべきことを命ずることができる。

3項

国土交通大臣、都道府県知事 又は市町村長は、河川 若しくは指定土地に関する第一項に掲げる工事をし、若しくはさせようとする場合 又はこれらの工事について河川法第二十三条から第二十七条まで 若しくは第二十九条の規定による許可 若しくは砂防法第四条の規定による制限に係る許可をしようとする場合において、当該工事が保護水面の区域内においてされるものであるときは、政令の定めるところにより、あらかじめ、当該保護水面を管理する都道府県知事 又は農林水産大臣に協議しなければならない。

4項

砂利採取法昭和四十三年法律第七十四号)第十六条第二号に規定する河川管理者は、同条の採取計画 又は変更後の採取計画に基づいて行う工事が第一項に規定する工事に該当し、かつ、保護水面の区域内においてされるものである場合において、当該採取計画 又は採取計画の変更について同条 又は同法第二十条第一項の規定による認可をしようとするときは、政令の定めるところにより、あらかじめ、当該保護水面を管理する都道府県知事 又は農林水産大臣に協議しなければならない。

5項

国土交通大臣 若しくは港湾管理者(港湾法第二条第一項に規定する港湾管理者をいう。以下同じ。)が港湾区域内における第一項に規定する工事をしようとする場合 又はこれらの工事について港湾管理者が同法第三十七条第一項の規定による許可をし、若しくは同条第三項の規定による協議に応じ、都道府県知事が同法第五十六条第一項の規定による許可をし、若しくは同条第三項の規定による協議に応じ、港湾管理者が同法第五十八条第二項の規定により公有水面埋立法(大正十年法律第五十七号)の規定による都道府県知事(地方自治法昭和二十二年法律第六十七号第二百五十二条の十九第一項指定都市の区域内にあつては、当該指定都市の長)の職権を行い、国土交通大臣が排他的経済水域及び大陸棚の保全及び利用の促進のための低潮線の保全及び拠点施設の整備等に関する法律第九条第一項の規定による許可をし、若しくは同条第五項の規定による協議に応じ、若しくは国土交通大臣が海洋再生可能エネルギー発電設備の整備に係る海域の利用の促進に関する法律第十条第一項の規定による許可をし、若しくは同条第三項の規定により読み替えられた同条第一項の規定による協議に応じようとする場合において、当該工事が保護水面の区域内においてされるものであるときは、国土交通大臣、港湾管理者 又は都道府県知事は、政令の定めるところにより、あらかじめ、当該保護水面を管理する都道府県知事 又は農林水産大臣に協議しなければならない。

6項

保護水面の区域内において水産動植物の保護培養のため特に必要があるときは、当該保護水面を管理する都道府県知事 又は農林水産大臣は、政令の定めるところにより、国土交通大臣、都道府県知事 又は港湾管理者に対し、当該区域内における第一項に掲げる工事 又はその工事により施設された工作物に関し必要な勧告をすることができる。