特定複合観光施設区域整備法

# 平成三十年法律第八十号 #
略称 : IR法  IR整備法 

第一節 区域整備計画の認定等

分類 法律
カテゴリ   観光
@ 施行日 : 令和六年四月一日 ( 2024年 4月1日 )
@ 最終更新 : 令和四年法律第九十七号
最終編集日 : 2024年 11月05日 12時31分


1項

国土交通大臣は、特定複合観光施設区域の整備のための基本的な方針(以下「基本方針」という。)を定めなければならない。

2項

基本方針には、次に掲げる事項を定めるものとする。

一 号

特定複合観光施設区域の整備の意義 及び目標に関する事項

二 号

特定複合観光施設区域の整備の推進に関する施策に関する基本的な事項

三 号

設置運営事業等(設置運営事業 又は、施設供用事業が行われる場合には設置運営事業 及び施設供用事業をいう。以下この章において同じ。)及び設置運営事業者等(設置運営事業者 又は、施設供用事業が行われる場合には設置運営事業者 及び施設供用事業者をいう。以下この節において同じ。)に関する基本的な事項

四 号

区域整備計画の認定に関する基本的な事項

五 号

前各号に掲げるもののほか、カジノ事業の収益を活用して地域の創意工夫 及び民間の活力を生かした特定複合観光施設区域の整備を推進することにより我が国において国際競争力の高い魅力ある滞在型観光を実現するための施策に関する基本的な事項

六 号

カジノ施設の設置 及び運営に伴う有害な影響の排除を適切に行うために必要な施策に関する基本的な事項

3項

国土交通大臣は、基本方針を定めようとするときは、関係行政機関の長に協議するとともに、特定複合観光施設区域整備推進本部の決定を経なければならない。

4項

国土交通大臣は、基本方針を定めたときは、遅滞なく、これを公表しなければならない。

5項

前二項の規定は、基本方針の変更について準用する。

1項

都道府県等(都道府県 又は指定都市(地方自治法昭和二十二年法律第六十七号第二百五十二条の十九第一項に規定する指定都市をいい、当該指定都市の区域に特定複合観光施設区域を整備しようとする区域の全部を包含するものに限る)をいう。以下この節において同じ。)は、特定複合観光施設区域を整備しようとするときは、第八条第一項の規定による選定に先立ち、基本方針に即して、当該特定複合観光施設区域の整備の実施に関する方針(以下この節において「実施方針」という。)を定めなければならない。

2項

実施方針には、次に掲げる事項を定めるものとする。

一 号

当該特定複合観光施設区域の整備の意義 及び目標に関する事項

二 号

当該特定複合観光施設区域を整備しようとする区域の位置及び規模に関する事項

三 号

当該特定複合観光施設を構成する施設の種類、機能 及び規模に関する事項 並びに設置運営事業等に関する事項

四 号

設置運営事業等を行おうとする民間事業者の募集及び選定に関する事項

五 号

設置運営事業等の円滑かつ確実な実施の確保に関する事項

六 号

カジノ事業の収益を活用して地域の創意工夫及び民間の活力を生かした当該特定複合観光施設区域の整備を推進することにより我が国において国際競争力の高い魅力ある滞在型観光を実現するための施策 及び措置に関する事項

七 号

カジノ施設の設置 及び運営に伴う 有害な影響の排除を適切に行うために必要な施策 及び措置に関する事項

3項

前項第五号から第七号までに掲げる事項には、都道府県等が実施する施策 及び措置に係るもの(特定複合観光施設区域を整備しようとする区域を管轄する都道府県公安委員会(以下この章において「公安委員会」という。)が実施する施策 及び措置に係るものを含む。)を記載するほか、必要に応じ、立地市町村等(当該都道府県等が都道府県であるときは当該特定複合観光施設区域を整備しようとする区域をその区域に含む市町村 及び特別区を、当該都道府県等が指定都市であるときは当該特定複合観光施設区域を整備しようとする区域をその区域に含む都道府県をいう。以下この章において同じ。)が実施する施策 及び措置に係るもの(公安委員会が実施する施策 及び措置に係るものを除く)を記載することができる。

4項

都道府県等は、実施方針を定めようとするときは、第十二条第一項に規定する協議会が組織されている場合には当該協議会における協議を、同項に規定する協議会が組織されていない場合には立地市町村等 及び公安委員会との協議をしなければならない。

5項

都道府県等は、実施方針に定める次の各号に掲げる事項については、あらかじめ当該各号に定める者の同意を得なければならない。


この場合において、第二号に定める者の同意については、地方自治法第九十六条第二項の規定の適用を妨げない。

一 号

公安委員会が実施する施策 及び措置に係る事項

公安委員会

二 号

立地市町村等が実施する施策 及び措置に係る事項(前号に掲げるものを除く

立地市町村等

6項

都道府県等は、実施方針を定めたときは、遅滞なく、これを公表しなければならない。

7項

前三項の規定は、実施方針の変更について準用する。

1項

設置運営事業等を行おうとする民間事業者(当該民間事業者がまだ設立されていないときは、発起人 その他の当該民間事業者を設立しようとする者。次項において同じ。)は、都道府県等に対し、実施方針を定めることを提案することができる。


この場合において、当該民間事業者は、特定複合観光施設区域を整備しようとする区域の位置 及び規模、特定複合観光施設を構成する施設の種類、機能 及び規模 並びに当該設置運営事業等の概要 及びその実施により見込まれる経済的社会的効果に関する事項を記載した書類 その他国土交通省令で定める書類を添付しなければならない。

2項

前項の都道府県等は、同項の規定による提案を踏まえた実施方針を定める必要がないと認めるときは、その旨 及びその理由を当該提案をした民間事業者に通知しなければならない。

1項

都道府県等は、実施方針に即して、次条第一項の規定により同項に規定する区域整備計画を共同して作成し国土交通大臣の認定を申請する民間事業者を公募の方法により選定するものとする。

2項

都道府県等は、前項の規定による選定をしようとするときは、第十二条第一項に規定する協議会が組織されている場合には当該協議会における協議を、同項に規定する協議会が組織されていない場合には立地市町村等 及び公安委員会との協議をしなければならない。

1項

都道府県等は、設置運営事業等を行おうとする民間事業者と共同して、基本方針 及び実施方針に即して、特定複合観光施設区域の整備に関する計画(以下「区域整備計画」という。)を作成し、国土交通大臣の認定を申請することができる。


この場合において、当該民間事業者がまだ設立されていないときは、発起人 その他の当該民間事業者を設立しようとする者と区域整備計画を共同して作成し国土交通大臣の認定を申請するものとする。

2項

区域整備計画には、国土交通省令で定めるところにより、次に掲げる事項を定めるものとする。

一 号

区域整備計画の意義 及び目標に関する事項

二 号

特定複合観光施設区域を整備しようとする区域の位置 及び規模に関する事項

三 号

設置運営事業者等の名称 及び住所 並びに代表者の氏名

四 号

特定複合観光施設を構成する施設の種類、機能 及び規模に関する事項 並びに設置運営事業等 及び設置運営事業者等に関する事項 その他の設置運営事業等の基本となる事項に関する計画(以下この章において「事業基本計画」という。

五 号

前各号に掲げるもののほか、特定複合観光施設区域の整備の推進に関する施策 及び措置に関する事項

六 号

前各号に掲げるもののほか、カジノ事業の収益を活用して地域の創意工夫及び民間の活力を生かした特定複合観光施設区域の整備を推進することにより我が国において国際競争力の高い魅力ある滞在型観光を実現するための施策及び措置に関する事項

七 号

カジノ施設の設置及び運営に伴う 有害な影響の排除を適切に行うために必要な施策 及び措置に関する事項

八 号

区域整備計画の実施により見込まれる経済的社会的効果に関する事項

九 号

第百七十九条第一項に規定する認定都道府県等入場料納入金の使途に関する事項

十 号

第百九十三条第一項に規定する認定都道府県等納付金の使途(当該認定都道府県等納付金を立地市町村等 その他の関係地方公共団体に交付する場合には、その条件を含む。)に関する事項

3項

前項第五号から第七号までに掲げる事項には、都道府県等が実施する施策 及び措置に係るもの(公安委員会が実施する施策 及び措置に係るものを含む。)を記載するほか、必要に応じ、立地市町村等が実施する施策 及び措置に係るもの(公安委員会が実施する施策 及び措置に係るものを除く)を記載することができる。

4項

事業基本計画は、設置運営事業等を行おうとする民間事業者が作成する案に基づいて作成するものとする。

5項

都道府県等は、区域整備計画を作成しようとするときは、第十二条第一項に規定する協議会が組織されている場合には当該協議会における協議を、


同項に規定する協議会が組織されていない場合には立地市町村等 及び公安委員会との協議をしなければならない。

6項

都道府県等は、区域整備計画に定める次の各号に掲げる事項については、あらかじめ当該各号に定める者の同意を得なければならない。---この場合において、第二号に定める者の同意については、地方自治法第九十六条第二項の規定の適用を妨げない。

一 号

公安委員会が実施する施策 及び措置に係る事項

公安委員会

二 号

立地市町村等が実施する施策 及び措置に係る事項(前号に掲げるものを除く

立地市町村等

7項

都道府県等は、区域整備計画を作成しようとするときは、公聴会の開催その他の住民の意見を反映させるために必要な措置を講じなければならない。

8項

都道府県等は、第一項の規定による申請をしようとするときは、その議会の議決を経なければならない。

9項

前項の場合において、当該都道府県等が都道府県であるときは、当該都道府県は、あらかじめ、当該特定複合観光施設区域を整備しようとする区域をその区域に含む市町村 及び特別区の同意を得なければならない。


この場合において、当該同意については、地方自治法第九十六条第二項の規定の適用を妨げない。

10項

第一項の規定による申請は、基本方針の公表後の政令で定める期間内にしなければならない。

11項

国土交通大臣は、第一項の規定による申請があった場合において、その区域整備計画が次に掲げる基準に適合すると認めるときは、その認定をすることができる。

一 号

基本方針に適合するものであること。

二 号

国内外の主要都市との交通の利便性その他の経済的社会的条件からみて、特定複合観光施設区域の整備を推進することが適切と認められる地域であること。

三 号

事業基本計画が次に掲げる基準に適合するものであること。

カジノ事業の収益が設置運営事業の実施に活用されることにより、設置運営事業が一の設置運営事業者により一体的かつ継続的に行われると 認められるものであること。

施設供用事業が行われる場合には、設置運営事業等が設置運営事業者と施設供用事業者との適切な責任分担及び相互の緊密な連携により行われると認められるものであること。

設置運営事業者等が会社法に規定する会社であって、専ら設置運営事業(施設供用事業者にあっては、施設供用事業)を行うものとされていること。

設置運営事業者が特定複合観光施設を所有するものとされていること(施設供用事業が行われる場合には、施設供用事業者が所有する特定複合観光施設を設置運営事業者が使用するものとされていること。)。

設置運営事業者等がカジノ施設の設置 及び運営に伴う 有害な影響の排除を適切に行うために必要な措置を講ずると 認められるものであること。

イからホまでに掲げるもののほか、設置運営事業等が円滑かつ確実に行われると 見込まれること。

四 号

前三号に掲げるもののほか、特定複合観光施設区域の整備の推進に関する施策 及び措置が適切に実施されると 認められるものであること。

五 号

国際競争力の高い魅力ある滞在型観光の実現を図ることにより、観光 及び地域経済の振興に寄与すると 認められるものであること。

六 号

カジノ施設の設置 及び運営に伴う 有害な影響の排除を適切に行うために必要な施策 及び措置が実施されると 認められるものであること。

七 号

その認定をすることによって、認定区域整備計画の数がを超えることとならないこと。

12項

国土交通大臣は、前項の認定をしようとするときは、関係行政機関の長に協議し、これらの同意を得るとともに、特定複合観光施設区域整備推進本部の意見を聴かなければならない。

13項

国土交通大臣は、特定複合観光施設区域の適正な整備を確保するため必要があると認めるときは、第十一項の認定に条件を付し、及びこれを変更することができる。

14項

国土交通大臣は、第十一項の認定をしたときは、遅滞なく、その旨 及びその内容を公示しなければならない。


前項の規定により新たに条件を付し、又は変更したときも、同様とする。

1項

区域整備計画の認定の有効期間は、前条第十一項の認定の日から起算して十年とする。

2項

区域整備計画の認定を受けた都道府県等(以下「認定都道府県等」という。)は、区域整備計画の認定を受けた設置運営事業者等(以下「認定設置運営事業者等」という。)と共同して、区域整備計画の認定の更新を受けることができる。

3項

前項の更新を受けようとする認定都道府県等は、認定設置運営事業者等と共同して、区域整備計画の認定の有効期間の満了の日の六月前から三月前までの期間内に、国土交通大臣に申請をしなければならない。


ただし、災害 その他やむを得ない事由により当該期間内に当該申請をすることができないときは、国土交通大臣が当該事由を勘案して定める期間内に申請をしなければならない。

4項

前条第五項から第九項まで 及び第十一項から第十四項までの規定は、第二項の更新について準用する。

5項

第三項の申請があった場合において、区域整備計画の認定の有効期間の満了の日までに当該申請に対する処分がされないときは、従前の区域整備計画の認定は、その有効期間の満了後も当該処分がされるまでの間は、なお効力を有する。

6項

第二項の更新がされたときは、区域整備計画の認定の有効期間は、従前の区域整備計画の認定の有効期間の満了の日の翌日から起算して五年とする。

1項

認定都道府県等は、設置運営事業 又は施設供用事業の内容の変更 又は譲渡、認定設置運営事業者 又は認定施設供用事業者の合併 又は分割 その他の事由により認定区域整備計画の変更(国土交通省令で定める軽微な変更を除く)をしようとするときは、国土交通省令で定めるところにより、認定設置運営事業者等(設置運営事業 又は施設供用事業の譲渡により認定区域整備計画の変更をしようとするときは、当該事業を譲り受けようとする者を含む。)と共同して、国土交通大臣の認定を受けなければならない。

2項

認定都道府県等は、前項の国土交通省令で定める軽微な変更をしたときは、認定設置運営事業者等と共同して、国土交通省令で定めるところにより、遅滞なく、その旨を国土交通大臣に届け出なければならない。


この場合において、認定都道府県等は、国土交通省令で定める書類を添付しなければならない。

3項

第九条第五項から第九項までの規定は認定都道府県等が認定区域整備計画を変更しようとする場合について、


同条第十一項から第十四項までの規定は認定区域整備計画の変更の認定について、それぞれ準用する。

4項

第一項の規定による変更の認定を受けた認定区域整備計画に基づく設置運営事業 若しくは施設供用事業の譲渡 又は認定設置運営事業者 若しくは認定施設供用事業者たる会社の合併 若しくは分割があったときは、設置運営事業 若しくは施設供用事業を譲り受けた会社、合併後存続する会社、合併により設立された会社 又は分割により設置運営事業 若しくは施設供用事業を承継した会社は、認定設置運営事業者 又は認定施設供用事業者の地位を承継する。

1項

都道府県等は、実施方針の策定 及び変更、設置運営事業等を行おうとする民間事業者の選定、区域整備計画の作成 及び認定区域整備計画の変更 並びに第三十七条第二項の規定による認定区域整備計画の実施の状況の報告 その他必要な事項について協議するための協議会(以下この章において「協議会」という。)を組織することができる。

2項

協議会は、次に掲げる者をもって構成する。

一 号
都道府県等の長
二 号
立地市町村等の長
三 号
公安委員会
四 号

都道府県等の住民、学識経験者、関係行政機関 その他の都道府県等が必要と認める者

3項

協議会に議長を置き、前項第一号に掲げる者をもって充てる。

4項

都道府県等は、第八条第一項の規定により設置運営事業等を行おうとする民間事業者を選定したときは、当該民間事業者を協議会の構成員として加えるものとする。

5項

協議会の構成員は、当該協議会において協議が調った事項については、当該協議の結果を尊重しなければならない。

6項

国土交通大臣は、協議会の議長の求めに応じて、必要な助言をすることができる。

7項

前各項に定めるもののほか、協議会の運営に関し 必要な事項は、協議会が定める。

1項

認定都道府県等 及び認定設置運営事業者等は、第九条第十一項の認定の後速やかに、次に掲げる事項をその内容に含む協定(以下この章において「実施協定」という。)を締結しなければならない。


設置運営事業 若しくは施設供用事業の譲渡 又は認定設置運営事業者 若しくは認定施設供用事業者たる会社の合併 若しくは分割により第十一条第一項の規定による変更の認定を受けたときも、同様とする。

一 号

設置運営事業等の具体的な実施体制及び実施方法に関する事項(施設供用事業が行われる場合には、施設の管理 その他の事項に係る認定設置運営事業者と認定施設供用事業者との間の責任分担 及び相互の連携に関する事項を含む。

二 号

設置運営事業等の継続が困難となった場合における措置に関する事項

三 号

特定複合観光施設区域の整備の推進に関する施策その他の国際競争力の高い魅力ある滞在型観光を実現するための施策及び措置に関する事項

四 号

カジノ施設の設置 及び運営に伴う有害な影響の排除を適切に行うために必要な施策及び措置に関する事項

五 号

実施協定に違反した場合における措置に関する事項

六 号
実施協定の有効期間
七 号
前各号に掲げるもののほか、認定区域整備計画の適正な実施のために必要な事項として国土交通省令で定めるもの
2項

認定都道府県等 及び認定設置運営事業者等は、実施協定を締結しようとするときは、国土交通大臣の認可を受けなければならない。


これを変更しようとするときも、同様とする。

3項

認定都道府県等 及び認定設置運営事業者等は、前項の認可を受けようとするときは、国土交通省令で定める書類を添付しなければならない。

4項

国土交通大臣は、第二項の認可をしようとするときは、関係行政機関の長に協議し、これらの同意を得なければならない。

5項

認定都道府県等は、実施協定を締結したときは、国土交通省令で定めるところにより、遅滞なく、当該実施協定の概要を公表するものとする。


これを変更したときも、同様とする。

1項

認定都道府県等は、認定区域整備計画の適正な実施 及び前条第二項の認可を受けた実施協定の確実な履行のため、認定設置運営事業者等に対して、その業務 若しくは経理の状況に関し報告を求め、実地について調査し、又は必要な指示をすることができる。