法第三十六条第一項(法第四十二条において準用する場合を含む。以下同じ。)の規定による調査は、次条各号に掲げる事項について行うものとする。
犯罪をした者及び非行のある少年に対する社会内における処遇に関する規則
第三款 審理
地方委員会は、法第三十六条第一項の規定による調査においては、その対象となる者に対し、釈放後の生活の計画 その他の仮釈放等の審理を開始するか否かを判断するために必要な事項を記載した書面の提出を求めることができる。
仮釈放等を許すか否かに関する審理は、次に掲げる事項を調査して行うものとする。
犯罪 又は非行の内容、動機 及び原因 並びにこれらについての審理対象者の認識 及び心情
審理対象者の性格、経歴、心身の状況、家庭環境 及び交友関係
矯正施設における処遇の経過 及び審理対象者の生活態度
その他審理のために必要な事項
地方委員会の委員は、仮釈放等を許すか否かに関する審理において、審理対象者と面接するに当たっては、審理対象者の陳述の内容、態度等から、第二十八条、第二十九条 又は法第四十一条(第三十条に定めるものを含む。)に定める基準に該当するか否かを判断するために必要な事項を把握し、的確な心証を得ることに努めるものとする。
地方委員会の委員は、前条の面接に当たり必要があると認めるときは、次に掲げる者の立会いを求め、その意見を聴くものとする。
精神医学、心理学等の専門的知識を有する者
前項第二号に掲げる者は、同項の立会いに関して知り得た秘密を漏らしてはならない。
法第三十七条第一項ただし書(法第四十二条において準用する場合を含む。)の法務省令で定める場合は、次に掲げる場合とする。
第三十二条第一項第三号 又は第四号に掲げる事由により審理を終結することとするとき。
矯正施設の長が第十六条の規定により仮釈放等を許すべき旨の申出を取り下げた場合において、当該申出に係る処分をしないこととするとき。
審理を担当する合議体の構成員である委員が、既に終結している審理対象者に係る審理において、当該審理対象者との面接を行った場合において、当該面接の日から四月を経過していないとき。
審理を担当する合議体の構成員である委員が、審理対象者に係る法第三十六条第一項の規定による調査において、当該審理対象者との面接を既に行っているとき。
審理対象者が刑事収容施設及び被収容者等の処遇に関する法律第八十八条第二項の規定により開放的施設における処遇を受けている場合であって、当該審理対象者について仮釈放を許す旨の決定をするとき。
保護処分の執行のため少年院に収容されている審理対象者について、個人別矯正教育計画における矯正教育の期間が二年以内の場合であって、当該審理対象者について少年院からの仮退院を許す旨の決定をするとき。
ただし、当該審理対象者について少年院法第十六条に規定する処遇の段階が最高段階に達していないとき 又は事案の性質 若しくは当該審理対象者の性格、経歴等に照らし、面接の省略が相当でないと認めるときは、この限りでない。
審理対象者が釈放された場合に出入国管理及び難民認定法(昭和二十六年政令第三百十九号)第二十四条各号に掲げる者として本邦からの退去を強制される見込みがある場合であって、当該審理対象者について仮釈放等を許す旨の決定をするとき。
災害の発生、感染症のまん延 その他のやむを得ない事由により面接を行うことが困難であると認められる場合であって、地方委員会が、第二十八条 又は法第四十一条(第三十条に定めるものを含む。)に定める基準に該当するか否かを判断するために必要な事項を把握することができたとき。
第十条の規定は、仮釈放等を許すか否かに関する審理について準用する。
この場合において、
同条第一項第一号中
「当該矯正施設(刑事施設(当該刑事施設に附置された労役場を含む。)及び少年院をいう。以下同じ。)の職員以外の協力者」とあるのは
「協力者」と、
同項第二号中
「当該矯正施設の職員以外の精神医学」とあるのは
「精神医学」と
読み替えるものとする。
仮釈放等を許すか否かに関する審理の対象とされている者が他の矯正施設に移送されたときは、当該矯正施設の所在地を管轄する地方委員会が引き続き審理を行うものとする。